一緒に描きだした、ひと足早いロマンチックな聖なる夜。
華やかなクリスマスシーズンを前に、ひと足早く素敵な聖夜をプレゼントしようと、西野カナが12月17日と18日に、Kアリーナ横浜で『ソニーフィナンシャルグループ presents Kana Nishino Special Live “Christmas Magic”」公演を行った。ここでは、17日の公演の模様をお届けしたい。暗くなった場内に流れだしたファンタジックでハートフルな音色と美しい鐘の音。その音色へ導かれるようにキャスト(ダンサー)たちが舞台を彩りだした。舞台後方部分を、眩い光が包み込む。その輝きが消えたのを合図に、ステージ上段に真っ赤なドレスを身にまとった西野カナが姿を現した。今宵はChristmas Liveという理由から、彼女は序盤に数々の素敵なクリスマスナンバーをプレゼントしてくれた。ライブの冒頭を飾った“Christmas Love”の時点から、会場中にロマンチックな音楽と歌声の風が香りだす。サンタクロースの化身になった西野カナは、会場を埋めつくした一人一人の愛しい君へ向けた想いを歌にしてプレゼントした。

マライア・キャリーの“All I Want for Chiristmas Is You”を歌う西野カナの声が、場内中の人たちの気持ちと身体を揺らしだす。ロマンチックな思いを詰め込んだ歌声が、煌めいた雪になって会場中に降り注ぐようだ。西野カナは、舞台を彩るキャストたちと一緒に、この曲を通してこの場を、ひと足早い、胸をときめかす華やかなクリスマスの宴の夜に染め上げていた。MCでは「すっごく久しぶりに金髪になりました」と報告。この色になるために、彼女は6時間かけたそう。 彼女が口にした、「みんなをすごく近い距離に感じているよ。今日は魔法の世界にどっぷりと浸かって、素敵なクリスマスの思い出を作ってくれたらなと思います」の言葉も嬉しい。ミドルメロウの“Merry Christmas”では、たくさんの白いスポットの光を浴びた中で歌う西野カナが、この場に足を運んだ人たちを、幸せに満ちた聖なる夜へと誘いだした。彼女が歌声の手を優しく伸ばすたびに、胸がドキドキする。「世界に二人きり このまま時よ止まれ Stop!」の歌詞通り、この曲の間中、彼女の歌声に触れながらロマンチックな時間を過ごしている気分でいた。

続いて届けたのが、Wham!の“Last Christmas”。この日のライブは、オリジナル曲のみならず、聖なる夜に似合うカバー曲もいろいろと組み入れて届けるスタイルを取っていた。この曲で西野カナは、ステージ上をゆっくりと歩きながら、少し切なさも抱いた歌声を会場中に染み渡らせていた。ここにいるみんなは、間違いなく西野カナのかけた”クリスマスの魔法”の虜になっていた。ロマンチックな気分に心が満たされるというのは、まさに、ここまでの流れのことをいうのだろう。背景の巨大なスクリーンには、サンタクロースがソリに乗って天空を駆け巡る景色が映し出されていた。そして……。“if”のイントロが流れたとたん、場内が嬉しくざわめきだした。真っ白な衣装に着替えた西野カナは、切ない恋心を言葉のひと言ひと言にしたためながら、目の前にいる一人一人の”君”に向かって「君の描く未来に 私はいるのかな」と“if”を歌いかけてきた。雪景色を背景に、みずからも雪の化身のような姿で切々と歌う西野カナの姿に視線と心がずっと引き寄せられていた。この日のライブは、観客たちが手にしたペンライトと、舞台演出がシンクロしており、その曲の求める色にペンライトの光が輝いていた。この曲中、客席中が真っ白い光に包まれていた様も、雪景色のように見えていた。

ピアノやアコギの音色が胸に優しく響きだす。“アイラブユー”でも西野カナは、大好きな人に向けて、心の内に秘めていた想いを告白するように。それこそ、一つ一つの言葉に「I love you」の気持ちを込めて歌っていた。彼女と一緒に「I love you」と歌う人たちもいるなど、この曲でも素敵な関係が描きだされていた。続いてベンチに座りながら歌ったのが、“With You”。愛しい人に向けて歌う西野カナの声に触れながら、優しい歌声に耳と心を傾けていた。DOMOTOの“愛のかたまり”を西野カナが歌いだすや、場内に熱いざわめきが起きていた。きっと、嬉しい意外性を持ったカバーの登場に、みんな興奮していたのだろう。彼女はクリスマスの季節を舞台にしたこの曲を、一人一人の胸の奥まで響かせるように力強く歌いあげていた。ステージの上で、華麗に踊るダンサーのカップル。物語仕立てのドラマが終わるのを合図に、グリーンのミニドレスに着替えた西野カナが登場。ここのブロックで彼女は、いろんな曲たちをShort Versionで次々と歌いだす。セクシーに、ときに凛々しい様で華麗に迫った“Secret”。力強いダンスビートに乗せてパワフルに歌いあげた“ONLY ONE”では、挑発するような姿で歌う姿が嬉しいインパクトを与えていた。想いを募らせるように歌った“MAYBE”。その上で彼女は、心の奥から沸き上がる熱情した想いを高らかに響かせるように“もっと…”を歌っていた。このブロックで見せた西野カナの情熱的な恋心や切々とした想いは、観客たちのハートをしっかりと射抜いていった。

秘めた情熱を零すピアノの音色に乗せて、西野カナが「会いたくて 会いたくて 震える」と、愛しい人へ想いを届けるように“会いたくて 会いたくて”を歌いだした。なんて胸をキュンと切なく鳴らす歌声だろう。彼女の口から言葉が放たれるたびに、胸の内にひと言ひと言がジンッと染み渡る。だから、彼女の歌声と自身の思いを重ねながら、同じ切ない心の色に染め上げていた。場内中が、秘めた恋心のような真っ赤な光に包まれていた景色も印象的だった。ライブは華やかなバンド演奏に。メンバーらのセッション演奏を受け、アイスグレーのドレスに着替えた西野カナが、大切にしたい”あなた”へ向けてm-floの“Yours only,”を歌った。カバー曲とはいえ、彼女の心模様をダイレクトに感じられる歌なのが嬉しい。想いを込めた温かい歌声に、このままずっと酔いしれていたい。美しくも切ないピアノとストリングスの音色が始まりを告げた。西野カナはひと言ひと言に強い意志(愛情)を込め、“EYES ON YOU”を通して歌声の翼を大きく羽ばたかせ「「愛してる」の言葉だけじゃ足りないよ」と、思いを素直に告白した。彼女の歌うその言葉を聴くたびに、その歌声を放したくない衝動に駆られていく。ライブも最後のブロックへ。キラキラの星型ミラーパーツが印象的な衣装に着替えた西野カナは、素敵な歌のプレゼントを届けようと、キラキラとした声で“Dear Santa”を歌っていた。彼女は頭上高く競り上がった、コンパクトミラーのステージの上から、場内中に声の輝きを振りまくように歌った。一つ一つの演出がとてもロマンチックだ。このまま”クリスマスの魔法”にかかり続けていたい。それくらいロマンチックな気分をずっと覚えていた。

再び会場中をカラフルに、さらに華やかに彩るように、西野カナはポップでダンサブルな“YOKUBARI”を、たくさんのダンサーたちを引き連れ、ラップをするように言葉を投げかけ、ときに少し挑発するように歌った。彼女はこの空間をカラフルでダンサブルに染め上げていく。西野カナが描きだした心を踊らせるパレードに参加し、ウキウキとした気分で一緒に行進していきたい。さらに、パーティー気分を上げようと、西野カナはSpice Girlsの“Wannabe”を歌いながら、観客たちにときめきの魔法をかけ続けていった。大勢のダンサーたちを率いた西野カナは、少し早口で想いを繰り出すように“マジカルスターシャインメイクアップ☆”を、身体中からあふれだすエナジーに導かれるまま歌うと、マジカルでファンタジックでポップな世界が目の前に広がりだす。ちょっとヤンチャでガーリーな様でせまる西野カナの姿が、胸をキュンとくすぐる素敵な刺激を与えた。さらにこの曲では、大きなコンパクト型のセットも演出に用いながら、一瞬で装いを変える早着替えも見せていた。色味の濃いピンクの衣装姿になった西野カナは、「2025年はみんなに支えられた、めちゃめちゃ思い出のできた年になりました。何歳になってもいろんなことに挑戦していいし、できなかったことができるようになったことも嬉しかった。だから2026年も挑戦を忘れずに、私らしくいきたいと思います」と語った。最後に西野カナが歌ったのは、“トリセツ”だ。心をウキウキと躍らせるこの曲は、まさに恋にときめいた時の気持ちそのままだ。胸をキュンと騒がせるこの曲を通して、彼女は訪れた一人一人に「これからもどうぞよろしくね。」と、この関係をずっと続けようと約束を交わした。

カジュアルな姿に着替えた西野カナのアンコールは、INFINITY 16 welcomez MINMI&西野カナとして歌った“真冬のオリオン”をソロスタイルで届けながら始まった。彼女が大きく手を振って歌う姿に合わせて、場内中の人たちも手を大きく振りながら、西野カナと気持ちを一つに重ねあわせていた。彼女の体温を身近に感じられるハートフルな雰囲気なのが嬉しい。満員の観客たちが大きく手を振るたびに、手にした白いペンライトの輝きも大きく揺れ動く。その景色もロマンチックだった。終盤、西野カナが手にしたタオルを振るたびに、場内中にも、同じようにタオルを振る景色が生まれていたことも伝えておこう。次に披露した、2026年2月6日に配信リリースになる新曲の“君のせい”は、カップルの口喧嘩を題材にした、K-POPのような要素も巧みに組み込んだカラフルでダンサブルなポップチューン。「ねぇ君のせい ねぇ私のせい?」「ねぇ誰のせい?」と歌う歌詞の内容がすごく気になっていた。とてもキャッチーな楽曲だけに、リリース日が楽しみだ。最後に西野カナは、「ありがとう 君がいてくれて本当よかったよ」と“Best Friend”を届けてくれた。この曲のサビパートの歌に、観客たちも積極的に参加。まさに、最高の仲間同士で思いを一つに分かち合う様が、そこには広がっていた。本当にひと足早い聖なる夜を、ずっとロマンチックでハートフルな気持ちで味わい続けた素敵なライブだった。

Text:長澤智典
西野カナ『Kana Nishino Special Live “Christmas Magic”』@Kアリーナ横浜 セットリスト
https://nishinokana.lnk.to/ChristmasMagic_setlist
01. Christmas Love
02. All I Want for Chiristmas is You(マライア・キャリー)
03. Merry Christmas
04. Last Christmas(Wham!)
05. If
06. アイラブユー
07. With You
08. 愛のかたまり(DOMOTO)
09. Secret
10. ONLY ONE
11. MAYBE
12. もっと
13. 会いたくて 会いたくて
14. Yours only,(m-flo)
15. EYES ON YOU
16. Dear Santa
17. YOKURARI
18. Wannabe(Spice Girls)
19. マジカルスターシャインメイクアップ☆
20. トリセツ
ENCORE
01. 真冬のオリオン(INFINITY 16 welcomez MINMI & 西野カナ)
02. 君のせい(2026年2月6日新リリース)
03. Best Friend






