ラストアイドル VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

ラストアイドル『愛を知る』

ついに選抜制が導入された8枚目シングルをオーディション上位5人が振り返る

メンバー入れ替えバトル、グループ内のユニット対抗バトルを経て、ここ2作は全員選抜という形で一致団結した姿を見せてきたラストアイドルだが、2020年最初のリリースとなるシングル『愛を知る』では、41名の立候補者の中からオーディションによって18名を選抜。グループのアイデンティティとも言えるバトルに回帰した。常に試練を与えられてきた彼女たちは、どのような想いで、どのような戦略を持ってオーディションに臨んだのか。1〜5位に選ばれた、阿部菜々実、長月翠、間島和奏、安田愛里、大森莉緒に、それぞれの立場で振り返ってもらうとともに、「生きてりゃいいことあるもんさ」と歌う新曲に対する気持ちを教えてもらった。

■ついに選抜制が導入されました。昨年末の2周年コンサートで選抜オーディションの開催が発表されて、長月さんは「ワクワクしてきちゃった」と言っていましたよね。

長月 超ハッピーでした。あの瞬間。

■阿部さんも肯定的な発言をしていましたけど、みんなそんな感じだったんですか?

間島 私は嫌でした。選抜制自体はいいなと思っていたんですけど、バトルにしなくてもいいじゃんと思って。去年1年(全員選抜のシングル2枚をリリースして)せっかくみんなで1つになろうみたいな意識を培っていたのに「また個人戦!?」って。

安田 私も「また戦うのかぁ…」っていう。戦いは好きじゃないので。

■選抜のオーディションは立候補制だったんですよね?

安田 そうですね。締切の最終日まで悩みました。自信もなかったし、自分のなかでラストアイドルを続ける覚悟もできなくて、もし選ばれたとしても請け負うっていう感情にまで持っていけなかったんです。それで、こんな中途半端な気持ちでやってもダメだなとか、どんどん考え込んじゃって。毎年12月は考える月なんですよ…。

■そういう月があるんですね。(笑)

安田 年末になると自分の人生について考えちゃうんです。ちょうどそういう時期に選抜制が発表されて。でも、いろんな方にアドバイスしてもらって、ファンのみなさんのことを第一に考えたときに、ここで立候補しないのは失礼だし、選ばれても選ばれなくても全力を尽くさなきゃいけないなと思ったので立候補しました。

■安田さんは“大人サバイバー”(パフォーマンスに「団体行動」を取り入れたラストアイドルの6枚目シングル)のときも、そんなことがありましたよね。

安田 あー、あれも12月でしたね。今年の12月はおとなしくいたいです。(笑)

■ファンは年末が近づくとドキドキしちゃいますね。(笑) オーディションはダンス、歌、一言コメントの3つで審査が行なわれましたけど、それぞれアプローチが全然違って。何か戦略とか立てていたんですか?

長月 すっごい私は作戦を練るタイプでして、いまさら技術点はどうにもならないと思ったんですよ。だから、何をしたらプラスアルファできるかなっていうことを考えました。それで歌を決めるときに、松田聖子さんの“青い珊瑚礁”と中森明菜さんの“少女A”が私のなかで候補になったんですけど、どっちを歌うかでだいぶ違うじゃないですか。

■正統派な“青い珊瑚礁”か、真逆な“少女A”か。

長月 普段の私なら絶対に“少女A”を選ぶんですけど、いまこの瞬間に求められているのは“青い珊瑚礁”だろうなと思ったんです。できないことはできないから、頭を使っていろいろ考えてみました。

■欅坂46の“サイレントマジョリティー”を歌った阿部さんも、新しい一面を見せたかったと言っていましたね。

阿部 審査員がラストアイドルを長く見てきてくださった方ばかりだったので、いままで通りの私だったらこうくるだろうなっていう曲をやっても、全然おもしろくないなと思ったんです。それにテレビ(テレビ朝日系『ラスアイ、よろしく』)で放送されるので“サイレントマジョリティー”なら誰でも知っている曲だし、興味を持ってくださる方が少しでも増えたらいいなと思って決めました。

■安田さんは怪我で眼帯をしながら大原櫻子さんの“瞳”を歌って、笑いを誘ってしまう場面もありましたけど、ちゃんと歌詞を見るとラストアイドルにピッタリだなと思いました。

安田 めちゃめちゃいい曲なんですよ!中学生のときから聴き続けている歌で、歌詞も完璧だったので、これだったら背伸びしていない自分らしさが出せると思ったんです。

■ちなみに直後に歌った中村守里さんと曲がかぶっていましたけど、本番前から知っていたんですか?

安田 本番の何時間か前に知りました。守里ちゃんに「愛里ちゃんって“瞳”を歌うの?」って言われて、「歌うよ」って答えたら、「私も歌うんだ」って。それは申し訳無さすぎると思ったので、マネージャーさんに替えさせてくださいって言ったんですけど、「これも運命だから、自分の決めた曲を歌ってください」と言われちゃって。謝りました。

■別に謝る必要はないですけど。

安田 いやいや、申し訳ないなと思って。

■まぁ、あとに歌うほうが気まずいですしね。大森さんは高橋洋子さんの“残酷な天使のテーゼ”を歌いましたけど、選曲の理由は?

大森 この曲は中学生のときに「アイドルソロクイーンコンテスト」というイベントでも歌ったんですけど、自分の勝負曲みたいな感じなんです。昔から知っているし、カラオケに行ったときも必ず歌っているし、やっぱり歌い慣れている曲がいいなと思って。それに今回はダンス審査もあったので、歌の審査は歌に専念しようと思って、この曲にしました。

■審査員のゆうこす(菅本裕子)さんからは「王道オブ・ザ・王道」と言われて、ニーハイとツインテールも含めて絶賛されていましたよね。あれも狙ったんですか?

大森 いや、特に狙ったわけではなくて。(笑) あのセットアップにはニーハイのほうが似合うかなと思ってメンバーにも相談したら、「ニーハイがアイドルっぽくていいんじゃない?」って言われたので。そこを褒めていただけるとは思っていなかったので、すごく嬉しかったです。

■間島さんはラストアイドルのデビュー曲“バンドワゴン”を歌って、審査員の大森靖子さんが号泣していましたね。どういう気持ちで選曲したんですか?

間島 うまく説明できないんですけど、ただただ個人戦をして選抜を決めるバトルにはしたくない気持ちがあったんです。選抜制はラストアイドルが大きくなるきっかけになると私も思うんですけど、バトルをするとどうしても目先の順位に囚われてしまうというか。いままでは表題をかけてユニットごとにバトルをして、それはよかったと思うんですけど、今回はラストアイドルがさらに一個上に行くためのバトルにしたいなと思って“バンドワゴン”を選びました。