「みんなは誰かに何を言われても、ワクワクするほうにまっすぐ突き進んでね。Soalaはみんなの味方です」笑顔に包まれた東京の夜。
12月も半ばとなって冷え込む水曜日、Soalaがワンマンツアー『Soala ONE MAN LIVE TOUR 2025 ~Color Sprinkles~』のファイナル東京公演を開催した。大阪、札幌、仙台、福岡、名古屋、広島と各地を巡って来たSoala。熱気に満ちる白金高輪SELENE b2には、七色のロゴが輝いていた。定刻になるとスクリーンに映し出されたSoalaがスケッチブックにツアー名を書いて見せる。途端にあらゆる色のインクがぶちまけられたような照明が輝く舞台。そこに歩み出たSoalaは、白いパーカー風のワンピースで“To my 17”をドロップした。「さあファイナル公演、東京!盛り上がれますか~?!」の煽りに、観客は色とりどりのライトを振り、声を上げて応える。真っ暗に沈んだステージに稲妻めいた閃光が走る中、身体で力強くビートを感じるSoalaに観客が歌声を返す“Prolog”。二人のダンサーを呼び込んで宇宙のきらめきの中から未来へ進む“ゼロから”。ふと伸ばされる手は旋律を掴み、胸へギュッと抱く。「みなさんついに来ました『Soala ONE MAN LIVE TOUR 2025 ~Color Sprinkles~』ファイナル公演にようこそ!」3曲を終えたSoalaは観客へ挨拶して、「みんなの感情も全部吐き出して、Soalaにぶつけてください。私もみなさんに全力でぶつかっていきます」と宣言。そして「あの時の苦しかった想いをこの曲にぶつけました。聴いてください」と“My song”を歌い出す。まっすぐ人差し指で天を指すSoala。背景映像もなく、ライトだけのシンプルな舞台の上で、「あの頃」のSoalaと「今」のSoalaが重なり合う。低く歌い出されたのは“Glorious”。何曲もかけて未来へ、未来へと進む彼女は、“自分色”で虹色に包まれる。それは何者かになろうとしていたSoalaが、自分を見つけ、自分を見出した姿に思えた。

幕間ではSoalaラジオが開幕。スクリーンに映し出されたDJ SoalaはVTRではあるが、観客とのやりとりで、今まさに生放送をしているのではないかと錯覚させる。このコーナーで行われるのは「ご当地Soalaクイズ」だが、今回の問題は「Soalaが東京に住んでいた時に一番多く乗っていた電車は何線でしょうか?」というもの。ちなみに答えは「大井町線」だった。映像に盛り上がっていると、アゲハ蝶のようなドレスを着たSoalaがいつの間にかステージの中央に立っている。そしてスクリーンに火花が飛び散る中、歌い出された“恋花火”。色とりどりの火の粉が集まり花火になって、掠れる高い声が淡い恋を願えば、ハートの花火が夜空へ花開く。しかし続く“一方通行”では熱い恋が悲痛な終わりに近づき、スポットライトに照らされた“嫌いになりたい”になれば、別れの時が訪れる。“君が悪いのに”で歌われる感情は、嫉妬でも後悔でもない。名づけられないそれに突き動かされながら、Soalaは全身から感情をほとばしらせる。「ワンマンライブは中盤戦に差し掛かってきましたが、ファイナル公演では“君が悪いのに”も歌わせていただきました」小休止を入れるSoalaは、この後もまだ新曲が控えていることや、今もドキドキしていることを明かす。そして、前回の7月9日に開催したワンマンライブと今回のツアーが繋がっていることも話した。「みんなが私に色をつけてくれたという想いで『Color Sprinkles』を開催させていただきました。2025年のうっぷん、ここでぜんぶ吐き出してください!」ここからは観客が声を出して盛り上がれる曲が続く。歩み出て来たダンサーがレッドとグリーンに彩られたビビッドなライトを受けてポージングを決める“Dead or Love”、低く抑えた歌い出しから脈動するリズムにサビの高音が響き渡る“Lie”、そして歓声の中クラップを呼び起こす“Boon”。赤いライトを振って、ファンは日ごろの憂鬱を叫び解放させる。

3曲をクールにキメたSoalaだが、再びの幕間の映像では可愛らしい姿が映る。今回のツアーでは1公演につき1曲ずつ新曲を披露してきたが、ツアーの初めの時点ではまだ1曲目しか完成していなかったそう。初披露の場や、レコーディングの模様が映し出されていくスクリーン。各曲を丁寧に解説し、「学生時代には応援団長をやっていて、応援している姿で好きな人を振り向かせることができた」という甘い青春エピソードも話された。着替えを終えて再登場したSoalaは、フリルたっぷりのドレス姿。ダンサーも黒から白の衣装に変わり、可愛いラブソング“あの子”を歌い合う。“D.I.E.T.”ではダンサーのコミカルな振り付けが相まって、観客の声援も大きくなって。満月が見守るベッドルームで歌われる“Prrrr…”は、「大好き」のセリフに黄色い悲鳴が上がり、ハートとともに大好きの気持ちが弾けていく。新曲のひとつ“スキヘラ“は、ポップで可愛いメロディながら、その片思いは過激で重いものだった。ライブももう終盤。ここでSoalaは多くの人に自分の声が届くきっかけとなった楽曲“すれ違い”を披露。マイクを貫通するほどの歌声を振り絞り、感情が声を超えていく。黄昏た照明の中で歌われるのは“カサネアイ”。光に包まれながら手を伸ばすSoalaの、その「生」の姿に多くの人が胸を打たれた。MCでは失恋ソングに涙を流していた観客を見つけ、自分も胸が熱くなったと語るSoala。そして7大都市ツアーを振り返り、無事にツアーを完走できたこと、ツアー中に新曲を作っていく試みが成功したことは周囲の支えがあってこそだと感謝を口にする。「みなさん、改めてSoalaの曲を聴いてくれて、足を運んでくれてありがとうございます」拍手の中、Soalaは2026年3月に行われるZepp DiverCity(TOKYO)公演にも触れた。「まっしろで、泣き虫で、不器用な私だけど、みんながいるから強くなれるんです。これからもみんなの居場所を作り続けるので、一緒に歩んでくれたら嬉しいです」「夢に向かおうとすると、後ろ指をさされることもあるけれど、Soalaは言い訳をしながら進んできました。だからみんなは誰かに何を言われても、ワクワクするほうにまっすぐ突き進んでね。Soalaはみんなの味方です」優しい言葉と、優しい声で歌われるのは“分かれ道”。そしてライブ本編は強い照明で視界がホワイトアウトする中、Soalaの歌声が高く高く響いて観客と呼び合う“HOPE”で幕を下ろした。

満場のSoalaコールで呼び戻されたSoalaは、チアガール風の白いスカートでタオル片手に“青春ロックンロール”をドロップ。明るく楽しい一瞬の中に詰まった言葉選びに、Soalaの全てが詰まっている。観客がタオルを回す中で、続くはSoala初のクリスマスソング“Merry Special Day”。観客もペンライトを赤と緑のクリスマスカラーに変えて、間もなく訪れる聖夜に願いを込める。「クリスマスソングはクリスマスを逃しちゃったら歌う機会ないからね~!」と笑いながら、ライブはフィナーレへ。最後の曲に選ばれたのは、Soalaが自分を笑ってきた人たちのことを思い出し、経験してきた想いを全て詰め込んできたという新曲“Alive”だった。青い光の花が咲くステージは、願いは叶うことを物語るよう。まっすぐな詞はまっすぐに観客に突き刺さり、Soalaの歌声はそこにいる全員に寄り添った。「みなさん今日は本当にありがとうございました! 以上、Soalaでした!」最後にダンサーを紹介し、観客と写真を撮って、手を振りステージを去っていったSoala。エンディングには“Alive”をバックに全公演の映像が映し出される。その映像は、全てがたくさんの人々の笑顔に包まれていた。
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Text:安藤さやか
Photo:林 直幸
『Soala ONE MAN LIVE TOUR 2025 ~Color Sprinkles~』@SELENE b2 セットリスト
01.To my 17
02.Prolog
03.ゼロから
04.My song
05.Glorious
06.自分色
07.恋花火
08.一方通行
09.嫌いになりたい
10.君が悪いのに
11.Dead or Love
12.Lie
13.Boon
14.あの子
15.D.I.E.T.
16.Prrrr…
17.スキヘラ
18.すれ違い
19.カサネアイ
20.分かれ道
21.HOPE
ENCORE
01.青春ロックンロール
02.Merry Special Day
03.Alive






