ICExがツアー最終公演で見せた、男らしさと無邪気な少年らしさ。
7月に2ndアルバム『FRESH!!』をリリースし、同作品を引っ提げ行った『ICEx Fourth Concert Tour 2026“FRESHest!!”』。そんなツアーのファイナル公演が、9月23日に東京国際フォーラム ホールAで行われた。当日の模様をここに記したい。ステージ背景に映し出されたメンバー紹介の映像。そこへ目を奪われている中、一瞬にして8人がステージの上に姿を現したのは嬉しい驚きだった。ICExのライブは、2ndアルバム『FRESH!!』にも収録された、「歯みがき」をテーマにした“HAMIGAKI”から始まった。「ゴシゴシ シャカシャカ」と歌う歌詞に合わせて、ゴシゴシと指を横にずらしたり、シャカシャカと縦にずらして歯みがきをする仕草を見せながら歌っていた。ときに2人ずつの組み合わせになり、「ゴシゴシ シャカシャカ」と相手の歯みがきを手伝う姿を見せ、ときに至近距離で顔を近づけるなど、COOLer (ファンネーム)が「キャーッ!」と歓声を発するような場面も見せていた。冒頭からお茶目で無邪気な、愛らしいICExの姿を味わえたのも嬉しいことだった。


お茶目で無邪気といえば、続く自己紹介曲の“We are ICEx!”でも、それぞれが自己紹介のパートを歌う度に、いろんなパフォーマンスを見せていた。阿久根温世がベンチに座って「めっちゃ好きやで」とクールに、でも少し甘えた仕草で口説き文句を述べれば、八神遼介が、フライパンを手に「オムライス作ってきたよ」とかわいくアピールをするなど、それぞれが自分の個性や魅力を際立たせてアピールしていた。そんな中、デッキブラシを手にしていた中村旺太郎の姿も強烈なインパクトを与えていた。曲を重ねるごとに、まるでカメレオンのようにいろんな曲の表情やキャラクターを見せていくのもICExの持ち味だ。ファンキーでソウルフル、でも華やかさを持った“Retro Universe”では、明るい曲調に乗せて大人の男の色気も醸し出したパフォーマンスを見せていた。躍動する楽曲の上で、クールな表情や少し強気に攻めた姿から、いつもの親しみやすくかわいい仕草までと、1曲の中に多彩な表情を折り込みながら魅力を見せてきたところに、彼らの持つ表現の奥深さを感じた。「ぶち上げていこうか!」の声を合図に歌った“Hollywood”では、再び親しみやすいモードに気持ちを染め上げ、COOLerとのハートの距離をぐっと縮めてきた。後半には、COOLerと「HEY!HEY!」と声を交わし合う場面も生まれていた。大人びたと思ったら、いつもの8人らしい姿を見せるなど、この曲でもしっかりと夢中にさせていった。


最初のMCでは、挨拶に続いて「僕らの愛を全力で受け取ってください。(山本龍人)」と、思いを伝える人から、「みんなの笑顔は100点満点です。(千田波空斗)」と、COOLerとの距離を縮める人まで、それぞれがCOOLerに向けて素敵なメッセージを届けていた。次のブロックでは、“恋ソーダ”の楽曲に乗せて一人ひとりがスポットを浴びながら登場し、甘いひとときをCOOLerに届けてきた。シュワシュワッと弾けるソーダ水のような大きな気泡を背景にパフォーマンスをしていたこともあって、メンバーそれぞれが弾ける気泡の中で一緒に弾けているような姿にも見えた。「なんで惹かれちゃうんだろう」の歌詞のように、シュワシュワと弾けるその姿を見ていたら、キュンキュンと鳴る胸のときめきを抑えられなくなっていた。「オレンジの夕陽」の言葉に寄り添うように、オレンジの照明が輝くなど、歌詞に合わせたさりげない演出もこの曲をドラマチックに見せていた。印象的だったのが、“ロボハ”の中でメンバーが見せた動きだ。工場の生産ラインから次々と生まれるロボットを思わせるパフォーマンスを見せて、意志を持ったロボットが人間らしさを得ていくように、手にキラキラと輝くハート(心臓)型のペンライトを持ち、ヒューマノイド型のロボットとして「僕らは心を持っているんだよ」とアピールするかのように、ハートのペンライトを巧みに用いたパフォーマンスをしていた。その姿がとにかく愛らしかった。

続く、ファンキーでダンサブルな“プン☆ジェラ”で8人は、「プンプンプンプンプン!」と歌いながら身体を躍動させ、ダイナミックな動きを見せてきた。無邪気な表情ではしゃぐ姿を通して、彼らは好きな気持ちに翻弄される恋心を、ときめいたり、ときに嫉妬したりしながら、1曲の中でめまぐるしく見せていた。「やっぱり好き」のセリフを含め、恋に恋する姿を見せる彼らの姿に、きっとCOOLerは胸が「キュンキュンキュンキュンキュン!」していたに違いない。ドクッドクッと鳴り響く心臓の音。そこで流れ出したのは後ノリのソウルフルなグルーヴが心地よい“COUNT DOWN”だ。甘い衝撃といえばよいだろうか、この曲で彼らは「出会って3秒で溺れそう」なほど、ねっとりとした歌声や表情を魅力に、COOLerのハートをゾクゾクッと刺激するように、(背伸びした)男の色気をたっぷりと振りまきながら迫ってきた。ステージの上で2人1組になって妖しく絡み合うパフォーマンスには、誰もが息を飲みながらも熱い視線を送っていた。「Dance Break」と題して、メンバー一人ひとりが激しくダイナミックなダンスをリレーしていく。その上で8人が一体化したパフォーマンス姿を見せ、次の展開へ。“Da-Da-Da”でメンバーは早口で言葉を繰り出しながら、この場にスリリングな空間を作り上げていった。ダンスロック/ヒップホップの要素をミックスアップした楽曲の上で、彼らはクールに、でも相手を射抜くようなデンジャラスな姿勢で、「もう離さない」と息を抜いた声で迫り続けていた。クールでワイルドな危険な香りを漂わせるICExに、すっかりハートを射抜かれていた。


ここからは、少し落ち着いたムードでメンバーが迫りだす。甘くメロウなバラード調の“Lost in you”では、スタイリッシュでアーバンソウルな楽曲に乗せ、ステージの1階と2階に分かれたメンバーが、届かない相手に向けて 「君に恋してる」と、愛しい思いを告白するように歌った。その姿にずっと心と視線が引き込まれていた。きっとCOOLerも同じような気持ちで、8人に向けて「君に恋してる」と心の中で歌っていたのだろう。そんな甘く、でも切なさを抱いたムードに、さらに揺れる思いを塗り重ねるように、彼らは躍動し始めた演奏に乗せて“Dash and Rush”を披露。軽やかさを増す楽曲の上で、8人の歌声も弾み出していた。もどかしい思いを言葉にしながらも、優しい歌声がビートに乗って響く度に、その思いに身を寄せたくなっていた。眩しい光が射すように、曲が進むごとに軽やかさと弾む気持ちが増していく。彼らは“青と白”に乗せて、輝いていたひと夏の素敵な思い出の景色の中に飛び込んでいった。青春という香りを覚えるとても親しみやすい曲調なのも嬉しい。きっとCOOLerもこの曲を彩る「君」になって、気持ちを溶け込ませていたのだろうか。そんな甘酸っぱい気持ちにさせてくれたのも嬉しい。そこで背景のスクリーンに燃え盛る炎の映像が映し出された。優しい表情ではなく、キリッとした凛々しいメンバーの姿が映し出される。いや、彼らはICExではない?!「Fire! 君とファイヤー!」と歌いながらステージに姿を現したのは、昭和の男の魂を抱いたHOTxのメンバーたちだ。

燃え盛る熱い情熱をぶつけた、昭和歌謡風の“熱烈ファイヤー”を歌い踊りながら、8人は燃え盛る炎の映像を背景に、燃えたぎる情熱を四方八方へ撒き散らすように「Fire!なぁ、イヤイヤ?」とCOOLerならぬ、HEATerのみなさんへ向けて迫っていた。こんな暑苦しいICExは……いや、HOTxのパフォーマンスだもの。火傷しそうなくらいに暑苦しい姿こそが、彼ららしい。だから一緒に燃え盛ってしまえばいい。MCでも「忘れられねぇ夜にしてやる」など、メンバーはみんな情熱的な言葉を投げかけていた。今のところHOTxの持ち曲は、先に歌った“熱烈ファイヤー”のみだが、ICExに「もう1曲歌っていい」と許可をいただいたとのことから、HOTxが歌ったのがこの曲だった。なんとHOTxは、ICExのデビュー曲“CANDY”を、HOTxの色に染め上げて歌い出した。甘くとろけそうなレトロトイポップチューンを、彼らは口の中に放り込んだら「アチアチ」と言ってしまいそうなくらい熱量の高い姿で、ぐいぐいと攻めるように歌った。とろけるどころか、どろどろになるくらいの情熱的な刺激が、むしろ気持ちを熱くさせた。ここからはユニットコーナーへ。“Maniacs”を歌いながら最初に登場したのは、山本龍人・竹野世梛・八神遼介の年下チーム。一人ひとりが歌いながら登場したこのチームは、ときにメンバーを胴上げするように抱えるなど、ステージの上で無邪気にはしゃぎながら、親しみやすい空気をこの場に作り上げていった。対して、年上チームの志賀李玖と中村旺太郎は、“ナイトフライト”を通して、男の色気を存分に振りまきながら、セクシーかつダンディーな姿を見せて、COOLerのハートをメロメロに射抜いていった。


阿久根温世・千田波空斗・筒井俊旭の3人は、“It’s party time!”に乗せて、とてもフレンドリーな魅力を振りまきながら、ポップで煌めく楽曲に乗せて、この場を華やかなパーティー空間に染め上げていった。3チームとも異なる表情を持ってCOOLerのハートをドキドキさせた。その振り幅こそがICExの魅力であり、懐の深さだ。さらにここで、新衣装に着替えた8人が、リリースに先行して、新曲の“LOVE だね”を届けてくれた。「今世紀最大のLOVEだね」と歌うこの曲は、触れた人の胸をときめかせる甘いLOVEの気持ちが爆発した楽曲だ。“LOVE だね”に触れている間中、ずっと恋に夢中になっている気持ちでいられたのが嬉しい。この曲を通してICExが届ける今世紀最大のLOVEに、思いきりときめいてほしい。ライブも終盤へ。胸を躍らせるエレクトロでダンサブルなビートに乗せて、8人は“ビリミ”を通してクールに、でもビリビリと痺れさせる刺激をCOOLerへと注ぎ込んできた。力強くダンサブルなビートと、メンバーの迫るような歌声に気持ちが騒ぎだす。今はビートに合わせて身体を揺さぶっていたい。そんな心境だ。そこに彼らはもっと痺れるような、しかも胸の弾むカラフルな歌とビートの刺激をインストールしてあげるからと、“インストール”を届けてくれた。躍動するビートと早口で歌う声がシンクロする度に胸がドキドキする。その甘い刺激が心を嬉しく騒がせた。だから、ますますICExに恋しちゃったみたいだ。最後にICExは“Jelly Beans”を通して、COOLerに向けての感謝の思いと、これからも一緒に歩み続けようと、この曲を通して約束の指切りを交わし合っていた。そんなかけがえのない関係でいられることって本当に素敵なことだと思う。

アンコールは、“シブヤ 午後6時”を歌いながら、1階の客席を練り歩く形で始まった。目の前数十センチの距離で彼らが歌いかけてくるのだから興奮せずにはいられなかったに違いない。ICExも楽しそうに笑顔でフロアを移動しながら、COOLerに胸ときめく思いを届けていた。ここでICExがこの日の感想を述べた。ここでは代表して阿久根温世と志賀李玖の言葉を伝えたい。「ツアーが始まって、気づけばツアーがもう終りに差しかかっているということで、楽しい時間は本当にあっという間でした。僕は勉強が苦手で、学校で勉強している時は、めちゃめちゃ時間を長く感じていたんだけど、こうやってICExのメンバーと、そしてCOOLerのみんなと一緒にライブをしていると、時間がなんぼあっても足りない。そう思えることがICExとしてライブをやっている瞬間だなと思えていますし、とても幸せだなと心から感じます。みんなといると時間の流れが速いのよ。それが僕にとっては幸せなことだし、とても嬉しいことです。こうやってCOOLerのみなさんの前で7人と一緒にライブができて、自分の居場所がここだって思えるというか、COOLerのみなさんとICExが僕の居場所を作ってくれているのがすごく嬉しくて幸せだなと思っているので、もっともっとこのメンバーとCOOLerのみんなと一緒にいたいし、国立競技場に絶対にみんなを連れていきたいので、これからも応援よろしくお願いします。(阿久根温世)」、「このツアーを通してCOOLerみんなの愛が伝わったし、メンバーっていいなと思いました。ツアーで回るなにげない瞬間とか、人生を共にして生きると感じられていたことがすごく良かったです。こうやって支えてくれる仲間がいて、COOLerのみなさんがいて、僕は本当に幸せ者です。毎日忙しいかもしれないし、生きていてつらいこともあるかもしれないけど、毎日こうやって頑張って生きているみんなの、そのつらさや大変さを僕らICExが少しでも癒していけたらいいなと思っています。僕らICExはみんなの味方なので。これからも僕たちの夢についてきてくれたら嬉しいです。(志賀李玖)」

最後のブロックでは、今日この場に一緒に描き出した、眩しい青春という時間を大切な記憶としてしっかり焼き付けようと、“Glory Days”を歌ってくれた。8人の歌声が一つに重なり、大きな声の絵筆になって一人ひとりの心のキャンバスに、忘れたくない、失くしたくない思いと思い出を、爽やかな、でも濃い彩りを持った絵にして描いていった。最後はやっぱりはっちゃけてこそ。ラストを飾る歌としてICExは力強く躍動したダンサブルなビートに乗せて、“CARNIVAL”を元気いっぱいに歌い上げ、軽快にステップを踏みながら、COOLerと一緒に笑顔のカーニバルを作り上げていった。この曲に乗せてICExが作り上げたカーニバル会場には眩しい歌の光が降り注ぎ、COOLerのみんなの心も解放していった。だから、誰もが少年や少女に戻って無邪気にはしゃぎあっていた。この楽しさこそがICExのライブ。その楽しさはさらに規模を拡大した次のツアーへと繋がっていく。この楽しさが連鎖し、たくさんのCOOLerが引き寄せられたら、彼らが思い描いている国立競技場でのライブも決して夢ではないはず。きっと輝ける日は近づくはずだ。
Text:長澤智典
Photo:笹森健一、小坂茂雄
『ICEx Fourth Concert Tour 2026“FRESHest!!”』@東京国際フォーラム ホールA セットリスト
01. HAMIGAKI
02. We are ICEx!
03. Retro Universe
04. Hollywood
05. 恋ソーダ
06. ロボハ
07. プン☆ジェラ
08. COUNT DOWN
09. Da-Da-Da
10. Lost in you
11. Dash and Rush
12. 青と白
13. 熱烈ファイヤー (HOTx)
14. CANDY (HOTx)
15. Maniacs
16. ナイトフライト
17. It’s party time!
18. LOVE だね (9/25(金)リリース楽曲)
19. ビリミ
20. インストール
21. Jelly Beans
ENCORE
EN1. シブヤ 午後6時
EN2. Glory Days
EN3. CARNIVAL






