DEEP VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

作品の美しい世界観へ僕らも歌で花を添えられるのなら、そんな嬉しいことはないですから。

DEEPが最新シングル『Darlin’』を配信リリース。この楽曲は、TELASA連動・テレビ朝日スペシャルドラマ企画「BLドラマの主演になりました」の主題歌に起用中。DEEPにとって『Darlin’』は、およそ5年ぶりの配信シングルとなる。BL漫画の名手・すずり街の同名マンガを原作として制作したドラマが話題を集めると同時に、ドラマの登場人物たちの気持ちへ寄り添った歌の内容も同じく話題を集めている。最近は6人組グループDEEP SQUADとしての活動に主眼を置いていたが、久々のDEEP名義となった本作にも、ぜひ熱い視線を注いでもらいたい。TAKA、YUICHIRO、KEISEIの3人に話を訊いた。

■ドラマ「BLドラマの主演になりました」の主題歌に“Darlin’”が起用中ですが、まずはその経緯から教えてください。

TAKA このお話をが決まったのは昨年11月末頃くらいのことです。ただ、放送が迫っていたのと、「ドラマが放送される1月1日には配信してみなさんにもこの曲を聴いていただきたい」という想いもあったので、急いで制作に取りかかったのがまだ記憶に新しいです。(笑)

■そのスケジュール感はだいぶハードですよね……。

TAKA でも、DEEPとしてこれまで17年間活動を続けてきた歩みの中には、このような短いスパンで制作をしてきた経験が何度もありました。だから、僕ら自身は「この感覚、ちょっと懐かしいなぁ」と思いながら、楽しんで制作を進めました。(笑) 今回は作家さんにコンペという形で楽曲の制作を依頼しまして、集まった曲の中から、メンバー、スタッフみんなで意見を持ち寄り、今回の“Darlin’”を選びました。

■この“Darlin’”に決めた理由も教えてください。

TAKA 短い期間とはいえ、多くの楽曲が集まった中から最終的に2曲絞り込みました。そのうちの1曲は、今までのDEEPらしい楽曲でしたけど、僕らが今回選んだのは、いつものDEEPらしく歌い上げる感じを意識したものではなく、耳心地の良さを持ったこの曲でした。最初はパンチの効いた楽曲とはまた異なる曲調だったことから、若干の不安はありましたけど、それ以上に「聴けば聴くほど……」というの感覚が強かったこともあって、「この曲に挑戦してみよう」となりました。加えて、番組制作班の方々も気に入ってくださり、最終的にこの“Darlin’”でいくこととなりました。

■聴けば聴くほど……の意味、すごくわかります!

TAKA そうなりますよね!僕らもいつものように歌いあげるような楽曲ではなかったことから、最初は「少し物足りないかな?」との不安もありましたけど、一度聴いたら、なんかまた聴きたくなるんですよね。それでもう一回聴いてみたところ、さらにまた聴きたくなる。そうやってどんどん深みにハマっていく魅力をこの“Darlin’”は持っています。

■曲の世界観にじっくり浸れると言いますか、歌詞に綴った愛しい人への思いに嬉しさや喜びを覚えて、もっとその気持ちを深く受け止めたくなり、何度もこの曲を聴いてしまいますからね。

TAKA これまでのDEEPの楽曲は、割りと壮大な雰囲気や、歌い上げるような楽曲が多かったんですけど、この“Darlin’”は、良い意味で肩の力を抜いて浸れる曲になりました。KEISEIはまだ30代ですけど、僕もYUICHIROも40代になりましたので、この年代だからこそ出せる味や深みを感じてもらえると思います。しかも、そこに17年という経験の積み重ねも加えた上で、いい感じで力を抜いた歌声を“Darlin’”に投影できたと思っています。

YUICHIRO “Darlin’”は、空間美を生かしたエレキギターの音がイントロの時点で優しく響き渡るDEEP流のCHILL SONGです。リラックスしながら、サラッと耳や気持ちに溶け込む曲なのもいいですよね。僕ら自身も“Darlin’”はリラックスしながら歌える楽曲という印象を持っています。

KEISEI 大人の余裕を持った感じを出せた楽曲ですね。TAKAも言っていましたが、今の僕らだからこそ、この曲の世界感に上手くハマって歌えたんだと思います。YUICHIROも口にしていた、イントロに流れるあのギターの音がいいんですよ。あの音色に触れた瞬間、歌詞の世界へ気持ちがスーッと入り込んでいける。ライブで例えるなら、最後に歌うとしっくり来るタイプというか。この曲に触れていると、過去のいろんな場面を回想したくなります。そんな雰囲気もこの曲は持っています。

TAKA ギターの音色も含め、全体的に音を控えめにしているからこそ、僕ら3人の歌声の揺れがダイレクトに伝わってくるんです。そこもこの曲の魅力です。

■“Darlin’”は、BL系ドラマ「BLドラマの主演になりました」の主題歌として流れていますね。

KEISEI 今回もBL作品との嬉しい出会いになりました。僕らがやっているDEEP SQUADはとくに、「チェリまほ」のテーマ曲を筆頭に、BL系作品のタイアップナンバーが多いですからね。

TAKA 実際にBLドラマや映画を通してDEEP SQUADのファンになり、応援してくれるという人たちも増えましたし、DEEP SQUADの名前を広く知れ渡らせるきっかけにもなりました。DEEP SQUADとしての実績の評価を受けてのことだとしたら、そんな嬉しいことはないなと思っています。

■“Darlin’”自体は、BLドラマの主題歌という事実を知らずに聴けば、普通に胸に染みる男女のラブソングとして入ってきますよね。

TAKA 僕らもこの曲の歌入れをする時には、「BLドラマの主題歌だから」と意識することなく歌いました。実際に歌詞は愛しい人へ思いを馳せる内容ですし、性別など形が違うだけであって、歌詞に書いてあるのは「純愛」な感情なんです。だから、僕らはいつもの曲のようにラブソングを届ける感覚で歌っています。個人的にこの曲の歌詞で「いいな」と感じていたのが、「ピュアで繊細な恋心」を描きだしているところで。そこへ僕は胸をキュンとときめかせていました。恋心ってそういうものじゃないですか。だからこそその感情の部分を聴いてくださるみなさんにも受け止めてもらえたらなと僕らは思っています。

■DEEP/DEEP SQUADって、意外と多くBL作品のテーマ曲を歌ってきていたんですね。

KEISEI DEEP SQUADが中心ですけどね。自分たちでは意識していなかったこととはいえ、BL系の作品とのご縁が多いんです。本当にありがたいですね。

TAKA BL作品のファンの方々はとくになのかな?僕らの歌を求めてくれる熱中度がとても高いんです。それは日本に限らず、アジア全域の人たちに言えることで。中でも「チェリまほ」関連作の曲を歌った時のリアクションは、海外でも本当にすごかったですからね。

KEISEI だってタイのフェスティバルからも声がかかりましたからね。あの時はコロナ過真っ只中で、僕らは参加したくても参加は出来なかったんですけど。今後はタイに限らず、海外からも参加の声がかかったら、ぜひ行きたいと思っています。

■本当に熱烈なファンの方々が多いんですね。

KEISEI これはしっかりと伝えておきたいのですが、恋愛で大事なのは性別ではなく、どれだけお互いのことを想いあっているかですからね。今回のジャケットには、大きな橋が写しだされています。そこには性別にとらわれることなく、一人と一人がしっかりと向き合い、繋がりあっているという想いを投影しているんです。

YUICHIRO そう。2人で一つの橋(愛)を支えあっているという関係をね。

TAKA このジャケットはただ夜景を映しているのではなく、そういう深い想いも示しているんですよ。

■深いです!今作の“Darlin’”に綴った、相手を思いやる純粋な気持ちを自分に置きかえて聴いている人たちもきっと多いんでしょうね。

KEISEI 嬉しいのがこの曲を恋愛関係だけではなく、お互いを信頼しあう友情の歌として捉えてくれている人たちもいることなんですよ。

TAKA それを言ったら「ドラゴンボール」なんかも、その究極を行く作品なんじゃない?あの作品も命懸けで助けに行くし、亡くなっても再び甦ってまで助けに行く。“Darlin’”の場合はそんな壮大な世界観ではなく、耳元で想いを囁き語るような、距離感の近い恋愛を現した曲ですけどね。

KEISEI “Darlin’”もそうだし、繊細な恋愛感情を歌った曲たちには、歌っている僕ら自身も学び、教えられることが本当に多いです。

TAKA だから“Darlin’”も、その繊細な気持ちを表現したくて、語りかけるような歌い方を心がけたわけです。

YUICHIRO “Darlin’”の歌詞には、口にして伝えると恥ずかしくなるような表現もあるくらい、感情をストレートに伝えています。だからこそ、僕らも主人公の想いを純粋な気持ちで受け止めて歌わせていただきました。

KEISEI 歌詞と純粋に向き合いながら、歌っていましたから。