ラストアイドル VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

ラストアイドル『青春トレイン』

■実際に前で踊ってみて、景色は違いましたか?

米田 全然違いました。“大人サバイバー”のときは後列の端くらいだったので、練習のときも鏡が見えなかったんですけど、今回は「全身見えるやん!」みたいな。(笑) いままではメンバーの背中を見て踊っていたので、ちょっと不安な気持ちもありましたけど、初披露(8月10日の神宮外苑花火大会)のときに目の前がすごい広くて、お客さんもたくさんいて、この光景を覚えておかなきゃ、一生見られないだろうなって。そんなことを考えていたら、一瞬でBメロが終わっちゃって、寂しい気持ちにもなりました。

■すごい迫力のあるダンスをしていたので、そんなことを考えているようには見えなかったですけど。(笑) これからもポジションを守れるように継続しないとですね。

米田 はい!がんばります!

■歌詞についても訊きたいんですけど、電車に乗って楽して大人になるのか、辛くても自分で歩いていくのか、そんなことを問いかける内容ですよね?

山本 私は語彙力がないので、歌詞をもらった次の日に、イラストに書いたりして、意味をめっちゃ考えたんですよ。それで、この曲の主人公は次世代の若い人の場合と、もう大人と呼ばれる年齢の方が大人になりたくないと言っている場合と、2通りの捉え方ができて。そういうのもすごくおもしろいし、いまも考え続けて、向き合っているんですけど、本当に素敵な曲をいただいたので、簡単に歌っちゃいけないなっていう想いが強くあります。

■歌っているときは、どういう気持ちなんですか?

山本 大人になりたくないっていう葛藤を自分のなかで作ってというか、主人公になりきって歌っています。

■大人になるってなんですかね?

山本 難しいですよね。正解なんてないんでしょうけど、すごく考えちゃいます。

■相澤さんはこの歌をどう捉えましたか?

相澤 「私たち、試されているのかな?」って思うような歌詞で、特にサビは自分たちに刺さるなと思っていて。ラストアイドルは企画に苦しめられることが多いんですよ。みんな夢見てラストアイドルに入ってきたけど、いっぱい傷つくこともあって。でも、諦めて就職とか、そういうのじゃなくて、辛い思いをしながらでも、夢を追いかけているので、そこが自分たちに重なるなと思います。

■アイドルなんてならなきゃよかったと思ったこともあるんですか?

相澤 あります。(笑) 私はラストアイドルに入る前もアイドル活動をしていたんですけど、そのときはそんなこと思わなかったんです。でも、ラストアイドルに入って、(メンバー入れ替え)バトルをしたときに、こんなに絶望することがあるくらいなら、ならなきゃよかったって思ったことはありました。

■もともとそういう企画ですからね。

相澤 (暫定メンバーとして)一回合格したのに、(バトルに負けて)落とされるとか、2ndシングルのときも(ユニット対抗バトルの)決勝で負けるとか、あと一歩が足りないときが多かったので、上げて落とすくらいなら最初からならせないでよと思って。(笑) だから「選択が合っていたのかな?」って考えた時期はありました。

■それだけ傷ついてでも続けたいと思ったから、いまがあるわけですよね?

相澤 そうですね。今回の“青春トレイン”でも音楽番組への出演とか、貴重な経験をたくさんさせていただいているので、これからもラストアイドルに賭けていきたいなと思っています。

■2期生の2人は、1期生の残酷な展開も見ていたわけじゃないですか。

米田 そうですね……。私は小学校3年くらいから芸能スクールに通っていて、やっぱり夢はアイドルというか、みんなの前でパフォーマンスをすることだったので、絶対にそれは叶えたい気持ちがあって。傷つくことは嫌ですけど、この世界では当たり前だと思いますし。でも、すぐ気にしちゃうし、心が弱いんですよ。強いメンタルを持たなきゃ今後も生きていけないと思うので、いまがんばっています。

■ラストアイドルに応募した時点で、まぁまぁメンタルは強いと思いますけどね。(笑) 町田さんは?

町田 ラストアイドルはパフォーマンスバトルをずっとしていたじゃないですか。それを見て純粋にすごいなと思ったし、それぞれがどれだけの想いでパフォーマンスをしているか、番組を見ていて感じたので、自分も人の気持ちを動かせるようなことができたらいいなと思ったんです。それで1期生のオーディションを受けたんですけど、ダメだったので、2期はリベンジで受けました。

■2期では勝ったけど、実は1期で負けていたんですね。阿部さんも1期でセンターを勝ち取りましたけど、そのあとのユニット対抗で負けて。それもショックが大きいなと思うんです。

阿部 そうですね。一回勝ったのに、また戦うのかっていう気持ちも最初はあったけど、やっぱりグループとして成長しなきゃいけないから、ユニット対決も大事だったなと思います。負けたのも私たちの実力というか、がんばりが足りなかったからなので、そこでもう一回がんばろうと思えたし。一回負けを経験しないと成長できないと思うので、大切な経験だったのかなと思います。

■大人になると負ける試合からは逃げるようになるので、みなさんを尊敬します。あと「列を乱さず 不満飲み込み 行進してりゃ満足か?」という歌詞は、前作の団体行動を否定するようなフレーズですけど、思うところはなかったんですか?

米田 最初は率直に「前作ディスってるやん!」と思いました。(笑) でも、それで満足するなというメッセージだと思いますし、大人になりたくない自分たちの葛藤を描いてくださったのかなと思いました。

■このフレーズのおかげで、リアリティが増していますよね。前作と今作でラストアイドル=団体芸みたいなイメージが強くなったと思うんですけど、みなさんの意識はいかがですか?

相澤 最初は個人やユニットでバトルをしていましたけど、この2つの企画を通して、大人数でしかできないことができるようになって、個々でも全体でも強いっていうのは、ラストアイドルの個性になっているかなと思います。

■スタッフさんも企画を考えるの大変だと思うんですよ。バトルをしたら誰かが傷つくし、全体でやったら目立てない人がいるし。みなさんから次はこれをやりたいと提案することもあるんですか?

相澤 そろそろバトルしたいっていう人はいます。

■バトルは嫌じゃないんですか?

相澤 私はどっちかというとやりたいです。負けるのは嫌ですけど、ずっと全体で過ごしていると、ユニットで過ごす時間が少なくなってくるし、バトルをしている期間はユニットの力が伸びることを実感できるので。

■そうなんですね。阿部さんは?

阿部 私も団体行動が始まった頃から、すぐバトルしたいなと思っていて。(笑) でも、いまバトルを始めたら、またわけわかんなくなっちゃうから、いまは全体でもっと有名になって、ラストアイドルっていう名前がたくさん知られてから、またバトルできたらいいなと思っています。

■意外とみんなバトル肯定派なんですね。山本さんは?

山本 私もずっとバトルが恋しくて。(笑) やっぱりラストアイドルと言えばバトルと思っている方が、いまでもいらっしゃるんですよ。ただ、最近は全員でやることが主になっているので、いまはそれを伸ばすべきなのかなとは思います。

■2期生は最初の入れ替えバトルだけで、ユニット対抗のバトルは経験していないですけど、やってみたいですか?

町田 やってみたいです!

米田 私はちょっと…。

町田 え、やだ?

米田 誰かが負けて泣いちゃうとか、そういうのは苦手というか。やってみたい気持ちも少しはあるんですけど、いまの平和なままでいたくて。全体での企画にも辛い部分はありますけど、いまはグループ全体で大きくなりたいです。

■視聴者としてはバトルを見てるの、めちゃくちゃ楽しいですけどね。(笑)

町田 わかります。1期生さんがバトルしていたときは、「今日はどっちが勝つかな?」とか予想して楽しんでいましたし。でも、実際に自分が(入れ替えバトルを)やってみたら、全然そんなことなくて。いつ負けるかわからないし、いつ指名されるかもわからないし、もう「収録があります」っていうだけで「無理……」みたいな気持ちになるんですよ。あのときを思い出すと、やりたくない気持ちもあります。

■そのうちソロ争奪バトルとかありそうですよね。

相澤 やだー!

町田 ぶっ飛んだものがきそうで怖いです…。