AARON VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

元気がない人や苦しんでいる人の背中を押せる曲なので、そういう人に届いたらいいな。

AARONが5月24日に新曲『フェイス』を配信リリース。待望の新曲は4月12日よりフジテレビでスタートした、篠原涼子×バカリズムW主演作ドラマ『イップス』の主題歌となっている。ドラマ『イップス』は、 “書けなくなった”ミステリー作家・黒羽ミコと、“解けなくなった”警視庁捜査一課刑事・森野徹の絶不調コンビが事件を解決していくミステリーコメディー。AARON自身も実はミステリーが大好きだということで、今作“フェイス”は、ドラマに沿って書き下ろされた楽曲になっており、葛藤を抱えた人たちが共感できる、そっと寄り添ってくれる作品となった。
今回はそんな新曲の制作についてや、MV撮影やアートワーク撮影時の裏話など、AARONにいろいろと話を訊いた。

■前回取材したのが、セカンドシングル『好きな人』のリリースの時で、昨年の夏頃だったので、お久しぶりの取材になりますが、最近の調子というかマインド的にはいかがですか?

AARON すごくHAPPYな毎日を過ごしていますよ。(笑)

■毎日何かしらHAPPYな出来事があるんですか?

AARON 先日、とある番組に出演させていただいて、その収録があったんですけど、その日は少し朝が早い撮影で、入り時間も早かったんです。なので、割と余裕を持って家を出たんですけど、なぜかその日は15分以上待ってもタクシーが全然つかまらなくて……。それで「ヤバいなぁ」と思っていたところ、そんな僕に気づいて逆車線からわざわざUターンしてこっちに来てくれたタクシーがいたんです。それで乗せてくれためっちゃ優しい運転手さんがいたんですけど、その人はテレビ局に行くまでの道の途中で、わざわざ交通機関を調べてくれるところに連絡して、どの道が空いているとかもちゃんと調べて一番早いルートで向かってくれたんです。それでタクシーを降りる時に、僕が「素敵な接客をありがとうございます」と言ったら、その運転手さんが、「間に合って良かったです。バタバタしている日も、しかめっ面な日も、笑顔の日も、同じ1日なので、笑顔で頑張りましょう!」と言ってくれて。もう僕はその一言にくらってしまって。その日は一日中めっちゃHAPPYでした。(笑)

■すごくほのぼのするいいエピソードでしたね。そんな些細なことでも毎日HAPPYになれたらいいですよね。(笑)

AARON そう。その出来事がHAPPY過ぎて、その時に現場にいたマネージャーやスタッフさんたちに缶コーヒーを全員分買ってプレゼントしたんです。(笑)

■それは太っ腹ですね。HAPPYのおすそ分けですね。(笑)

AARON でもスタッフさんに言われたのが、買って行った缶コーヒーは、銘柄はいくつか違うのを買ったんですけど、全部同じ微糖だったんです。(笑) それで「普通はブラックとか、カフェオレとか、コーヒー以外のお茶とかも交ぜるでしょ」って言われて。「コーヒーハラスメントだ」って言われちゃいました。(笑)

■「そっちの好みはどうでもいいから、僕のオススメを飲んで!」ってことですね。(笑) ほのぼのとしたHAPPYエピソードをありがとうございます。(笑) そういえば、本日もTV出演の収録だったようですが、前回の取材の時に「TV出演で歌う時はフル尺では歌えなくて、2分や2分半バージョンでの歌唱だと歌詞がごちゃまぜで大変」とお話してくれましたが、もうTV出演には慣れましたか?

AARON もう完璧ですよ!……っていうのは嘘で。(笑) まだ時々歌詞を間違えちゃったりしています。収録だからなんとかなっていますけど。(笑)

■先日は「竹芝音楽祭」にも出演されていましたが、最近のライブ活動の方はいかがですか?

AARON そういうイベントでファンの人たちと触れ合えると、すごく頑張ろうという気持ちになれますし、すごく楽しいです。それに「竹芝音楽祭」の時は、恐れ多くもトリを務めさせていただきまして。すごく気持ちよく歌わせてもらいました。それに先日出演させてもらった、福岡のヤフオクドームで開催された、博多華丸・大吉さんの「どんたくまつり」で楽屋が一緒だった人がお笑いに強い人で、「竹芝音楽祭」の司会をしていたトレンディエンジェルさんに僕の話を事前にしていてくれたみたいで、その話を振ってもらったりとかして、すごくスムーズに場を盛り上げてくださったんですよ。すごく助かりました。

■それは心強かったですね。今回の新曲『フェイス』についてもいろいろとお話を聞ければと思います。今作はフジテレビ系ドラマ『イップス』の主題歌となりますが、こちらはドラマの原作を読まれてから制作された感じでしょうか?

AARON そうです。読ませていただきました。

■ドラマの原作を読んでみての感想はいかがですか?

AARON 僕は普段からミステリーとか刑事モノがめちゃくちゃ大好きなんです。事件が起きちゃうやつ。(笑) なので、もう初めから面白そうだなと思っていましたし、すごくワクワクしながら読ませていただきました。期待通り、すごく面白い内容で良かったです。

■今作の作曲はAARONさんご自身ですが、どのようなイメージで作曲したのでしょうか?

AARON 明るすぎず、暗すぎず、ポップになりすぎない、いい塩梅のテンション感を保ちつつといった感じで作りました。歌うキーもいつもより少し下げて調整して、落ち着いた感じで歌うことを心掛けました。歌詞も背中を押せるようないい歌詞を書いてもらったので、いい曲になったと思います。

■作詞はCo.二郎さんですが、今回Co.二郎さんに作詞を依頼したきっかけは?

AARON 僕とCo.二郎さんは直接の知り合いではなかったんですけど、スタッフさんが繋がっていて、ご紹介いただいたんです。でもすごい偶然の出会いだったんですよ!前にもお話したかもしれないですけど、実は僕は路上ライブの映像を観るのがすごく好きで、気になった人はSNSで「いいね」とかしているんですけど、たまたまCo.二郎さんはその中のひとりで、前々から僕はずっとフォローをしていたみたいで。僕のタイムラインにCo.二郎さんが「『イップス』の主題歌で、AARONさんが歌う『フェイス』の歌詞を書かせてもらいました」と、つぶやいているのが流れてきて、それを見てびっくりしたんです。それでCo.二郎さんのページを見に行ったら、めっちゃ路上ライブの動画とかを観たことがあって。そんなCo.二郎さんが今回作詞を手掛けてくれていたなんて、なんかそれで伏線を回収するみたいにすべてが繋がったんです。(笑)

■へぇー!それはすごい偶然ですね。もうそれは事件ですね。(笑)

AARON ホント事件です!(笑)

■ちなみに前作の『好きな人』の時は、wacciの橋口さんに作詞をしてもらう際に、歌詞の元となるプロットをAARONさんが作ってお渡ししたとおっしゃっていましたが、今作に関してはいかがでしたか?

AARON そうですね。今回はプロットまでは作っていないんですけど、「僕にしか見えないモンスター」みたいな感じで、なにかの例えみたいな「ちょっとトンチの効いた感じの歌詞がいいです」みたいなことと、「パンチワードやパンチラインを入れてほしいです」というのはお伝えさせていただきました。

■上がってきた歌詞を見てみていかがでしたか?

AARON さすがだなと思いました。すごくいいものが出来て、理想通りの素敵な歌詞に仕上げていただいて嬉しかったです。

■最初に曲を作ってから、それをお渡しして歌詞をつけてもらったんですか?

AARON そうです。僕が曲を作ってから、そのイメージも伝えて、それを元に作詞してもらいました。すごくいい歌詞があがってきました。

■実際にあがってきた歌詞で、レコーディングで歌唱する際に気をつけた点や、難しかった点などを教えてください。

AARON 今回レコーディングに携わっていただいた音楽チームが、僕が大好きな平井大さんの制作チームで、ずっと昔から一緒にやりたかったEIGOさんにお願いができて、夢が叶ったんですよ。それでレコーディングの際に、僕が途中で歌詞を間違えて「すみません!もう一度お願いします」と言ったら、EIGOさんが「AARONくんは何も悪いことしていないよ。仕事なんだから謝らなくていいよ。今後はすみませんは禁止で」と言ってくれて。「もうこの人めっちゃ好きだな」となりました。(笑) 技術とかだけじゃなくて、気持ちから本当にHAPPYにさせてくれるなんてすごいなと思いましたね。歌に関してはさっきも言いましたが、明るすぎず、暗すぎずにしたかったので、歌い込むというよりは、サラッと曲に乗せるように歌いました。しゃくりとかコブシとかもいっさい入れずに、シンプルに歌うことを意識しました。

■今回はすんなりと歌い終えられた感じですか?苦戦とかはせずに。

AARON 割とすんなり歌えた方だと思います。前作の『好きな人』の時は、作曲も他の人にお願いしたので、レコーディングにすごく苦戦しましたけど、今回は自分で作曲しているので、そこはスムーズでした。

■この曲の歌詞に「「大丈夫」よりも強くて「頑張れ」よりも優しくて 羽ばたける言葉を探してる」とありますが、それはどんな言葉だと思いますか?

AARON そこがすごく考えさせられる歌詞ですよね!先日のTV収録の時に、結構途中で何回も歌詞を間違えてしまって、撮影がストップしてしまった時に、スタッフさんからちょうど歌詞の中にある「“巻戻し”はできないと知っても “やり直し”だったらきっと」を使って、「“巻戻し”はできないけど、収録だからやり直しはできるよ」と言われて。(笑) 「大丈夫」とか「頑張れ」じゃなくて、その言葉をもらって救われましたけどね。(笑) でもなかなかちょうどいい言葉って難しいですよね。

■僕もなにかちょうどいい感じの言葉がないかな?と探してみたんですけど、松岡修造さんがよく言っている「やればできる」とか、ちょうどいい塩梅じゃないですか?(笑) 

AARON 確かに!いい塩梅ですね。(笑) 「やればできる!」はいいですね!