AKB48 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■その気持ち、すごくわかりますよ。

倉野尾 やっぱり「思い切ってやる」ということを、最近はやらないようになっている気がしていて、それはそれで良くないような気がするから、少し子供心を持っていたいんですよ。危ないことはしちゃダメですけど、そういう気持ちは忘れちゃいけないなと思います。

■そうですね、童心を忘れずにいたいですよね。さて、この曲は「王道青春告白ソング」ですが、みなさんが学生だとして、理想の告白シチュエーションは?

花田 ハイ!私は少女漫画や恋愛ドラマでよくある、放課後に校舎裏に呼び出されて、「好きです。付き合ってください!」と言われているところを、上の窓から同級生に見られていて……というのがいいです。同級生に見られているところまで含めて体験してみたいです。(笑) 相手がいなくなった後に、上のみんなと「ガッツポーズ!」みたいな。

坂川 私は誰もいない体育館で、バスケのゴール下にふたりで立って、相手はボールを構えていて、「この1球でゴールをキメたら、俺と付き合ってくれる?」みたいなやつに憧れます!

伊藤 私は朝に「今日一緒に帰れない?」と言われて、1日中「何を言われるんだろう?もしかして……?」みたいにドキドキしていたいです。それで、その帰り道で告白されるのが理想です。

■倉野尾さんはいかがですか?先ほどから「いやいや……」みたいな顔をしていますが。(笑)

倉野尾 みんなね、夢物語すぎてキラキラしていますよね。(笑) 私は自然体が1番いいんです。普通に会話している中で「このまま付き合っちゃう?」みたいなノリの方がいい。「今なんか言った?」くらいのやつです。(笑) 私は勘がいいんですよ。だから用意されているとわかっちゃうし。

■街中でフラッシュモブとかは嫌ですか?

倉野尾 苦手ですね……。断りづらい状況にさせられるし。(笑) 気持ちはわかるけど、私のことをよく知っていたら、相手の方も私がフラッシュモブとか苦手なことがわかるんじゃないかと思うんですよね。

■ということで、フラッシュモブは絶対に止めておきましょう。(笑) それにしても盛り上がりましたね。(笑) 少し戻って、MVの話をしましょう。今回はストーリー仕立ての作品になったようですが、それぞれの思う見所はどこですか?

坂川 私は「うさぎの着ぐるみ係」ということで、今回は私と大盛真歩さんの2人だけがうさぎの着ぐるみを着て、自分の歌割りじゃないのに、端っこでふたりのうさぎの着ぐるみが踊っているシーンがあるんです。そこがちょっと不思議で面白いので見てください。あと、MVの中にりんごが出てくるシーンがあるのですが、村山彩希さん(6月に卒業予定)が持っているリンゴからみんなの円陣に繋がって、ゆいりさんが残してくれた歴史を新しいメンバーで繋いでいくというストーリーが細かく描かれているんです。そこにもぜひ注目してほしいです。

花田 見てほしい所が2つあって、1つ目は坂川陽香さんにダンスを教えていただいているシーンなのですが、それがほんとにすごく楽しそうで、見ていて「部活だ!部活最中の人だ!」みたいな雰囲気が伝わってきます。こんなふうに映っていたんだと思って嬉しかったので、そこは必ず見ていただきたいポイントですね。もう1つは、2番になった時、みなさんが止まっている瞬間が映るんですけど、その時の向井地美音さんのぐだーっと寝ている姿がなんかすごくイイんですよ。(笑) 私も学校で結構寝ちゃっていたので、大好きな先輩が寝てる姿を見て、「まさに私だ!」と思ったんです。(笑) それがすごく学校という設定とも合っていて、見ていてニヤニヤしちゃいました。

伊藤 今回のMVは、研究生の4人(秋山由奈、八木、伊藤、花田)が体育館の舞台下から先輩方のダンスを見ているところから始まるんですけど、その横顔がすごく好きなんです。「先輩に憧れている後輩」の演技をしていたのですが、それがアイドルに憧れていた頃の自分にすごく似ていて。その時の気持ちとか、キラキラ輝いているアイドルとか、踊っている先輩方を見上げて「わぁ、本当に綺麗!キラキラだ」と見上げていた頃の感覚を思い出すので、それが昔の自分と重なって、お気に入りのポイントです。

倉野尾 今回は演劇部の設定になっているので、後輩が1年生役で、私たち先輩側のステージを見守る役だったり、ちょうど3年目くらいになる17期のメンバーたちが支えるポジションとして照明さんとか裏方の仕事をやっていたり、設定上の年齢とリアルの先輩後輩の年代を揃えていただいていて。本当にありのままのAKB48の今の状況を当て込んでくださっている感覚で、みんなもやりやすかったと思います。このMVを見れば、今のAKB48がわかるんじゃないかなと思うくらいシーンの馴染み方が良くて。主人公の八木も本人らしさが出ているから、お芝居というよりも、本当に今の八木愛月だなと思えるストーリーになっているし。私も部長ポジションということで、最後に部長としてあづのことを主役に抜擢する時、名前を読み上げる係をやっていて、横にはこの作品が卒業シングルになる村山彩希さんもキャプテンという立ち位置で一緒にいて、みんなで喜ぶ所もあって。みんなで練習し合うシーンがあったり、アドリブっぽい、教え合っているシーンがあったり、今のAKB48が詰め込まれているのが嬉しくて、そういう1個1個の細かいポイントに注目したらすごく面白いと思うので、細かいところまで見ていただきたいなと思います。

■まさに20周年という感じだったんですね。そしてこの新曲は“まさかのConfession”ですが、これまでの人生で「まさか私にこんなことが起こるとは」と思ったことはありますか?

倉野尾 私が総監督になったことも大きいんですけど、私はAKB48に入る前からAKB48を応援していて、一度だけ握手会にも行ったことがあるんです。熊本出身なので、福岡にAKB48が来ている時に、握手券を1枚だけ持って行ったのですが、どのメンバーと握手しようかなと思った時、「同じ身長だから」という理由で高橋みなみさんの列に並んだんです。そうしたら3人くらいメンバーがいて、横山由依さんとも握手ができたんです。だから私はAKB48に入る前に、持っていたその1枚の握手券で、たまたま当時の総監督と、後に総監督になる方とも握手ができたんですよ。だから、自分が総監督になる日が来た時はまさに奇跡や運命を感じました。

■すごい!映画みたいなエピソードですね。

伊藤 私はAKB48に入る前に他の事務所に所属して俳優を目指していたんですが、どうしてもアイドルになりたくて、その事務所を辞めてオーディションを探していたタイミングで、たまたまAKB48のオーディションを見つけました。年齢制限があったのですが、偶然自分が12月生まれだったので、締切日にはまだ誕生日を迎えていなくて、ギリギリで応募ができたんです。それでそのオーディションに受かってAKB48に入れたことが、タイミング的に神がかっていたというか、「まさか」の出来事すぎて。とにかくアイドルオーディションをいっぱい受けるつもりでいたのですが、初めて申し込んだのがAKB48だったこともあり、一発で受かるとも思っていなかったので、それで憧れの場所に入れたことが嬉しかったです。

坂川 AKB48とはまた違うものなんですけど、私は「北陸新幹線かがやきちゃん」という顔も持っていて、新幹線のかぶりものをして活動しているんです。まさか自分が新幹線になるだなんて思ってもみませんでした。(笑) AKB48に入って、「よし、アイドル人生楽しむぞ!」となった時は、まさか自分が新幹線を被ったり、カツラをかぶって「坂柳陽香」になったりする(今年2月のコンサートでの司会役)とは思っていなかったので。(笑) でも今はそれを武器として自分の強みにできているので、良かったなと思います。

花田 AKB48に入る前に飲食店のキッチンでアルバイトをしていたんですけど、最初は雑務とか、きゅうりをただ切るだけとか、そういう簡単な仕事をしていたんです。でもある日、背後の生け簀から何かが飛び出してきて、びっくりして覗き込んだらアナゴだったんです。それを捕まえたら「捌いてみてよ」と急に言われて。「捌けるわけないでしょ!」と思ったんですけど、試しにやってみたら普通に捌けちゃって……。(笑) それをきっかけにいろんなお魚を捌かせていただいたので、アナゴの飛び出しは特にまさかの出来事でした。

■なんだか不思議なエピソードですが、綺麗なオチがついたような気もします。(笑) 最後に、20周年イヤーについて、ファンのみなさんへコメントをお願いします。

坂川 20周年ということで、今回節目のタイミングで選抜メンバーに選んでいただけたということは、個人的に何かのご縁というか、この機会に選んでいただいたからには、私が武器にしているMCやトーク力を活かしたいです。今はありがたいことにラジオやいろんなメディアに出演する機会をいただいているので、そういう場面を活かして、私のことを知ってAKB48が好きになったとか、そのきっかけや入口になれたらいいなと考えています。そしてやっぱり20周年というここまでの歴史があるので、その歴史をどんどん良いものに繋げて行きつつ、これまでのAKB48の良さも忘れないで残しつつ、新しいAKB48の良さを広めていけたらと思うので、ファンの方もついてきてくれたら嬉しいです。

花田 最近、MVや初披露が解禁されてから、私の中で「これからのAKB48を自分たちの力で積み上げていかなきゃいけないんだ」と強く感じました。この20周年は私だけじゃなく、AKB48の全メンバーと一緒に腕を上げていって、小栗有以さんがフルマラソンに挑戦されていたように、私も何かすごく大きなチャレンジをして、AKB48を知っていただける1つの道を自分で切り拓いていきたいなと思います。

伊藤 20周年はすごくいろんなところから注目していただける大切な1年になるし、チャンスの1年でもあると思うので、このチャンスを絶対に逃さないようにしたいです。伝統的なAKB48らしさを持ちつつ、みんなで「今のAKB48はこんな感じなんだよ」というのを、より多くの方たちに知っていただける1年にしたいです。個人としては、初選抜に入れていただけてすごく嬉しいんですが、不安もあるので、この期間で自分に自信をつけて、胸を張ってこれからも選抜としてステージに立てるように、私にしかできないことを見つけたいです。「選抜に選んでいただく」というのは、ひとつの目標ではあったのですが、ここがゴールではなくスタートラインでもあるので、ここから私がAKB48に何ができるのかを、ひとつ確立できたらいいなと考えています。

倉野尾 メンバーひとりひとりAKB48のことが大好きなので、メンバーたちそれぞれがグループのために動くシーンがこの20周年にもたくさんあると思います。みんなが同じ時に同じことを考えられるタイミングは意外と持てなかったりするので、この20周年イヤーはみんなで頑張っていかなきゃというこの気持ちを全メンバーで共有し合って、良い1年にできたらいいなと思います。ファンのみなさんにも、「20周年のAKB48を応援してきてよかった」と思ってもらえるようにしたいです。20年の歴史の全部を知っているメンバーは在籍していないけど、20年間見守ってくれているファンの方はいると思うので、今のAKB48も楽しんでもらいつつ、今までの伝統も守りつつ、どっちも共存させながらさらに先に繋げていけるように頑張っていきたいなと思います。

Interview & Text:安藤さやか

PROFILE
“会いにいけるアイドル”をコンセプトに秋元康氏が総合プロデュースを務めるアイドルグループ。2005年結成。東京・秋葉原にある専用劇場『AKB48劇場』で公演を行っている。2006年10月、シングル『会いたかった』でメジャーデビュー。翌年末「第58回 NHK紅白歌合戦」に初出場。2009年10月、シングル『RIVER』で初のオリコンランキング1位を獲得。その後も『ヘビーローテーション』、『フライングゲット』、『恋するフォーチュンクッキー』など、多数の作品が首位に輝いている。結成19周年を迎えた12月8から大幅リニューアルされた新劇場で、約9年ぶりの完全オリジナル新公演「ここからだ」をスタートさせている。
https://www.akb48.co.jp/https://www.akb48.co.jp/

RELEASE
『まさかのConfession』

初回限定盤 TYPE-A(CD+BD)
UPCH-89603
¥2,000(tax in)

初回限定盤 TYPE-B(CD+BD)
UPCH-89604
¥2,000(tax in)

初回限定盤 TYPE-C(CD+BD)
UPCH-89605
¥2,000(tax in)

通常盤(CD)
UPCH-80621
¥1,200(tax in)

EMI Records
4月2日 ON SALE