MADKID VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

キャリア初ホールワンマンライブと新曲”One Room Adventure”を語る。

MADKIDが8thシングル『One Room Adventure』をリリース。今年5月にはグループ最大規模となる初のホールワンマンライブ『MADKID ALLTIME BEST LIVE -Future Notes-』を成功させ、今作もテレビアニメ「Lv1 魔王とワンルーム勇者」オープニングテーマとなるなど、着実にダンスボーカルグループ、そしてアニソンアーティストとしてステップアップしているMADKID。本稿では、MADKIDのメンバー、YOU-TA、YUKI、KAZUKI、LIN、SHINの5人にホールワンマンライブを振り返ってもらうとともに、表題曲“One Room Adventure”の制作について話を訊いた。

■まずは先日行われた初のホールライブ『MADKID ALLTIME BEST LIVE -Future Notes-』について聞かせてください。振り返ってみてどんな時間でしたか?

YOU-TA すごく楽しかったです。今回は初めてのホールワンマンライブということで、僕らも準備の段階から、今まで以上に熱量がありました。もちろん課題はあったんですけど、表現したいことはできたので、満足感はすごくあったかなと思います。

KAZUKI 僕も同意見なんですけど、それと同時にだいぶ攻めたセトリだったのでバテました。(笑) でも本当に楽しかったです。

YUKI 今回はアニソンアーティストとして、一緒に楽しめる空間を作るという意味でも、一歩前進できたライブだと思っています。他のダンスボーカルグループとの違いを明確に出せたのかなと思います。男性のファンも結構来てくれていましたし、そういう変化も感じられたライブだったなと思います。

SHIN 今回はコロナ禍後、初めて声出しができるライブでもあったので、アクセル(MADKIDのファンの総称)のみんなと一緒になって楽しめたライブだったと思います。

■セットリストはみなさんで話し合って決めたんですか?

YOU-TA そうです。最初に決めたのは数ヵ月前だったんですけど、それから曲もかなり変わって、構成も変わって。例えば“No border”の時に客席に飛び出していくというのは、ゲネの時に決めたことだったので、最後までみんなで話し合いながら作り上げていきました。元々“Future Notes”は1曲目の予定でしたし。それもいろんな話し合いを経てガラッと変わりました。

■ライブを観ていて、SHINさんが何度もがなって歌っていたのが新鮮に感じました。ライブでの歌い方について、SHINさんの中で考えが変化したことなどあったんですか?

YOU-TA 病んでたりしたの?(笑)

SHIN いや……怒っている気持ちとかもなく。(笑) でもいろいろ挑戦しながらやりたいなとは思っていて。やっぱりライブって生ものだからこそ、その場での感情が反映されたり、周りのメンバーから引っ張られることも多いんです。なので、がなったりしたのも、その場のなにかに引っ張られていたんだと思います。それもライブならではだなと思いますね。ライブの時だけ九州男児が出るのかな?(笑)

■ライブのコンセプトがオールタイムベストということもあり、初期の楽曲から最近の楽曲まで幅広く披露されていましたが、ヒップホップからロックやJ-popまでのジャンルの変遷が感じられたことも印象に残りました。ライブを通して自分たちの楽曲を振り返ってみて、MADKIDの楽曲の変遷について感じたことはありますか?

LIN 自分はMADKIDのジャンルの変化は意識したことがなかったです。その曲はその曲という感じなので、変化という感じはあまりなくて。結構地続きにやってきているという感覚ではあります。

YOU-TA 自分もLINと一緒で、ジャンルの変化みたいなのはあまり感じていなくて。ただその都度、当時の自分たちが考えていたことが蘇りました。

■今回のライブで披露した中で、それぞれ特に印象に残っている曲はありますか?

YOU-TA 僕は“Forever young”です。LINがアクロバットするところを後ろから見ていたんですけど、その時にLINのイヤモニの受信機が飛んじゃったんですよ。受信機が飛んでいくのがめちゃくちゃゆっくりスローモーションのように見えて。(笑) それがすごく印象に残っているんですよね。

SHIN わかる!それ。(笑) 僕が印象に残っている曲は“Fight It Out”です。本編ラストの曲だったので、すごくみんなが盛り上がっている状態だったし、やっていてもすごく楽しかったです。「これがMADKIDだな」と感じたというか。お客さんも一緒に楽しんでくれている姿も見えたので、なんか熱くて。青春しているなって思いました。

KAZUKI それこそさっきも話に出ましたけど、“No border”で客席に降りたのは、ホールじゃないとできない演出だったなと思います。今まで客席に行ったこともなかったですし。実際に降りてみてお客さんの顔を見て、想像以上に近いなと思いました。(笑) そういうのもホールワンマンのうまみでもあったのかなと思います。

LIN 自分は「あのライブの日」として印象に残っています。1曲1曲という感じではなくて、あの日のライブがすごく良かったなと思っていて。あの20数曲が自分の中で1曲みたいな、そういう感覚ではあります。

■LINさんはライブの後、“Light up”の歌詞についてTwitterで「しっくり歌えるようになった」という風に書いていたと思うんですが、その意味について詳しく聞かせてください。

LIN あの曲を書いた当初は、もちろん自分の言葉だし、自分の気持ちではあるんですけど、ステージに立って歌う時にちょっと違和感があったというか……。自分は世の中の常識とかが好きなタイプではないので、ある意味関係ないと思って歌っていたんです。でも年を重ねるにつれて、自分に対しても人に対しても、すんなり伝えられるようになったというか。あの頃はすごく背伸びして書いた曲なんだろうなって思いました。それで自分の生きてきた歴史を感じたというか。普段振り返ることが中々ないので、いい機会だったなと思います。

YUKI 僕はいい印象の話ではないんですけど、“Future Notes”で気合入れすぎて歌詞を間違えたのをすごく覚えています。(笑) もちろんいいところも多いライブだったんですけど、歌詞を間違えて、頑張って口を回したのをめっちゃ覚えています。(笑)

■悪いことの方が強く印象に残ってしまいがちですよね。では新曲“One Room Adventure”についても伺っていければと思います。今回はアニメ「Lv1 魔王とワンルーム勇者」のオープニングテーマで、作詞はLINさんとYUKIさんが手がけていますが、どんなイメージを持って歌詞を書き始めたんですか?

LIN まずはいつものように原作を拝見しました。自分はどちらかというと積極的に外に出る方ではないので、作品を読んですごく共感したんです。外に出たくない人にもいろんな理由があって、単に「家の方が好きだから」とか、「挫折して外に出るのが怖くなった」とか、「外でなにかをしたくない」とか、いろいろと理由はあると思うんですけど、なんにせよ自分もそういうタイプで。だから、これはファンタジーの作品ではあるんですけど、歌の方では自分たちが生きている世界と絡めて書きたいと思って、歌詞を書き始めました。

YUKI 僕も原作を読んで、今までタイアップをやってきた作品とは仲間の質が違うと感じたんです。歌詞に出てくる「君」にしても、今までと関係性が違うというか。それが新鮮だなと思ったので、そういうことにフォーカスしながら歌詞を書いていきました。結局、自分のラップパートは英語が多くなっちゃったんですけど、今回はチャレンジ的な意味でフロウをロックに寄せるように意識して仮歌を作りました。

LIN いろんな作品の曲をやらせてもらえるようになったからこそ、ひとつひとつの作品の違いを意識しながら書くようにはしているんです。今回の場合、YUKIも言ったように登場人物がずっと戦っているわけではないし、ずっと外にいるわけではないというのは新鮮でしたね。

■曲調も明るい雰囲気で、原作の作風を反映しているように感じられます。

LIN 僕たちはコンペの時は全員で曲を聴いて考えるんですけど、共通認識として、「ただ暗いだけの作品ではない」というのはあったので、それが反映されたのかなと思っています。

■ボーカルのみなさんは、歌の面でこだわった部分はありますか?

SHIN 僕は言葉に寄り添って歌うように心がけました。結構情景が見える歌詞だなと思ったので、聴いている人たちにも自分が思っているような情景を伝えられたらいいなと。

YOU-TA 割りとビートがしっかりしてる楽曲で、首をちゃんと振れるような曲なので、リズムだったり、アクセントを意識して歌いました。特に一番頭のフレーズは、アニメを見た人が一番聴くフレーズじゃないですか。なので、そのあたりも含めて今回は特にリズムを意識していました。

KAZUKI 今回は曲調的には歌いやすい雰囲気の曲で。サビは自分のキー的にも歌いやすかったんですけど、Aメロには苦戦しました。それこそリズムもそうだし、ピッチも自分の苦手な低い音域があって。それには苦戦した記憶があります。