■それは楽しみですね。では歌詞にちなんで、あなたの人生で1番大きかった壁はなんでしたか?
音山 壁か~。物理的にはあるんですよね、登山をよくしていたので。一回だけ絶壁を登ったことがあります。
■おっ!どこの山ですか?
音山 中央アルプスです。三千何百メートルにもなる山。その中の一番危ない岳があるんですけど、そこに行った時に絶壁が出てきました。
さなえ 私は学生時代、ひとりになることが多くて、人間関係が上手くいかず、小学校、中学校、高校……の時期が壁としてあったけど、そういう時にエレクトーンに助けられました。
バンバ 僕は壁にぶちあたっていない人生を送ってきているんですけど、給料日まで2週間くらいの時期に全財産500円もなかった時は、ほんまにヤバかったです。
■それっていつ頃の話ですか?
バンバ 大学生の時ですね。マジで頑張りましたね。とりあえず移動は全部チャリンコでした。(笑)
■それは結構な壁だと思いますよ。(笑) これも歌詞にちなんで、あなたが愛してやまない、これがないと生きていけないほど愛しているものはなんですか?
音山 俺は抱き枕です。クマの形のひんやりする素材のやつで、もう汚くて人が触ったらヤバいぐらいのヤツがあるんですけど、1回も洗っていない期間があって、お風呂に漬けてみたら水が茶色になりました。(笑) でも今は黄ばみも取れて、真っ白な状態でおります。
■代わりはないんでしょうか?
音山 全く同じものが売っていたら別にアレなんですけど、なかったらマジでもうホント、絶対に無理です。
バンバ 僕は水タバコとかかな。でも、水タバコが好きというか、水タバコを吸いながらひとりでボ~っとできる時間みたいなものを愛しているのかもしれないです。
さなえ 私はコーヒーです。豆を挽いて、サイフォンで作っています。味も好きなんですけど、好きな音楽を流しながらサイフォンで抽出して、最後の方でぐるぐる回すのが幸せなひとときです。
■さなえさんもバンバさんと同じく、コーヒーそのものというより、それに関連する時間に「幸せ」がありそうですね。さて、pachaeは独特な音楽性を持つバンドですが、今作“アイノリユニオン”からpachaeを知る方たちに向けて、まずは何の曲を聴いてほしいですか?
音山 “アイノリユニオン”のフルを聴いてくれたとして、ここは全然違う曲を2曲挙げるべきやろ。“ダンシング・エモーション”は、いずれ辿り着く定めとして作っているから……“非友達”とかじゃないですか?まずは。
バンバ あー、激ムズやな……。
音山 いい曲で言ったら、“冥王星ガール”。あと“愛は並ぶ”です。“タイムマシン独奏曲”はキャッチー枠で、シードです。
■打順的には?1番は“アイノリユニオン”と仮定して。
音山 2番はバント上手いやつやろ。じゃあ“冥王星”かな。
バンバ 3番は“非友達”で、ヒット打ってほしいな。
■ここで満塁になったと仮定して、4番は?
音山 4番はどっちや?“愛は並ぶ”か“タイムマシーン独奏曲”のどっちか、バンバが決めて。
バンバ “愛は並ぶ”は6番やろ。4番は“サブアカダラケ”かな?隠れ名曲枠で。5番に“タイムマシーン独奏曲”、6番が“愛は並ぶ”だな。
音山 それで9番は“ダンシング・エモーション”やろ。いずれ辿り着くから。
バンバ そうなると4番・5番ぐらいにもっとパワーあるやつ欲しいな。(笑)
音山 いや、いずれたどり着くから。(笑)
■こうやって打順を組んでくれると聴きやすいですね。(笑) それでは、ここからツアーやライブがたくさん予定されておりますが、意気込みを教えていただけますか?
音山 これからのライブはサーキットとか、フェスとか、もちろんアニメのこともあるし、全然pachaeを知らない人も見てくれると思うから、今年出させてもらったイベントの熱を保ちながらずっとやっていきたいですね。どんなお客さんに対しても盛り上がりやすい状態を作ってあげたい。ツアーはその集大成というか、今の自分らの120点を出してぶつかりたいです。ステージには120点出してくれそうな興味のあるバンドとか、仲いいバンドとか、いろんなバンドを呼んで、みんなが自由にやって……っていうライブになればいいなと思っています。
バンバ 個人的目標は、お客さんに「こいつらライブバンドや!」と思わせたい。そう思わせて帰っていただきたいです。
さなえ 私たちの曲は難しい曲が多いので、ただただ難しい曲を聴きに来てもいいですし、お客さんにはただ見に来るだけじゃなくて、バンドと一体となって、みんなが一緒にそこにいて、会場みんなで楽しめるような空気感を作れたらいいなって思います。
■pachaeで1番難しい曲って何になりますか?
さなえ “遣る方無いブルース”か“非友達”ですね。休む暇がないので。
バンバ ギターだと“愛は並ぶ”ですかね。
音山 サイドギターは、歌いながら弾く分には“非友達”は結構練習しないと弾けないと思います。軽音部でやる時は、歌とサイドギターを別で雇ったら楽しくやれます。ひとりで無理することはないです。ホントに。(笑)
■最後に今年中にやり残したこと、やっておきたいことを教えてください。
バンバ 多分、今年中には実現せんけど、足元のエフェクターボードをちょっと意識したいですね。
さなえ 私は発酵食品ソムリエの資格を勉強中です。まずは自家製味噌を作るのが目標というか、資格がなくても作れるんですけど、せっかく作るならもっと勉強してから作りたいなと思ったので。
音山 それで、私物とかいろんなものを発酵させんねん。財布とか発酵させてもらいたいな。中身が増えたりしてな。(笑)
バンバ それは発行ソムリエやな。
■でもなんで数ある資格の中で「発酵食品ソムリエ」なんですか?
さなえ 私は味噌とか納豆、ヨーグルトやチーズもそうなんですけど、めっちゃ発酵食品が好きなんですよ。納豆とヨーグルトはほぼ毎日食べていて、お味噌汁が大好きなので、いつか発酵ソムリエの資格を取りたいと思っていました。今までは好きで食べるだけだったんですけど、これからはお味噌から始まり、納豆やヨーグルトも作っていきたいです。
音山 僕は『あつまれ どうぶつの森』をやっているんですけど、虫と魚を1年でコンプリートしたくて。でもゲーム内の時間は操作したくないんです。今からやる人とか、今やっている人に言いたいんですけど、時間操作なしで1年間かけて、虫&魚をコンプリートしてみてください。マジで大変なので。8月~9月の昼間の数時間しか獲れないやつとかもあるので。
■あ~、そういうのありますよね。
音山 8月は結構ヤバかったです。撮影とかいろいろあったので、合間にちょこちょこやってました。ヘラクレスオオカブトがマジで1ヶ月全く出てこなくて、最後、1日空いた時に、6時間半ぐらい歩き回ってやっと1匹ようやく捕まえました。この機会を逃したら来年の8月まで捕まえられないんですよ。来年の4月にはコンプリートできる予定なので、本気で頑張っています。
■……初タイアップのインタビューの締めくくりが、『あつ森』の話でいいんですか?(笑)
音山 確かに。(笑) まぁ二人が言ってくれましたからね。ライブバンドと言わせたい、機材も揃えたい。そういう感じです!
Interview & Text:安藤さやか
PROFILE
2020年に⾏われた『murffin discsオーディション』の準グランプリアーティストである「pachae(パチェ)」。⼤阪で活動中の3⼈組のポップスバンドである彼らは、ボーカル&ギターを担当するコンポーザーの⾳⼭⼤亮がDTMで作り上げた⼀癖⼆癖ある楽曲を、超絶技巧的演奏テクニックを持つメンバーによって緻密に構成されたバンドアンサンブルを武器に“ハイブリッド・シティーポップ”の旗⼿として今後の活躍が期待される。2023年10⽉に配信リリースされた『愛は並ぶ』、2024年1⽉リリースされた『トロイメライ』では、その楽曲の良さと、歌詞の世界観、サウンドクオリティーの⾼さから業界中を震撼させ、4⽉にMajor 1st Digital Single『チョウチンカップル』、6⽉には2nd Digital Single『⾮友達』、7⽉には3rd Digital Single『ダンシング・エモーション』をユニバーサルシグマから⽴て続けにリリースし、今夏には、「OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL2024」や「TREASURE2024」などの⼤型夏フェスに初出演するなど、フェスやライブイベントへのオファーが絶えない。2024年下半期、最も注⽬を集めるバンドである。
https://pachae.ryzm.jp/
RELEASE
『アイノリユニオン』
配信デジタルリリース
https://pachaemusic.lnk.to/Aino-Reunion
UNIVERSAL SIGMA
10月7日 ON SALE