Am Amp VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■(笑) JOHNさんのギターが“ミス”の楽曲に強烈な色を与えていますよね。

JOHN “ミス”は全体的にダークな曲調で、歌詞にもストーリー性があるので、そこを意識してギターの 演奏も前半、中盤、後半と、表現や表情の色分けをしながら主人公の感情の変化に合わせた形で現して います。収録した4曲を通して改めて感じたのが、ギターの描き出す彩りによって、楽曲の雰囲気も変
わっていくことでした。Am Ampとして活動をする以前までは、歌に寄り添うギターを心がけて弾いていたし、そうすることで歌や曲が引き立つものだと捉えていました。もちろんAm Ampでも、曲によっては歌を引き立てる演奏もしますけど、ギターが雰囲気を作ることで、楽曲全体の色や印象を変えてもいける。それをこの1年間で学んだからこそ、今回も「何をやってもいい」という意識を持って、それぞれの曲にあわせて、いろいろなアプローチをしました。Am Ampの曲のギターは、楽曲全体の色を決めることも出来るし、歌に寄り添い生かすことも出来る。逆に、曲を破壊することだって出来る。まさに生かすも殺すもギター次第という意識を持って臨んだ面もあるから、そこを感じ取ってもらえたらすごく嬉しいですね。

矢沢 それと彼(須賀)の書いてくる楽曲の展開がとても細かいのも特徴だよね。とくにBメロで遊ぶ傾向 が強いんですけど、どの曲でもパッと聴いた時には複雑なことをやっているなんて気づかないんだけど、よくよく聴いていくと、コード進行上で急に転調をしていたりすることが多いから、演奏する側はすごく大変なんですよ。だからこそ、「じゃあこの曲ではベースはこんなことをしてやろう」という意欲にも繋がるので、 本当に飽きさせない遊び心を彼はいろんな曲に入れてきますからね。

須賀 “ミス”の中にもそれが入っていて、種明かしをするなら、キーは変えましたが“罪綴り”のメロディーをAメロに入れているんです。これに関しては気づかれない方が多いと思います。でも、そういうことをやりたくなるのが表現者としてのエゴなんでしょうね。そういった遊び心はこれからもいろんな曲の中にも入れていくから、そこは楽しみにしていてください。(笑) あらためて今回の4曲の流れについて補足するなら、“ミス”で描いたのは禁断の恋じゃないけど、タブー的な恋の関係を書きました。だから、楽曲も一番緊張感を持った表情を持っています。続く“Karma’s Grip”は、これまでのAm Ampでは表現してこなかったけど、自分や紘大が学生の時に流行っていたような、ラウド系のハードな楽曲としてアプローチしました。そして“貴方の屍になりたい”は、この曲を制作していたのが、いろんな物事を抱えすぎて精神的にいっぱいいっぱいになっていた時期だったので、フッと「貴方の屍になりたい」という言葉が浮かび、その時の精神状態をそのまま描きました。最後の“うらぎり”は、JOHNが提供してくれた楽曲で、“ミス”から徐々に開けていきながら、“うらぎり”で一気に華やぎだすんです。“うらぎり”のコーラスも実はJOHNが担当していて、自分以外のもう一つの主メロもJOHNが歌っているので、JOHNの個性がすごく際立つ楽曲になっています。すごくいい形でJOHNの歌声が曲に彩りを与えてくれました。

■よければJOHNさん、あらためて“うらぎり”誕生の経緯も聞かせてください。

JOHN “うらぎり”は、自分の好きな音楽スタイルをAm Ampの中に融合させた曲で、お客さんたちと一緒に歌える内容であり、主メロがあるのにあえてもう一つのメロを入れています。あと、ドラムのビートから曲をスタートさせたかったのも、こだわりとしてありました。ライブでドラムから曲がバーンと始まるのが個人的に好きなんです。それもあってドラム始まりにしました。そうすることで紘大くん自身もライブで輝くしね。あと、過去にも曲提供はありましたけど、自分のバンドで自身の曲を出した経験が一度もなく、今回初めて自分のバンドに曲を出す形になりました。それもすごく新鮮でした。

須賀 その気持ちが嬉しかったんですよ。

宮城 僕も、この曲は叩いていて嬉しくなりましたからね。僕が初めてドラムを叩いたのが高校の軽音部時代で、その時の感情が“うらぎり”を叩いていると甦ってくるし、純粋にライブで叩いて楽しくなれる曲だから、早くライブで披露したい気持ちでいます(取材時点ではまだライブでの披露前)。さっき京ちゃん(須賀)も言っていたけど、“Karma’s Grip”には、僕が10代の学生時代に熱狂していたバンドのテイストを持ったラウドやハードロックな感じが入っているから、すごく好きな曲なんです。歌い方の感情の変化によって、曲の表情が変わっていくところもカッコいいし、いい意味で童心に戻してくれる曲調なのも好きなところです。“貴方の屍になりたい”も、すごくライブをイメージできる曲で、お客さんたちが楽しんでいる様が想像できるし、この曲のドラムでのハイハットとスネアのコンビネーションプレイも気に入っているので、タムのフィル回しも含め、シンプルだけどライブ感のあるプレイにも注目してもらえたらと思います。

矢沢 例えば音源では指でベースを弾いたけど、ライブではピックを使って弾こうなど、収録したどの曲も、音源とライブでは聴こえ方が変わると思うし、演る側のプレイにも変化が出る曲ばかりなんです。これからツアーも始まるので、ぜひ音源とライブでの違いも、それぞれの曲から感じ取ってもらえたらなと思います。今回はシングル『ミス』を引っ提げたツアーになりますが、収録した4曲を毎回演奏するとは限らないと言いますか、毎回セットリストを変えるので、その時の内容によっては最新曲でも外すことだって充分あり得ますから。

須賀 ツアーに限らず、毎回ライブごとにいろんな色を持って組み立てていくのがAm Ampのスタイルなので。ぜひ、そこをライブごとに楽しんでほしいなと思います。

■最後に今後に向けてメッセージをお願いします。

須賀 シングル『ミス』が生まれ、この作品が世に放たれた時が一つのゴールですけど、同時に、その日からがまた新たなスタートになります。どの楽曲もそうですが、作品としてリリースした以降も、ライブを通し て一つ一つの楽曲が成長し続けるし、ライブに相応しい曲として進化を遂げていきます。今回のシングル『ミス』に収録した4曲も、きっとそうなっていくはずなので、ぜひライブに足を運んで、一緒に進化の様を感じてもらえたら嬉しく思います。

宮城 こんなにもいろいろな異なる経歴を持ったメンバーが集まったバンドはなかなか無いし、みんな素材がいいので。本当の一級品、極上のダイヤモンドなので、そのダイヤモンドとなる原石の僕らを光らせるのはみなさんです!どうか「みなさんの心のヤスリで、僕らを100億カラットのダイヤにしてみませんか?」僕たちを生かすも殺すもみなさん次第。もちろん僕たちはいつだって全力で頑張りますし、頑張るのは当たり前。そんな僕たちをピカッと光らせるのは、みなさん一人一人の磨きあげる力があってのことです。そう、そこで頷いているあなたです。本当にいつもありがとう!大好きです。愛してる、Chu‼️

Interview & Text:長澤智典

PROFILE
舞台俳優にV系バンド、インフルエンサーと異色の経歴をもつメンバーで構成された東京発4人組ロック バンド。様々な分野のエッセンスが織り交ざったバンドならではの、ポップネスかつスリリングな楽曲アプ ローチと、前作を良い意味で裏切るドラスティックな改革を信条とし、リリース毎に様々なジャンルのファン が急増中。
https://am-amp.jp/

RELEASE
『ミス』

通常盤(CD)
QARF-65004
¥1,200(tax in)

KOKO RECORDS
12月3日 ON SALE