超壮大なフルサイズ版は必聴!「SAO アリシゼーションWoU」最終章を飾るED曲
藍井エイルが現在放送中のアニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」最終章のエンディング曲“I will…”をリリース。既に7月にスタートしたオンエアを見て、楽曲の壮大さに感動を覚えた人も多いだろうが、静かなイントロからは想像もつかないほどドラマチックな展開で盛り上がるフルサイズ版は、一度聴いたらしばらく放心してしまうほど聴き応えにあふれた超大作だ。今作に収録された3曲について、そしてコロナ禍におけるファンとの向き合い方について、リモートでインタビューに答えてもらった。
■個人的には藍井エイル史上いちばん好きかもっていうレベルの神曲だと思いました。
藍井 えー!!!(スタッフに向かって)聞きました?!ありがとうございます!!!
■「ソードアート・オンライン」シリーズは“INNOCENCE”や“IGNITE”など、エイルさんの出世作を送り出してきたアニメだと思うんですけど、今回のエンディング曲を作るにあたって、どういう気持ちで制作に臨まれましたか?
藍井 アリシゼーション編の最初のクールでもエンディングをやらせてもらって、今回の最終章でもエンディングをやらせてもらうっていうのは、本当にありがたいなと思いましたし、しっかりと「ソードアート・オンライン」を背負って歌っていきたいなという気持ちでした。
■その最初のクールでエンディング曲だった“アイリス”を歌っていたときからは、だいぶストーリーも進行しましたけど、制作にあたってどんなことを意識されましたか?
藍井 “アイリス”はユージオ(アリシゼーション編の主人公の一人)視点で書いた曲なんですけど、今回の“I will…”もユージオは(戦死して)いなくなってしまったものの、改めてユージオ視点で書きたいなと思ったんです。
■どの登場人物にも当てはまるなと思ったんですけど、ユージオ視点だったんですね。
藍井 そうですね。でも、アスナ(主人公のキリトの恋人)をはじめ、他のキャラクターの視点に置き換えても当てはまる部分は多いと思います。それと私自身の経験としても、大事な人を支えていくことができたらとか、一緒に歩んでいけたらとか、そういう願いや想いも込めました。
■Twitterに「大事な人の心に寄り添い共に歩んでいくことがテーマ」と書かれていましたけど、それもアニメを見ていく中で浮かんできたキーワードだったんですか?
藍井 先に台本を読ませてもらったので、その中でテーマを考えました。ただ、テーマ自体はわりと早い段階で思いついたんですけど、それをどう表現していけばいいのか、歌詞を書くときに何度もつまづいて。すごく難しいメロディーだったので、歌詞を乗せた時にノリが変わってしまわないように、バランスを取るのに苦労しました。
■タイトルの“I will…”は、歌詞には出てこない言葉ですけど、どういう想いでつけられたんですか?
藍井 「ナニナニする」という意味の“I will…”なんですけど、「…」の部分は「希望」だと思っていて。大事な人の心に寄り添う、歩み寄る、支えていくっていうことをテーマにしているので、「私はあなたを支えていくよ」とか、「あなたに希望をもたらしてあげたいな」とか、ある種の願いや強い意志みたいな意味を込めて“I will…”というタイトルをつけました。
■確かにアリシゼーション編では、キリトがみんなから支えられていますしね。
藍井 そうですね。アニメで言うと、みんながキリトのために何かしようっていう強い意志があるじゃないですか。そういうところとリンクしているんじゃないかなと思っています。
■エイルさんの実生活でも似たような経験はあるんですか?
藍井 悩んでいる友達から相談を受けることもあるんですけど、そういうときに支えになってあげられたらいいなと考えたことは何度もあって。この人の近くにいることとか、話をたくさん聞くこととか、私に何かできることはないかなという気持ちから“I will…”というタイトルが出てきたのかなと思います。
■歌の方もすごく気持ちが入っていて、レコーディングで意識したことはありましたか?
藍井 いつもレコーディングをするときは、歌詞に沿って表情を変えながら歌っていて。表情を変えると声色も変わっていくので、それは意識しながら歌いましたね。調子がいい時期だったということもあって、そんなに苦労した感じはなかったんですけど、すごく難しかったです。特に2サビと、ラストのシャウトっぽい部分。シャウトっぽい部分は、実はもっと低い音だったんですよ。それを私が間違えて高い音を出しちゃったら、こっちの方がエモーショナルでカッコいいねという話になって。自分で難易度を上げてしまったので、がんばって歌わなきゃなっていう気持ちです。(笑)
■1回歌ったら精神が尽きてしまいそうなくらいのエネルギーがありますよね。
藍井 そうですね。(笑) ライブで歌ったら、これだけで体力が終わってしまうかもしれない。(笑)
■アレンジもドラマチックで、イントロを聴いた時点では、こんなに激しいラストを迎えるとは予想できませんでした。
藍井 そうなんですよ!静かなピアノで始まって、最後は別の曲のように壮大に終わって。デモの段階では短い尺だったので、フル尺が出来あがったときは私も驚きました。
■本当にフル尺で聴いて欲しい曲です。
藍井 2番からが本気みたいなところありますからね。ものすごくストーリー性のある楽曲になったなと思います。
■エイルさんからアレンジに対して何かリクエストはしたんですか?
藍井 アレンジはSakuさんにおまかせしていたんですけど、Sakuさんらしいアレンジになったなと思っていて。過去曲でいうと“アカツキ”を思わせるようなリズムパターンになっていて、その感じが躍動感を生み出しているのかなと思います。
■歌詞1行ごとに違う要素が出てきて、アレンジの一つ一つが細かいですよね。
藍井 確かに。(新型コロナウイルスの影響で中止になったツアーの)リハーサルではバンドメンバーも苦戦していました。そして私も苦戦していました。(笑) 「難しー!」って言いながらリハしていましたね。
■僕は最初に言ったように神曲だなと感じているんですけど、エイルさん的な手応えはいかがですか?
藍井 めちゃくちゃエモーショナルにできあがったなと満足していますね。あとはこの曲をどれだけ歌いこなしていけるか。そこは自分への課題だなと思っています。
■逆に言うと、まだ曲が育っていきそうな余地があるということですか?
藍井 そうですね。例えば“シリウス”とかは、ライブでみんなで一緒に作っていった感じがあって。最初の頃とノリが全然変わったんですよ。“AURORA”もライブをしていくうちに、みんなのノリ方ができあがって、お客さんと一緒に育てていった曲だなと思うんです。“I will…”もそういう曲になったらいいなと思います。
■ライブで歌ったときの反応が楽しみですね。カップリング曲についても聞きたいんですけど、“アンリアル トリップ”は水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミさんが作詞・作曲・編曲をされていて、ちょっと珍しい組み合わせですよね。
藍井 「DAIV」というパソコンを使って楽曲やミュージックビデオを創るというマウスコンピューターさんの企画がきっかけで、いろんなクリエーターさんを候補にピックアップしました。そんな中で、もともと水曜日のカンパネラさんの曲を自分でダウンロードして持っていて、音楽性や歌詞の世界観をとても素敵だなと思っていたので、ケンモチさんにお願いしたんです。