バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI

自分が自分でいることにちゃんと向き合いながら、人生として続けていく

昨年11月に改名を発表したバンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHIが、セカンドアルバム『NO LIMIT』をリリースした。より自分たちらしく、自らの人生を歩んでいこうと決意した覚悟の全11曲。音楽ファン全員に聴いてほしいという強い意思と想いが溢れまくった1枚。改名からこのアルバムに込めた想いまで、本気の本音を鈴姫みさこ、恋汐りんご、ななせぐみ、望月みゆ、甘夏ゆず、大桃子サンライズの6人にたっぷりと訊いた。

■バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHIに改名した理由というのは?

鈴姫 「バンもん!らしさとは?」ということにあらためて向き合って、それを体現するため、原点回帰しつつのアップデート、という感じです。いままでバンもん!は、女の子は好きなことをしているときがいちばんかわいい、だから好きなことをしている姿を見せて、見てくれる人たちに夢と希望をあげられたらいいなと思って活動してきたんですけど、やっぱ見えないルールみたいなものに縛られているところがあって。「アイドルはこれをしちゃいけない」とか、それはわたしたちもそうだったし、お客さんもそうだったし、メンバーが知らないところで動いている何かもあったと思うし。そういうところを1回全部とっぱらいたくて、そこからアップデートっていう感じで改名させてもらいました。

望月 最近はシーン的にそういうのはなくなってきたけど、昔で言うとアイドルがお酒飲むとかありえなかったじゃないですか。

■あー、そうですね。

望月 アイドル自体の年齢層が上がってきたっていうのももちろんあるけど、いまは飲んでいても受け入れられるし、うちらも全員お酒が大好きだし。(笑) 昔はご法度とされていたところとか、アイドルはNGとされてきたものがなくなったらいいよねって。そういうのをとっぱらっていけたらいいよねって。

鈴姫 例えば結婚するなら辞めるか引退したあとじゃなきゃいけないとか、そういうなんとなくのルールがあるけど、それって誰が決めたわけでもないじゃんねって。

大桃子 だから結局、何をしていてもそれでファンを楽しませられていたらいいんだって。でもそこはけっこう勘違いされたくないところではあって。アイドルを続けるうえで、何かに対してカウンターを取りたいとかそういう意識では全然なくて、自分が自分でいることにちゃんと向き合いながらこれからも続ける、人生として続けていこうって。バンもん!はそれを選んだってことなんです。

■なるほど。

大桃子 わたしは整形しているけど、それはエンターテイメントにしているつもりなんです。アイドルが整形しているって言うと、ファンを悲しませるんじゃないかとか思われがちだけど、そこはちゃんと配慮しているつもりだし。結婚とか何にせよ、誰かを楽しませたい気持ち、自分がこれをすることで誰かが元気になるとか、自分がおもしろいって思ってやれていることならば、アイドルっぽくないからやめておこうっていう不自由さを感じることなく表現していきたいって、そういう気持ちなんですよね。

鈴姫 ただ好き勝手やっていきたいっていうわけではない。

大桃子 それぞれのエンターテイメントに乗っ取ってやれたらいいなって。

鈴姫 それが誰かの希望になると思っているからね。

大桃子 今回のポスト・アイドル宣言でけっこうショック受けちゃう人もいるみたいなんだけど、全然そういうんじゃなくて、明るい前向きな宣言であって、それぞれのエンターテイメント性を強めていっただけなんですよ。

■バンもん!としての姿と、普段の自分の姿に垣根がないというか、すごく自然につながってきているなって、それがアルバムから伝わってきました。

恋汐 あー、そう言われてみれば、このアルバムの曲の歌詞は、けっこうリアルなものが多かったなって思います。自分ともそうだし、普段のみんなとも差がないなって。もしかしたら、知らず知らずのうちに作る作品にも現れてきているのかもって、いまちょっと思ったりしました。

■バンもん!だったら何をやっても驚かないっていう感じがするんですけど、そうでもなかったんですね。

鈴姫 意外とそうじゃなかったんです。意外とアイドルを求められることが多くて。それで悩むことがけっこう多かった。これをしたら嫌がられるんじゃないかってところで、おもしろいと思うことができないことも多かったんで、これからはそういうのをなくしていきたいなって。

大桃子 この話をすると驚かれるよね。「だってバンもん!でしょ?」って言ってくれる人が多いけど、意外と近場の認識はそうじゃなくて。もっとほかのアイドルグループのほうが見せ方としてパンクっぽいものが多かったからかな。バンもん!は地でアイドルをやっているだけっていうことに意外と気づかれていなくて、けっこう勘違いされているんだよね。

鈴姫 わたしは、楽屋でも正々堂々アイドルをやるっていうのが素敵だなと思っていて。例えば、ライブでご一緒した方たちに「わたしたちノーリミットラブアンドピースバンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHIです!」を全力でやるとか、(笑) そういうのって素敵だと思うし、そういうところが本来やりたいところだなって。女の人って綺麗事の中で生きていきたい、やさしい世界で世界一かわいく生きていきたいっていうのがあって、その狭間で悩んでいる姿がわたしは好きなんですけど。(笑) 自分が思う正しい道を一生懸命いこうとする、それは表でも裏でも、そういう意味でのアイドル力みたいなものはすごく大事だと思うんですよね。

大桃子 裏表がないってことだよね。

鈴姫 そうそう。なんかやっぱり悔しいときもいっぱいあったしね。(笑)

大桃子 悔し過ぎて泣いたよね。

■それぞれの中でずっと思うところがあったわけですね。

甘夏 各々でもあるし、全体でもあるしって感じでしたね。

鈴姫 「裏でも表でもアイドルするぞ」って気持ちを持ちつつ、夢や希望の与え方は自由だぞっていう意味でも、これからもっと自分たちをバリバリ表していきたいです。

■その覚悟がこのアルバムというわけですね。

鈴姫 そうです。

大桃子 「わたしたちってこんな感じです」っていう1枚目とは全然違って、それぞれが自分に向き合って、いましか出せない、いましか作れない、いま伝えなくちゃいけないことがストレートにつまっているものになったなって。

■ファーストアルバムは初期衝動的なもので、セカンドアルバムはいまおっしゃったように、自分に向き合うものになると思うんですけど、このアルバムには初期衝動みたいなものもちゃんと残っていて、どちらもつまっている気がします。

鈴姫 バンドじゃないもん!はずっと初期衝動みたいな感じなんで。(笑)

■ふふふ、たしかに。

鈴姫 さっき言った裏表のないアイドル像の中にあるような、みんなで汗流して、涙流してがんばる、みたいなところってバンもん!にはずっとあるんですよね。それがMAXX NAKAYOSHIってことなのか?(笑)

大桃子 なのか?(笑)

鈴姫 自問自答。(笑) MAXX NAKAYOSHIにはいろんな意味があって、まず海外で「なかよし」って言葉にしっくりあてはまる単語がなくて、「なかよし」という言葉を広めると同時に、うちらが背負っていく存在になりたいな、と。ジャパニーズ意識というか。