BiS VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

今作の『NEVER MiND』は、激ヤバなプロデューサー陣による最高のアルバム。

BiSが2ndアルバム『LOOKiE』以来、約4年振りとなる3rdアルバム『NEVER MiND』を2月28日にリリース。2023年7月・11月にリリースしたシングル2作に、新曲7曲を加えた全11曲を収録。今作の豪華プロデュース陣には、シングルをプロデュースした中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES/THE SPELLBOUND)、フルカワユタカ(DOPING PANDA)に加え、中村弘二(ex. スーパーカー)、AxSxE(ex.BOAT)、Age Factory、fOULが参加。幅広い年代のトップクリエイター×BiSによる超濃厚なROCK ALBUMとなった。現在の6人体制では初となる本作について、トギー、ナノ3、ヒューガー、イコ・ムゲンノカナタ、クレナイ・ワールズエンド、シオンエピックの6人に詳しく話を訊いた。

■前回取材させていただいたのが、新メンバーが加入してすぐのシングルリリースの時でしたが、あれから約半年ほど経ちましたが、新生BISとしてこの6人でこれまで活動してきて、それぞれ現在の心境としてはいかがですか?

シオン 単純にメンバーの仲が深まったと思います。個人としては少し成長して、いろいろなことをちゃんと楽しめるようになってきました。

イコ ここまでの半年間は密度とスピード感がすごかったので、前回のインタビューからあっという間ですごく短く感じます。でもあれから考えることが少し大人になったような気がします。(笑)

クレナイ この6人は個性がそれぞれバラバラなんですけど、それをちゃんと理解して、みんなを受け止められるようになったと思います。

ナノ3 新メンバーは半年ちょっとでまだまだな部分もあるんですけど、元からいた私たちもどうやったら6人で良くなっていけるかを試行錯誤してきました。新メンバーは初めは言えないこととかもあったと思うけど、今ではちゃんと「私はこう思う」っていうのをきちんと伝えられるようになってきた気がします。

ヒューガー 新メンバーが入ってきたばかりの時は全然会話ができなかったんですけど、最近ではそれぞれが考えていることがわかるようになってきたし、それぞれに何が得意で何をやらせたら上手くいくのかもわかってきたので、いろいろと任せられることが増えたと思います。

トギー 確かにこの半年でいろいろと任せられるようになりました。この前、24時間耐久のイベントがあったんですけど、シオンには急に歌唱パートを任せたりもしたんですけど、すごく良いシャウトで応えてくれたりとか、3人とも任せてみたら想像以上のものが返ってくることが何度もあったので、自然と頼れるようになってきました。

■今回のアルバムは豪華作家陣による楽曲が揃いましたが、アルバムが完成してみての感想と、ご自身にとってどんなアルバムになったかを教えてください。

シオン 楽しげな曲もあったり、感動的な曲もあったり、すごく幅広いアルバムになったなと思います。きっとアルバムを通して聴いてもらえたら、みんな1曲は気に入る曲が見つかると思うので、ぜひ聴いて欲しいです。全曲に自分の声が入っているのが嬉しかったです。(笑) 特に気に入っているのはAge Factoryさんにプロデュースしてもらった2曲で、私の声を褒めていただいて、ハモりのパートも追加してくれてすごく嬉しかったです。

イコ すごく豪華なアルバムで、どの曲を聴いても新しいBiSだなって感じられるし、今までにはない感じの曲が多くて、自分自身も「こういう歌い方できたんだ」とか新しい歌い方も発見できたし、得意な歌い方を見つけることもできました。それにこの6人でパフォーマンスできる曲が増えて嬉しいです。

クレナイ アルバム制作は今回が初めてで、短いスパンでいろいろな曲をどんどん録っていったんですけど、回数を重ねるごとに出来ることが増えていって、最後の方には自信がなくて苦手だったハモりにも挑戦できました。

ナノ3 今作はBiSとしては4年振りのアルバムで、私がBiSに加入してからは2年くらいですけど、ずっとシングルのリリースのみだったので、私にとっても初めてのアルバムなのでリリース出来るのがすごく嬉しいです。それに全部BiSの曲とは思えないくらいバラエティに富んでいて、これから新しいBiSを見せていけるアルバムになったと思います。ライブで披露していくのが楽しみです。

ヒューガー 去年の3月末に新メンバーが加入して、この6人でのスタートが4月で、『イーアー〜』のシングルを7月にリリースして、『LAZY〜』を11月にリリースして、そして今回2月末にアルバムをリリースするので、そこまででほぼ1年なので、自分たちにとってもこの1年間を振り返れるような、1年間を「ギュッ」っと詰め込んだようなアルバムになったと思います。それに豪華なプロデューサーさんたちが、いろいろな切り口からBiSを見てくださって、それぞれの解釈で曲を書いてくださっているので、本当にいろいろな人に楽しんでもらえる作品になったと思います。

トギー アルバムって1枚でいろいろな曲が入っていますけど、今作は全曲いろんな人に届いたらいいなと思います。本当にいい曲がたくさん揃っているので、私もそれを本気でたくさんの人たちに届けたいと思えるアルバムになりました。それがすごく幸せだし、本当にありえないような豪華なプロデューサーさんたちが揃ったので、そんなプロデューサーさんたちのファンの方たちにも届いたら嬉しいなって思います。

■ではアルバムの収録曲についてお話聞かせてもらえればと思いますが、まずはYouTubeでドキュメンタリー映像が公開されていた曲で、ナカコーさんプロデュースの”青風”のレコーディング時のエピソードを教えてください。

シオン 最初に歌詞を見た時には「えっ?なんだコレ?どんな曲なの……?」って思ったんですけど、歌ってみたらすごく爽やかで透明感のある曲になっていてびっくりしました。(笑)

イコ 今までのレコーディングでは、みんなの裏声とか聴いたことなかったので、みんなの初めて聴く声とか歌い方が面白くて、歌詞も爽やかで悩みを洗い流してくれるような気がするし、「新しくなる」って歌詞にある通り、新しいBiSを見せられる曲だなって思います。

クレナイ この“青風”はハモりも主旋律というかメインみたいな曲で、新しい試みをしているので、私も新しいBiSを見せられる曲だなって思います。

ナノ3 今までこういう優しい歌い方をする曲ってBiSにはなくて、地声でガンガン歌う曲が多いので、ライブで披露する時も雰囲気がガラッと変わる曲だし、セットリストでもそうやって雰囲気を変える大事な曲になっていくのかなって思います。

ヒューガー この曲はまずデモ曲をいただいた時に、歌詞カードを見ないで聴いたら、まるで英語で歌っているようにも聴こえる曲で、それを私たちも英語っぽく歌うのをすごく練習しました。いつもと違う練習方法が楽しかったしすごくやりがいがありました。それでドラム式の洗濯機が欲しくなっちゃって、練習中にネットで値段をめっちゃ調べてました。(笑) でもすごく高くて買えませんでした……。

トギー 洗濯機か漂白剤のCMで起用して欲しいくらい爽やかで風を感じる曲になっています。目を瞑って聴いたら、まるで草原で大地と風を感じながら聴けるBiS史上最高に清涼感を感じられる曲になっています。今までのBiSの曲が好きだった人以外にもきっと届く曲だと思います。CMのオファー待ってます!(笑)

■ドキュメンタリーのもう1曲は“R.U.N”でしたが、こちらはいかがですか?

シオン この曲は「みんなで一緒に頑張ろう!」って思えるような曲で、振付けも拳をあげて会場のみんなと一体になれるような曲になっています。

イコ この曲はシンガロングの中でサビをメンバーで繋げていくところが絆が深まる感じがするし、お客さんたちも初披露の時から一緒に熱唱してくれて、お客さんとの距離もすごく近づける気がします。歌詞に「飛べない場所なんて 僕らにはないから」ってあるんですけど、自信を持ってどこまでも飛べるなって思わせてくれる曲です。

クレナイ この曲はサビで拳をあげる振付けのところで、お客さんともすごく目が合うので繋がっている気がするし、「今、君に触れる」って歌詞のところでメンバーと顔を見合わせて手を繋ぐところもあるので、そこでも繋がっている感じがしてすごく好きです。

ナノ3 デモ曲をいただいた時から本当にカッコよくて、最近リリースしていた曲とはまた違った感じだったんですけど、私たちにすごく合う気がしていて。歌詞にも「走って 走ってく」って何回もあって、今の前に進むしかないBiSにとってすごくぴったりだなと思いました。しかもこの曲がアルバムの1曲目なので、最初から惹きつける事ができると思います。

ヒューガー この曲はなんか心の中の少年の部分を呼び覚ましてくれる気がしていて、一人称が「僕」だし、イメージとしては半袖短パンで、荷物も何も持たずに、靴は「瞬足」ですべて振り払って走っている感じです。(笑) トギーが付けてくれた振付けも全部振り払うような振りがあったりするので、聴いてくれる人たちも「細かいことは気にせずに全力で走るんだ」って気持ちになってくれたら嬉しいです。

トギー “R.U.N”は、このアルバムの中で一番素直に熱い気持ちを表現している曲で、レコーディングの時も、ライブで歌う時も、「BiSがどこまでも走っていけるように」という想いで魂込めて歌っています。私はこういう熱い曲が好きなので、作ってくれたAge Factoryさんのライブを観に行ってその熱を感じて、「自分はこの熱をどう表現できるんだろう?」って悩んだりもしたけど、「どう表現するかではなくて、どれだけ自分の心に素直になれるか」だなって気がついたので、これからもとにかく素直な気持ちで頑張って歌います。
 
■MVが制作された“STiLL BE CHiLD”はすごく爽やかでコーラスがきれいな曲ですね。この曲はいかがですか?

クレナイ この曲は私が初めてコーラスに挑戦した曲です。いつもBiSはコーラスを録る時って、挙手制でやりたい人がやるんですけど、今まで私はいつも遠慮していたんです。でも今回は挙手して頑張りました。一回挑戦したら自信が持てたので、これからも積極的に頑張ろうと思います。(笑)

ナノ3 レコーディングの時はみんな別々に録ったんですけど、最後にみんなの声が重なったのを聴いた時は、まるでオーケストラを聴いた時みたいに「ワッ」とみんなの声がハーモニーになって聴こえて、自分たちの声なのにすごく感動しました。

■でもライブで歌うのは難しそうですよね。(笑)

ナノ3 めっちゃ難しいと思います!(笑)

トギー 音源はコーラスまで全部みんなで歌っているんですけど、ライブでは全部は難しいので、また違うアレンジになると思います。でもそこの違いも楽しんでいただけたら嬉しいです。

■こちらもMVが公開された“Sakura”ですが、この曲についてはいかがですか?

トギー この曲はレコーディングでヒューガーが歌っている時に、Age Factoryの方が「こんなに歌が上手い人、バンドマンでもいないよ!」って言っていたのが印象的でした。(笑)

ヒューガー 私は関西出身で、Age Factoryさんも奈良県出身なので、同じ関西ってことでノリで面白く言ってくれただけだと思いますよ。(笑) 私はレコーディングブースの中で顔が見えない状況で、ヘッドフォンからその声だけが聴こえて来たけど、嬉しくてすごく安心しました。

トギー やっぱり褒めてもらえたりすると歌うのもリラックスして歌えるし、すごく優しかったです。それにレコーディングしやすいようにと、メロディーとかハモリが重なっている音を全部分解した資料とかファイルを事前にたくさん送ってきてくれたんです。

■“Olenimorph,Ole”ですが、こちらは歌詞の内容が謎ですよね……。この曲はいかがでしょうか?

イコ この曲は事前にアンケートでBiSに入る前の自分の過去の事などをいろいろと書いて、作詞してくれたabelestさんに送ったんですけど、みんなのエピソードや言葉が歌詞のあちこちに散りばめられている感じなんです。多分音重視でそれに当てはまる言葉を選んでくれたんだと思います。

ナノ3 この曲は歌詞にもある「寝起きドッキリコンサートで歌う」ような目まぐるしい日々で、「起きてすぐに目の前に広がっている状況にまだ頭が追いつかない」というようなテーマで、私たちからヒアリングした言葉をチョイスして散りばめたみたいです。

■どの歌詞がどの人の言葉とかってみなさんは分かる感じですか?

トギー abelestさんが想像で追加してくれた部分もあるんですが、だいたい歌っている人のパートがその人が送ったワードみたいな感じになっています。(笑)

クレナイ 「歌もダンスも下手〜」のところは私が書きました。(笑)