erica VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■今回はウェディングソングということもあって、他の恋愛ソングとは毛色が違う曲でもあると思います。歌う時の気持ちにも違いはありますか?

erica 先日この曲をライブで初披露したんです。その時に「どんな気持ちになるかな?」って思ったんですけど、レコーディングの時とは全然違って、「これ結婚ソングだけど、結婚ソングじゃないかもな」って思うくらいだったんです。例えば2番の「この世に生まれたこと 父に救われたこと 母に守られたこと」とかって、結婚する時の挨拶のイメージで書いていたんです。でもライブで歌っていたら、結婚とかは関係なく、自分の母親とか父親に対しての感謝の気持ちみたいな気持ちになったんですよね。「おはようと言えること 帰る場所があること」のところも、結婚して一緒に暮らした時のイメージで書いたんだけど、そういうことが言える人がいるってすごく素敵だなと思いながら歌ったんです。だから、自分的には結婚ソングのイメージでセクションを作っていたけど、自分で歌っていて全然違ったんですよね。それにはちょっとびっくりしました。結婚していない私がちゃんとひとつひとつ呑み込めたっていうか、違う解釈ができたっていうか。この曲を初めてスタッフとかに聴かせた時に、「結婚ソングって言われなかったら分からない」って言われたんですよ。だから、それはそれですごいよかったなって思って。私的にはウェディングソングど真ん中のつもりで書いていたけど、いろんな人がいろんな風に思ってくれるんだなって思いましたね。

■ここまでいろんな愛を表すことになるとは思わなかった?

erica 思わなかったですね。ライブで歌って初めて感じました。誰を思ってもいいんだなって。大切な人を想って歌う歌なのかなって感じました。

■最初から狙っていたわけではなく、結果的にそうなったというのがまた面白いですね。

erica そうですね。“大好きでした”とか、私の代表曲って必ずライブで歌うので、多分もう何100回と歌っているんですけど、最初の気持ちと今では同じ曲でも全然違うなって。昔は本当に「大好きな人にこの思い届け!」っていう感じだったんです。でも今は「あなたとあなたの大切な人が幸せでありますように」っていう気持ちで歌ったりとか。「今日あなたに会えたこと、本当にありがとう」っていう気持ちで歌おうとか。だから、この歌も歌っていくごとに気持ちが変わっていくような気がしました。

■MVではまた別のストーリーが描かれていますよね。

erica このストーリーはパラデル漫画家の本多修さんと一緒に作らせていただきました。本当に何回会いに行ったかなっていうくらい打ち合わせをしました。最初はリモートでやっていたんですけど、細かいところとか、絵のタッチの打ち合わせってZOOMではできなくて。実物とイラストが行ったり来たりするのがパラデル漫画だから、それをZOOMとかで言い表すのって難しいんですよね。やりたいこととストーリーがちぐはぐしちゃうから、「これを削ろう」とか、かなり細かく一緒にやりました。でも私は言うだけなので、めっちゃ楽しかったですけど。(笑)

■これまで愛や恋についての歌を届けているericaさんですが、自分の歌を通して恋に悩んだりしているリスナーに「こう感じてもらえたら嬉しい」といった思いはあるんですか?

erica そんなに大それたことはなくて。小さくていいから「なにかプラスアルファになったらいいな」って思いますね。例えば、それは恋でも今一生懸命頑張っていることでもいいんですけど、挑戦したいけど踏み出せないとか、そういうそれぞれが悩んでいることに、それこそBGMのようにいつもなんとなく寄り添っているっていう感覚で。前は「この曲ってお悩みの答えになってる?」っていう感じだったんだけど、今は「答えはもう知ってるでしょ、あとはもうどうするかだよね」っていう、寄り添い型になっているんですよね。なんですかね?この余裕は。(笑) 「傷ついてもいいよ」とか、「ゆっくりでいいよ」とか、「いいよ」っていうのが多くなりました。「今日はとりあえず、飲もう?」みたいな。(笑)

■女子会みたいな?

erica そうですね。女子会のテンションかもしれないです。女子会って答えはなくていいんですよね。喋りたいだけっていう。「私このままでいいのかな?」っていう相談とかって、聞いている方も「そうだね~どうなんだろうね~」っていう感じじゃないですか。(笑) それに近いかもしれないです。私の曲はBGMで寄り添わせていただくっていう。そういうイメージで聴いてくれたらいいなって思います。

■恋愛ソング以外で、こういう曲を書いてみたいっていうのはあるんですか?

erica アルバム曲ではいろいろとやらせてもらったんです。ちょっとロックっぽい曲とか、演歌っぽい曲とか。私は演歌育ちで、おじいちゃんとおばあちゃんとずっと一緒にいたから、NHKで演歌をずっと聴かされていたし、車の中も演歌だけだったんです。だから自然とこぶしが入っちゃうんですけど。(笑) そういう曲とかをアルバムで挑戦させてもらったので、もうちょっとその変化系とかも歌ってみたいなとかは思いますね。ジャズっぽい歌とか、今まで自分が歌ってきていないようなジャンルの曲を歌いたいなって思いながら、カラオケでは歌っているんですけどね。(笑) 

■これからの目標や展望はありますか?

erica それはいつも一貫しているんですよね。大体いつも同じ答えになって申し訳ないんですけど、「歌い続けること、やり続けること」です。どの職業もそうだと思うんですけど、なにかひとつのことをやり続けるって、すごい大変だなっていうのを身に染みて感じているんですよ。私はいつも「もう今年で終わろう」って言いながら、毎年更新されていくんです。それくらいやり続けるってすごいしんどいし、でも続けなかったら見ることができない世界があって。歌手人生長いんですけど、それをすごく感じますね。今って時代がすごく早く変わるじゃないですか。その度にリスナーも変わっていくし、聴くツールも変わる。今は特に変化が激しいから、それに一喜一憂せずに、自分のスタンスは自分の中でしっかり持っておこうとか、周りの人を大切にするとか、1人だろうが100人だろうが目の前の人に心を込めて歌うとか、そういう当たり前のことをすごく大切にしていきたいなって思っています。

Interview & Text:村上麗奈

PROFILE
2006年に山梨県北杜市から上京。レパートリーの多くは「告白」「失恋」「片思い」などをテーマとした楽曲であり、本人はそれを「告うた」と呼んでいる。「半径2m以内の恋愛」について歌っている「告うた」の歌詞は、女子中高生・女子大生を中心とした10代から20代の女性から大きな支持を集めている。代表曲である「あなたへ贈る歌」が口コミだけでYouTube再生回数4,000万回超えるなど、新世代のソーシャル型アーティストとしても大きく注目されている。2018年7月18日ユニバーサルミュージックより「告ラボ」をリリース。2019年2月20日に3rdアルバム「告うた3~あなたへ贈る歌2~」をリリース。
https://auroraerica.jp/

RELEASE
『あなたに捧ぐ33のこと』

デジタル配信リリース
https://t.co/MBFLrF6IdT

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10月12日 ON SALE