『龍宮城 ARENA LIVE 2026 -SHIBAI-』ライブレポート@TOYOTA ARENA TOKYO

昨日を超え今日を超えて躍り歌う7人、怒涛の初アリーナ公演。

紫色の薄明かりと霧の中、開演を待つ暗い舞台の上にはクロスがかけられたテーブルがふたつと、燭台が4つ。前日から東京・TOYOTA ARENA TOKYOで続く龍宮城初のアリーナライブ『龍宮城 ARENA LIVE 2026 -SHIBAI-』は、そんな景色から幕を開けた。吐息混じりの甘やかな歌声がアリーナを包むと、そこはもう「音楽」という名の深い海の底。モノクロームな衣装に身を包み登場した龍宮城の7人はテーブルについて、オルゴールの響きと共に“WALTZ”を歌い出す。燭台の合間で艶やかに絡み合う腕や指、テーブルを縫って舞い踊る三拍子のステップに、波の如く迫りくる強い強い歌声。テーブルを踏みしめて腕を突き上げてはそこから落ち、切なく耽美な一瞬一瞬を積み重ねていく。1曲目が終わった後の拍手すらためらわれる静寂を裂き、「始めようアリーナ!」の叫びと共に続くのは“Mr.FORTUNE”だ。遊園地めいたネオンの輝きを背負った7人は、火花と炎が散るステージで“BLOODY LULLABY”もドロップする。

「本日は龍宮城アリーナライブ『-SHIBAI-』にお越しいただきありがとうございます。改めまして龍宮城です、どうぞよろしく。龍宮城はいつだって『あなた』のために歌います。歌い、踊り、心ゆくまでお楽しみください」口上と共に花道の先に歩み出た龍宮城は“LATE SHOW”を披露。その勢いのままに光の檻の中で繰り広げられるダンスパフォーマンスでは、バックサウンドが消えた中に足音と衣擦れの音だけが響いた。妖しい色の光線が踊る“OMAJINAI”には、ヘヴィなサウンドに変幻自在の歌声が絡みつく。今公演で初パフォーマンスを迎えたこの曲は、スクリーンに映し出される指先の仕草ひとつをとっても美しい。“RONDO”では波音と鐘の音に暗く沈むステージへ、厳かに丸いライトが運び込まれ、7人は抱き合い、宙を舞い、肉体性を伴って、もがくように泳ぐように淡い光の海底で踊り歌う。そして花道の先に白いステップが運び込まれると、龍宮城はそこに身体を預け“零零”を披露。ステージに立ち込める霧を足に絡ませて舞踏を繰り広げれば、拍手の音は雨音の如く降り注ぐ。

前曲を終えステップの頂上に立ったITARUは、しゃなりとした仕草で花道を歩き、袖の長い和服を纏って和傘を広げる。「和」の装いのメンバーによる華麗な舞から流れ込むのは“禁句”。中華風の格子戸を使ったパフォーマンスは、金魚の如き儚さと闘魚の強さを併せ持つ。と、ここで舞台に現れたのは、寿司下駄に乗ったハマチの握り。それを口にするため今宵“SEAFOOD”を以って戦うのは、イタリア人の親友がめちゃくちゃ固いシャリに醤油をひたして食べているのを見て「カルチャー」を感じたメキシコシティ生まれのRay、このあいだまでカニみたいな髪色をしていたかに座の男S、そしてこのコーナーの進行を務める齋木春空だ。この日、曲の終盤で寿司を囲み行われる椅子取りゲームに勝利したのは春空。丁寧に箸を取り、ちょっと手を震わせながらもぐもぐと寿司を楽しんで、お茶を啜る春空を数千人が無言で見守るシュールな時間が過ぎていく。上がり切ったテンションそのままに“猟犬”を披露すると、スクリーンに映し出されるのは舞台裏の風景。何事かと思っていれば、メンバーがアリーナに姿を現す。突如触れられそうな距離に登場した龍宮城を見て熱狂するファンの合間を闊歩し、“Mr.FORTUNE(MIC relay ver.)”を歌う7人。彼らの抜群の存在感が、観客に紛れることはない。

前曲の盛り上がりを受け継ぎ、パーティーネオンが煌めくステージに戻った龍宮城は新曲“ギラり”をパフォーマンス。コミカルな歌詞やキメ台詞、そして振付がステージに映える。ここで改めて挨拶した7人は、楽屋に用意されていた寿司を誰が食べたかという話題でひと盛り上がりしたり、前日の“SEAFOOD”で寿司を食べるのに時間がかかったためシャリを小さくしたらなかなか箸で掴めず苦労した話をしたりと盛り上がる。最後には、KENTが「意気込みを聞かれた時には『必ず武道館公演を超えます』と答えていました。武道館と昨日・今日を比べた時の想いはすごく大きくて、大切なもので、だからこそ圧し掛かって来るものも大きかったんですが、武道館公演が終わった時から(今日のアリーナ公演を)意識して生きてきました。でもアリーナでリハーサルをしてる時、過去なんかと戦っている場合じゃないなと思いました。現状維持は許さないし、もちろん過去に負けることも許さないけど、それよりも過去の栄光に縋って怯えてることが一番許せない。だから今日は武道館を超えることはもちろんだけれど、超えた先の未来にまで期待を膨らませられるライブをしたいなと思います。今日は来てくれて本当にありがとうございます」と想いを語り、アリーナは拍手に包まれた。

そんなMCから一転して、今回の2daysで初披露を迎えた“熾火”ではステージの上、美しく舞い踊る龍宮城。ステージの上で燃えくすぶる光は、歌声の拡がりと共に会場全体を照らす巨大な光へと変わっていく。エメラルドとマゼンタのレーザーが目を焼くステージで喉を振り絞り“SAIGI”を、そして着物の長い袖を蝶の如くひらめかせ“SHORYU”を歌った7人。するとKEIGOがひとりアカペラで“JAPANESE PSYCHO”を歌い出し、悠々と花道を歩く。その先で待っているギターを担ぎ、花道の先へ立てば、エネルギーが充満するステージで弦がかき鳴らされる。ロックスターさながらのKEIGOは、ギターを下ろしKENT、S、春空を迎えて“余白”へと流れを続けた。ライブも後半戦。Rayがピアノの鍵盤へ指を滑らせる中、ITARUと冨田侑暉とが淡い光を浴び歌うのは“夜泣き”だ。Rayが弾き語るピアノは星がはじけるように純粋な音色で、それはやがて壮大な宇宙を形作る。転換にちょっとした舞台裏のVTRを挟み、“あっかんべ”でステージへ戻った7人は、赤と黒のワイルドながらエレガントな衣装に着替えている。赤いネオンとサックスのセクシーなリフな響く中、笑顔に妖艶さを滲ませる龍宮城。一転して激しいダンスは無く、ステージの各所にすらりと立ってまっすぐに歌う“裏島”は、その静けさが美しさを際立たせる。

青い風吹く爽やかな中にも時折キバを覗かせる“SUGAR”に、美しい変拍子の波へ溺れていく“DEEP WAVE”。ピンク色の明かりに包まれた“BOYFRIEND”を甘く歌えば、舞台が暗転し、ダンサブルなビートの中で花道のせり上がりからひとりずつ姿を現しセンターステージに歩いていく7人。オーディエンスが期待を高める中、ここで龍宮城は女王蜂のカバー“火炎”をドロップする。炎が上がるステージにて、複雑な歌割りでメロディに新たな色を差し、ダンスにより身体性を楽曲に与える彼らのカバーパフォーマンスは、「原曲の模倣」ではなく「再構築」だ。期待に応え、それを上回るステージを見せようというその姿に、観客は大歓声を返した。間髪入れずに床を擦って転げ踊る“2 MUCH”、虹色が乱舞する“エグレメクレ”と、ロックなナンバーを続ける7人。最終盤にもかかわらず、疲れを感じさせない身体はむしろ以前よりしなやかに、力強くステップを踏む。沈黙と、すべての人の人生を肯定する口上の後、ラストダンスに選ばれたのは“OSHIBAI”だった。回転するライトや炎、火花にネオン、全てが目まぐるしく躍る中、気高く美しく、何より強く輝く龍宮城。その迫力に誰もが呼吸を忘れ、アンコールなし、本編一本勝負の怒涛のライブが終わっていく。最後には、アリーナで撮影された新曲のパフォーマンス映像が公開。その後、本夏にニューEPをリリースすること、7都市16公演の全国ツアーの開催、そしてファンクラブイベントの開催が発表された。自らの足で歩みを進め、ステージの度に耽美な世界を展開する龍宮城。彼らの足跡に残る紫色の軌跡は、ライブの度にその数を増やしていく。

Text:安藤さやか
Photo:木村泰之、石井亜希、椋尾詩

https://ryugujo-official.com

『龍宮城 ARENA LIVE 2026 -SHIBAI-』@TOYOTA ARENA TOKYO セットリスト
01.WALTZ
02.Mr.FORTUNE
03.BLOODY LULLABY
04.LATE SHOW
05.OMAJINAI
06.RONDO
07.零零
08.禁句
09.SEAFOOD
10.猟犬
11.Mr.FORTUNE(MIC relay ver.)
12.ギラり
13.熾火
14.SAIGI
15.SHORYU
16.JAPANESE PSYCHO(Guitar&Vocal by KEIGO)
17.余白
18.夜泣き(Piano by Ray)
19.あっかんべ
20.裏島
21.SUGAR
22.DEEP WAVE
23.BOYFRIEND
24.火炎
25.2 MUCH
26.エグレメクレ
27.OSHIBAI