THE BEAT GARDEN VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

同世代の自分たちだからこそ書き下ろせる温度感の曲ができたらいいなと。

THE BEAT GARDENが新曲『present』を2月11日に配信リリース。今作はABCテレビ・テレビ朝日系ドラマ『アイのない恋人たち』の主題歌となっている。本ドラマはアラサー男女7人が、それぞれにワケアリな恋愛観や家族の問題を抱えながらも出会い、触れ合い、愛し合おうとするラブストーリー。そんなストーリーに寄り添い、男女7人の感情を代弁しているような歌詞が印象的な“present”だが、今まで以上に作詞には苦労したという。そんな今作の制作についてや、先日発表された初のZepp単独公演『good error』に向けての意気込みなど、U、REI、MASATOの3人に話を訊いた。

■今回の新曲“present”は、ABCテレビ・テレビ朝日系ドラマ『アイのない恋人たち』の主題歌になっていますが、今回の楽曲制作にあたって事前に脚本や台本を読んでみて、どんな感想をいだきましたか?

U 最初は脚本を5話までいただいて読ませていただいたんですが、今作は男女7人の恋物語というか、それだけではなくいろいろな要素が入り混じっているストーリーに向けたラブソングということで、最初はゴールをどこに持っていくのが正解なのかすごく難しいなと感じました。

REI 今回のドラマは遊川和彦さんの作品ということもあって、僕は今まで「家政婦のミタ」とかをリアルタイムで観ていたので、そんな遊川さんの作品に携わらせていただけるという喜びが大きかったんですが、その分すごくプレッシャーもありましたし、ちゃんと作品に寄り添った楽曲になったらいいなと思いました。

MASATO 今回のドラマは、登場人物やキャストさんも同世代だったのですごく共感できましたし、自分たちだからこそ書き下ろせる温度感の曲ができたらいいなと思いました。

■ドラマの制作発表会見にも参加されていましたが、出演してみていかがでしたか?

U 本当にいい経験をさせていただけてすごくありがたかったです。今回演じているキャストのみなさんにもお会いできましたし、なかなかこういうドラマのタイアップをいただいても、みなさんが僕らの曲をどう聴いてくれているかも知らないし、自分たちのことを知ってくれているのかもわからないので、実際にみなさんにお会いして、「すごくいい曲をありがとうございます」って言葉を直接いただけたのがすごく嬉しかったです。会見は本当に緊張しましたが、曲に対してもちゃんと想いを伝えられましたし、このチームの仲間入りをさせてもらえて光栄でした。

■今回のドラマの登場人物たちは「愛がない」「I(自分)がない」「eye(見る目)がない」というお話でしたが、みなさんはどのタイプが自分に一番近いキャラクターだと思いますか?もしくは誰に一番共感しましたか?

U 僕はこの中だったら福士蒼汰さんが演じる「愛がない」という真和さんに一番近いかもしれないです。恋愛に対してはすごくドライかもしれません……。(笑) 

REI 僕はそれで言うと本郷奏多さん演じる「I(自分)がない」多聞さんですね。気になっている人にそっけない態度をとってしまったり、それを後で後悔する不器用さというか、想いをちゃんと伝えきれない感じにすごく共感しちゃいました。

MASATO 僕はドラマを観ていて、前田公輝さんが演じる雄馬が好きでしたね。「eye(見る目)がない」と言われていますけど、なんか明るいキャラなのでドラマ全体のバランス的にいないとすごく寂しくなるというか、でもその明るさの裏側に何かを秘めているような感じが目を惹きましたし、自分と近いものを感じました。あと、いじられキャラなところも。(笑)

■それはなんとなくわかります。(笑) ちなみにドラマの冒頭の問いかけにありましたが、もしタイムマシーンに乗って好きな日に戻れるとしたら、みなさんは今まで生きてきた中でどの1日に戻りたいですか?

U いい日に戻るか、嫌な日に戻るかも迷いますよね……。

■確かにそうですよね。(笑)

U 僕は戻れるなら中学2年生の1学期に戻りたいです。そこからラグビーを始めたんですけど、高校の3年間も、ラグビー推薦で入った大学のキャンパスライフもすべてを注ぎ込んできたので、恋愛も出来なかったし、もし戻れたら「ハイスクールラブライフ」を送ってみたいです。そうしたらラブソングを書く時の歌詞も今とはまた違っていたかもしれないし、もっと肩幅も狭くてすっきりしたアーティストだったかもしれない……。(笑)

REI それで言うと僕も中学1年生の時ですね。僕は田舎育ちだったので、すごく東京とか海外に憧れていたんですけど、初めて一人きりで東京に遊びに行っていろいろと買い物をしたりとか、ライブを観たりとかした日があるんです。その時もすごく悩んだんですけど、もう一つの選択肢として海外に行くというのもあったので、もしそちらを選んでいたら、また見えていた景色も違ったと思うし、視野も広がっていたかもしれないです。今ふとその日のことを思い出しました。

MASATO 僕も二人みたいに学生時代とかに戻ってやり直したいこととかもあるんですけど、ちょっと違う角度で考えてみた時に、僕ら3人が音楽を始めて事務所を決めるタイミングに戻って、今の事務所に入っていなかったら……って思ったんですけど。(笑)

■あの日デモテープを持って来て、事務所の前でたまたまFUNKY MONKEY BΛBY’Sさんに出会っていなかったらっていう未来ですね。(笑)

U それはどうなっていたのか気になるな。面白いかも。(笑)

MASATO それでもなんとかデビューできていたかもしれないし、他の事務所に入っていたかもしれないし。ちょっとそんな未来を覗いてみたいですね。(笑)

■なるほど。また違った音楽性のアーティストになっていたかもしれないですよね。それでは今作の曲のお話も聞かせてください。Uさんは今作の作詞で苦労した点などはありましたか?

U 1ヵ月くらいずっと作詞に費やして、しかも20回くらいは書き直しているんですよ。今回は「僕」という言葉を使っていないんです。今作のドラマは男女7人の話なので、実は遊川さんから「一人称を使わないで書いて欲しい」と言われまして。それによって使えない言葉もいろいろとありました。でもそれはストレスではなくて、「このドラマの7人に完全にフォーカスして歌詞を書くんだ」という覚悟をもらえたので良かったです。

■今までのTHE BEAT GARDENの曲で、一人称がない楽曲ってありましたっけ?

U いや、ほぼないと思います。「僕」か、「私」「あなた」は使っていると思います。正直すごく難しかったんですけど、自分とドラマの主人公の真和の気持ちがすごく似ているところも多かったので、結果的にTHE BEAT GARDENらしい楽曲になったかなと思います。

■ちなみに今作の曲のタイトルを“present”にした理由はなんですか?

U タイトルは今回決まるのにすごく時間がかかったんです。みんなでいろいろ話し合ったんですけど、なかなか良いタイトルが出てこなくて。タイトル候補も30〜40個くらいは考えたんですけど、たまたま友達と電話していた時に、その友達が人にあげるプレゼントで悩んでいて、「present(プレゼント)」の意味を調べてみたら、「今」とか「現在」という意味があって、歌詞をよく見たらサビの始まりが全部「今」で始まっていたし、「贈り物」という意味も含めて“present”がいいなってなりました。まさにその友達からの「贈り物」でした。

■また、歌詞の中に「運命の横顔」とありますが、なぜ横顔だったのでしょうか?

U これは今回作曲してくれた上村昌弥さんが今まで作ってきた曲を見てみると、実は気がついたら横顔の曲が多くて。彼の作るメロディーはそういった距離感というか、面と向かって言う感じではなくて、すぐ側にいてくれる感じというか、隣とか近くから見ている感じなんです。その距離感の暖かさもあったし、今回のドラマの7人もストレートにはっきりと正面からは好きと言えない理由をそれぞれに抱えていたので、横顔という表現にしました。それに今回は「運命」という言葉を使いたくて、でもそれだけだとなんかちょっとクサい言葉になってしまうから、フックというか少し違った形で使いたくて、「運命の横顔」にしました。

■「運命の横顔」って、なにか昔からの言い伝えとか逸話があって、そこからのインスピレーションで使ったのかと思っていたので、すごく意外な答えでした。REIさんとMASATOさんはこの歌詞を初めて見た時の感想はいかがでしたか?

MASATO 今回もUさんは作詞している最中はすごく苦しそうでした……。いつも以上に難産になるのは予測できていたので、僕たちは自分の出来ることをやって、信じて待つだけでしたけど、Uさんは作詞でもがいているし、僕たちはそのもどかしさをなんとかかき消そうともがいていたことで、いろいろと成長もできたので、この出来上がった歌詞や曲に対する想いにも繋がっているような気がします。

REI 今作はドラマに沿っての書き下ろし楽曲だったので、いろいろと制限がある中でも「ストレートな想いを書いて欲しい」と言われていたので、Uさんが苦労して書いたこの歌詞を初めて見た時に、ストレートで情景がすごく思い浮かびやすいというか、誰もがわかりやすい歌詞になっていて、「君が好き」ってサビの最後に言うってことは、そういったドラマの意図を汲んで作詞したんだろうなっていうのがすごく伝わってきました。

■今回のレコーディングで歌う際に気をつけた点や、苦労した点などはありますか?

U この3人で話し合ったのは、このドラマの7人はみんなそれぞれに何かを抱えているので、たぶん自信を持って言葉を言えるわけじゃないと思うので、この歌を歌う時も、まだはっきりしていないところから始まって、サビの最後の言葉に向かって徐々にはっきりしていくような歌い方にしようって。バースのところを歌う時も、思いっきりビブラートをかけるのも違うし、どこか不安を抱えているような歌い方を心がけましたね。

MASATO 僕はUさんから「声色の重心を少し下げて歌ってみて」って言われていたので、そうすると歌詞にメッセージ性が乗るというか、あまり感情ではなく、歌詞に意味をもたせるような歌い方をしました。

■「声色の重心を下げる」とは、なかなか難しい表現ですね。

U 歌い上げるのではなく、話すに近い感覚というか、声を響かせるのではなく、言葉を落としていくような感覚ですね。簡単に言うと「強く歌わない」という感じですかね。

■なるほど。語りかけるような感じでしょうか。REIさんはいかがですか?

REI 今回は言葉一つ一つの裏の意味というか、例えば「好き」でもいろいろな「好き」があるので、そういったものを自分の中で紐解いていって、それを表現しつつも、歌詞や言葉を「言う力」というか、「歌う力」を意識して挑みました。

U でも今回のレコーディングで、「君が好き」のところのテイクには過去一時間をかけましたね。この「君が好き」は、ドラマのキャスト7人の「君が好き」なので、歌っているうちに何が正解なのかが分からなくなってしまって……。歌い方の音の長さもそうだし、揺れもそうだし、スタジオでみんなにも聴いてもらいながら、何十テイクも録りました。その中からベストなテイクを絞り込んでいくという作業だったので、みんなドラマの映像も見えていたし、キャスト7人に向けて書いたラブソングだという意識を持って、そこにみんなで向かっている感じが初めての経験でしたし、すごく楽しかったです。

■それがあったからこそ、毎回ドラマの次回予告で流れている映像にも完璧にマッチしていて、本当に素晴らしかったです。

U 福士蒼汰さんも制作発表会見の時に、『「君が好き」がすごくいいですよね、歌いたくなりますね』って言ってくれていました。