恋心の代弁者、「私の歌で誰かを救いたい」想い。
Soalaが1月29日にEP『Bluem』をリリース。これまで発表した楽曲の総再生回数は1億回を超え、共感性の高い歌詞とキャッチーなメロディで、α世代の心を掴むシンガーソングライター Soala。そんな彼女の最新EPには、“カサネアイ”をはじめ、様々なシチュエーションと様々な恋模様、そして未来への決意を描く5曲が収録されている。インタビューではSoalaの音楽的ルーツから楽曲作り、恋愛観まで幅広く語ってもらった。
■EPリリースのタイミングは初のツアーが終わったばかりとなりますが、ツアーで印象的なシーンはありましたか?
Soala 今回は名古屋、東京、大阪を巡らせていただいたんですけど、全て思い入れがある土地でした。地元・愛知県の名古屋、Soalaとして活動し始めた地である東京、そしてゼロからスタートして頑張っている今の拠点の大阪。それぞれに違う感情が湧きましたが、東京では震えるくらい緊張しました。味わったことがないくらい緊張していて、それは過去に東京でいろんな辛い経験をしたからこそじゃないかと思います。大阪では自身最大規模の会場でやらせていただいたのですが、初めてやることが多くて、今できるSoalaの最大限のものを見せられたツアーになったんじゃないかなと思います。
■今、お話の中に地名が3つ出てきて少し混乱したのですが、出身地が愛知で、現在は大阪で活動されているんですよね?
Soala そこはいろいろと事情があるんですけど、親の仕事の都合で、実は生まれたのはアメリカなんです。ただ、育ったのは愛知県で、17歳の頃に東京の学校に転校しました。そこでSoalaとして活動を始めたんですけど、上手く行く事ばかりでは無くて、いろいろ辛い経験も沢山あり、今は大阪を拠点に活動させていただいてます。
■Soalaさんが17歳の頃って、ちょうどコロナ禍の始まりの頃ですよね。一念発起して上京したらコロナ禍で何もできない……っていう?
Soala そうなんです。本当にそうでした。それでも止まりたくなかったのですが、東京で頑張れる自信も無くて。でも地元に戻って周りの人に「1年足らずで実家に戻ってきたんだ」と思われるのも怖かったので、愛知には帰りたくなかったんです。それで大阪に行くことを考えました。大阪には何度もライブで行かせていただいていたのですが、私のことを誰も知らない土地だからこそ、東京と同じようにまたゼロから歩き出せると思って。そこからSoalaの第2章が始まりました。
■すごいですよね。ところで、いただいたプロフィールに「カリスマギャルシンガーのSoala」と書いてあったのですが、カリスマギャルシンガーとは具体的にどういう概念なのでしょうか?
Soala 思いますよね!私も思いましたもん!(笑) あんまり自分のことをギャルだとは思っていなくて。私も最初「カリスマギャルシンガー」と言われた時に、「なんでですか?!」って聞いてしまったくらいです。(笑) 中身もめちゃくちゃギャルギャルしているわけではないんですけど、明るい性格と、こういうファッションと、長いネイルが好きだったり、髪がハイトーンだったり、まつ毛ギャンギャンなのが「ギャル」に結びついているのかな?……でも、こういうわかりやすいキャッチフレーズをつけていただいたことには感謝しているので、カリスマギャルシンガーという言葉にふさわしいアーティストになれたらいいなと思います。
■「α世代に寄り添うギャルシンガー」としての自負は?
Soala やっぱり「誰かの心を私の音楽で救いたい」という気持ちがあるのですが、見た目についても、女の子から憧れを持ってもらえるようにと考えています。そういう意味で、ビジュアルもすごく意識するようになりましたし、歌だけじゃなくて自分磨きも頑張れるようになったんです。
■ところでSoalaさん自身はZ世代ですよね?「世代の自覚」のようなものはありますか?
Soala 全然ないです。(笑) ナントカ世代というのも、「ゆとり世代」ぐらいしか知らなかったです。Z世代って名前は聞くけど、それがどういう意味なのかとか、何歳から何歳までがそのことを指すのかはよく知らなかったです。
■今回のEPの収録曲で、特に「α世代にはまだ早くないかな?」と思ったのが“エンドロール”だったんです。これってプロポーズの歌ですよね?すごく感動的な曲でしたが、15歳以下でもわかるのかな?と。
Soala 確かにこの曲が若い子に刺さるのかどうかはわからないんですけど、喧嘩して別れたり、価値観が違って別れたりって、よく聞くじゃないですか。それに対して私、「本当に?!」と思っちゃうことがあるんです。相手のダメな所をどんどん数えて行って「もう別れよう」となってしまう事もあると思うんですけど、ダメな部分も受け止めて、「今度は私がこうしてみよう」という考え方もできるのかなと思っています。今回は「心の広さを持って、大切な人を些細なことで見失わないでね……」という想いを込めて、“エンドロール”というタイトルにしました。お付き合いをしていたら、別れに行くのか、結婚に行くのかの二択になっていくと思うんですけど、それを左右するのってふたりにしかわからないことだから、この曲が何かを気づかせてくれるきっかけのひとつであってほしいなと思いました。
■この曲は配信リリースから少々時間が経っていますが、みなさんの反応はいかがでしたか?
Soala “エンドロール”を制作した時、過去イチの曲ができたと自信を持って言える曲になりました。初めて経験したぐらい「ビビビッ」と心が騒いで、「絶対にたくさんの人に届いてほしい曲!」と思いながらリリースさせていただいたんですけど、東京でのワンマンライブで初披露した時、泣いてくださる方もいて、「もっと恋人を大事にしようと思いました」と感想のメッセージもいただいて。「私の確信は間違いじゃなかった」ということを、もっとたくさんの方たちにも知っていただきたいです。この曲をもっと大切に歌い続けていけば、もっと深みのある曲になると思うので、これからも大事に歌っていきたいです。
■この曲は特にアーティスト自身のライフステージの変化で深みが増していくと思います。気になるのはSoalaさんの音楽的なルーツなのですが、YouTubeには昭和歌謡のカバーもあげていましたよね?影響を受けたアーティストはどのあたりになりますか?
Soala ロックバンドのおかんという大阪のバンドと、森源太さんというシンガーソングライターさんに影響を受けています。私が不登校になった時に、この2組のアーティストさんの楽曲を聴いて、私がやりたい音楽や目指すべき場所、音楽性がはっきりしました。それまではダンス&ヴォーカルがやりたかったんですよ。歌って踊れるアーティストになりたくて。でも「私が届けたい音楽って、これだ!」と思ったのが、この2組のアーティストさんが歌っている言葉だったり、紡ぎ方にインスピレーションを受けていました。
■他に衝撃を受けたアーティストという視点では?
Soala 本当に大好きでときめいていたのはAAAさんでした。小学校の時に音楽番組でAAAさんを見て、「歌って踊れるアイドルになりたい!」と思ったんですけど、ダンスも習っていなかったので、ただ見よう見まねでダンスをしながら歌っていました。私は踊ることも好きなので、今はダンスもちゃんと勉強して、レッスンを受けて、ステージでのパフォーマンスの幅を広げられるように頑張っているんです。
■ダンスは単純に体力もつきますし、パフォーマンスには良い影響がありそうですね。
Soala そうですね。私はAAAさんのオタクをしていたぐらいなんです。(笑) AAAさんがドームで歌っているのを見て、メンバーの方々が「みんなにもこのステージからペンライトが揺れている景色を見てほしい」みたいなことを言っていたのですが、それがすごく刺さって。「私も絶対にその景色を見てやる!」とその時に思ったので、高校生の時はずっと「いつかドームで歌いたい」と口に出していました。AAAさんは私の青春でした。
■素敵ですね。そうそう、動画サイトのコメントで「平成初期のJ-POPっぽさが好き!」というコメントがあったんですけど、ご自身的にはどう思いますか?
Soala 私自身は平成を意識して曲を作ったことはあまりないんですが、好きなアーティストさんの昔っぽさとか懐かしさというのが染みついているから、そういうメロディが自然と出てくるのかなと思っています。でも、そう言ってもらえるのは嬉しいです。私も平成が大好きなので。
■そして今作のビジュアルは「青」。表題曲になっている“Bluem”も青い花ということなのでしょうか?
Soala “Bluem”は、本当だと「Bloom」で「花が咲く」という意味なんですが、今回は青い薔薇をコンセプトにしたかったので、「Blue」とかけて『Bluem』という造語にしたんです。青いバラは私が成人式の時にいただいたお花で、貰ってから調べたのですが、「夢は叶う」とか、「幸福」という意味が込められていることを知って、なんて素敵な言葉なんだろうと思いました。私にも当てはまることだし、私も夢を叶えに行く途中だけど、みなさんがやりたいことや好きなことに向かって一歩踏み出すきっかけを、このツアーや楽曲を通して届けたくて。そんな願いを込めて、このタイトルとビジュアルにさせていただきました。衣装もゼロから作っていただいて、すごく素敵なものになっています。
■今作の収録曲の中では、“Bluem”だけがラブソングではないんですね。
Soala そうなんです。これは私が今思っていることや、過去に経験したことを軸に作られた楽曲で、私がずっと大事にしていることは、「私の音楽で誰かを救いたい」ということなのですが、21歳の金髪の女が「誰かを救いたい」と言っていたって、きっと綺麗ごとにしか聞こえない人もいると思うんですよ。でもそれは、これから自分が証明していくことだと思います。そういう自分の決意がこもった楽曲になっていますし、誰かからしたら綺麗事かもしれないけど、私の覚悟と決意がこもった渾身の1曲になっています。今、夢を追いかけている子や、立ち止まっている子にも、この曲を聴いて1歩踏み出そうと思ってもらえるようにしたくて、この曲を作りました。
■曲を書くきっかけはありますか?「書くぞ!」と思って、机に向かって書くタイプですか?
Soala 私はそれがどうしてもできなくって。本当にリラックスした状態でないと書けないんです。パソコンに向かえば向かうほど書けなくなって、ソファの隅っこに座ってとか、クッションを抱いて考え事をしている時に、ふいに鼻歌として出てくるものとかが1番いいメロディや歌詞になることが多いです。