THE BEAT GARDEN ONE MAN LIVE『THE NEST 2020』IN TOKYO ライブレポート@新木場STUDIO COAST 1月26日(日)

THE BEAT GARDEN ONE MAN LIVE『THE NEST 2020』IN TOKYO

ゆっくり歩んでいる自分たちの傍にいてくれてありがとう

THE BEAT GARDENが1月26日、グループ史上最大キャパシティーとなるワンマンライブ『THE NEST 2020』を新木場 STUDIO COASTにて開催した。同ライブは2019年8月31日に行われた事務所の先輩・ファンキー加藤が主催したフェス『OUR MIC FES』でのTHE BEAT GARDENのステージにて発表告知されたもの。以来、ニューシングル『Snow White Girl』のリリースなどを経て、ワンマンライブとしてBeemerとともにこの新木場の地に帰ってきた。

フロア内は観客でいっぱいになっており、彼らの登場を今か今かと待ちわびていた。会場が暗転し、THE BEAT GARDENの文字が書かれた幕にスポットライトが当たるとメンバーが次々と登場。新コスチュームに身を包んだU、REI、MASATO、DJ SATORUが“Alive”で勢いよくライブをスタートさせた。昨年10月27日に愛知・名古屋にて開催された『THE NEST IN DIAMOND HALL』以来のワンマンライブであり、彼らにとって2020年最初のライブ。待ちに待った公演なだけに盛り上がりのスピードも凄まじく、初っ端から“Don’t think,feel.”、“GAME”とハイテンションな曲が続く。ミラーボールが勢いよく回り、ダンスパーティーなさがらの煌びやかな照明がより盛り上がりを加速させていた。Uが「懐かしい曲をやります」と告げて届けられた“SHAKE IT OUT”、“Fly Me High”、“JUNGLE GAME”もインディーズ時代からの人気ナンバーだ。普段のライブでは披露されることが少なくなってきた曲たちが前半から惜しげもなく投下され、客席からは悲鳴にも似た歓声が度々あがっていた。

「タイトルでもあるTHE NESTには、巣という意味があって。みんなが帰ってこられる温かい空間を一緒に作っていけたらと思っています」とUから伝えられた通り、同会場では初めてのワンマンライブにも関わらず熱気とはまた違う、ホーム感のある温かい空気が包み込んでいたのは、まさにTHE BEAT GARDENだからこそ。『Snow White Girl』のカップリングソング“Everyday”のコール&レスポンスが完璧だったのも、この日を楽しみにしていたBeemerとメンバーの想いが重なりあっていたからに違いない。会場の隅々まで見渡しながら歌うMASATO、音に身を委ねて踊り歌うREI、一人ひとりに話しかけるかのように歌うU、そしてDJプレイパートの魅せ場が多かったSATORUも、さらに会場を沸かせるエッセンスになっていた。“君がいるから”、“そんな日々が続いていくこと”、“Snow White Girl”と新旧織り交ぜたバラードセットリストで観客を魅了したところで、ピンクのライトが会場を駆け巡り披露された“花火”。これまで何度も披露されてきた人気ナンバーのサビ部分では、Beemerと指をさし合うのが恒例となっているが、その姿がこの日のライブではより確かな意思疎通をしているかのように見えた。

中盤のMCではDJ SATORUが加入時の心境を告白。インディーズ時代にサポートとしてついていた際に、Uから「DJにならないか」と誘われたのが始まりだった。すでに3人が大きな夢を持って活動していた姿を一番近くで見ていた彼は、Uからの誘いに対し、夢を持っていない自分が入っていいのか不安を持っていたという。けれど、3人の輝く姿に感化され、メンバーとして正式加入。今こうして3人とともにステージに立てている幸せを語り、最後に「まだまだ伸びしろしかないSATORUです!」とおちゃらけた様子を見せたが、そんなMCにUが「4人でこれからも進み続けたい」と言葉を添えて披露されたのは、グループ自身のことを歌にした“エピソード”。前述のMCの流れから、よりエモーショナルに聴こえてくる。続けて届けられた、Beemerに向けて書いた曲“Someday”、観客の声出しがあってこそ完成する曲“本当の声で”の流れは、メンバー同士、Beemerとの絆を確かめ合い、今日一番の一体感を生み出していた。この3曲の流れから創り上げた多幸感溢れる光景は最も印象強く残っている。

おふざけなしのガチセットリストも終盤に差し掛かり、“Satisfaction”、“Sky Drive”のアッパーチューンで畳みかけていく。曲とシンクロしたクオリティの高い照明演出が盛り上がりを加速させ、熱狂の渦に巻き込んでいった。本編が終了し、“ヒューマン”のイントロから始まったアンコールでは、Uがラグビー選手、REIがモナリザ、DJ SATORUが目玉焼き、そしてMASATOがトリケラトプスならぬ「トリマサトプス」のコスプレ衣装で登場。名古屋公演で大人気だった演出だけに、東京公演でも見られると期待していたが、想像を上回る衣装で登場したメンバーに会場からは驚きの声が上がっていた。歌い終わったあとにREIが「どうせコスプレしてくるんでしょ!?とか思ってたやろ?もう絶対しいひん!」と笑いを誘う一幕もあった。

そんなユーモアたっぷりなパートで客との距離をより縮めたところで、Uがこれまでの心境を打ち明ける。デビュー前に一度4人でライブを観に来たことがあるという新木場 STUDIO COAST。当時、話していた夢のステージに立てたことの感謝と喜びを語ったのち、「今日ソールドアウトできなかったんです、僕ら。それがすごく悔しくて。でも、この日を絶対忘れないと思うし、みんなのことも絶対に忘れません。この先もっと大きいステージに立てたときに、今日いてくれた一人ひとりがそこにいてほしいと思っているし、ゆっくり歩んでいる自分たちと離れないで、傍にいてくれて感謝しています」と話し、続けて「今日来られなかったBeemerにも感謝しています。これからもずっと傍にいてください」と気持ちを伝え、“みんなへ”を披露。会場から温かい拍手が送られた。ラストソングはメジャーデビュー1stシングルでもある“Never End”。約4年前、この楽曲のインタビューの際に「ここでの<君>はメンバーや今まで関わってくれた人、ファンへ向けた意味合いが大きい」と語っていた通り、この曲で本公演を締め括るということに、メンバー自身のいろんな想いが込められていたのだろう。

本音の部分ともいえる悔しい思いを打ち明けたTHE BEAT GARDENと、それを真摯に受け止めるBeemer。そんな両者がこの公演で作り出した最高の光景の数々が、彼らのこれまでの活動期間で築き上げた絆を物語っているように感じた。新たな決意と、確かな足跡を新木場に残したTHE BEAT GARDEN。ここからスタートを切り、2020年もBeemerとの温かい巣を各地でたくさん作り出してくれることに期待したい。

Text:日野綾
Photo:Yuto Fukada

http://thebeatgarden.com/

THE BEAT GARDEN ONE MAN LIVE『THE NEST 2020』IN TOKYO セットリスト
01.Alive
02.Don’t think feel.
03.GAME
04.SHAKE IT OUT
05.Fly Me High
06.JUNGLE GAME
07.Everyday
08.サイドディッシュ
09.君がいるから
10.そんな日々が続いていくこと
11.Snow White Girl
12.花火
13.エピソード
14.SOMEDAY
15.本当の声で
16.ぬくもり
17.Satisfaction
18.Sky Drive

ENCORE
01.ヒューマン
02.みんなへ
03.Never End