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QOOLAND 「大切なお知らせ」東名阪ワンマンツアー2015 ツアーファイナル@渋谷WWW ライブレポート 12月4日(金)

「ようやく俺たちの新年がやってくる。」
力強くオーディエンスに約束したQOOLANDのこれから

sabusabu2sabu3sabu4「今年は本当にやり切れないことがたくさんあった。何も成し遂げられなかった1年だった。だけど、その中で生まれた曲は、明るくて、楽しくて、温かいものだった。一緒に歌ってくれますか!」と、QOOLANDのボーカル&ギター・平井拓郎は、会場中の大合唱を生んだアンコールラストナンバー“Shining Sherry”の最後のサビに入る際、会場中の愛しの”君”に、こう叫んだ。そして、そこから起こった会場中の同曲の大合唱の場面からは、この1年、彼らが悩み、迷い、苦しんだ末に見つけ、確信し、それを手に入れる為に再び力強く走り出し始めた瞬間が見えた気がした。

11月1日を皮切りに、『大切なお知らせ』とタイトルし、東名阪で行ったQOOLANDのワンマンツアーのファイナルが12月4日に渋谷WWWにて行われた。この日のライブは、12月9日発売のニューアルバム『COME TOGETHER』のリリースを直前に控え、それをいち早く共有するかのように、同作品からの曲が数多く放たれたのと同時に、これまでの代表曲や人気曲もふんだんに披露。彼らの2015年の締めくくりと共に、更に輝くべく2016年に向けての高潔が各曲と共に会場いっぱいに放たれていた。

まずは、オープニングアクトとしてWHOLAND(フーランド)が登場。とは言え、こちらはQOOLANDの変名バンド。メンバーがパートチェンジをし、キーボードに平井拓郎、ボーカル&ドラムに菅ひであき(B&Cho)ギターにタカギ皓平(Dr)、ベースを川﨑純(G)が務め、ちょっと稚拙な“Shining Sherry”が披露された。

実際のQOOLANDがステージに現われたのは19時25分頃。1曲目はニューアルバムからの表題曲であり、M-1を飾っていた“Come Together”。会場中に、”一緒に行こうぜ!!”と手を差し伸べているかのような同曲が、いきなり場内を一つにしていく。「♪一緒に探して生きていこうぜ♪」のリリックに会場中がグイッとステージに惹きつけられる。続いて、得意にして特異な、彼らならではの平井、川﨑によるツインタッピングも光る“熊とフナムシ”に入る。同曲ではファンにはお馴染みの振り付けも登場。一体感に加え、親近感も付加されていく。続く“区民”では、3拍子も加わり、彼らのポップスセオリーに囚われない変則性やフレキシブルさを味わうことができた。

sabu5ここまでで一気に3曲。通例なら一旦MCに入り、次のブロックへと呼吸を整えるところだ。しかし、この日の彼らは、軽い挨拶程度で次曲“ある事無い事”に入った。”一区切りなんてついてられない。今日の俺たちには、曲を通して伝えたいことが沢山あるんだ!!”そんな風にも映った場面だ。その“ある事無い事”では、楽曲が擁する疾走感とドライヴ感が会場をグイグイと高みへと引き上げていく。“セレクト(うーっはーっ!!)”でのサビでの解放感を始め、序盤は走り抜けていく選曲が目立った。と、それとは対照的に、前半終盤では、ポストロック的要素も盛り込んだ“I hate”、ジワジワとしたダイナミズムが会場を包んでいった“Week”、ミディアムナンバー“映画と週末”や、4つ打ちのダンサブルさが会場に横揺れを作り出した“ブルーアルバム”等、彼らの音楽的幅や探究心、そしてそれを独自のセンスや音楽性を交え、オリジナリティへと昇華させた、彼ららしい音楽性が多岐に渡り楽しめた。

sabu6中盤では、聴かせる歌が印象的だった。ミディアムナンバーの“映画と週末”や、JACKMAN RECORDSからリリースされたアルバム『教室、千切る.ep』に言及。その中から「一番好きなナンバーです」(平井)の言葉のあと歌われた“風邪を引かないうちに”は、そのミディアムな曲調と相まって、これまでよりもオーディエンスに寄り沿い、まるで傍らで歌われているかのような安堵感や信頼感に会場が寄り添った。“志士雄”に入る前のMCでは、菅と平井のやりとりが面白かった。「るろうに剣心」の登場人物・緋村剣心を模した、「ござるよ」を連発しながら、菅が、「QOOLANDも機材車で全国を回り、その様は剣心と変わらない流浪人だ」と、独自の定義を会場に投げかける。そしてそのまま、「るろうに剣心」をモチーフにした“志士雄”に突入。楽曲のエモーショナルさと菅のグロウルなシャウト、そして楽曲の持っている、<それでも俺は俺。自分の道を突き進んでいくだけ!!>との浪人魂にも通ずる男気が会場を来襲する。次曲で放たれた、こちらも秘めたエモさと00世代ギターロック的なアプローチも特徴的な“ラストセンサー”では、途中、ギターを川﨑に任せ、平井がマイクを両手で握りしめ、感情たっぷりに歌う姿も印象深かった。

sabu7後半に入るとライブはますます激しさを増していく。“勝つまでが戦争”での、彼らの激しい部分の後には、そのカウンターのように聴かせるナンバー“白夜行”が登場。続く、ニューアルバムからの“言えない人が言えてたら”では、楽曲に自分たちの、<あの時>を重ね合わせて聴いているオーディエンスの姿も見られた。

本編ラストは、“ゆとり教育概論”と“ドグラマグラ”であった。サビの疾走感が会場をもう一度並走させ、後半の激しい部分が会場をグイグイと惹き込んでいった“ゆとり教育概論”、曲の途中では菅もベースを置き側転等をキメた“ドグラマグラ”が駆け抜けていくかのように会場に疾風を起こした。

アンコールは2曲。まずは“大切なお知らせ”が鳴らされた。その後、本当の意味での大切なお知らせが、この会場でも告げられる。名古屋ではニューアルバムの発売を、大阪では2月からスタートする、そのニューアルバムを引っ提げてのツアーの敢行、そして、この日のWWWでは、“Shining Sherry”のミュージックビデオが本邦初公開となった。そして、アンコールラストは、その“Shining Sherry”。まずはこの曲を始める前に、同曲が生まれた経緯、しいて言えば今回のニューアルバムへと繋がった経緯を平井が語り始める。熊本で今年3月に開催されたサーキットイベントに出演した際、最初はお客さんが数人で、”こんなところまで演りに来た意味があるのか……?”と、プレイを始めたが、最終曲を演る頃には200人以上のお客さんが詰めかけてくれたこと。それが凄く心強く、励みになったこと。それを機に、歌いたい人、届けたい人に改めて気づけたこと。その人に届けるためだけに、この歌を作ったこと。そして、それを歌うこと。それがこれからの自分たちの使命であること。その歌を伝えたい、聴いてもらいたい相手こそが、この日、会場に集まってくれた方々を始め、自分たちのファンであること……。それらを力強く言い放ったあと歌われた“Shining Sherry”は、まさに彼らだけでなく、会場全体で作りあげたものであった。「♪誰でもいいなら君がいい♪と歌いつつ、♪誰でもいいわけじゃない♪♪何がなんでも君がいい♪」と、彼ららしい告愛フレーズも印象的な同曲に、”これからもお互い一緒に歩いていこう!!”と歌われている気がした。

「12月9日にニューアルバムが発売になる。この日は俺たちにとっての1月1日だ。ようやく俺たちの新年がやってくる。来年は今にも増してやるからよろしくな!」と、“Shining Sherry”のアウトロで、平井は力強くオーディエンスに約束した。その時、会場から返された頼もしい呼応は、これからQOOLANDが、この2015年を経て、見つけ、確信し、そこに向かって走り出していく様(さま)に並走していくことを誓った、力強いアライアンスのようにも響いた。

Text:池田スカオ和宏(LUCK’A Inc)
Photo: 横山マサト

SET LIST
O.A WHOLAND
1.Shining Sherry

QOOLAND
1.Come Together
2.熊とフナムシ
3.区民
MC
4.ある事無い事
5.セレクト
6.I hate
7.Week
8.さよならNEVADA
MC
9.映画と週末
10.ブルーアルバム
11.風邪を引かないうちに
MC
12.志士雄
13.ラストセンサー
MC
14.都民
15.勝つまでが戦争
16.白夜行
17.言えない人が言えてたら
18.ゆとり教育概論
19.ドグラマグラ
EC1 大切なお知らせ
MV上映 “Shining Sherry”
EC2 Shining Sherry

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