LUNA SEA『LUNA SEA 30th anniversary LIVE -Story of the ten thousand days-』ライブレポート@日本武道館 5月31日(金)

LUNA SEA『LUNA SEA 30th anniversary LIVE -Story of the ten thousand days-』

世界でいちばんしあわせな5人組だと思います

結成30周年を迎えたLUNA SEAが、『LUNA SEA 30th anniversary LIVE -Story of the ten thousand days-』と題したアニバーサリーライブの初日公演を、5月31日(金)日本武道館にて開催した。

360度埋め尽くされた客席が暗くなり、スクリーンに過去のライブ映像を含むメモリアル映像が映し出され、インスト曲“CALL FOR LOVE”が流れる中、レーザーでアリーナを包む巨大ピラミッドが描き出されるというドラマィックな演出に見惚れているところへ、メンバー5人が登場。爆発音とともに“Dejave”でスタートを切る。熱気はすでにすさまじく、続く“PRECIOUS…”では、SUGIZO、INORAN、Jが早々と花道へと飛び出し、クライマックスさながらの盛り上がり。

「みんな会いたかったぜ!LUNA SEA、30周年を迎えました。ここまで走り続けられたのもみんなのおかげ。感謝というか、一緒に壊れてしまいたいです」とRYUICHIが述べると、その言葉どおり“JESUS”“DESIRE”“SHINE”と、キラーチューンで飛ばし、会場はさらに一体感を増す。その勢いを助長するかのような鮮やかな映像や照明もとても美しい。

「武道館こんなに暑かったっけ?」とRYUICHIが言うように、この日の武道館はほんとに暑く、それはまるでここにいるすべての人の30年が集結したかのようだ。「世界でいちばんしあわせな5人組だと思います」という喜びの言葉のあとは「いま、俺たちがいちばん自信のある世界、これからもみんなに届けていくからね」と、TVアニメ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」のオープニングテーマとなる最新シングル“宇宙の詩 (そらのうた)~Higher and Higher~”を披露し、幻想的な世界観を魅せる。そのまま“gravity”へと続き、バイオリンのSUGIZO、アコースティックギターのINORAN、RYUICHIの3人編成で“Providence”を演奏したあとは、SUGIZOがトリプルネックギターに持ち替え“GENESIS OF MIND〜夢の彼方へ〜”。LUNA SEA独特のディープで壮大な世界と、RYUICHIのヴォーカルが圧巻で、しばらくの間拍手が鳴りやまなかった。

続く真矢のドラムソロは笛や太鼓を構えた4人の和楽器隊が登場。ピンと張りつめた空気の中、見事なコラボレーションを繰り広げ、観客の度肝を抜いた。真矢の叫びとともに登場したJは、ドライブ感溢れる骨太なベースソロで会場を一気に揺らす。再びステージに5人が揃い演奏した“FATE”でさらに武道館が大きく揺れる。

「30周年本当にありがとう。このメンバーで30年、LUNA SEAの音楽を愛している5人で、みんなももちろん愛してくれていて。これから起こること、みんなに届けていくものはきっと熱いものなので、古臭い言い方だけど…ヤケドしないようにな!」と“I for You”をファンに贈る。そしてラストスパートは“STORM”“ROSIER”“BELIEVE”と信じられない勢いでまたキラーチューンをたたみかけ、本編が終わった。

アンコールは「『ガンダム』の宇宙の痛みとか傷とか影が、LUNA SEAの音楽に光を与えてくれると思います」と、ニューシングル“宇宙の詩 ~Higher and Higher~”と両A面となる“悲壮美(ひそうび)”を披露。切なさや哀しみを包み込むかのようなバラードが、武道館をまたやさしく包んだ。MCでは、LUNA SEA結成当時のRYUICHIのドーナツ差し入れ事件の謎が明かされたり、SUGIZOが「30年経って、LUNASEAはまだまだ始まったばかりです。これからさらに高みを目指してみんなを連れていくよ」と宣言したり、メンバー紹介のあとは、“Hold You Down”“TONIGHT”とボルテージを上げ、ラストは「武道館!おまえら全員かかってこい!」というRYUICHIのシャウトで“WISH”へ。銀テープが舞い、RYUICHIも花道へと飛び出し、完全燃焼でこの日の武道館公演は幕を閉じた。

INORANが小さな男の子の頭を撫でたり、SUGIZOが小さな女の子の手の甲にキスをプレゼントしたり、武道館にいたそれぞれにドラマがあったこの日。ステージを降りる際、「これは俺たちの30年でもあり、みんなの30年でもあるからな!」と叫んだJの言葉が印象的だった。30年という時を経ても“いま”という時を全力で生き、進化し、この先の未来へと向かうLUNA SEA。その時々の“いま”をどう生きるのか、そしてその未来の景色がどういうものなのか、この目で確かめ、この心で感じ続けていきたい。

Text:藤坂綾
Photo:田辺佳子、橋本塁

https://www.lunasea.jp/

『LUNA SEA 30th anniversary LIVE -Story of the ten thousand days-』5月31日(金)セットリスト
1. Déjàvu
2. PRECIOUS…
3. JESUS
4. DESIRE
5. SHINE
6. 宇宙の詩(そらのうた) ~Higher and Higher~
7. gravity
8. Providence
9. GENESIS OF MIND ~夢の彼方へ~
Drum Solo (乱序) & Bass Solo
10. FATE
11. I for You
12. IN SILENCE
13. STORM
14. ROSIER
15. BELIEVE

[ENCORE]
1. 悲壮美(ひそうび)
2. Hold You Down
3. TONIGHT
4. WISH