ClariS『ClariS 15th Thanks Tour 〜 一夏灯祭 〜』ライブレポート@Kanadevia Hall

夏の真ん中で鳴り響いた、ClariS第3章の祭り囃子。

ClariSが9月18日に、『ClariS 15th Thanks Tour ~一夏灯祭~ 結夜(むすびよ)』をSGCホール有明にて開催し、ツアーを完走した。VANITYMIXではツアー完走を記念して、ツアー初日の7月12日に東京・Kanadevia Hall(旧TOKYO DOME CITY HALL)で行われた『ClariS 15th Thanks Tour 〜 一夏灯祭 〜』の初日公演をレポート。メンバー初のソロカバー企画に、新曲“ヒトコト”の披露、夏祭りの高揚感に三声のハーモニーが溶け合った一夜をレポートする。法被姿で現れた3人が、公演の幕開けを高らかに告げた。東京都立狛江高等学校ダンス部とともにステージを埋め尽くし、開演早々から祭りの熱気が立ちのぼる。「みんな、心にお神輿担いでいこう!」とエリーが呼びかけ、うちわを掲げながらClariS流の“お祭りマンボ”で客席を沸かせた。法被を脱ぐと、スパンコールがきらめくホワイトの衣装へと早変わり。3本のスタンドマイクが並べば、それはClariSの新境地を切り拓いた“Revive”が始まりのサインだ。アンナは鋭い前蹴りに続いて、MVでもおなじみの人差し指を立てる挑発ポーズを決めてみせた。さらに温度を引き上げたのは、多幸感あふれる“ヒトリゴト”。序盤から緩急を効かせた流れが、フロアの感情を揺さぶっていく。

続いて披露されたのは、3人体制で初のシングルとなった“Umitsuki”。水色の光に揺られながら進化を続けるパフォーマンスで魅せる。サビ前のターンでは、ウェーブがかったクララの長い髪がふわりと舞い視線をさらった。間を置かずに響いたのは、メッセージ性を帯びた夏ソング“Summer Delay”。3人のユニゾンが真夏の夜に透きとおった余韻を残した。勢いはなおも加速する。『リコリス・リコイル』関連楽曲の“Radiant”、“ALIVE”を立て続けに放つと、客席からはいっせいに拳が突き上がった。そしてここから会場は、歓声の祭りに包まれ続けることになる。メンバー初のソロカバーコーナーが始まったからだ。トップバッターのクララは、8人のダンサーとともに“青い珊瑚礁”を披露。ブルーチェックのワンピースに身を包み、潮風のように澄んだ清らかさを声に宿していく。ダンサーの間からクララが顔をのぞかせる度、フロアの熱が跳ね上がった。黒の衣装で現れたアンナが選んだ楽曲は“サウダージ”。普段の穏やかな佇まいを飛び越え、新たな表情を惜しみなくさらけ出す。情熱のこもった歌声が、アーティストとしての輪郭を鮮やかに刻んだ。最後に登場したのは、真っ白なドレス姿のエリー。ピンスポットを背に、芯の通った歌声で“いのちの名前”を紡ぎ出す。目を閉じて浸りたくなるような響きが、静まり返った客席の心を満たしていった。

MCでは、浴衣姿の3人がそろい踏み。ソロステージを振り返り、メンバーカラーのペンライトに染まる客席に感激したと声を弾ませる。凛とした歌唱から一転、おどけた語り口で笑いを誘ったのはエリー。会場の空気もふっとほどけた。そのまま披露されたのは、“夏祭り”、“暑中お見舞い申し上げます”、“secret base 〜君がくれたもの〜”のカバーメドレー。世代を越えて愛されてきた夏の名曲たちが、ClariSの声で爽やかに生まれ変わる。「ここからは三声のハーモニーをたくさんお届けしたいと思います」。クララの言葉どおり、“One more voice”、“Mermaid’と、聴き入らせるナンバーで会場を優しく包み込んでいく。“一期一会”では、ステージに設けられた階段にそれぞれが腰を下ろし、3つの声をそっと重ね合わせた。クララ・アンナ・エリーがめぐり会えた奇跡と、この祭りに集った人々との縁を慈しむような、穏やかなひとときだった。暗転の後、スクリーンには浴衣姿のままKanadevia Hallを飛び出す3人の姿が映し出される。車に乗り込み、向かった先は夏祭り。屋台で射的を楽しむなど、素顔のまま夏を満喫する様子がのぞく。

映像が明けると、真っ赤なドレスに装いを変えたClariSがステージへ帰ってきた。舞台いっぱいに広がるダンサーとともに、“未来航路”を晴れやかに歌い上げる。3人も一夏灯祭オリジナルのペンライトを手に取り、客席とともに祭りの灯のような光を揺らした。“ナイショの話”では、キュートな歌声で客席の頬をゆるませ、“幻想恋慕”では、流麗なフォーメーションダンスで見る者を引き込む。第三章以前に生まれたダークなナンバー“シニカルサスペンス”も、3人のユニゾンで今のClariSの響きへと更新してみせた。デビュー10周年イヤーを彩った“ケアレス”を華やかに歌い切ると、続いて鳴り響いたのは“コネクト”だ。ClariSの名を世に知らしめた原点が、15年の時を越えて夏の夜空へと打ち上げられる。ステージ前方に白いスモークが噴き上がる中、本編のラストに放たれたのは“Trigger”。重ねてきた歴史をその身に携え、3人の歌声がまっすぐに未来を撃ち抜いた。「最高の夏の思い出をありがとうございました!」と丁寧に頭を下げ、ClariSはいったんステージを去る。

アンコールを求める声に応えて再びステージに姿を見せると、新曲“ヒトコト”を披露した。エリーは、ワルツの三拍子に乗せて「鬼の花嫁」の主人公・柚子の心情を美しい言葉で綴った曲だと紹介する。金色の部屋で真っ赤な着物をまとい、扇子を手に舞うMVについても、「CGなんじゃないか?と思うほど」と手応えを口にした。この日はMVをバックに、生歌で臨む特別バージョンで端正なコーラスを響かせた。さらにMCでは、「夏祭りといえば」、「夏らしい曲といえば」を軸にセットリストを組んだと明かす。3人の心が日に日に重なり合っていく実感や、アンナとエリーの成長ぶりまで話題は尽きない。特別な夏の一夜はいよいよクライマックスへ。“border”では、ClariSも観客もタオルを振り回し、過ぎゆく季節のひとときを分かち合う。タオルをフロアへ投げ入れた3人は、そのまま声をそろえて“タカラモノ”を届け始める。クララはスマートフォンを手に、場内の様子をリアルタイムで映しながら歌う。画面にはメンバーだけでなく、この瞬間を味わう一人ひとりの笑顔が咲いていた。歌詞の「2人」は、「みんな」へと置き換えられ、会場ごと歌の輪の中へ招き入れていく。そしてフィナーレ。ともに舞台をつくり上げてきたダンサーと東京都立狛江高等学校ダンス部が再び登場し、オープニングと同じ“お祭りマンボ”で祭りを結ぶ。賑わいの余韻を残し、公演は幕を閉じた。祭りの後の、温かくも寂しい余韻が記憶に灯るように――。アンナはMCで「一夏灯祭」に込めた思いをこう語っていた。客席の胸にともった灯を頼りに、3人はまだ見ぬ景色へと歩みを進めていく。

Text:川上良樹
Photo:平野タカシ

「ClariS 15th Thanks Tour 〜 一夏灯祭 〜」@Kanadevia Hall セットリスト
01. Revive(TVアニメ「勇者のクズ」第2クールOP)
02. ヒトリゴト(TVアニメ「エロマンガ先生」OP)
03. Umitsuki(TVアニメ「彼女、お借りします」第4期OP)
04. Summer Delay
05. Radiant(パチンコ・パチスロ「リコリス・リコイル」搭載曲)
06. ALIVE -season 03-(TVアニメ「リコリス・リコイル」OP)
07. 青い珊瑚礁(クララソロ)
08. サウダージ(アンナソロ)
09. いのちの名前(エリーソロ)
10. カバーメドレー(夏祭り・暑中お見舞い申し上げます・secret base 〜君がくれたもの〜)
11. One more voice
12. Mermaid
13. 一期一会
14. 未来航路
15. ナイショの話(TVアニメ「偽物語」ED)
16. 幻想恋慕
17. シニカルサスペンス
18. ケアレス(TVアニメ「マギアレコード魔法少女まどか☆マギカ外伝 2nd SEASON -覚醒前夜-」OP)
19. コネクト -season 03-(TVアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」OP)
20. Trigger(パチンコ・パチスロ「リコリス・リコイル」搭載曲)

ENCORE
01. ヒトコト(TVアニメ『鬼の花嫁』OP)
02. border(TVアニメ「憑物語」ED)
03. タカラモノ(パチンコ・パチスロ「リコリス・リコイル」搭載曲)