ラストアイドル VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■阿部さんはセンターを務めますけど、どうですか？

阿部　メンバーそれぞれ、いろんな気持ちで聴くんだろうなと思っていて。桃呼ちゃんの言ったことも共感できるんですけど、私はそれを“Break a leg!”の時に感じたんです。明るい応援ソングだったけど、ちょっと皮肉めいた目で歌詞を見てしまって。でも、それで吹っ切れたというか。この“僕たちは空を見る”の歌詞は、未来を応援してくれているけど、最初のセリフ部分はちょっと諦めを孕んでいる感じがして、今の自分の気持ちに当てはまっているなと思って。好きな部分ではあります。

■山本さんは先ほど前向きな曲と話していましたよね。

山本　めちゃくちゃいい曲だなと思って。仮歌をいただいてから、何回も何回も聴いているくらい好きです。あと、今回もakane先生が振り付けをしてくださったんですけど、MV用の振り入れをした時に、泣きながらラストアイドルへの想いを伝えてくださって。

畑　メンバーもみんなもらい泣きしていて。感情が爆発してから振り入れをしたので、集中してがんばれました。

安田　私、akane先生大好きで、信者なので、「わー、akane先生！」ってなりました。

山本　この曲には今までの楽曲の振り付けも入っているんです。本当に大切に歌わないといけない曲だなと、改めて思いましたね。

阿部　最後のサビ前で「Wow」って転調するところがあるんですけど、そこが“バンドワゴン”の「Ah―」の転調部分とリンクして、振り付けも（“バンドワゴン”と同様に）みんなで向き合って手を伸ばすんです。最初に振り入れの動画を見た時に、もう鳥肌が立っちゃって。やっぱりakane先生はものすごく考えてくださっていて、メンバーに寄り添ってくれて、その想いを感じました。

■ステージで披露されるのが楽しみです。アルバム(初回限定盤A)には今までの全MVが入ったBlu-rayも付いていますけど、特に見て欲しいMVはありますか？

橋本　“Break a leg!”は私が初めて選抜に入った曲で、「感謝を伝えたい人」というテーマで感動するMVになっているので、それはラストアイドルが終わっても、たくさんの人に見て欲しいですし、それを見て元気になって欲しいです。

山本　私は“愛を知る”です。最近久しぶりに見たら、「みんな心の底から笑っているな」と思ったんです。ステージで踊っているところも、定期公演をしている大好きなステージなので、「ラストアイドルだな」ってめちゃくちゃ感じるMVですね。

安田　“青春トレイン”は本当に青春だったというか、部活みたいだったんですよ。大変だったけど、その大変さも今では愛しくて。最近、スマホのカメラロールを整理していたら、“青春トレイン”の時に踊った課題ダンスが出てきたんですけど、あの時はこんな感情だったなとか思い出して。私は今もダンスが下手くそですけど、その時に提出してCランクをもらった映像がエグすぎて、「よくアイドルやっていたな」と自分で思っちゃったんです。(笑)　でも、当時は必死だったし、その時と比べたら魅せ方とか表現力とかも少しは成長できたのかなと思ったりもして、思い出が深いですね。

畑　私は流れで全部見て欲しいです。シングルごとに成長したなと思うので。もしひとつしか選べないなら、私も“青春トレイン”ですね。泥まみれになってもがんばっている感じとか、日差しを浴びながら踊ったり、汗まみれになって踊ったり、そういう我武者羅さがラストアイドルらしいと思うんです。自分もこの曲に励まされるし、今後も励まされていくんだろうなと思います。

阿部　私も“青春トレイン”はラスアイらしさが出ていて好きなんですけど、個人的には“何人(なんびと)も”も映像として純粋に好きなんです。殺陣は大変でしたけど、MVでは敵役の方が出てきてくれたり、炎を使ったり、私は台から飛び降りて斬りつけるシーンを撮ったり。いろんなことをさせてもらって、カッコよく仕上がっていると思うので、ぜひ見て欲しいです。

■全員シングル表題曲を選ばれましたけど、カップリング曲で見て欲しいMVはありますか？

畑　私は“瞳キラキラ”が好きです。オレトクナインっていう9人のユニットで歌っているんですけど、そのメンバーはファンの方の投票で決まったんです。だから思い入れがあるし、曲調も好きだし、衣装もかわいくて、お気に入りです。

橋本　私は“失恋乾杯”の衣装が大好きで、MVもめちゃくちゃかわいいんですよ。「ラストアイドルって、こんなにかわいい曲やっていたっけ？」と思うくらい。“青春トレイン”や、“何人(なんびと)も”を見て、「ラストアイドル、かっけー！」ってなった後に、甘々な“失恋乾杯”を見て癒やされて欲しいです。

■僕も改めて見直したいと思います！活動終了になる5月31日までは、どんな気持ちで過ごそうと思っていますか？

橋本　さっきのオレトクナインも初選抜のサバイブも、ファンの方の投票で決まるものだったので、ファンの方がいなければ、ここまで続けられていなかったと思うんです。だから感謝を伝えたいですし、私自身も5月31日までにできることは全部やって、ずっとなりたかったアイドル人生をまっとうしたいです。

畑　私はステージに立っている時がいちばん楽しいと思える瞬間なので、それを1秒でも長く感じていたいし、ステージから見える景色や、ファンのみなさんの顔を目に焼き付けて最後を迎えたいです。きっと泣いちゃいそうな感じもするけど、笑顔で残りのライブを送れたらいいなと思っています。あとはやっぱり、ファンの方の支えがあって続けてこられたので、一人ひとりに感謝を伝えたいですし、「もっと見ていたかったな」と思ってもらいたい。そういう欲張りな部分もあります。

山本　私はまだ未練タラタラで、楽屋でメンバーが今後の進路について話しているのを聞くと、「本当に会えなくなっちゃうのか……」と寂しい気持ちになっちゃうんです。でも、次のステップに進むのは素敵なことだし、私も前を向かなきゃいけないから、2つの気持ちで葛藤していて。今はラストライブ含めて5月31日を最高の形で終わらせたいので、後悔が残らないように全力で楽しむことと、ファンの方に感謝をできるだけ伝えるということをやっていきたいです。

安田　私も寂しい気持ちはもちろんあるんですけど、寂しい感情で残りの期間を過ごすのは、もったいないなと思うので、とにかく楽しみたいです。それと、自分たちが楽しむ以前に、携わってくださった方とか、応援してくださったファンのみなさんを一人でも元気に、笑顔にしたい。それがアイドルになりたかった理由だから。初心に返っていい幕を閉じたいなと思います。

阿部　私は残りの時間を全力で楽しんで、メンバーともたくさん思い出を作りたいです。ライブもたくさんして、ファンの方に「ラストアイドルって、こんなにいいグループだったんだよ」と思ってもらいたいし、知らなかった人たちにも「なんでこのグループ終わっちゃうんだろう？」と思ってもらえるくらいの熱量で、最後までいいものをみんなで作っていきたいです。5月31日は絶対に悔いがないように終わりたいので、それに向けて本気でがんばります。

■阿部さんはセンターでプレッシャーを抱えることも多かったと思うんですけど、今は解放されましたか？

阿部　いやぁ……。やっぱり活動終了が決まって、自分がどうなるかとかじゃなくて、ラストアイドルはずっと続いて欲しいと思っていたし、メンバーもみんなこのグループで報われて欲しいと思っていたから、それはすごく悔しいです。守りきれなかったと言ったらおこがましいですけど、そうなってしまったので……。でも、その時その時でやれることは全部やってきたつもりなので、後悔はないです。

■ラストライブはラストアイドルの何を目に焼き付けて欲しいですか？

阿部　本当にみんな人生をかけていたし、いろんなことを経験して、生まれ変わったように強くなったと思うので、強くなった私たちを見て欲しいです。「ラストアイドルというグループがいたんだよ」っていうことを、みんなに忘れないでもらえるライブにできたらいいなと思います！

nterview & Text：タナカヒロシ

PROFILE
秋元康氏がプロデュースする女性アイドルグループ。2017年8月にスタートした究極のアイドルオーディション番組「ラストアイドル」で“プロアマ問わず兼任可”といった条件で、7つの椅子を奪い合う前代未聞の“入れ替えバトル”の末、「LaLuce」「Good Tears」「シュークリームロケッツ」「Someday Somewhere」「Love Cocchi」といった5組のユニットを輩出。2018年4月より同番組の3rdシーズンでは、再び、入れ替えバトルを行い、新たにラストアイドル2期生と2期生アンダーの2ユニットが誕生し、全7ユニットで構成されている。2019年4月に発売した6thシングル『大人サバイバー』はオリコン週間シングルランキング1位、オリコン週間合算シングルランキング1位、Billboard JAPAN HOT 100総合首位と3冠を達成。2020年4月に発売された8thシングル『愛を知る』では初の選抜制を取り入れ、オーディションバトルを実施し18名の選抜メンバーが選ばれ、オリコン週間シングルランキング1位を再び獲得。さらに2021年4月に発売された10thシングル『君は何キャラット?」では、インド映画の代名詞“ボリウッドダンス”に挑戦し、霜降り明星のせいやがMVに出演し話題を呼んだ。そして、2021年12月に発売された11thシングル『Break a leg!』は、全496試合に及ぶメンバー1対1の総当たりバトルで勝ち抜いた上位17名が選抜メンバーとして歌唱した。今回1stアルバム『ラストアルバム』をリリースし、2022年5月末をもってグループは活動終了となる。
https://www.universal-music.co.jp/last-idol/

RELEASE
『ラストアルバム』