ReoNa VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■傘村トータ(LIVE LAB.)さんが手掛けた“Someday”は、リリックビデオのように歌詞がモニターに流れていて、言葉が出ることでより没入した空間になったように思います。

ReoNa “Someday”はタイトルにもなっている大切な楽曲です。あの日“Someday”を届けることで、「自分自身の過去にも寄り添えるものになったらいいなぁ」と考えていました。何て言うんでしょう、自分に向かって歌っている感覚があったというか。私が逃げ出した先が音楽で、逃げ出した先がライブで、その先に人のライブを見に行っていたので……。「あの場所にいるあなたにとっての、逃げ出している先であったら良いな」と。そして「自分の過去も、この場所にいるなぁ」と思いながら歌っていました。

■過去のReoNaさんは“Someday”を受けてどう思ったんでしょうね?

ReoNa どうでしょう。でも、「過去の自分がこの楽曲に出逢ってくれたらいいな」ってすごく思っているんです。自分ごと寄り添えていたらいいなと。

■ところで、先ほど映像の編集に立ち会いをされたとおっしゃっていましたが、立ち会いの時に何かリクエストをされることもあったんですか?

ReoNa もう出来上がってきたものがとてつもなく素晴らしいものだったので、私から特別何かを言うということはほぼなかったです。「ここをもう少し変えたらもっと伝わるんじゃないかな」と思ったところは共有させていただきましたが、本当に少しだけで。基本的にはお任せしています。

■当日の音圧もすごかったですが、Blu-ray、DVDの音も迫力がありますよね。

ReoNa 実はここ最近ライブの体制が変わったんです。日本武道館公演からは、原盤のエンジニアのトシさんが、FOH(客席側に設置されたミキシングコンソール)に入ってくださっていて、CDとできるだけ同じ音を出せるようにしてくださっています。

■今回初回盤に同封されるライブ音源CDに関しても、渡辺さんがということですよね?

ReoNa もちろんそうです。しかもCDとBlu-ray、DVDでも音を少し変えてくださっています。楽曲を理解してくださっているトシさんだからこそできることなんだと思います。ずっと一緒に走り続けているバンドメンバーと一緒に届け続けてきた楽曲たちなので、改めてライブ音源を受け取ってもらえるのはすごくすごく嬉しいです。しかも良い音なので、ぜひ聴いていただきたいです。

■ライブ音源は配信もされるんですか?

ReoNa はい。“ANIMA”、“ピルグリム”を先行配信した後、9月13日に一挙に配信する予定です。まずはCDで聴いていただけたらと思っています。

■ライブフォトブックはどのような仕上がりになっているのでしょうか?

ReoNa ライブ写真を平野タカシさんに撮り下ろしていただきました。まさに今回のジャケットの姿もそうなんです。平野タカシさんはいろいろな角度から撮ってくださるので、ライブ中の姿をすごくカッコよく切り取ってくださっています。

■ドキュメント映像も収録されていますが、当日の舞台裏が収められているのでしょうか?

ReoNa それに加えて、後日、私自身のルーツのある場所に趣き、そこでインタビューを撮り下ろしてもらっています。初めてワンマンライブをやったライブハウスに、日本武道館公演の前に行ったり……。自分のルーツや原点に触れるようなお話をしています。まさに“ピルグリム”と言いますか。自分のルーツを巡礼するような映像になりました。

■巡礼していく中で、いろいろな思いがありましたか?

ReoNa ありました。「懐かしいなぁ」と思うと同時に、そこまで時間が経ったような感じがしないなと思ったりだとか。先ほど話のあった“HUMAN”で映った場所でもあるので……そういう意味では、自分の記憶との答え合わせをしにいくような感覚でした。

■巡礼者としての“今、ここ”を示したライブを経て、全国7都市を回るライブツアー『ReoNa ONE-MAN Concert Tour 2023 “HUMAN”』を終えて、日本武道館公演が終わってからも直接お歌を届け続けた日々でしたね。

ReoNa 日本武道館公演が終わった直後は「まだ1ヶ月経っていないんだなぁ……」なんて思っていたんですけど、なんだかなんだと “HUMAN”ツアーも終えて、Acoustic Live Tour 『ふあんぷらぐど2023』を控えているところです。

■Acoustic Live Tour 『ふあんぷらぐど2023』が10月20日の名古屋公演からスタート。ReoNaさんの誕生日とあって、『HUMANツアー』で発表した時には客席がざわついていましたね。(笑)

ReoNa 去年は仙台で、その前は北海道で誕生日を迎えていて。意図しているわけではないのですが、秋はツアーが多いので重なることが多いんです。アコースティックツアーは『Naked』振りになるので楽しみですね。普段のReoNaのライブとは違う、『ふあんぷらぐど』ならではのセットリストになると思います。

■今後の5周年の展開も楽しみです。

ReoNa まだ実感が湧いていないんです。5周年の1日目にまずはこの映像がどんなふうに届いていくのかが楽しみです。もしかしたらこのライブ以降にReoNaに出会ってくれた方もいるかもしれないので、そんな方にもぜひ受け取ってもらいたいです。また、これからReoNaの音楽に出会う方にとっての入口にもなる作品なんじゃないかなと。

■冒頭に以前のインタビューの言葉について伺いました。「引っ張ったり、背中を押してくれる歌は他にあると思いますが、私の役割はそれではなく、そんな逃げたい、ツラい、ヤメたい時に寄り添えたり、拠り所になれる存在なんじゃないかなって」という思いは、今より強くなっていますか。

ReoNa 私の中では変わっていないつもりではあります。でも「本当にこの5年間、がむしゃらだったな」という感じもあって。目の前の一つひとつが本当に奇跡のようで。それをどう取りこぼさないように、自分のできる中で対峙して、ベストを尽くせるかを考えつつ、この5年間を生きてきて。この先、考えて、考えて、考え抜いた先に変わらない自分が残るのか、変わっていく自分がいるのかは、正直まだ分かっていないところです。自分の伝えたいこと、目指したいものも、次の未来に向かっていくにあたって見つけていきたいです。

Interviewv & Text:逆井マリ

PROFILE
陰のある少女らしいルックスながら、繊細で深い、少年の様な歌を歌う絶望系アニソンシンガー。TVアニメ「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」にて、劇中歌アーティスト「神崎エルザ」の歌唱を担当、「神崎エルザ starring ReoNa」として2018年7月4日にミニアルバム『ELZA』をリリース。そして2018年7月放送開始のTVアニメ「ハッピーシュガーライフ」のエンディングテーマ“SWEET HURT”にて、8月29日にソロデビュー。これまでに“SWEET HURT”を含むシングルを7枚、配信限定シングルを3枚、フルアルバム2枚を発表。3月6日には『ReoNa ONE-MAN Concert 2023「ピルグリム」at日本武道館~3.6 day 逃げて逢おうね~』を日本武道館で開催した。
http://www.reona-reona.com

RELEASE
『ReoNa ONE-MAN Concert 2023 “ピルグリム” at 日本武道館 ~3.6 day 逃げて逢おうね~』

初回生産限定盤(BD+CD)
※初回生産限定盤のみ、特典ドキュメント映像「Documentary of ReoNa The Pilgrim」
※初回生産限定盤のみ、楽曲セレクトし一枚に収めた「ライブCD」同梱
VVXL-161~2
¥8,800(tax in)

初回生産限定盤(DVD+CD)
※初回生産限定盤のみ、特典ドキュメント映像「Documentary of ReoNa The Pilgrim」
※初回生産限定盤のみ、楽曲セレクトし一枚に収めた「ライブCD」同梱
VVBL-197~8
¥8,800(tax in)

通常盤(BD)
VVXL-163
¥5,500(tax in)

通常盤(DVD)
VVBL-199
¥5,500(tax in)

SACRA MUSIC
8月30日 ON SALE