LeChat VANITYMIX 2019 SPRING PICK UP INTERVIEW

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フランス発バーチャルシンガーとのコラボに続き、現地クリエーターを迎えた新作が完成

2017年11月にソロシンガーとして本格デビューを飾ったLeChat(るしゃ)が、約1年ぶりとなるミニアルバム『Nouvelle lune』(ヌーヴェル リュヌ)をリリースした。フランス発のバーチャルシンガー「ALYS(アリス)」の親善大使に任命されたことをきっかけに実現した今作は、ALYSが歌唱していた楽曲の日本語カバー“キミのいないこの世界で”をはじめ、現地の人気クリエーターであるLightningが全曲をプロデュース。コスプレイヤーとして世界的に活躍する彼女ならではの、次元と国境を越えた作品に仕上がった。シンガーとしての自我が芽生えてきたという彼女に、収録全曲を解説してもらった。

■今作はALYSの親善大使になったことが、作品全体にも大きく影響を与えていますよね。

LeChat そうですね。がっつり一緒にやっていまして、今後もご一緒していきたいなと思っているものの第一弾という感じなんです。今回のミニアルバムは、そのALYSの楽曲をたくさん書かれているLightningさんが全曲作ってくださいました。

■親善大使になったのは、どういうきっかけだったんですか?

LeChat フランスの『DOFUS』という人気アニメがあって、以前、日本で公式コスプレイヤーをやらせていただいたことがあったんですけど、ALYSのスタッフさんがその時の私の写真を見てくださって、オファーをいただいたんです。それで、私はいま歌もやっているし、せっかくだからコスプレだけじゃなく、歌の方でも一緒にやらせていただけたらという話になって。

■LeChatさんの名前もフランス語ですけど、もともとフランスが好きだったんですか?

LeChat 「ベルサイユのばら」がすごく好きで、飼っている猫の名前も「ベルバラ」なんです。個人的に旅行したこともあって、昔から憧れはありましたね。ただ、名前に関しては、そんなに意識していたわけではなくて。名前をどうしようかなと思ったときに、猫好きだし「猫」がいいなと思って、いろいろな言語で検索したんです。それでフランス語の「Le Chat」が、私的にいちばんきれいな言葉だなと思って。

■その頃から運命的につながるものがあったのかも?

LeChat そうだとしたら、だいぶ時間がかかりましたね。(笑)

■確かに。(笑) たくさんいるALYSのクリエーターの中でも、Lightningさんと一緒にやることになった経緯は?

LeChat 親善大使としてALYSの曲を歌おうかってことになり、彼女の曲をいろいろ聴いて、私が「これがいい」と選んだのがLightningさんの曲だったんです。それをきっかけに、私の曲も書いてほしいとお願いしたんです。

■制作にあたってLightningさんとは、どんな話をしたんですか?

LeChat たとえば“Style”は、ライブで盛り上がれる曲がほしいとお願いしたんですけど、基本的にはおまかせで作っていただきました。あとは、このキーはちょっと高すぎるとか、低すぎるとか、そういう要望を伝えたくらいですね。

■Lightningさんから届いた曲に対して、何かお話はされたんですか?

LeChat そんなにしていないです。特に不満がなかったので。(笑) 不満があれば、もっと話し合いがあったのかもしれないですけど。

レコーディングは日本でしたんですか?

LeChat はい。フランスから曲を送ってもらって、日本語の歌詞をつけてもらって、日本でレコーディングして、またフランスに戻して、Lightningさんにアレンジやミックスをしていただきました。

ネットの時代ならではですね。前作の『Ash and Irony』は「AI」がテーマになっていたので、あまり感情を入れずに歌ったと言っていましたけど、今作で意識されたことは?

LeChat 今回は「もっとこうしたいな」とか、自我が出てきて。自分でもビックリしているんです。確かに前作はAIがテーマだったので、それを感じなかったんですけど、今回はどう歌えばいいのか悩みつつ、最終的には自分の好きなように歌うしかないなと。いろいろ感情が入り混じりながらレコーディングしました。

そのへんも含めて今回の5曲を紹介してほしいんですけど、まずは1曲目の“朔(さく)”から。

LeChat アルバムタイトルの『Nouvelle lune』は「新月」という意味なんですけど、“朔”はその別名なんです。今作から(レコード会社を)日本クラウンに移籍しましたし、自分自身も2019年は新しい1年にしていきたい気持ちがあったので。アルバムのはじまりにふさわしい曲になったと思います。

それは「扉を開けて」とか、そういう歌詞があるからですか?

LeChat 「扉を開けて」もそうですけど、私的には「あの月に願う この世界 ずっとこのまま続くように」とか。でも、願っているだけじゃダメなので、願ったうえで、そこに向けて自分で走っていきたいなという気持ちがあります。

新しい環境になって、これから目指したい場所とか、イメージしているものはありますか?

LeChat アーティストとしては本当にまだひよっこですし、日本ではあまりライブをしたことがないから、もう少し経験値を積んでいきたいなとは思っていますね。いまは緊張しないようにライブをやりたいです。(笑)