私は今でもふと冷静になった時「これ、私の人生なんだよね?」と思う瞬間があります。
Adoが10月31日に『MAGIC』を配信リリース。初ダッグとなるボカロPのツミキ書き下ろしであるこの楽曲は、ディズニープラスで配信中の「キャッツ♥アイ」オープニングテーマに起用されている。
本稿では“MAGIC”がもつ魅力に加えて、東京ドーム・京セラドーム大阪でそれぞれ2days開催されるドームツアー『よだか』に込めた思いを聞いた。
■はじめに「MAGIC」はどのような楽曲になっているかを教えてください。
Ado これまでのAdoにはあまりなかったような、レトロポップなダンスミュージックに仕上がっています。「キャッツ♥アイ」の3姉妹を彷彿とさせる魔性的なフレーズがちりばめられており、アニメの世界観もしっかりと楽しめるのが特徴です。楽曲を手掛けていただいたボカロPのツミキさんからは「80年代の歌手を意識してほしい」との要望がありました。中森明菜さんや、杏里さんなど、私自身もリスペクトしているアーティストの皆様の歌い方を参考にさせていただいたおかげで、エレガントで大人っぽい部分も感じられる楽曲になったと思います。
■キャッチーな言葉が溢れるマジックの歌詞の中で、印象に残ったフレーズがあれば教えてください。
Ado どこを切り取っても素晴らしい言葉で溢れているのですが、“痺れるな”という観点だと、間奏に入る前の「それでも愛してダーリン」と歌うところですね。インストがほぼリズムだけになるフレーズで、パンチも効いているという意味で印象に残っています。
■楽曲のタイトルにちなみ、もし「MAGIC」が使えるとしたら何をしたいですか?
Ado おそらく魔法に分類されてしまうとは思いますが、「空を飛びたい」という願望は常に持っています。昔から大空を羽ばたく鳥を眺めては、羽があってうらやましいなと思っていました。ちょっとでもいいから、浮いてみたいですね。
■「キャッツ♥アイ」のOP・EDを担当すると決まった時の気持ちを教えてください。
Ado 「キャッツ♥アイ」は、私が生まれる前から人気を博していたアニメで、私の母親も大好きな作品のひとつです。まさかリメイクという形で関わることができると思っていなかったので、この話を聞いた時は気持ちがとても高揚したことをよく覚えています。実際のアニメは、三姉妹の可憐なキャラクター性を崩さず、現代風にアレンジしている点に視聴者として感動しました。「キャッツ♥アイ」が時代を超えて愛される、そのお手伝いができたら嬉しいなと素直に思いました。
■三姉妹が正体を隠しながら活躍する「キャッツ♥アイ」は、Adoさんにも当てはまるところがあると思います。素顔を明かさない歌い手として日々感じていることはありますか?
Ado 多くの方にAdoという存在を認識していただいていますが、当の私は何事もなく日常を過ごしていることが不思議です。普段の私の様子をみなさんは知らないので、もちろん変装などをする必要もありませんし、私は本当にそこら辺を歩いていて、買い物にもテーマパークにも行っています。みなさんと変わらない日々を過ごせていること自体がなんだかすごいことのように感じます。
■『MAGIC』がリリースされる10月31日はハロウィンですが、世に紛れてこっそり仮装するとしたら、どのような仮装をしたいですか?
Ado あまり仮装をしたことがないので、かなり迷いますね。以前から白い布をかぶったお化けのことは可愛いと思っていたので、ハロウィンをきっかけにチャレンジしてみたいですね。
■日本人アーティスト過去最大級となった、自身二度目の世界ツアーを完走された気持ちを教えてください。
Ado 前回の世界ツアーよりも規模が広がり、より一層たくさんのファンの方に出会うことができました。初めて訪れた場所、もう一度行くことができたあの場所など、たくさんの思い出にあふれたツアーだったと思います。それぞれの国や地域のみなさんからは、私への愛情や情熱がものすごく伝わってきました。今後も世界中のみなさんに、さらに成長した私の姿をお見せできるよう、努力を続けたいと思っております。
■世界ツアーの中で、美味しかった食べ物など、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
Ado 食べ物に関するエピソードは本当にたくさんあります。一つ挙げるとしたら、イタリアで本場のパスタを堪能したことですね。現地でカルボナーラとポモドーロを食べたのですが、日本とはまた違った美味しさがあり驚きました。もちもちとした太めの麺に、甘さと酸味を兼ね備えたトマト。ベーコンはカリカリで、塩っけのある香ばしいチーズの香りが忘れられません。イタリアは観光スポットも豊富で楽しかったので、個人的にもまた旅行したいなと思っています。
■Adoさんはライブ前に自分でメイクをすると聞きました。こだわりのメイクポイントを一つだけ教えてください。
Ado キラキラ光るラメを瞼や頬に付けるような、グリッターメイクをしてから舞台に上がることがあります。ライブ前にメイクをするのは、自らの気分を高めるためです。
■ライブの直前に気合を入れるために行うルーティンはありますか?
Ado もうまもなくステージへ上がるというタイミングでは、自分の胸や下半身を叩いています。それも普段だったら痛くて我慢できないと思えるほど、かなりの勢いで。細胞だけでなく、気持ちも含めて活性化されるといいますか、緊張でこわばった身体が一気にほぐれるので、すっかり私の中のルーティンになっています。






