THE BEAT GARDEN VANITYMIX 2019-2020 WINTER PICK UP INTERVIEW

THE BEAT GARDEN『Snow White Girl』

片思いの気持ちを白雪姫に重ねて描く、ウィンターラブソング

THE BEAT GARDENが12月4日、9枚目のニューシングル『Snow White Girl』をリリースする。表題曲“Snow White Girl”は片思いの時の気持ちを白雪姫(Snow white)に重ねて描いた、ウィンターラブソング。カップリング2曲を含め、THE BEAT GARDENの冬のワンパッケージとして制作された本作品について、そして10月27日に開催された自身最大規模のワンマンライブ「THE NEST IN DIAMOND HALL」を成功させた彼らにライブの感想までじっくり話を聞いた。

■ウィンターラブソングとなるニューシングル“Snow White Girl”について、この曲が完成した今の気持ちをお聞かせください。

REI この曲はまだ披露していない段階から、ライブで歌った時にすでに浸透している感じがありました。歌詞もフックになるキーワードが多いのか、途中から歌ってくれている方たちが多くて。ライブでの回数はあまり重ねていないのですが、今後この曲は僕らのキラーチューンになっていくんじゃないかと思います。

SATORU そうだね、すごく届いているなっていう感覚があります。すでに口ずさんでくれている方が結構いるというのは、今までの曲だとあまり起こり得ないことだったので、すごく嬉しいですね。メロディーもピアノやギターとか生音を収録しているので、そういった部分も耳を澄ませて聴いていただけたらいいな。

MASATO このくらいのテンポの曲って、僕らあんまりやってこなかったんですよ。ミドルバラードみたいな曲を歌ってこなかったから、受け入れてもらえるんだろうか?と不安だったんですが、披露してBeemerの反応を見たら、杞憂だったことが分かりましたね。ライブで歌って自信に繋がった曲です。

U これまでリリースした“みんなへ”とか、僕らの気持ちを歌っている曲をBeemerが特徴として捉えてくれていると思っていて。そんな方々が“Snow White Girl”を聴きこんでくれて、SNSや手紙でメッセージをくれたり、ライブで口ずさんでくれたり、歌詞をオリジナルの画像で作ってインスタグラムに投稿してくれていたり、曲の沸騰具合が今までで一番、熱量高くありますね。MVを出して、これからリリースイベントを回っていくのが楽しみです。

■ところで、なぜ白雪姫だったんでしょうか?

U 最初にメロディーができて、歌詞を考えたときに、今までファンタジックな歌詞ってやったことないなと思って、本屋の絵本コーナーに行ったんです。そしたら白雪姫を見つけて、みんなにLINEして「白雪姫といえば?」という大喜利をしたんです。

■大喜利ですか!

U そう。そしたらMASATOが「黒雪姫」って言ってくれて。「それ面白いじゃん!」って思って、今回は少し小悪魔的な人に片思いする歌詞を書こうと。

■他にはどんなワードが出たんですか?

MASATO 僕は結構出していて……「小春日和」、「鳴りそうにないベル」、「ゲレンデが溶けるほど恋したい」とか。

U 最後のほうは曲名みたいになっていましたね。(笑) 白雪姫の他にも、クリスマスとかのお題も出して、みんなにワードを出し合ってもらいました。

■「黒雪姫」は歌詞の中でもかなりフックになるワードになっていますよね。歌詞のストーリーから少し振り回されがちな男性を思い浮かべたのですが、皆さんの恋愛も近い感じなんでしょうか?

U みんなに共有して申し訳ないですけど、歌詞は僕の恋愛観で書いているので、メンバーそれぞれで言ったら全然違うと思いますね。

REI 僕はちょっと振り回されたいんだけど、逆に振り回したいタイプですね。なんだろうな、振り回すような女の子を振り回したい。(笑)

MASATO 僕は振り回されているフリをしたい。女の子に振り回されているフリをするんですけど、実は相手はそれさえも気が付いていて、結局転がされているっていう。

U MASATOはそうだよね、でも情報源としては専門学校時代とか、かなり前の話だけど。(笑) SATORUに関しては一番付き合いが長いですけど、マジで分からないです。昔から恋愛のことは言わないんですよ。

SATORU 僕は愛されるより愛したいマジでって感じですね。

U KinKi Kidsね。確かにSATORUはめっちゃ愛情を注ぐ感じする。一度好きになったらぞっこんタイプだから、女の子に振り回されそう。(笑) 僕も歌詞の通り、振り回される方。メールを1通送るのにめちゃくちゃ時間かかったり、悩みすぎて全然連絡しなかったり、メッセージを送った後に携帯を投げたりしちゃうタイプですね。

■なるほど、そんな恋愛観も歌詞に表れていますね。作曲についてもお聞きしたいです。ピアノとベルの音が特徴的な、イントロから心が掴まれるメロディーはどのように生まれたのでしょうか?

U 最初、Bruno Marsの“Just the Way You Are”のようなリファレンスを4人で出していたんです。ウィンターソングはこれまでも“Konayuki”や“僕がいる未来”を持っているんですけど、切ないテイストが多いので今回は明るい曲にしようと。最初に僕がメロディーを作って、4人でイメージ固めて「これでいこう」って進めていたんですけど、REIに「このサビのメロ、聞いたことありますよね?」って言われて。よくよく思い返したら、MASATOが別の作品のコンペで出していたデモ曲のサビと同じだったんですよ。(笑)

MASATO 僕が“ぬくもり”の制作時期に作ったデモですね。常にストックは作っているので、その成り行きで出していたものです。

U それに僕が命を吹き込んだっていう感じですね。(笑) 最初に作ったメロディーでは、ベルの音とかは沈ませていたんですけど、TD(トラックダウン)をやっていくなかで、もっとファンタジーにしてもいいんじゃないかということで、ベルの音を上げていったりして、クリスマスを彷彿とさせるような胸が高鳴るメロディーになりました。

■そうだったんですね。続いて、2曲目に収録されている結成当時からの思い出と、これからの思いを綴った“エピソード”について。 

U “エピソード”は、4人の話を歌にするのは決めていて、作ったメロディーを元に書き始めた感じですね。改めて歌うのがちょっと恥ずかしいんですけど、今歌わないと、これから大きなステージに立ってから振り返るんじゃ、自分たちが変わらなかった部分の証明にならない気がして。小さい会場から聴いてくれているBeemerがいて、Beemerとともに曲も一緒に歩んでいく感覚を大事にしたいという思いが、“あのね”や“みんなへ”を作ってから強くなっているんです。今現在のまだまだな状態で、今日までの道があるので、それを歌い続けられたらいいなと思います。

■いつ頃を歌った曲なんですか?

U 事務所に入る前ですね。スタジオ代が払えなくなって、所沢の図書館の窓ガラスを鏡替わりにして、夜中から朝までずっと歌っていました。みんなバイトが終わってからREIの家に集まって、路上ライブのときに配っていた自作のCDを100~200枚、夜通し作ったり。そのときの思い出を書きましたね。

SATORU 僕らにとって懐かしい気持ちになって、いろいろ思い出す曲ですよね。僕が初めて参加したリハ―サルでは、3人が図書館の前で深夜から朝まで6時間くらいずっと歌っていて。「この人達めちゃくちゃストイックじゃん!」って思った記憶があります。(笑)

REI ありましたね。そういった経験を経て、この曲をBeemerに歌える幸せを噛みしめています。

U 既にリリースイベントでも歌っているんですけど、僕らのことを歌った曲だから、MCで説明するのがちょっと恥ずかしいので、曲振りとかいっさいしないんですよ。曲で伝えられたらと思って。実際に披露したら、Beemerは僕たちが思っている以上に僕たちの想いをすくい上げてくれている気がしましたね。この曲を聴いて、インディーズ曲を聴くきっかけになったり、「THE BEAT GARDENって意外と下積みがあるんだね」なんて声をSNSや手紙を通していただいています。