竹内唯人 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

竹内唯人『I Believe Myself (Prod. GeG)』

「自分自身を信じられないなら成功なんて遠いかもね」には誰も「いや、でも」とは言えないんじゃないかと思います

2021年7月にメジャーデビューした竹内唯人が、9月1日にセカンドシングル“I Believe Myself (Prod. GeG)”をリリース。変態紳士クラブのGeGをプロデューサーに迎えた今作は、自分と向き合うような歌詞のミッドバラード。誰かのためではなく自身と向き合いながら歌ったという竹内に、GeGとのコラボに至る経緯やZ世代ならではのライブ観などを聞いた。

■メジャーデビューして2か月程経ちましたが、なにか変化したことはありましたか?

竹内 「今までと変わったね」とは言われます。多分アーティストっぽくなったんですかね?ジャケ写とかアー写も大人感ありますよね。(笑) 前は大人っぽく見せている子供みたいな感じがあったけど、今はちょっと凛々しくなったというか、大人っぽくなったんじゃないですかね。あとは、音楽に関わる仕事が増えました。

■配信ライブとかも結構出演していますね。

竹内 そうですね。前は音楽で忙しいと思ったことは一度もなかったんですけど、メジャーアーティストとしてちゃんと活動できているなっていう実感はあります。

■ミュージシャンとして活動できているなっていう?

竹内 そうですね。

■今回のセカンドシングル“I Believe Myself (Prod. GeG)”の話に参りましょうか。今回はプロデューサーにGeGさんを迎えているということですが、その経緯を教えてもらってもいいですか。

竹内 元々GeGさんの曲が大好きで、GeGさんがプロデュースしている曲をずっと聴いていて、いつかやってみたいなと思っていたんです。一発目“After the rain”をUTAさんに作ってもらって、「次はどうする?」ってなった時に、「どんな人とやりたい?」って聞かれたので、「GeGさんとやりたい!」って言ったら、「いいよ!」って言ってくださって。

■GeGさんを知ったきっかけ、好きになったきっかけはなんだったんでしょうか?

竹内 元々HIPHOPが好きなんですけど、最近の売れている曲って大体GeGさんが関わっていたんですよ。それがきっかけでしたね。それで変態紳士クラブが好きになって。ずっとめっちゃ好きだって思っていたんですけど、まさかプロデュースしてくれるとは思わなかったのでびっくりでした。決まった時はめっちゃ嬉しかったです。一つ夢が叶いましたね。俺の周りの友達もびっくりしていました。「なんでGeGさんが作っているの?!」みたいな。メジャーのファーストがUTAさんで、2曲目がGeGさんでって、メジャーに入ったからこそできる音楽みたいな風に見えていいなって思うし。というかみんなそう思っているだろうし。(笑)

■プロデュースしてもらうにあたって、楽曲を作る前にどういう曲にするかの擦り合わせや、やり取りってあったんですか?

竹内 ありました。まだ一回もお会いしたことはないんですけど、ZOOMで会話をして。どんな音楽を作りたいかっていう話をしたんですけど、僕は変態紳士クラブの“YOKAZE”とか“DOWN”とかバラードみたいな静かな曲がすごい好きで、そういうのをリファレンスとして投げました。あとはGeGさんから曲を作る時に決めていることがあるって言われて、「どういう場所で歌いたいか、聴かせたいかみたいなのを考えて作るんだけど」って言われました。「どんな感じで歌いたいかとか、そういうのある?」って聞かれて、俺はその時なにも思い浮かばなくて、すぐに答えられなくて。「特にそういうのないです」って言ったら、「開けた場所で歌うか、六畳の小さい部屋でスマホから流すか、どっちがいい?」って。「そんな表現のしかたある!?」と思いましたね。(笑) でもすぐに「六畳です!」って答えました。

■そうなんですね。狭い方を選んだんですか?

竹内 変態紳士クラブがすごい開けた場所で歌っているのは想像できるけど、僕はどっちかって言うと小さい部屋でスマホで流して聴きたいので。俺もそういう風になりたいと思って「小さい方で」ってお願いしました。それが決まった瞬間すぐにZOOMが終わって、「すぐ作りますね!」って。それでできあがったのがこの曲でした。

■最初デモ曲を聴いてどう思いましたか?

竹内 もう一発目、一音目でGeGさんの音だって感じがしました。「これやばいな!」って思いました。すごいなって。

■それを今、歌ってみてどうですか?

竹内 ミッドバラードだけど、やっぱり身体でノっちゃいますよね。MUSIC VIDEOが完成して観たんですけど、最初のシーンで僕が頭をちょっと振っていて。僕の中では最初の大事な歌詞だからカッコつけてクールにいってる感じでいたんですけど、自然に頭や足が動いていたりして、ノっちゃうんですよね。なんか魔法がかかっていますね、この楽曲には。(笑)

■静かな曲調なのもあって歌詞も沁み込んできますね、向き合い続けるみたいな。

竹内 歌詞は最初、別パターンが送られてきていて、それでいこうと思っていたんですけど、歌詞を書いてくれた人が僕の曲を聴いてくれて、「竹内唯人をしっかり分かった上でもう一回書きたい」って言ってくださって。それでできてきたのが“I Believe Myself (Prod. GeG)”です。自分に言い聞かせられるというか、MUSIC VIDEOを撮ったり歌っていて、自分で歌っているけど自分に向かって言われているような気がするというか。めちゃめちゃ沁みてきますね。あとは「俺もやれる」「勝てる」「負けず」「変える」「耐える」「エール」「曲げず」って韻踏みすぎじゃないですか。(笑) 全部最後で踏むんじゃなくて最後だけ「ほら」で落とさずに一個手前で落とすっていう。この踏み方は普通できないから、これはヤバイと思いましたね。

■特に気に入っている歌詞などはありますか?

竹内 「自分自身を信じられないなら成功なんて遠いかもね」っていうところですね。

■印象的な部分ですよね。

竹内 言葉がすごい。本当にそうだなっていう。この歌詞に関しては「いや、でも」とは誰にも言えないんじゃないかと思います。これは誰に対しても共通して当てはまると思います。

■メジャーデビューした今だからこそ、心境とリンクした歌詞もあるのかなと思ったんですが、いかがですか

竹内 歌ったり聴いたりして思ったんですけど、メジャーデビューする前の自分に言ってあげたいなと思う曲で。こういう気持ちを思って過ごしてきて、今に至った自分だからこそ歌えるし、元気になれる曲かなって思います。過去の自分に向けて全部言えるなって感じです。

■過去の自分に聞かせたい曲、みたいな?

竹内 完全にそうですね。今の自分に当てはまることもめっちゃあるんですけど、この歌詞「今のお前に足りないものは」みたいなのがないじゃないですか。強制も否定もしていない。曲を聴いて歌詞を見れば、必ず自分に当てはまる部分があるから、それで自分が気付かされるものがある、みたいな。すごくいい歌詞ですよね。

■まだGeGさんとお会いしたことがないということは、レコーディングの時の立ち合いとかもなかったってことですよね?

竹内 そうですね。でも「今度是非会いましょう」みたいな感じで言ってくださっていて。「唯人君に次作る曲も決めてあるんで」みたいなことも言ってくださって。

■おお。すごい!

竹内 「マジすか!」みたいな。「その前に一回ご飯行きたいですね」っていう話をしました。こんなご時世なので、いつ実現できるかはわからないですけど…。

■その次の曲っていうのはまだ聴いていないんですか?

竹内 まだ聴かせてもらってはないですね。でもそういう風に言ってくれること自体がすごく嬉しいです。

■そうですよね。資料には「夢を持つZ世代に向けて」とあるんですが、竹内さん自身もZ世代である中、この歌詞をどういう風に伝えて、どういう風に聴かせようとして歌ったんでしょうか?

竹内 今までは誰かに向けていたりとか、誰かのためにっていう、届けたいっていう気持ちが大きかったんですけど、今回は歌いながら自分に向けて刺さってくるというか、自分に向けて歌っていましたね。この曲を聴いてくれる人は、聴いてくれている人に向けて歌っているって思ってくれるかなとは思いますが、どっちかというとこれは自分に対しての歌だという気がしていて。それだからこそ気持ちが入っているので、それはリスナーの人たちにも届けばいいなと思います。

■一番最初の「俺も」っていう歌詞から自分に向かっていますもんね。

竹内 今までの曲は、感情っていうよりも伝えたいことを歌詞にして歌っているっていうイメージだったので、落ちるところはしっかり優しく歌うみたいな、そういう表現の仕方をしていたんです。今回は頭から全部力強く気合い入れて歌っているので、そこが今までとは違うかなって思います。