FlowBack VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

FlowBack『Fireworks』

■きっかけというのは?

MASAHARU 結局不安定だった時期って、自分に自信がなかったことが一番大きかったんですね。でもふと「自分はいったい何を悩んでいるんだろう?」と思って。そのとき、誰かになろうとしている自分がいることに気づいたんです。要は人に対してうらやましいとか、そういう感情を抱いているというか。でもどうやっても他の誰かにはなれないし、自分は自分のスタイルでやっていった方が早いし、っていうところで、急にふっ切れたんですよね。そこに気づけたっていう意味でも大事な1年だったのかなって思いますね。

■なるほど。REIJIさんはいかがでしょうか?

REIJI FlowBackとしても「勝負の年」ではあったと思うんですけど、それと同時に僕は自分とも勝負していた1年でしたね。今まではアーティストとしてステージに立って表現する者として、例えば上手に歌おうとか、上手に踊ろうとか、いい言葉を伝えようとか思っていたんですけど、本当はそうじゃなくて、自分がどう伝えたいかっていうことをより意識しようってそこに気づけた1年だったんです。それはやっぱり25都市でライブをやったことで、ひとつひとつをしっかり表現したいという想いが大きくなっていって、そこから目の前の人にどう届けていきたいかっていうことを見つめ直して、表現の幅を広げていったりできたので。そういう意味では自分自身との闘いの1年でもありました。

■自分ととことん向き合ったと?

REIJI そうです。FlowBackってそれぞれに個性もあって、役割もあるんですけど、改めて自分の役割ってなんだろう?って考えたときに、「自分自身がFlowBackに一番貢献できることはなんだろう?」って強く考えたんです。そうしたら、こういう自分だからできないんだっていう考え方が、僕だからこそできることっていう考え方に変わって、メンバーがいてくれてこそのことだと強く実感したので、そこがすごく大きかったと思います。

■個人としても、FlowBackのメンバーとしてもいろいろなことを考えて、自身と向き合われたようですが、きっと逃げ出したくなったときもあったんじゃないかと思うんですが?

TATSUKI もちろんありました。それこそ自分ひとりだったら逃げ出していたと思うんですけど、他のメンバーがいたおかげって言ったらなんですけど、それがやっぱり一番大きかったですよね。それぞれ自分自身の気持ちの整理ができないこともあったと思うんですけど、そのたびにそれぞれが助け合って、そういう感じは去年1年すごく感じていました。

■やっぱり自分自身としてはもちろんFlowBackからは逃げたくないと?

TATSUKI 逃げようとしていましたけどね。(笑) 何度も逃げようとするんですけど、結局は向き合わなきゃって。これから先もそれはずっとつきものだと思うし、また逃げ出したくなるタイミングは絶対にあると思うし、去年は結成してから一番しんどかったけど、今年もまた何かあるかもしれないし、来年も何かあるかもしれないし。(笑) そこで5人でどう踏んばっていくか、5人で道をどう切り拓いていくかっていうのもFlowBackの面白いところでもあると思うので、これからも楽しみです。しんどいけど。(笑)

■ふふふ。数々のライブやConnectツアーを経て、ダンスボーカルというジャンルの壁もとっぱらえましたか?

TATSUKI 今まではむしろ勝手に自分たちの中であったというか、俺たちは他とは違うしって、そういう気持ちがあったのかも。でもやっぱり俺たちをもっと知ってもらいたいから、だったらもう根っこから変えちゃおうって。フェスとかに出たいと思っても「うちでは求めてないから」って言われちゃうこともあるんですよね…。

MARK 僕ら肩書きとか全然気にしてないんですよ。一見したらアイドルにも見えると思うし、そう思われていても別にいいし。でも一緒にやるとなると「ダンスボーカルもペンライトとか回すんでしょ?」みたいな固定観念や先入観に触れることもあって。実際Connectツアーのときも、対バンを断られた方もいるんです。でも一緒にやってくれた方たちが、「想像していたのと違った」とか「芯があるね」って言ってくれて。

■それは嬉しいですね。

MARK すごく嬉しかったですよ。だからぶっちゃけ肩書きはダンスボーカルでもいいし、アイドルでもいいし、とにかくカッコいいものがやりたいってだけなんですよ。

TATSUKI 聴く人には壁を作りたくないよね。

JUDAI だよね。そもそも肩書きはあとからついてくるもんだと思うし。初めて知ってもらう人には「歌って踊れるFlowBackです」っていうのがわかりやすいのかもしれないけど。

TATSUKI そうだね。曲を聴いて、ライブを観てみたら「あ、踊ってるんだ」でもいいしね。

JUDAI 海外では歌って踊れるからってアイドルって肩書きじゃないじゃないですか。

■確かに。

MARK たぶん日本の文化なのかな?いい意味で。海外にはその先入観がないというか。いい意味でも悪い意味でも、それが特殊だからコンプレックスになっちゃっていて、ビジュアルよりも音で勝負できるように、あえてアーティスト写真をぶらしたこともあるし。音楽に関しては、やっぱり常にトライをしてるし、これからもずっとしていきたいですね。

TATSUKI 一番音楽を聴いてもらいたいんでね。

JUDAI とにかく聴いてくれって。あとはもうお任せするんで。(笑)

■確かに聴く側が壁を作ってしまうのはこちらも音楽との出会い、大きなチャンスを逃していることになるし、イメージやジャンルで決めつけてしまうのは、わたし自身も反省する点だと今あらためて思いました。じゃあこれからはさらに自分たちで道を切り拓いていく感じですか?

TATSUKI ここからさらに自分たちも磨かなくちゃいけないし、自分たちでつなげた道をどう広げていくかっていうところで、ここからがまた勝負っていう気持ちですね。