THE BEAT GARDEN VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

THE BEAT GARDEN『遠距離恋愛』

今はBeemerの顔を思い浮かべて歌うことが一番気持ちを込められる

今年はTHE BEAT GARDENにとって大きな節目の年になるだろう。ご存知の通り、SATORU脱退のお知らせがあり、5月から始まる全国ツアーは現4人体制でラストという形になってしまった。しかし、メンバー4人は既に前を向いていることが今回のインタビューからも伝わってくると思う。そして今年一発目となるデジタルシングル『遠距離恋愛』は、初めて女性目線で描いた渾身のバラードに仕上がっている。そこには今のご時世も反映しつつ、自分たちと応援してくれるファンとの関係性も描かれているようだ。U、MASATO、REI、SATORUメンバー4人に話を聞いた。

■ビートガーデンは今年に入り、2年ぶりの全国ツアー発表、SATORUさんの脱退報告、8月に3rdアルバム発表と、Beemer(ファンの総称)の感情をジェットコースターのごとく激しく揺さぶり続けていますよね。そして、今回出るデジタルシングル“遠距離恋愛”の中に「「会いたい」と「寂しい」の数が」と意味深な歌詞を入れたバラードという、この流れはちょっとエモ過ぎませんか?

U はははは、確かに。SATORUに関しては去年頭の新木場STUDIO COASTのライブを終えた後に、SATORUのご家族の病状を聞いて、メンバーと一緒に考えたんですよ。Beemerの感情を激しく揺さぶる形になったけど、バッドニュースだけにはしたくなかったから。SATORUも最後の全国ツアーでみんなに会いたいと言ってくれましたからね。

■なるほど。

U Beemerの気持ちもわかるし、SATORUのことも仕方がないことですからね。だからこそ最大限に誠意を見せたいし、SATORUがいるビートガーデンとして最後のアルバムを出して、ツアーで全国を周れたらいいなと。

■SATORUさんから脱退の話を聞き、心の整理が付くまでに時間はかかりましたか?

U かかったよね?

SATORU えっ、俺に言うの?

全員 ははははは。

U 僕らは友達同士なので普段はワチャワチャやっているけど、それに触れない時期もありました。SATORUには辞めて欲しくない気持ちも伝えつつ、仕方ないよねって。お互いの気持ちも確認し合いましたからね。

■SATORUさんは報告するタイミングは考えましたか?

SATORU 今まで何でも喋ってきたし、辞める話の前から家族の病状のことも話していましたからね。脱退の件もみんなで話し合ったから。

U うん。それでいよいよだなと。

MASATO SATORUとは同じ歳で、親の歳も近いから、現状も把握しやすくて。理解できる部分が大半だったけど、理解できないというか、SATORUが辞めてしまうのは苦しかったですね。でもSATORU自身も脱退を発表するまで苦しかったと思うし、誰も悪くないから。今は前向きなスタンスです。

REI SATORUさんの親の状態はちょこちょこ聞いている中での決断だったので…最初は続けて欲しい気持ちもあったけど、どうしようもない部分もあったから。友達だし、家族以上に長い時間を過ごしてきた仲間ですからね。でもみんなで出した答えなので、今はSATORUさんの意志を尊重したいなと。

■メンバーの気持ちを聞いて、SATORUさんの心情は?

SATORU 正直まだ実感がないんですよね。ツアーに向けて今リハもやっているけど、それでも実感が沸かないんですよ。最後の最後にならないと、自分がどういう気持ちになるのかわからないから、今は不思議な気持ちですね。

■まだリアリティがないと?

SATORU そうですね。ヘンだけど、これでいいのかな…。

U リハで“ダンシング・マン”をやっている時にSATORUが前に出るんですけど、たまに切ないんですよね。

SATORU 俺、そういうの見せてる?

U いや、SATORUが今まで通りだから、逆にこっちが切なくなっちゃって。これからこの空白をどう埋めたらいいのかなと。

MASATO (切なさを)見せないように盛り上げている自分がいます。

全員 ははははは。

■ここで曲の話に移りたいんですが、“遠距離恋愛”はビートガーデン初となる女性目線のバラードです。このアイデアはいつ頃に浮かんだものですか?

U 一番の歌詞を書き終えた時に、結構女々しくなったんですよ。語尾が女性っぽくて…「俺ら男4人でこの歌詞を歌うのはどうなんだろう?」と。ただ、ファンの人から女性言葉で書いて欲しいというリクエストをもらっていたので、試しに女性目線で書いてみたらしっくり来たんですよね。

■決め打ちで制作したのではなく、走り始めた後に女性目線に切り替えたんですね。

U そうなんです。いろんなラブソングがある中で、今のコロナ禍の状況を踏まえて、自分の気持ちを乗せられるのは遠距離恋愛というテーマかなと。僕らのグループもそうだけど、Beemerとの絆も強いし、それに支えられていたんだなと。例え歌えなくても、みんなに会いたい気持ちが強くなったから、歌詞もより女々しくなったんでしょうね。僕は元カノを思い浮かべているわけではなく、今遠距離恋愛をしているわけでもなく、Beemerの顔を思い浮かべて歌うことが一番気持ちを込められるから。その意味では僕らも遠距離恋愛している気持ちですからね。

■歌詞と楽曲、どちらが先にあったんですか?

MASATO 曲ですね。

■作曲はMASATOさんですけど、最初のイメージは?

MASATO 最初は遠距離恋愛というテーマもなく、ラブソングを作ろうということだけチーム内で決まっていたんですよ。でも、ただのラブバラードではなく、相手のことを思う気持ちを描きたかったんです。そこに遠距離恋愛というテーマが来て、たまたまそれに沿う内容だったんです。

■ただのラブバラードではないものとは具体的に言うと?

MASATO 例えば二人の恋愛を描く時に、ただラブラブなシーンばかりじゃなく、相手のことを思う気持ちが立つような内容にしたかったんです。思いの温かさが滲み出るバラードにしようと。

■どちらかと言えば、片思いに近い心情ですか?

MASATO あっ、そうかもしれない!一人の願いを表現しているイメージですね。

■それは“遠距離恋愛”の歌詞の内容と見事にリンクしているじゃないですか。

MASATO すごくハマッているなと思いました。メロディを作っている時はみんなに伝えていなかったので、出来上がった時にすべて繋がっているなと。

■REIさんは曲を聴いた時にどう感じましたか?

REI 自分は過去の恋愛観を思い返して聴いている自分がいたんですよ。その当時の恋愛は相手の方が忙しくて、自分は忙しくない状況だったので、もう少し寄り添ってあげられたら良かったなと。

■それは恋愛あるあるかもしれません。(笑)

U そうですよね。

REI もしこの曲を男性が聴いたら、相手を大事にしてあげて欲しいなと。

U 一度そこを通っているからね。アドバイスでした!

全員 はははははは。