今ここから始まる8人とふぁんずの物語。
8人組アイドルユニットFUN×FUNが2025年12月11日、東京・池袋harevutaiでデビューライブ『FUN×FUN DEBUT LIVE「FUNFARE ~きみと育てる、最高の“FUN”~」』を開催した。茜音良翔、かんどん、藍川心、楓はると、風見隼磨、みかみそう、月詠来貴、Zの8人で構成されたFUN×FUN。公演当日、時間になると、スモークが揺らめく舞台で電飾が60秒のカウントダウンを始める。満員の観客が期待を高める中、歓声の中でメンバーがひとりひとり登場。「LIVE START」の文字とともに、“Honey神”がスタートした。「はじめましてFUN×FUNです!今日はデビューライブ、きてくれてありがとうございます!みんなで一緒に楽しい時間を作っていこうよ!」メンバーカラーの衣装を身にまとい、晴れ舞台を踏んだ8人は、紙吹雪舞い散るスクリーンを背後にレーザービームの中で躍動する。続いて“一キュン万倍ハッピー”では、色とりどりのサーチライトが回転。アイドルとしての総合力が高くエネルギッシュに踊る良翔に、爽やかな笑顔と存在感で魅せるそう、仕草や表情に正統派アイドルの空気をかもす隼磨と、ちょっとうつむき気味に感動の涙をこらえる初々しいかんどんといったメンバーの雰囲気の違いも楽しい。

「池袋harevutaiにお越しのみなさん!僕たちがFUN×FUNです!よろしくお願いします!」2曲を終えると、初めての自己紹介コール&レスポンスだ。はるとは「僕が『まるっとはると』と言うので、『好きにならんと』で返してください」。Zは「俺が『せーの』って言ったら『ぜってーZがいいぜっ』って言ってください」。そうは「『やる気元気~?』って言ったら『みかみ~!』って言ってください」。かんどんは「『俺は誰~?』って言ったら『かんどんだぞ~!』」。来貴は「僕が『今日のラッキーアイテムは?』って聞くので、『らいき~!』って答えてください!」。心は「『こころ込めて』って言ったら『君のもとへ』って返してください」。隼磨は「自分が『はやまを見ると?』って言うので、『早まっちゃう』と返してください」。良翔は「僕が『よしとを推して!』って言ったら『よーし!』って答えてください」。8人それぞれ覚えると、ライブはいっそう楽しくなる。imaginateメンズアイドルプロジェクト-2025-のオーディションによって集められた8人。コンセプトは、「君と育てる、最高の”FUN”」だ。ひとりじゃできないことも、仲間と、みんなと一緒なら越えていける。「メンバーだけではなく、ふぁんず(ファンネーム)と共にグループを育てていければと思っています」の言葉に、オーディエンスはうなずく。緊張しているかと問われれば、来貴は「始めてのアイドルだから緊張してる」ようだが、かんどんは「俺は緊張なんかしません!」の一言。それにはメンバーや観客から「かわいい~」との声が上がった。

「次の曲はFUN×FUNの楽曲の中でも特にダンス難易度が高い曲です」と紹介された“バレットレイン”になると、最初の緊張感から解き放たれた歌声が伸びる。路線名が連続する複雑なコールは、これからファンと共に育っていくのだろう。片脚で跳ねる異国風のダンスが楽しい“アブラカタブラ!”、そして“Lovin’you!!”へ。細かに表情を変えながらグループのバランスを見る心、大きな笑顔を咲かせて観客を見回すはると、元気いっぱいのキュートさでフロアを魅了する来貴、滑らかに踊り歌声を伸ばすZ。豊かな個性が、FUN×FUNをより強いアイドルにしていく。写真撮影タイムを経て、初めてのライブということでトークには初々しさがのぞく。韓国からやってきたかんどんの一生懸命なトークに「かわいい!」と声が上がる。薬指と親指をくっつけて「F」のような形にするFUN×FUNポーズに、ファンが「どうやるの?」「むずかしい」と戸惑う様子も、デビューライブならではだ。そしてライブもあっと言う間にラストブロックへ。宇宙に流れる星々を背に、レーザーが作り出す刹那の空が輝く“Trastar Breaker”は、デビューにも、これからにもふさわしい曲だった。ラストナンバー“ペンライト・エブリデイ”は、推しがいる日常をファン目線で可愛く仕立て上げた楽曲。サイダーの泡が弾けるようなスクリーンで明るく笑って歌い踊り、8人はステージから去っていった。

「なにがなんでもアンコール!」の声に呼び戻されたFUN×FUNは、かんどんがソロスポットで歌い出す“しんきんぎゅー!”で8人8色の笑顔を輝かせる。メンバーカラーのTシャツは、ポップに彩られた背景で華麗に揺れた。「アンコールありがとうございます!」と感謝しながら写真撮影に移ったFUN×FUNの8人は、スクリーンに映る「重大発表」の4文字に驚く。まず発表されたのは、1stシングル『Honey神』のメジャーリリースと、それを記念した観覧無料のリリースイベントが決定したこと。さらにラジオマンスリーレギュラーも決まり、全国ネット地上波音楽番組のスタジオ歌唱も発表となる。また、2026年3月からスタートする初の東名阪ツアーと、これを記念した6か月連続楽曲リリース、そしてメンバーの生誕祭の開催も明かされた。会場は沸くも、かんどんは「漢字わかんなかった……」と置いて行かれている。確かに、映像内で次々繰り出される日本の地名は難しかったことだろう。ここでプロデューサーやマネージャーから大きな花束を渡され、かんどんはメンバーから心配されるほどに大粒の涙を流している。それでも笑顔で写真撮影をして、FUN×FUNはひとりひとり想いを語り始めた。はるとはデビューライブに来場してくれたふぁんずへ感謝を語り、「生きていて辛いことはあると思うけど、自分も同じだから、居場所を作りたい、一緒に乗り越えたいという想いで、アイドルという道を選びました」と話す。「みんなのおかげでアイドルとしてここに立てているので、辛いことがあったらライブに来てください。そしたら僕たちが絶対笑顔にします。今日は本当にありがとうございました」。Zは、ファンはもちろん、多くのスタッフや振付師の先生たちに支えられていたことを感謝し、「感謝してもしきれない」「来てくれたみんなのおかげで大切な一日になりました」と一礼した。「『今日から』なので、これから一緒に素敵な思い出を作っていきましょう!」。そうはデビューライブのステージに立てた喜びと、「待ってたよ」の声が励みになっていたことを明かす。ステージに立てるのはたくさんの人の協力があってこそ。それをあらためて実感して、感謝の言葉をひたすら重ねる。「メンバーには厳しい言葉を言っていたんですけど、こうして誰一人欠けることなくデビューライブに立てたことが嬉しいです。ここがスタートなので、もっと大きなステージに立てるよう、初心を忘れず頑張っていけたらなと思います」。

かんどんは手紙を取り出し、「みなさん、今日は来てくれてありがとう!」と話し出す。応援してくれたファンには、その言葉に力を貰ったこと、メンバーにはひとりで辛い時も共にいてくれたことを感謝し、涙するかんどん。「これからも僕の全てをステージで見せていきたいです」の後には、韓国語でも想いを話した。来貴は小さい頃からアイドルを目指していたが、あきらめかけていた時期もあったそう。しかし夢をあきらめきれず、一念発起の末、アイドルになる決断をしFUN×FUNとして舞台に立った。「こうして今の景色を見ていると、これまでの苦労が報われた気がします」「FUN×FUNはこれから長い旅に出るので、これからもよろしくお願いします」。心は学業との両立が上手くいかず、またダンスでみんなに追いつけなくなり迷惑をかけたこと、それに対してみんなが丁寧に教えてくれたことに感謝する。「不器用かもしれないけれど、精一杯僕なりに頑張っていくので、応援してくれたら嬉しいです。本日はありがとうございます」。隼磨は直前まで体調を崩してしまっていたそうで、迷惑をかけていたと話していたが、メンバーは毎日心配のメッセージを送っていたという。そのことへの感謝で声を震わせつつ、ダンスも歌も初心者な自分がこうしてデビューを迎えられたことへの喜びも明かす。「僕たち8人で頑張っていくので、一緒についてきてくれると嬉しいです」。最後に、数々のグループを経験してきたという良翔は「こんなにもメンバー同士がメンバーのことを大切に想うグループは初めて」と語る。オーディション時もアシスタント的な役割を担っていた良翔は、「親かな?」と思うほど、リーダーとしてこの7人を支えようと考えている。「こうやってデビューを迎えられることは当たり前じゃない、いろんな人が関わってくれているからこそです」「そしてこれからまだまだ長く長く高みを目指していくので、僕たち8人の応援をよろしくお願いします!」そうしてライブは、腕を交差させる振付が印象的な「夢へ走り出す決意」の楽曲“クロスロード”と、再びの“Honey神”で終演。飛び出した8色のテープには、メンバーのサインが書かれていた。「以上、僕たちがFUN×FUNでした!ありがとうございました!」

Text:安藤さやか
『FUN×FUN DEBUT LIVE「FUNFARE ~きみと育てる、最高の“FUN”~」』@池袋harevutai セットリスト
01.Honey 神
02.一キュン万倍ハッピー
03.バレットレイン
04.アブラカタブラ!
05.Lovin’you!!
06.Trastar Breaker
07.ペンライト・エブリデイ
ENCORE
01.しんきんぎゅー!
02.クロスロード
03.Honey神







