PassCode VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

移籍後初シングル『WILLSHINE』は、前向きに進んでいく今のPassCodeにぴったりの曲。

BANDAI NAMCO MUSIC LIVE内に新設されたレーベルMoooD Recordsへの移籍を発表したPassCodeが、移籍第1弾シングル『WILLSHINE』を9月11日にリリース。今作は週刊少年チャンピオンで連載中、累計発行部数100万部を越えるヒーローアクション「SHY」のTVアニメ2期オープニング主題歌となっており、どんな困難さえもがむしゃらに挑み続ける者たちの、愛や希望、そして勇気を讃える、シンガロング必至・エモーショナル全開のポップアンセムとなっている。そしてTVアニメタイアップは自身の代表曲となる『Ray』以来、約6年振りとなる。
そんな今作の制作についてや、MVの注目ポイントなど、南菜生、高嶋楓、大上陽奈子、有馬えみりの4人にいろいろと話を訊いた。

■前作の『GROUNDSWELL ep.』以来の取材になりますが、まずは最近注目しているものや、ハマっているものを教えてください。

高嶋 最近私がハマっているのは、マリオカート8です。全部の王冠を取りました!

 私はやっと最近「呪術廻戦」を観始めました。今やっと2期に入ったところです。

有馬 私は最近カホンを買いました。前からずっと気になっていて、ついに手に入れました。

■カホンって上に座って叩くやつですよね。ライブで使ったりするんですか?

有馬 いつか披露するかもしれません。(笑)

 うちらの曲であんまりカホンが合う曲ないけどな。(笑)

大上 私は最近、絨毯とかにこぼしたシミとかをスチームで取ってくれるクリーナーが気になっています。

■最近気になっているアーティストや曲などはありますか?

高嶋 私は「余命一年の僕が余命半年の君と出会った話」の主題歌で、ヨルシカさんが歌っている“若者のすべて”がすごく素敵だなと思って、よく聴いています。

■フジファブリックさんのカバー曲ですね。

 私は夏になると「君の名は」のサウンドトラックが聴きたくなって、全部RADWIMPSさんが曲を書いているんですけど、サウンドトラックなので、登校中の場面で流れている音楽とか、生活に寄り添うような音楽になっていて、そのシチュエーションに合わせて聴いたりするとテンションが上がるので、それを聴きながら出かける準備とかをしています。

有馬 私はニルヴァーナがマイブームで、“You Know You’re Right”をめっちゃ聴いています。

大上 私はこの前対バンしたハルカミライさんのライブを見てから、めっちゃ刺さって余韻がすごくて。それからはずっとハルカミライさんの曲を聴いていますね。

■なるほど。その対バン企画ライブはいかがでしたか?

高嶋 ハルカミライさんのライブを、去年出演させてもらった「MURO FESTIVAL 2023」で見させてもらって、お客さんを巻き込む力がすごいなと思って。それから南とも「対バンしてみたいね」と話していたんです。それがやっと実現できて、やっぱりMCでの言葉の力もすごかったし、ライブ力も本当にすごかったので、「私たちももっと頑張らなきゃな」という思いが強くなりました。

 私たちは2017年にBRONZEという大阪のライブハウスで、ハルカミライさんと対バンさせてもらったことがあって、それから7年経って、待っていてくれたみんなの前でまた対バンができて、ここまで続けてきたことの意味というか、続けてこられたことの良さをあらためて感じた1日でした。

有馬 私はメタルを中心に幅広いジャンルの音楽を聴くんですけど、メタルが好きな人ってパンクとかメロディックハードコアとかも通ってきている人が多いと思うんですけど、私はなぜかパンクを通っていなくて、ずっと聴いていなかったんですけど、初めてパンクをルーツにそこから派生した音楽をやっているハルカミライさんの音楽を聴いて、すごくいいなと思いました。ライブの時にボーカルの橋本学さんが「音楽ジャンルは聴く人によって好き嫌いがあると思うけど、ライブは万人受けするライブが出来ると思うから」というようなことを言っていたので、私がパンクなのにハルカミライさんのライブは好きだなと感じた理由を、言語化してくれてすごく刺さりました。対バンができて良かったです。

大上 ハルカミライさんのライブを見ていると、本当にライブを大事にしているんだなというのがすごく伝わってくるので、その日、PassCodeしか知らずに見に来ていた人たちも関係なく盛り上がれたと思うし、私たちも本番前で用意とかしないといけなかったのに、できるだけ長くライブを見ていたくて、最後の曲の途中くらいまでずっと見ちゃいましたね。(笑) ハルカミライさんの後のステージに立てるのが本当に嬉しいなと思いました。

■今年もまた「MURO FESTIVAL 2024」への出演が決まっていますが、そちらに向けての意気込みはいかがですか?(取材は7月上旬)

高嶋 ムロフェスは去年出演させてもらった時も、PassCodeを初めて見てくれるお客さんがたくさんいて、最初は知らなかったけど、最後の方には手を上げてくれたり、ノッてくれたりしていてすごく嬉しかったので、今年もそうなれるように頑張ろうと思います。

 今年は年始にスケジュールを組んだ時に、夏はアメリカツアーに行く予定だったので、夏フェスは7月に開催するものしか出られない状況だったので、今年の夏フェスはムロフェスにしか出演出来ないんですけど、ムロフェスはSpotify O-Crestの店長さんがやっているイベントで、私は昔から何回か見に行ったことがあったんですけど、歌の力とか言葉の力とかを大事にしているフェスで、そういったアーティストさんが多い中で、去年PassCodeのライブを見てもらって、今年もまた呼んでもらえたので、私たちの曲もそういったお客さんたちにもちゃんと届けられているのかなと思えてすごく嬉しいです。

有馬 夏なので暑いですし、気温も年々上がって来ているので、夏の暑さを吹き飛ばすようなライブができたらいいなと思います。

大上 今年の上半期は自分たちの単独ライブが多かったんですけど、フェスとかでアウェイを感じるとすごく燃えるメンバーたちなので、久々にそういうところでライブをやれるのがすごく楽しみです。

■今回、最新シングル『WILLSHINE』のリリースが決定して、さらにBANDAI NAMCO MUSIC LIVE内の新設レーベルMoooD Recordsへの移籍も発表されましたが、移籍に関してはどんな想いがありますか?

高嶋 変わらないものは変わらないままで、新しいものを取り入れながらいい形で変化していけたらいいなと思います。新レーベルの方たちも私たちにすごく熱を持って接してくださるので、ファンのみなさんも不安にならずに、これからの明るい未来に期待してもらいたいです。

 以前お世話になっていたレーベルの方も一緒に移籍したので、すごく大きな変化というよりも、また新しい場所で頑張ろうという感じです。私たちは、場所は変わるけど、中身は変わらずに進化していくだけなので、すごく楽しみだなと思います。BANDAI NAMCOさんということもあって、今回も「SHY」という素敵な作品のオープニングを歌わせてもらえることになったので、これからはそういう機会も増えるのかなと思うと楽しみです。PassCodeは本当にどんな曲でも歌えるし、どんなアニメにも合わせられると思うので。(笑)

有馬 Passcodeは私が音楽を始めたての頃からある、10年以上続いているグループなのに、またレーベルを移籍して、新しい場所でチャレンジしていくという挑戦力?え?言い方合ってる?

高嶋 大丈夫、ちゃんと伝わるよ。(笑)

有馬 挑戦力というかアグレッシブ感と、上を目指していく志を感じるので、私も頑張ろうと思いました。

大上 何年も前からずっと一緒にやってきたスタッフさんが引き続き担当してくれて、さらにPassCodeを盛り上げようとしてくれる新たな人たちが加わってくれたので、安心しました。きっとファンの人たちもこれから先もまだまだ楽しみだなと思ってくれるような発表もできたし、私たちも前向きに気を引き締めて頑張っていこうと思います。

■新しいビジュアルも公開されましたが、PassCodeは黒と青のイメージがあったので、赤い衣装は新鮮でした。有馬さんは金髪になっているし。(笑)
 
 今回からアートディレクターさんが変わっていて、今までと変わらない部分ももちろんあるんですけど、PassCodeとして変化も楽しんでいこうと、せっかくなのでこのタイミングでやってみようということになりました。案としては「KEEP OUT」というか、立入禁止のテープをイメージして作ってくださっていて、今回は「SHY」のオープニング曲ということもあって、主人公の衣装の赤と白を取り入れてくれたりもしています。それにBANDAI NAMCOさんのロゴも赤と白なので。(笑)

■なるほど!確かにそうですね。(笑) 今作のシングル『WILLSHINE』は、「SHY」の第2期オープニング主題歌ですが、TVアニメタイアップは“Ray”以来、約6年振りとのことですが、今回のタイアップが決まった時はどんな気持ちでしたか?

高嶋 メンバーみんなアニメが大好きで、ファンのみなさんからもPassCodeの曲はアニメの主題歌に合うから歌ってほしいという声も多かったので、タイアップが決まってすごく嬉しかったです。しかも今回の主人公は女の子のヒーローということで、PassCodeにぴったりだなと思いました。

 タイアップが決まって「SHY」の原作を読ませていただいたんですけど、結構PsssCodeと通じる部分があるなと感じていて。ヒーローの言葉で「たくさんの人がいて全員を救うことはできないけど、救うべき命を救っていくのがヒーロー」というようなセリフがあって、PassCodeもライブに来てくれた人たちを幸せにしたいという思いで歌っているので、共鳴する部分もあるし、絶対にいい感じに仕上がるだろうなと思いました。

有馬 アニメの映像と一緒に自分たちの声が乗った曲が流れてきて、主題歌:PassCode『WILLSHINE』とクレジットが出て来るなんて、すごく夢みたいだなと思いました。(笑)

大上 「アニメのタイアップが決まったよ!」と聞いた時は、まさにBANDAI NAMCOさんの醍醐味を感じました。「これがBANDAI NAMCOさんの力か!」と。(笑)

■今作“WILLSHINE”を初めて聴いた時の感想はいかがでしたか?

高嶋 この曲を初めて聴いた時は、めちゃくちゃ前向きな歌詞だなと思いました。今回はレーベルの移籍もあって前向きに進んでいく今のPassCodeにぴったりだなと感じましたし、大切に歌っていこうと思いました。

 作曲をしている平地さんも、作詞をしてくれているチームのみなさんも、「SHY」の1期を観てから制作してくれているので、すごくアニメに寄り添ったものになっていて、特にアニメのオープニングで使われている90秒の部分は、PassCodeの光の部分というか、明るい部分を聴かせるようになっているんですけど、後半部分にはちゃんと今までのPassCodeらしさが詰まっているんです。今回は移籍もあったので、アニメで流れる90秒の雰囲気が最後まで続いたら、もしかしたら「PassCodeは変わってしまったんじゃないか?」と心配になるファンの人たちもいたかもしれないけど、私も初めて聴いた時に、後半部分になって「あぁ来た来た!この感じ」と思って安心しましたし、嬉しかったです。(笑)

有馬 南が言っていたように、アニメで使われている90秒は光の部分なんですけど、そこからはPassCodeの飛び道具的なシャウトだったりとか、オチャメなラップだったり、リズムが変わったりとか、怒涛の展開が待っているので、最後まで聴いてもらえたらすごく満足できる1曲になっていると思います。後半はその90秒の部分とは対極になるような激しさがあるんですけど、かといってその光の部分に自信がないわけではなくて、そこもPassCodeのいいところなので、1曲を通していろいろな味が楽しめる良い曲になっていると思います。

大上 全体的にはPassCode全開の1曲になっているんですが、サビまでの明るい感じとか、歌詞のエールを送る感じとかが私はすごく好きなので、そういった曲がまた増えたのがすごく嬉しかったです。ライブでやる時も、カッコいい曲とか、意思が強い感じの曲とか、反発的な曲が多い中で、みんなを励ませるような曲が増えたので、ライブでも貴重な1曲になると思います。

■“WILLSHINE”の歌詞はすごく前向きで背中を押してくれるような曲ですが、気に入っているフレーズや、共感できる歌詞はありますか?

高嶋 私はサビの「がむしゃらになれる明日を探すなら 僕は心を込めて伝え続けるよ」のところが、PassCodeもライブでいろいろとみんなに向けて発信し続けていて、この歌詞はファンの方たちに向けても歌っているので、自分たちの想いと重なるし、すごくお気に入りのフレーズです。振り付けも応援歌みたいな感じのダンスになっています。

 「SHY」にも通じるような歌詞だし、私たちも等身大で歌える歌詞になっているので、この歌詞があがって来た時はすごく嬉しかったです。特に好きな歌詞は「叶えて僕らの夢 そして…」のところで、ライブではまだ1度しか披露していないんですけど、回数を重ねていく度にファンの方たちにとっても、自分たちにとっても欠かせない曲になっていくんじゃないかなと思います。この歌詞を歌った時にグッとくる光景が思い浮かぶのですごく好きですね。

■その後に続く「ずっと一緒にいよう」がめっちゃエモかったですが、この言葉は歌詞には表記されていませんでしたが、なにか意図があってのことですか?もしくはここはライブによっては違う言葉を言ったりする感じですか?

 レコーディングをした時に、「そこの歌詞どうする?」という話になったんですけど、私的にはちょっと余白があった方が想像が膨らむと思ったし、そこは歌詞として言っているわけではなくて。作詞をしてくれているチームの方たちも、ライブで私が言っていることを逆に歌詞に取り入れてくれることもあったりするので、今回の最後の言葉もそういった意味で、割と言い慣れている言葉だったりもして。決められた言葉を言っている感が出るのはちょっと違うなと思ったので、素直な心からの気持ちを言っているという感覚なので、「歌詞には表記しなくてもいいんじゃないか」という事になりました。ずっと歌い続けていくうちに、言いたいことが変わったら違うことを言う日が来るかもしれないし、それもすごく楽しみな曲にしたかったんです。これからどんな言葉が自分から出てくるかまだ想像もつかないので、これからどうなっていくのかも楽しみです。

有馬 私は結構シャウトパートが多いので、言葉の意味というよりもリズムで解釈しているんですけど、私が加入してからの曲は割と歌詞が早めで、16分とか32分で言葉が詰まっている曲が多かったんですけど、今回は久々にゆっくりと歌詞を歌える曲なので、大変じゃないからこそ、心を込めて綺麗に叫ぼうという意識で歌えるのですごく楽しいです。

大上 私は1サビの最後の「ここから僕らと will shine!!!!」のところが、すごく自分の気持ちを乗せて歌えるなと思っていて。移籍後初の曲にふさわしいというか、「またここから止まらずに私たちと楽しいことをやっていこう」と、ファンの人たちにそのままの気持ちを届けられると思うので気に入っています。