m-flo VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

m-flo『KYO』

無敵のトライポッド再降臨!m-flo、3者揃っての17年ぶりのニューアルバムが到着!!

今年メジャーデビュー20周年を迎えたm-flo。2017年には実に15年ぶりにLISA・VERBAL・☆Takuのオリジナルメンバーで完全復活し、以後、楽曲発表やフェス等にも出演し、無敵のトライポッドを再度アピールしたのも記憶に新しい。あれから2年。いよいよ、この3人によるニューアルバム『KYO』がリリースされる。この20年間、常にインディビデュアルに邁進、作品ごとにアメイジングな世界を楽しまれてくれた彼らだったが、再度このトライポッド体制になり、その分それは更に強靭。旧知の中だからこそ生まれるエキサイトスポットが満載の1枚となっている。今日、響、京、共、協、そして教…。曲毎に様々な「KYO」が浮かんでくる今作。さて、今作の各曲を通し、あなたにはどのような「KYO」が浮かぶのだろう。

■私自身、この3人でのm-floの取材をするのは実に17年ぶりなんです。(私が昔取材した記事を見ながら)

LISA これはヤバい!

☆Taku うわっ!!貴重だ。懐かしい。よく保管されていましたね。

VERBAL 懐かし過ぎる。でも、写真を見ているだけでも過去のいろいろなことを想い出しますね。写真も懐かしい。

LISA でも、今振り返ってもウチらはカッコよかったね。VERBALは昔からいい意味でなんかおかしかったし。でも、この頃のVERBALのプロフィールでの血液型、当時はどれも「O型」って書いてあったけど、後に調べてもらったら実際はB型だったんでしょ?(笑)

VERBAL そうそう。みんなから「お前はたぶんO型だ!!」って言われていて。自分でもこの性格はてっきりそうだと思い込んでいたけど、意外にも実際はB型だったという。(笑)

■でも、こう振り返ってみても、同じ号に掲載されているアーティストさんも、今まで続けてこられている方なんて数えるほどですよ。そんな中、デビュー20周年を迎えられるし、続けていられるのはやはりすごいです!!

LISA タイムカプセルみたいでいいよね。過去のこういった記事って。今度うちらも未来に向けて何か埋めようよ。それで30周年辺りでそれを堀り起こして、中身を見て、各人答え合わせをしていくってどう?

VERBAL 分かる!「ああ、あの時は今の(未来の)自分に対して、こんな夢を託していたんだ!!」って答え合わせ。それすごくロマンティックだし、当の本人も感激するよね、きっと。

☆Taku この頃は20年後なんて想像もつかなかったし、やってるかどうかさえも分からなかったから。いや、そんなことすら考えられなかったか、忙し過ぎて。

VERBAL あの時があのまんまずっと続いている感じだもんね、今も。でも、☆Takuはあったよね、あの頃から。「俺は死ぬまでミュージシャンをやり続ける!!」って言ってた。でも若気の至りってすごく大事だったんだなって。当時はあまりいろいろなことを知らないから、逆に無邪気に作れた曲や活動や行動も出来ていた部分は多々あったかも。

☆Taku この1stアルバムの際の制作の頃は想い出しますね。「勢いがあるうちに早めにアルバムを出そう!!」って話に急遽なって。もう、作りながら録る。しかもスタジオを2つ並行させて制作していましたから。しかもダメもとでアメリカでのミックスダウンをリクエストしたら、それも実現したり。対して、『EXPO EXPO』(2ndアルバム)のタイミングでは、「余裕を持って制作期間を持った方がやはり良い作品が出来る」的な話になり、結果、制作期間をキチンと長くもらったんです。それにも関わらず僕らギリギリまで全く制作に入らなくて。(笑) 結局、締め切りギリギリまで制作がかかっちゃったという。そこでもう一度、「やはりm-floには長い制作時間をあげるのは良くない」ってなっちゃった。(笑)

VERBAL 『EXPO EXPO』の時は、TakuもLISAも横浜に住んでいたんで、コンセンサスが良くてパッと作業できるように、自分も合わせて横浜に引っ越したんだよね。1年くらい横浜に住んだのかな…。だけど全然作業が進まなくて。(笑)

■そこから今や逆にマイペースで制作に入れている印象があります。「時期が来たら出す」みたいな制作スタンスと言うか…。

☆Taku でも、今回の『KYO』に関してはもっと早く完成させたかった面はあります。LISAが戻ってきて3人揃ったんで、せっかくだったらこの3人での始動であまり間を置かず出したかった。

■でも結果、間を空けたことで逆にいろいろなトピックが生まれた部分もあったんじゃないですか?ちなみに、その期間が空いたのにはどのような理由が?

☆Taku 自分たちのトンマナを再確認するのに意外と時間がかかっちゃって。

■その☆Takuさんのイメージするm-floのトンマナってどんな箇所なんでしょう?

☆Taku それ、VERBALが以前にすごくいいことを言っていたんですよ。「m-floは常に、<なんじゃこりゃ!?感>が必要だよね」って。それが生まれる楽曲、楽曲で、「足りないな…」「こんなんじゃ全然ダメだ!」の繰り返しで。「m-floはやはり、<自分たちが新しいm-floだ!!>と自身で自覚できるものを出さないとm-floじゃない」って。ただ単にm-floらしさが出ているだけじゃダメだったんです。この3人が揃った直後に出来る曲に関しては、けっこう後者の曲が続いて。

LISA そうそう。最初はお互いエキサイトするスポットがそれぞれズレていて、そこを一致させるのに2年かかった感じなんです。3人のうちひとりが「イイじゃん」ってなっても、他の2人が「良くない」と感じたり、ピンと来なかったりと、それが連続してあって。やはりこの3人が、「これだよ、これこれ!!」ってものが出来るまでは出したくなかったですから。特にこの3人が再び揃っての一発目だったので、変な妥協や自分に納得のいかないものは出したくなかった。だけど一つでも、3人共が「これだよ、これこれ!!」って曲が出来てからは、次からの曲も比較的早く完成していったよね。

■私はてっきりこの3人が揃ったんだし、お客さんも望んでいたであろう往年のm-flo然とした楽曲で来ると予想していました。

☆Taku いや、今回に関してはそれが今のm-floにとって最もやってはいけない部分だったんです。ちょっと語弊があると困るんで慎重に言うと、お客さんと一緒に歳をとるのは全然OKなんですけど、一緒に老いたくはないんです。一緒に育っていき続けたい、成長していきたい、みたいな。もちろん同じフォーマットを裏切らずに踏襲していくことに美学を持っているアーティストさんも沢山いるし、素敵だとは思います。ただ、自分たちはそれとは違っていて。僕らは常に実験をして、常に変わっていく。新しいものを取り入れていく。それがm-floだと自負しています。