BAND-MAID VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

BAND-MAID『UnseenWorld』

小鳩ミク(Vo&Gt)、SAIKI(Vo)、KANAMI(Gt)、MISA(Ba)、AKANE(Dr)

限界突破!コロナ禍ゆえの進化を遂げた『Unseen World』の制作を5人が振り返る

昨年はアメリカ、ヨーロッパ、アジア各地で予定していた海外ツアーが全公演中止となり、新型コロナウイルス感染拡大による影響もひときわ大きかったBAND-MAIDだったが、楽曲制作という面においては大きな進化のきっかけになったようだ。1月20日にリリースされるアルバム『Unseen World』は、彼女たちが言う「成長するための時間」がなければ実現できなかったチャレンジがいくつも詰め込まれ、文字通りBAND-MAIDの「まだ見ぬ世界」を堪能できる作品となっている。ステイホーム中もビデオ通話で常につながっていたという小鳩ミク、SAIKI、KANAMI、MISA、AKANEの仲良しすぎる5人に、アスリートを思わせるほどストイックだった制作を振り返ってもらった。

■常にライブをしてきたBAND-MAIDにとって、コロナの影響は甚大だったと思うんですけど、2020年はいかがでしたか?

小鳩 休むことなく忙しい1年でしたっぽ。5月10日の「メイドの日」にトーク配信をしてから、7月、8月、12月と配信お給仕(ライブ)を3回やって、その間にも制作をしたり、自分たちの練習方法を見直したり。ツアーで家にいない時間が年々増えていたので、それぞれの強化というか、成長するための時間に使っていたら、あっという間に1年が終わっていたという感じですっぽ。

■ライブがなくなってできた時間を有意義に使えたみたいですね。

小鳩 そうですっぽね。だから、今回のアルバムは1曲1曲に時間をしっかりかけて作ることができましたっぽ。

■アルバムは前作から1年ちょっとでのリリースですけど、コロナの影響もなく予定通りのスケジュールだったんですか?

小鳩 今回も前回も、アルバムを作ろうっていうのが先にあったわけではなかったんですっぽ。日々「こういう楽曲を作りたいっぽね」っていうのをやっていく中で、曲が貯まってきて、そろそろアルバムにしましょうっていう感じでしたっぽ。

■そうだったんですね。アルバムのタイトルは、なんで『Unseen World』になったんですか?

小鳩 前回が『CONQUEROR』(征服者)、前々回が『WORLD DOMINATION』(世界征服)で、強い!強い!みたいな感じだったので、それに負けないインパクトのあるタイトルにしたかったんですっぽ。その上で、この先自分たちがどこに向かいたいか表現したいねってなった時に、まだ見えない未来に走っていく、連れていくという意味合いを込めたタイトルがいいんじゃないかという話になって、「小鳩、考えるっぽ」と言って案を出した中から、『Unseen World』になりましたっぽ。

■ちなみに「Unseen」は「安心」とのダブルミーニングなんですか?

小鳩 そっちは全然考えてなかったですっぽ。(笑)

SAIKI 発表した時に同じことを言っているご主人様・お嬢様(ファンの呼び方)も見かけましたけど、「まぁ、思うのは勝手なので」という感じです。(笑)

小鳩 内容的には激しい曲ばっかりなので、全然安心ではないですっぽ。なんなら“Warning!”という曲もありますっぽ。

■むしろ危険ですね。(笑) いつもKANAMIさんが基礎を作って、小鳩さんが作詞して、みんなで仕上げていく感じで制作していたと思うんですけど、今回も変わらずですか?

小鳩 制作の方法はいつも通りでしたっぽ。ただ「こういう曲を作って欲しい」とかKANAMIへのリクエストは、いつもより多かったですっぽ。

KANAMI 各個人と連絡を取り合って、「どういうのが欲しいの?」とか、今までもあったんですけど、ここまで時間をかけられたのは初めてで。そのおかげで、デモの段階からクオリティ高いものができたし、練習にも時間をかけられました。

■そういうリクエストがあった方が、曲は作りやすいですか?

KANAMI うーん、逆に大変なものもあるし……。

小鳩 一概には言えないみたいですっぽ。(笑)

KANAMI でも、テーマがあるとアイディアは浮かびやすいです。たとえば“Warning!”だったら、お給仕で使っているSEの最初の「キラキラ〜ン」みたいなやつを入れて、そこからギャップでグッとなる楽曲と言われて、「なるほど!」となったので。そういうアイディアをもらえると、結構ありがたいです。

■“Warning!”は、コロナ禍を歌った曲なのかなと思ったんですけど、そういう意図はあったんですか?

小鳩 それ別のインタビューでも言われましたっぽ。(笑) コロナは意識していなかったんですけど、曲調から危険が迫って走り抜けたり、危険を乗り越えたりするイメージが湧いたので、歌詞もそういう感じで書きましたっぽ。でも、聴いてくれた人が世界の現状とかに当てはめてくれるなら、それはそれでいいことだなと思いますっぽ。

■SAIKIさんは小鳩さんの意図とは関係なく歌詞を解釈すると前に言っていたと思うんですけど、“Warning!”はどう受け止めたんですか?

SAIKI 私がSEみたいな曲を作って欲しいと言ってできた曲なんですけど、曲のことがメインだったので、あんまり歌詞は意識していなくて。キーとかメロとか好きで、歌いやすいなーって。

小鳩 リズムも重視して、歌いやすいように歌詞を書きましたっぽ。

■歌詞に「緊急事態」とか「最低な日々だ」とか出てくるので、どうしても意識しちゃうんです。

SAIKI 作っていた時期がコロナ禍だったので、自分の鬱憤をぶつけたのはあります。

小鳩 レコーディングは11月だったんですけど、そういう危機感みたいなものも入っていたかもしれないですっぽ。勢いがあったっぽ。

■ちなみにコロナで鬱になったりはしませんでしたか?

SAKI KANAMIちょっと病んでたよね。

KANAMI 今までは制作やライブで追い込まれても、メンバーに会ったらなんか元気になっていたんです。だけど外に出られなくなって、ひたすら一人で曲を作っているうちにちょっとヤバくなって。だから、メンバーのポジティブさにいつも支えられていたんだなって、改めて思いました。

小鳩 制作していたら病んじゃうっぽね。小鳩もずっと歌詞を書いていると、「うーん……」ってなってくるんですけど、メンバーLINEを見ると、だいたい誰かが起きているんですっぽ。今まで365日中300日はメンバーと会っていたので、急に会えなくなってみんな寂しいのは一緒だったみたいで。基本誰かはLINEのビデオ通話でつながっていたので、しょっちゅうメンバーとは会話していましたっぽ。

■5人で通話するんですか?

小鳩 定期的に5人でオンラインミーティングはやっていたんですっぽ。それプラス、ミーティングが終わったあともビデオ通話でつながっていて。

SAIKI ずっと話しているわけじゃなくて、つないだまま他の人の生活音が聞こえることに癒されてたんです。(笑)

AKANE 制作してる人、洗い物してる人、部屋の掃除してる人、みんなバラバラだけど常につながっていました。

■めちゃくちゃ仲良しじゃないですか。(笑)

小鳩 本当に仲が良くてよかったですっぽ。(笑) 小鳩とKANAMIは制作でパソコンを使うことも多いので、ずっとはつないでいられないんですけど、たまに寂しくなってピッて入ると、「お、小鳩入ってきた」とか言われて。KANAMIとはよく電話していたっぽね。

KANAMI 助けていただきました。

小鳩 「KANAMIちゃ〜ん、大丈夫っぽ?」って電話していました。

■もはやバーチャル同棲ですよね。

SAIKI バーチャル同棲していましたね。

MISA この3人(SAIKI、AKANE、MISA)はずっと。

SAIKI 買い物とかもネットで済ませて、本当に外に出ないように努力していたので。ご飯も一緒に食べたし、お風呂も一緒に入ったし。(笑)

AKANE 寝る以外は一緒だったかも。

SAIKI 寝るのも見守ってくれたよね。今までと活動量が違うから、寝れなくなった時期もあって、「あーちゃん(AKANE)なんでもいいからずっと話していて」みたいな。(笑)

AKANE それで寝るのを見届けてから切るっていう。

小鳩 遠距離恋愛のカップルみたいなことしているっぽ。(笑)

■離れてみて大切さに気づく的な感じですね。(笑) 曲の話に戻しますけど、2枚組に分けられている完全生産限定盤では、“Manners”だけ「原点回帰盤」と「現点進化盤」の両方に入っていて、同じ音源なんですか?

小鳩 両方一緒ですっぽ。

SAIKI だんだん曲が揃ってきて、原点回帰と現点進化でテーマ分けにしようという話になったんですけど、初回生産限定盤と通常盤で1枚にする時に、間に持ってこれる曲が欲しいということで、最後に“Manners”を作ったんです。

小鳩 原点回帰と現点進化の架け橋の1曲、どっちの意味にも受け取れる楽曲になっていますっぽ。

■かなり前向きな歌詞で、BAND-MAIDのテーマソングみたいな感じもします。

小鳩 まさに今のBAND-MAIDをテーマに書きましたっぽ。歌詞に『Unseen World』という言葉も入れているんですけど、今の自分たちというか、『Unseen World』を出す自分たちの歌詞として、BAND-MAIDを意識して書きましたっぽ。

■SAIKIさんの「イエイイエイイエイ!」と叫ぶところも印象的で……。

小鳩 そこは小鳩なんですっぽ!他のインタビュアーの方も騙されていましたっぽ!(笑)

■そうだったんですね!失礼しました!

小鳩 ちなみに今回、そういう系は全部小鳩ですっぽ。

■“BLACK HOLE”で「ラタタタタタ!」と叫んでいるやつも?

小鳩 それも小鳩ですっぽ!

SAIKI 私、そういうの絶対やらないので。(笑) フェイク系は全部小鳩がやりました。

■すごいテンションの「イエイイエイイエイ!」ですけど、どうして入れることになったんですか?

小鳩 KANAMI先生がデモを作った時から入っていましたっぽ。

KANAMI なんかカッコいいかなと思って。(笑)

SAIKI でも、前から「小鳩こういうのやったらカッコいいよね」っていう話はしていたんですよ。

小鳩 前作を作っていた時くらいから、練習とかでは試していたんですっぽ。最終的には全部なくした方がいいっぽねっていうことになったんですけど、今回は合う楽曲が結構あったので、初めて入れてみましたっぽ。そこも『Unseen World』というか、新しい挑戦でしたっぽ。