東京女子流 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■歌詞も「人恋しい夜は/キミの 愛に触れていたい」ですもんね。

庄司 人恋しいとか、今まであんまり思ったことなかったんですけど、やっぱりみんなに会えなかった時は寂しくて。夜な夜なひとみに連絡しちゃったりとか。

■昔は新井さんがホームシックになって、庄司さんが助けていたという話を聞いたことがありますけど、今は逆になったんですか?

新井 逆になりましたね。(笑)

庄司 デビュー10周年の記念日が自粛期間中で、それぞれおうちで配信をしたんですけど、日付を越えたらSNSで「おめでとう」のメッセージがファンのみなさんから届いて。それを読んでいたら寂しくなっちゃったんです。それでひとみに連絡したら、「最近買ったんだ〜」ってサボテンを見せてくれました。(笑)

新井 かわいいサボテンをゲットして、「めいてぃん、元気になってね〜」って見せました。

中江 ほっこりする話だな。(笑)

■それで癒やされていたんですね。逆に自分とはかけ離れているな、これは完全に演じたなという曲もあるんですか?

山邊 ありますねぇ。いっぱいありすぎて選べないかも。

■たとえば“僕は嘘つき”は男性目線の歌で、演じなきゃ歌えないと思うんです。

新井 だから私、わかんなかったです。アルバムの中で苦戦した部分って、いろいろあるんですけど、この“僕は嘘つき”は今までにない感じで。

中江 基本的に女性の立場から、男性に対して「わかって欲しい」という気持ちを歌うことが多いので。

新井 なので、「これ、どういう感情なんだろう?」って、一回我に返りました。なかなか曲に入り込めなくて、レコーディングも今回のアルバムの中でいちばん時間がかかりました。何回も歌って、聴いてを繰り返して。とにかく難しかったです。

■この曲は女性目線の失恋曲だった“ストロベリーフロート”のアンサーソングということですけど、去年シングルで“ストロベリーフロート”がリリースされた時は、みなさんこの男性にお怒りだったと思うんです。

庄司 ふふふふふ。(笑)

中江 あー、熱弁した記憶がある。

新井 怒ってましたね〜。

■ヒドい男だと言っていたのに、今度はその男性の言い分を歌う側になって。

山邊 そうですね。この曲を歌うことで「あ、そういう気持ちだったんだ」ということが、すごくわかりました。それと私は、普段キュンキュンするドラマとか見ないタイプだから、“ストロベリーフロート”みたいな世界観は、一回自分の中で考えて落とし込まないとダメなんです。でも、“僕は嘘つき”は、最初に歌詞を見た時からすーっと体に入ってきて。だから私は男性寄りな性格なのかもしれない。(笑)

■この男性は“ストロベリーフロート”では彼女を差し置いて友達と遊んでいて、“僕は嘘つき”では別れてから後悔して謝っているわけですよね?

山邊 私、ひとりの時間がないとダメなタイプなので、この男性の気持ちはわかります。今はお友達と遊びたいんだよね、彼女のLINEは無視したいんだよねって。

■めちゃめちゃ理解あるじゃないですか。(笑) 中江さんはどうでしたか?

中江 最初は男性の気持ちは「わかるわけないよな」と思ったんです。でも、女々しくて、不器用で、反省しているところがちょっとかわいいなと思えて。これは偏見になっちゃいますけど、女の子の方が絶対お姫様で、「ああして欲しい、こうして欲しい」みたいな願望は強いはずなので、それに男性が全部応えられるかっていったら、無理だよなと思うんです。だから、この曲で男性側の言い分を知って、ただのすれ違いだったんだろうなと思ったらすごい切なくなりました。

■“ストロベリーフロート”の時は言いすぎた?

中江 勝手に怒っちゃったけど「そうだよね」って。自分の中で勝手に和解しました。(笑)

■本当に女子流の曲が恋愛の教科書になっていますね。(笑) 庄司さんはどうですか?

庄司 庄司もすっと自分の中に落とし込めたというか。今までは「こういうふうに歌うぞ」とか、自分の思い描くイメージがあってレコーディングに臨んでいたんですけど、この曲はその場の感情のままに歌ったら上手く曲に入り込めたというか。スタッフさんからも歌い方を褒めていただけたし、いい意味でイメージを決めつけすぎず、自分が感じ取ったものをそのまま乗せることができたのかなと思います。

■みなさん男性側の気持ちも理解できたんですか?

新井 「あ、そうだったんだ」と思う部分もあるんですけど、「抱きしめたい/もう一度だけ」という歌詞とか、「いや、もう遅いよ!」って。

中江 ひとみさんはまだお怒りです。(笑)

新井 やっぱり私は女性側、“ストロベリーフロート”側なんですよ。

山邊 いや、私は男性側だわ。

中江 ここで分かれました。(笑)

■“僕は嘘つき”も、“ストロベリーフロート”も、今の話を踏まえて聴くとまた違う楽しみ方ができそうです。7年ぶりのアルバムを作り終えて、自分の中で変化はありましたか?

中江 自分たち的には新たな感情、表現の枠が増えたなと感じているんですけど、やっぱり「少女から女性」というキーワードが大きいなと思って。7年も経つと声も変わるし、4人だけでのアルバムも初めてですし、今の私たちを見て欲しいということだけじゃなくて、12年間の私たちを愛してもらえたら嬉しいなという気持ちもあるんです。そういう意味でもこのアルバムをたくさん広めていきたいなと思っているので、これからライブで披露していくのが楽しみです。

庄司 このアルバムをリリースすることで、新たなフェーズに入れそうだなと感じていて。“Viva La 恋心”はKENZO(DA PUMP)さんに振り付けをしていただいたんですけど、セクシーかわいいみたいなところを表現するっていう自分たちにとって新しい挑戦だったので、また一歩先に足を踏み入れることができたのかなって。これからもどんどんいろんな曲にチャレンジして、進化しながら新しい東京女子流を発信していきたいなという想いが強くなりました。

■この夏は進化した東京女子流が見られそうですね。

庄司 はい。たくさんの方にアルバムを届けていけるように精一杯がんばりたいです。そしてワンマンライブにもさらに足を運んでもらえるように、より自分たちを磨いていきたいなと思います。

中江 最近はイベントやフェスも増えてきたので、毎回、全員が初めて女子流を見てくれているっていう気持ちを持つようにしていて。もちろんすでに知っている方もいますけど、「はじめまして」という気持ちは忘れないように意識しています。

庄司 あと最近はどの面も大事だなと思っていて。ライブはもちろん、ちょっとバラエティチックな「流tube(YouTube番組)」だったり、他のアーティストさんの曲を踊ってみるTikTokだったり、メンバーそれぞれのプライベートを見せるツイッター、インスタとか、どこで出会いがあるのかわからない時代なので、いろんな私たちを楽しんで好きになってもらえたらなって。入口はどこでも構わないので、ぜひ東京女子流に触れていただけたら嬉しいです!

Interview & Text:タナカヒロシ

PROFILE
「音楽の楽しさを歌って踊って伝えたい!」という思いの元、東京からアジア、そして世界へ。“少女性”を感じさせる明るく爽やかな曲調と少し危なげな“大人”な恋を歌う二面性が、「東京女子流」の魅力。2010年5月5日にデビュー。 2回の武道館公演を経験し、海外での活動も日本国内と同時に精力的に行い、台北と香港でのワンマンライブを重ねるなど、楽曲センスに魅了され、ガールズグループの中では一躍、脚光を浴びる存在となった。ディスコ・ファンクから、EDM・Future House・シティーポップと幅広いジャンルでハイクオリティな楽曲を発表し続け、ダンス&ボーカルの可能性を追求するライブパフォーマンスを見せる注目のガールズグループへ。
https://tokyogirlsstyle.jp/

RELEASE
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