MADKID『MADKID ONE-MAN LIVE -Bring Back-』ライブレポート@新宿ReNY 6月4日(土)

MADKID『MADKID ONE-MAN LIVE -Bring Back-』

多方面での活躍を個性豊かなパフォーマンスで感じさせたワンマンライブ

6月4日(土)新宿ReNYにて、MADKIDによるワンマンライブ『MADKID ONE-MAN LIVE -Bring Back-』が行われた。5月18日にアニメ『盾の勇者の成り上がり Season 2』のオープニング曲“Bring Back”をリリースしたMADKID。今年の目標として掲げていたアニサマの出演も決め、アニソンカバー動画を精力的にYouTubeにアップするなど、アニメ方面でも勢いのあるグループだ。ラッパー2人とボーカル3人というメンバー構成で、メンバー自身が作詞・作曲、時には編曲までも手がける他、ステージ上では歌唱とともにダンスでも魅了する多彩なグループでもある彼ら。この日の公演は、最近の彼らの活躍と洗練されたパフォーマンスを提示するライブとなった。

ライブは直近の活躍を表すように、『盾の勇者の成り上がり』のサウンドトラックで開幕。荘厳なSEとともにステージの幕がゆっくりと上がり、最新曲でありライブタイトルでもある“Bring Back”でスタート。目まぐるしいフォーメーションダンスと、ラップと平歌の行き来で緩急をつけながら怒涛の迫力を醸す。重低音の響くビートと高速のハイハットのイントロからラップを中心に畳みかける“Never going back”、緩急ある曲調の“Critical Point”に続き、序盤から勢いのあるステージを見せた。「最高の思い出にするので楽しんでいきましょう!」というYOU-TAの言葉に続き、特にこの1年ほど精力的に行っていた、他のアーティストとのコラボ作の披露へ。LACCO TOWERの真一ジェットが作曲を手がけた“グッバイ・ティーンエイジャー”では、しっとりとしたイントロから、高音が美しいKAƵUKIの歌声を中心に、透明感のある音色と叙情的なダンスを丁寧に見せた。Halo at 四畳半の渡井翔汰が作曲した、序盤のアコースティックギターが印象的な“Interstella Luv”では、YOU-TAの柔らかい歌声や、YUKIのワイルドなラップ、SHINによる切実なラスサビなど、各々の魅力が表れるパフォーマンスとなった。

落ち着いた雰囲気を覆すダンスチューンの“OVERAGAIN”、ファンと目を合わせながら歌った“Be the Light”と続くと、華やかにショーの始まりを思わせる“Stuck on U”、夏のきらびやかで眩しい光をゆったりとした曲調で歌った“Summer Time”と、明るく賑やかな楽曲を次々と披露。どの曲調でも歌とラップの絶妙なバランス感で多様な雰囲気を作り上げる彼らは、パフォーマンスに個々の違いが自然と表れているのも魅力的。高音域のラップは激しく低音でのラップも変幻自在に奏でるLIN、ワイルドかつ安定感のあるラップで強靭なスパイスを追加するYUKI、透明感のある高音が美しいKAƵUKI、太さのある歌声で存在感を放つYOU-TA、動きが人一倍華やかで感情を込めた歌唱が胸を締めるSHIN。チームとしての結束力だけでなく、見ごたえのある個の強さを感じさせながら、代名詞とも言えるクールなダンス曲だけではない選曲でオーディエンスを楽しませた。

YUKIとLINによるボイスパーカッションに乗せてYOU-TAが次の曲の動きをレクチャーすると、“Get Started”へ。サビではオーディエンスも身体を動かしながら盛り上がるキャッチーさもありながら、間奏では細かいビートに合わせた、ダイナミックで繊細なダンスで魅了した。そしてこの日は、アニソンとしても長く愛される楽曲であるnobodyknows+の“ココロオドル”、FLOWの“GO!!!”のカバーを披露。冒頭の演出も含め、この日のステージは既存のファンはもちろん、アニメを通じて得たファンの心も掴んで離さないという意気込みが強く感じられる。カバーの2曲では彼らも自由にステージ上を動きながら、メンバーにちょっかいをかけたりファンを煽ったり、明るくパワフルな楽曲にぴったりな和気あいあいとした空気を作り上げた。そして、過去の『盾の勇者の成り上がり』タイアップ曲である“FAITH”、“RISE”を披露。アニソンの流れを汲んだと同時に、ダンサブルかつロックなサウンドのダンスボーカルグループとしてのポテンシャルを発揮する、激しく、目まぐるしい展開の楽曲で本編を締めくくった。

アンコールを求める手拍子の後に流れた映像では、9月からのツアー『MADKID LIVE TOUR 2022 -BOUNDARY-』の開催と、2ndアルバム『BOUNDARY』のリリースを発表。嬉しい知らせにどよめくオーディエンスの前に再登場した彼らは、これまでのシックでタイトな装いから一変、それぞれ色や形の異なる、袖の広い和風な新衣装を纏っていた。「俺たちもみんなも譲れない思いとか信念があったりして、死ぬ気で闘っていると思います。そんなみんなのために新曲を作ってきました!」とのLINの言葉から、新曲“Fight It Out”へ。今までにないというほど激しいダンスは、新衣装の長い袖がはためくことによってより一層華やかに強調された。最後に披露されたのは、1曲目と同じく“Bring Back”。ライブの最後にあらためて新衣装で披露されることで、ダンスボーカルグループ・MADKIDの代表曲としての風格をより備えているように感じた。

彼らの今の魅力を存分に提示したのはもちろんのこと、数々の告知やアニサマに向けての意気込みが感じられる選曲で、未来への道のりを示した本公演。個人の活動も含め、より多方面での活躍が期待できる彼らの今後が楽しみでならない。

Text:村上麗奈

https://columbia.jp/madkid/

『MADKID ONE-MAN LIVE -Bring Back-』@新宿ReNY セットリスト
01 Bring Back
02 Never going back
03 Critical Point
04 グッバイ・ティーンエイジャー
05 Interstella Luv
06 OVERAGAIN
07 Be the Light
08 Stuck on U
09 Summer Time
10 Get Started
11 Gold Medal
12 ココロオドル(カバー)
13 GO!!!(カバー)
14 FAITH
15 RISE

ENCORE
01 Fight It Out
02 LINKAGE
03 Bring Back