AVRIL LAVIGNE VANITYMIX 2019 SPRING COVER INTERVIEW

AVRIL LAVIGNE

■今作の全編を通して強く感じるのは、あなたの歌声が持つ、神聖とも言える圧倒的な力です。大病を経験して人生観や死生観が変わったと思いますが、それによってご自身の表現にプラスになったものがあると思いますか?

AVRIL 悪い状況の中には必ず明るい兆しが見えると思っているわ。長いブレイクをとっている中で、「現実の人生」 を生きて、「これが人生を生きるってことなんだ」って感じることが経験できたって思っているの。そういった体験をすべて集めて、とても意味合いのあるレコードが作れたと思うの。軽くて、あまり自分にとっても意味のないポップソングばかりではなく、本物で、人々を勇気づける意味のあるアルバムになっていると思うわ。音楽はパワフルで素晴らしいもの。そういうものに人々は共感できるんじゃないかしら。このアルバムに深く共感できる人達には、直球でストレートに共感してもらえるって思うから、そういった部分が素晴らしいと思うの。

■アルバムを聴いて、あなたの声の力に驚かされました。病気の影響は全く感じられないのですが、レコーディングにあたって改めてヴォーカル・レッスンを受けたりしたのでしょうか?

AVRIL いいえ、まったく何もしなかったわ。ただ歌ってみたら、もう声も充分に出ていたし、力強くてクリアだったの。今とてもエモーショナルな境地に立っていて、それが音楽に表れていたと思うの。

■今回ソングライターとして重視したのはどんなことでしょう?

AVRIL 今回のアルバムに関して気をつけていたことは、このアルバムはヴォーカルの部分が一番大事なことだから、リスナーが歌詞をクリアに聴き取れるようにしたいって思っていたわ。エモーショナルな部分も同時に感じてもらえるように作りたかったの。プロデュースに関しては、プロダクションに埋め尽くされるようなものにはしたくなかったの。過去にはそういう傾向になった作品もあったから。プロダクションに関しては、最小限に留めておいたわ。大音量のギターや、ドラムとかで埋め尽くしてはいない。今回は違うの。ピアノを最初にレコーディングして、ヴォーカルをレコーディングして、それから、楽器に関してはヴォーカルをサポートし、ヴォーカルの部分が活きてくるような形で、歌の良さが損なわれないような形で音を乗せていったの。「Less-is-more approach=最小限」に留めておいた方がよりよい効果が得られると思っているわ。

■“テル・ミー・イッツ・オーヴァー”は、どこか懐かしい雰囲気が漂うロッカバラードで、とても新鮮に響きます。何かインスピレーションを得るものがあってできた曲なのですか?

AVRIL 何か昔懐かしい感じの雰囲気のものを作りたかったの。ジャズっぽい雰囲気を持っている作品をね。ビリー・ホリディやアリサ・フランクリンのようなソウルフルな曲やスタイルのものを聴いていて、何か自分にとって新しいものにトライしたかったの。また、この曲のメッセージは、熱い恋愛に陥いっても、それがくっついたり離れたりを繰り返すような関係を続けるのか、それともここから先に進むべきなのか、逆にそれとも、もう関係に終止符を打った方がいいのか、いつかその決断を下さなければならない場合ってあるでしょう?走り回るだけで、結局どうにもならない関係ってあまりいいことではないと思っているから。

■“ダム・ブロンド”や“バーディ”では、女性のエンパワーメントをテーマに取り上げていますね。こういう曲をあなたに書かせた、インスピレーション源を教えて下さい。

AVRIL 正直言って、全部私が経験したことが曲になっているの。私は強い女で、仕事もして、独立心も旺盛で、リーダーでもある。しかも、あるとき私が関わっていた男性で、私のことを、「Dumb Blond(ブロンドのバカ女)」って呼んだ人がいたのよ。

■本当ですか……?(笑)

AVRIL そうよ。本当のことなんだから!(笑) 私が自信を持っていて、ちゃんと自己認識ができているっていうことや、私の強さに脅かされたんだと思うの。彼に「Dumb Blonde」って言われた時、このことについて曲を書かなくちゃ!って思ったのよ。だから、実話なの!(笑)

■コラボレーターについて、一番気になるのはローレン・クリスティ(Lauren Christy)の名前です。デビュー作『レット・ゴー』で多くの曲を一緒に綴った彼女と、久しぶりに再びコラボレーションを行なったのはなぜですか?やってみていかがでしたか?

AVRIL また一緒に仕事ができてすごくよかったわ!素晴らしい会話もいっぱいすることができたし。いろいろとお互いの近況の話をしたりしながら数曲一緒に書いて、とても楽しい時間を過ごしたわ。とても懐かしくって、ファーストアルバムの頃の昔の話もできて、すごくよかったわ。

■プロデューサーはどういう基準で今回選んだのですか?

AVRIL マネージャーや、レーベルの人達がプロデューサーを捜すのを手伝ってくれたの。プロデューサーを探すのは、アルバムを作る上でもっとも大変な部分だったわ。曲が出来上がってから、その曲に合うプロデューサーを探すのが一番大変で、一番時間がかかったわ。なぜなら、私自身の中で曲の方向性がはっきりと決まっていたんだけど、私が書いた曲を何人かのプロデューサーにわたして、数バージョンアレンジをしてもらったんだけど、自分が思っているような作品になるまで、新しいプロデューサーを起用してレコーディングをずっと続けなければならなかったから。私が思ったような形になるまで、完璧なものにしたいと思っていたから。“ヘッド・アバーヴ・ウォーター”は、名前は言えないけど、4~5人ぐらいプロデューサーがいたと思うわ。

■なるほど。(笑) 自分が思った方向性にしてくれるプロデューサーを探すのに苦労したということなんですね。

AVRIL そうね。そして、曲が音楽的であり、エモーショナルで、ヴォーカルが前面に出る必要があったの。曲をプロデューサーに渡すと、本当に予想とは違う、あらゆる方向性に向かってしまったりするから、とても時間のかかる大変な作業ではあったわ。

■このアルバムを作ってみて、自分について新たに学んだこと、自分について発見したことはありますか?

AVRIL さっき答えた通りなんだけど、自然に曲が湧き上がってきて、自分のために曲を書いていく、ということを学べたって思っているわ。私がどれだけ音楽が好きなのか、というのを再確認することもできたわ。

■最後に、日本のファンへのメッセージをお願いします!

AVRIL 私が病気から回復している間も、ずっと私のことを待っていてくれて本当に感謝しているわ。日本が本当に大好きよ。ずっといつも私と、そして私の音楽を支えてくれてありがとう!

PROFILE
世界トータルセールス4000万枚、最強無敵のロック・プリンセス。難病を乗り越え、待望の最新アルバム『ヘッド・アバーヴ・ウォーター』と共に、世界中に勇気と希望を与える奇跡の復活を遂げる。
http://www.sonymusic.co.jp/artist/avrillavigne/

RELEASE
『ヘッド・アバーヴ・ウォーター』

ヘッド・アバーヴ・ウォーター

完全生産限定盤
SICX-30068
¥3,780(tax in)

通常盤
SICX-30067
¥2,592(tax in)

Sony Music Japan International
2月15日ON SALE