【LIVE IN JAPAN 2024】311×MAN WITH A MISSIONライブレポート@Zepp Haneda

歓喜の笑顔に包まれた“奇跡”のミクスチャーロック対決!

日米ミクスチャーロックによる「奇跡」のダブルヘッドライナーツアーが実現した。東京はZepp Haneda2デイズ(1月22・23日)、大阪はZepp Osaka Bayside(1月25日)の計3公演に及ぶツアー日程となり、ここでは初日の模様をお伝えしたい。場内に入ると、既に大勢の人が詰めかけており、ふとステージを見ると、既にMAN WITH A MISSIONのバックドロップが掲げられていた。

19時に暗転すると、Tokyo Tanaka(Vo)、Jean-Ken Johnny(Gt& Vo&Raps)、Kamikaze Boy(Ba&Cho)、DJ Santa Monica(DJ)、Spear Rib(Dr)のメンバー5人が揃う。「行くぞ、羽田!」とTanakaが呼びかけると、マンウィズは“INTO THE DEEP”でショウをスタート。「やっと会えたな、人間の野郎ども!」とJean-Kenも煽り、観客は手を上げてジャンプする壮観な景色が広がった。間髪入れずにエレクトロ色の強い“2045”に突入するや、Jean-KennのクールなラップとTanakaのエモーショナルな歌声は鮮やかなコントラストを描き、会場を興奮のるつぼ化させていく。

「やっと来てくれましたよ、311!楽しみにしていたか?俺もだ、コノヤロー!」とJean-Kenは叫び、14年ぶりに日本の地を踏んだ311ファンの気持ちを代弁する。そして、AC/DCのカバー“Thunderstruck”に移ると、ラップを挿入したマンウィズらしいアレンジで場をさらに焚きつけた。その熱気を“FLY AGAIN -2019-”、“distance”で膨らませた後、「数多くのバンドとご一緒する機会はありましたが、こんなにドンピシャの世代で……いや、ドンピシャのバンドと嬉しいです!」と、311との邂逅を噛み締めるJean-Ken。

「懐かしい曲」と前置きを入れ、次はセルフタイトルを冠したメジャー1stアルバム収録の“RAIN OF JULY”へ。ハートフルなTanakaの歌声が沁み渡り、「君に光が注ぐその日を」の歌詞をパワフルに歌い上げる姿も印象的であった。“All You Need”、テレビアニメ「『鬼滅の刃』刀鍛冶の里編」主題歌“絆ノ奇跡”を経て、「改めて14年ぶりに来てくれた311に大きな拍手を!あと1曲付き合ってくれ!」と言い放ち、ミクスチャーロックの真髄を叩きつける“Get Off of My Way”を見舞い、凄まじい一体感を作り上げてくれた。

マンウィズがZepp Hanedaをしっかり温めると、そこに311のメンバー5人が現れ、5thアルバム『SOUNDSYSTEM』収録の“FREEZE IME”で幕開けする。ティム・マホニー(Gt)がエッジ際立つリフを刻むと、ニック・ヘクサム(Vo&Gt)の柔和な歌メロが聴こえ、S.A.マルチネス(Vo&Dj)の甲高いラップが続く。ああ、声質は衰えておらず、全く変わっていない。極上のツイン・ヴォーカルをキープしたままである。久しぶりのライブだけに、それだけで感動が込み上げてきた。“DO YOU RIGHT”に入ると、「エブリバディ、ジャンプ!」とニックは煽り、観客は演奏に身を委ねて飛び跳ねていた。

人気曲“COME ORIGINAL”が放たれると、抜けのいいドラムの音に加え、曲名を繰り返すキャッチーなフレーズに体は反応。それから現時点における最新13thアルバム『VOYAGER』(2019年発表)収録の“WHAT THE?!”に入ると、ニックはギターを持ち、SAはシェイカーを振り、隙間を活かしたサウンドも実に気持ち良かった。そして、4thアルバム『TRANSISTER』収録の“BEAUTIFUL DISASTER”へ。イントロから爆発力溢れる演奏を叩きつけ、レゲエ調の親密なメロディも素晴らしい限り。押し引きのダイナミクス溢れるグルーヴにも引き込まれた。リズミックな“RANDOM”を挟み、“APPLIED SCIENCE”ではニックとS.A.がジャンプしながら軽快にラップを掛け合う。そしてチャド・セクストン(Dr)のドラムソロを経て、ステージにフロントメンバー4人分の打楽器が並び、全員でリズムを刻んでいく。311ファンにはお馴染みの光景だが、何度観ても心踊るセッションだ。それからオーガニックなサウンドで迫る“AMBER”をプレイ。どこまでも優しい表情を浮かべたメロディに癒され、こうした静謐な曲調も彼らの魅力と一つと言っていい。

ショウも終盤に差し掛かり、ここで“CREATURES”を披露。P-ナット(Ba)とチャドのタイトなリズム隊、ニックとS.A.のラップ&ハーモニーも極上で観客もノリノリで騒ぐ。「今日はありがとう!オールドスクールな311ファンへ!」とニックが告げると、セルフタイトルを冠した3rdアルバム『311』(通称ブルー・アルバム)収録のヒット曲“DOWN”を投下。S.A.の前のめりにラップにテンションは上がり、カラッと晴れ渡るミクスチャーサウンドに会場は最高潮の盛り上がりを見せた。マンウィズと311、それぞれ持ち時間50分というコンパクトな内容だったものの、ありそうでなかった日米ミクスチャーロック対決に観客も大満足の様子だった。2024年はこの2バンドでアメリカツアーも行うようで、海の向こうでもとびっきりの笑顔が咲き乱れるに違いない。

Text:荒金良介
Photo:miwa Tomita、酒井ダイスケ

【LIVE IN JAPAN 2024】311×MAN WITH A MISSION@Zepp Haneda セットリスト
MAN WITH A MISSION
01. INTO THE DEEP
02. 2045
03. Thunderstruck
04. FLY AGAIN -2019-
05. distance
06. RAIN OF JULY
07. All You Need
08. 絆ノ奇跡
09. Get Off of My Way
311
01. FREEZE TIME
02. DO YOU RIGHT
03. COME ORIGINAL
04. WHAT THE?!
05. BEAUTIFUL DISASTER
06. RANDOM
07. APPLIED SCIENCE
08. AMBER
09. CREATURES
10. DOWN