ExWHYZ VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

大切な人に届けたい気持ちがたくさん詰まったEPなので、いろいろな場面で聴いてもらえたら。

ExWHYZが2nd EP『Sweet & Sour』を7月31日にリリース。今作はライブ後に感じる「多幸感」をリアルタイムにパッケージングしておきたいという発想から制作され、タイトルトラックにもなっている“Sweet & Sour”は、ExWHYZなりの「J-POP」をテーマに、構成で4回、BPMも4パターン、MIXに至っては14回もやり直して完成したとのこと。今回はそんなExWHYZ初のタイトルトラック曲“Sweet & Sour”を含む全5曲が収録された2nd EPの制作についてや、先行して公開された“Sweet & Sour”のMV撮影の裏話についてなど、yu-kiとmikinaの2人に詳しく話を訊いた。

■前作のEP『HOW HIGH?』以来の取材になりますが、最近お2人が注目しているものや、気になっているものを教えてください。

yu-ki 最近はdua lipaさんにハマっていて、家でもMVを流していたり、移動中もよく曲を聴いています。見た目に憧れて髪の毛も赤にしました。(笑) あと、ずっと海外への憧れもあったので、英語が話せるようになりたいと思って、毎日英会話アプリで英語の勉強をしています。最近は海外から日本に観光に来る方たちも増えてきたので、コミュニケーションを取るきっかけも多いですし、もっと英語が理解できたり話せたらいいなと思います。

mikina 私、今朝ちょうど電車の中で海外の人に話かけられて、「To Shinjuku?」と聞かれたんですけど、なんと返していいのかがわからなくて……。とりあえず新宿行きの電車で合っていたので、親指を上げて笑顔でサムズアップしておきました。(笑)

■めっちゃタイムリーでしたね。(笑) ちゃんと伝わって良かったですね。

mikina 私は最近、「アンメット ある脳外科医の日記」というドラマを観ていて、杉咲 花さんと若葉竜也さんがすごく素敵だなと思って。そこから俳優さんの思考がいろいろと気になってしまって。(笑) そうしたら、ちょうど「グータンヌーボ」のスペシャルもやっていて、松岡茉優さんが俳優をやるにあたって普段思っていることなどをお話していたので、それも観ました。私は演じることにもすごく興味があって、それらの番組を観てから、別に俳優をやるわけでもないのに「どうやったら台詞を覚えられるのかな?」とか考え始めてしまって。(笑) それで「やっぱり台詞を覚えられないから、俳優は無理かな……」という思考になって、行き着いた先の答えは「台詞のないMVのドラマだったら出てみたい」でした。(笑) 

■ミュージシャンも歌詞を覚えないといけなかったりもするし、割と近いし似ているところも多いんじゃないかと思いますけどね。(笑)

mikina 演技の「表情で感情を汲み取られる」みたいなことをやってみたいなと思って。最近、写真集を発売したこともあって、そういうのにすごく興味がありますね。

■現在は『ExWHYZ TOUR 2024 ‘Futura Free’』のツアー中ですが、今回のツアーでのライブはいかがですか?

mikina 今回のツアーは途中でmayuちゃんが活動休止になったり、いろいろなことがあったので怒涛の日々ですけど、その度に観に来てくれるお客さんの存在の大きさを思い知る感じです。

yu-ki 毎日自分のギアを上げて奮い立たせている感じですね。メンバーが活動休止で抜けるというのは結構なダメージというか、自分の中でも大きくて。何年も一緒にやってきた仲間なので、自分だけではカバーしきれない部分がたくさんあって、すごく心配していたんですけど、ライブに来てくれているファンの方たちから、「オレたちがいるから大丈夫だよ!」と、直接言ってくれているわけではないんですけど、「そういう気持ちを持って観に来てくれているんだろうな」というのがライブを通して伝わってきて。それがすごく支えになったし、そのおかげでまだまだステージに立てるなと感じました。

■今回は全国19都市20公演ということで、現状もう3分の2ほど終わりましたが、特に印象に残っている場所や、記憶に残っている公演はありますか?(取材日は6月30日岡山公演後)

yu-ki 私は初めての凱旋ライブになった埼玉公演ですね。ずっと今まで他のメンバーの凱旋ライブとかもあって、すごく羨ましかったんです。埼玉って都心に近いからこそ、あんまりやらないじゃないですか。(笑) 前に一度埼玉公演をやる予定があったんですけど、コロナ禍で中止になっちゃったので、今回はそれがやっと実現出来たんです。私がすごく楽しみにしていたら、ファンの人たちも一緒に楽しみにしてくれていて、学生時代を過ごしていた場所に、この道を選んでいなかったら出会えていなかった人たち、今の自分にとってすごく大事な人たちが集まってくれたことがすごく嬉しかったし、この道を選んで良かったなと純粋に感じられた時間になりました。

mikina 私も埼玉公演はすごく印象に残っています。やっぱりyu-kiちゃんが嬉しそうにしているのがすごくわかったし、そういうのが自分にも影響してくるんだなというのがよくわかりました。あとは横浜公演ですね。私が「このメンバーでここまでやってこれて嬉しい。いつもありがとうね」みたいなMCをした後に歌った“Our Song”で、mahoちゃんが私のことを指差しながら歌ってくれて、それが思いのほか嬉しくて。(笑) 「mahoちゃんは私のこと好きだな」と、愛を感じたんです。(笑) あんまりmahoちゃんはそういうのを表に出すタイプじゃないので、それをあらためて感じたので、「このシーンは絶対に心に焼き付けておこう」と思いました。(笑)

■素敵なエピソードですね。そして2nd EP『Sweet & Sour』のリリースが決まりましたが、今作のEPが出来上がってみて、どんな1枚になりましたか?

mikina 今作は日々の生活や情景がすごく思い浮かぶというか、そういうのを感じる曲がたくさん入ったEPになりました。いろいろな想像ができる作品です。

yu-ki 今までにない作品だなと思いました。今までは結構明るかったり、楽しかったりする作品が多かったんですけど、今作は幸せなんだけどちょっと儚さがあるというか、憂いを感じる作品になったなと思っていて。だから、無理に前向きではなくて、「前向きにならなくてもいいよね」という気持ちごと受け止めてくれるようなEPになったと思います。

■ではそのEPの収録曲についても詳しくお話を聞ければと思います。まずは1曲目の“ドラマ”ですが、こちらはmikinaさんが作詞に参加されていますが、今回はどのような形で制作していった感じですか?曲先行ですか?

mikina そうですね。まずはデモ曲を聴いて、私が感じ取ったことを歌詞に書き起こして、それから再考を重ねていって、最終的なテーマが決まって。その上でASOBOiSMさんが全体を構築してくれて、音に綺麗にハマるラップも書いてくださったんです。

■なるほど。この曲の歌詞は全体的に韻を踏んでいるような言葉選びをしていますよね?

mikina それはもうASOBOiSMさんの力で。(笑)

■他にmikinaさんが作詞でこだわったモチーフやポイントを教えてください。

mikina ひとつ大きなテーマとして「結婚」というのがあったんです。結婚ってその人のことを好きなだけじゃ成り立たないじゃないですか。まずは出会わないといけないし、自分も相手も今までの人生でいろいろなことを経験してきた先に、このタイミングで出会えたことが奇跡的でいいなと感じるし、素晴らしいことだなと感じたので、それを歌詞にしました。あとは相手がいるからこそ生まれる感情とか、今までは知らなかった感情とか、そういうのがあるのも素敵なことだなと思って書きました。

■今回結婚をテーマにされたのにはなにかきっかけがあったんですか?身近でお友達などが結婚されたりとか?

mikina そういうのを特に意識してはいなかったんですけど、思えば周りがすごい結婚していましたね。(笑) 確かにGWとかにみんな結婚式を挙げたりした写真をSNSに上げたりしているのを見る機会が多かったような気がします。(笑)

yu-ki 無意識に刷り込まれているんじゃない?(笑)

■6月はジューンブライドですし、時期的にもちょうど多かったのかもしれないですよね。(笑)

mikina そうかもしれない。(笑) 最初は一目惚れをテーマに書いていたんです。「ファンの人たちからしたら、推しメンとの関係にも置き換えられるなぁ?」とか思いながら書いていたんですけどね。(笑) その先に「君が存在しているからこそだな」となって、愛に発展していった感じです。

■yu-kiさんはこの曲を初めて聴いた時の感想はいかがでしたか?

yu-ki すごく等身大で歌える曲だなと思いました。すごい「わかる!」と思いましたし、それこそ先ほどお話した「メンバーの人数が減って大丈夫かな?」と不安になっていた時にファンの人たちに救われたというのも、1Bの歌詞に入っていますし、そういう感情が入っているので、歌う時も入り込みやすかったです。みんなに伝えたいメッセージを綺麗に入れてくださっているのがすごくいいなと思いました。

mikina 自然とファンの人たちが思い浮かぶようになっているよね。

■確かに「降り注ぐエール」のところとかもね。この曲をレコーディングで歌ってみていかがでしたか?

mikina この曲はすごく音が高いんですよね……。久保田真悟(Jazzin’park)さんが作ってくださる曲はいつも高くて、“FIRST STEP”とかもそうなんですけど、絶妙なキーの高さなんですよね。だから私はいつも歌えなくてオクターブ下を歌わせてもらうんですけど。(笑)

yu-ki 私もギリギリな感じですね。なんか綺麗に歌うのが難しい高さなんですよね。(笑)

mikina ギリギリなところで生まれる感情がいいんですかね?もしかしたら。(笑)

yu-ki でもすごくキラキラした曲なのに、終わりはキラキラだけでは終わらないというか、終わりのひとクセがすごく面白いなと思いました。

mikina この曲は聴いていくと、最後「つづく」って感じしませんか?(笑)

yu-ki 私も「この話続くんや」って思った!

■じゃ、続編の“ドラマ”に期待ですね。(笑) 続いて2曲目の“NIGHT COASTER”ですが、この曲はつい身体が動いてしまうような、フロア対応のダンサブルなナンバーですね。

mikina この曲カッコいいんですよね。夜のドライブとかにも向いていると思います。

yu-ki 私はこの曲はnowの歌い出しがすごく好きで、これがまたmikinaちゃんから始まるとか、mahoちゃんから始まるんだと曲のイメージが違ったと思います。もうちょっとダーク寄りになるというか。

mikina わかる。私が歌うとどうしても目を座らせて歌う感じになるよね。(笑)

yu-ki nowが歌うことによって、手を引っ張られるような感じがするし、調和している気がします。あとは頭に残るリズムというか、一度聴いたら口ずさんじゃうような、自然と身体も動くような曲です。

mikina キャッチーだし、ライブでも没入できそうだよね。目を瞑って聴きたいですね。

■3曲目は“present [ExWHYZ Ver.]”ですが、この曲はmayuさんとmahoさんが参加されたcross-dominanceさんのプロジェクトの曲でしたが、こちらは[ExWHYZ Ver.]で、歌詞も日本語になっていますが、この曲をみなさんで歌ってみていかがでしたか?

yu-ki 私はmayuとmahoが二人で歌っていた時からこの曲が大好きで、ずっと歌いたいと思っていたし、羨ましかったので、みんなで歌えることになってすごく嬉しかったです。それに今回レコーディングしてくださったのが麦野優衣さんという方で、mayuとmahoがレコーディングした時から、レコーディング中にモチベーションを上げてくれる方で、すごくわかりやすくて優しい方だと聞いていたし、その2人から「yu-kiちゃん絶対に好きだよ」と言ってもらっていたので、レコーディング前からワクワクしていたんです。(笑) 実際のレコーディングもすごくわかりやすい例えをしてくれたり、ディレクションをしてくれて、歌い終わった後も「もっとこういう練習をすれば良くなると思う」とか、「ここを意識するだけで結構変わると思う」と、的確なアドバイスもしてくれたんです。すごく親身になってくださって嬉しかったです。

mikina 確かに。私には「このフレーズは天井を感じないで、空が開けた自然の中で歌っているのを意識して歌って」と、言ってくださったんですけど、本当にそれを想像すると歌声が変わるんです。「そうやって歌って歌うんだ」と思って、これから歌を歌うのが楽しみになりました。それで出来上がったこの曲を聴いたら、花がブワァーと咲き誇っているイメージで、結構ハッピーな感じを受けました。

yu-ki 確かにmayu,mahoバージョンはもっと儚げな感じだったかも。二人とも大人びた声だからかな?だからnowの真っ直ぐな声が加わることで曲の印象が変わったと思います。より私たちらしいというか、ちゃんと[ExWHYZ Ver.]になっているなという感じです。

■4曲目の“教えない”は、浮遊感が気持ちよいナンバーですが、この曲はいかがですか?

mikina この曲は去年の冬頃にデモをもらったんですけど、その頃から早くこういう曲が欲しいってずっと思っていました。この曲を大きな会場で演出とかを入れて歌って、「時を止めたい」と、さっきも2人で話していたんです。(笑) すごく雰囲気があって素敵な曲だなと思うので、どういう表情が自分の中から出るのかが楽しみです。

yu-ki 今までの曲は「君がいてくれて嬉しい」とか、「ありがとう」をストレートに伝えている曲が多かったんですけど、この曲はそういうのを直接ストレートに言うわけじゃないけど、
本当に大切な存在の人に向かって歌っているのが、聴いていて感じられるのがいいなと思いました。また今までとは違ったアプローチの曲だなと思います。

mikina この曲の歌詞は「知ってもらわなくてもいい」みたいな、「別に理解してもらわなくてもいい」けど、そのスタンスでいられると寂しい。強がっているわけではないけど、ひとつ大きな支えがあるといったイメージなんです。すごく温かいわけではないし、いたれりつくせりではないけど、なんだか安心する。という感じですかね。(笑) 「曖昧だけど心地いい」みたいな緩さがこの曲から感じ取れると思います。この曲のそんな温度感が好きです。

■この曲はかなり音数が少なめで、ボーカルも深いリバーブがかかっていますが、この曲を歌う時に気をつけたことなどはありますか?

mikina レコーディングの時は普通に歌ったんですけど、上がってきたものを聴いたらリバーブがすごくかかっていて、より一層深くなっていました。まるでゾーンに入るみたいな感じ。

yu-ki より世界観みたいなものが作られている感じがしました。でも歌うのはすごく難しかったです。