BAND-MAID VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

BAND-MAID『Unleash!!!!!』

小鳩ミク(Gt&Vo)、SAIKI(Vo)、KANAMI(Gt)、AKANE(Dr)、MISA(Ba)

世界征服・第二章の幕開けに相応しい超濃厚なアグレッシブ作。

BAND-MAIDの8曲入りEP『Unleash』がとにかく凄い。全曲シングル級のクオリティを掲げ、どれもライブ仕様の攻撃モード全開で迫ってくる。コロナ禍で有観客お給仕(ライブの呼称)ができなかった反動もあるのだろう。モヤモヤした感情をスパークさせた曲調は、途轍もない熱量とチャレンジ精神に溢れている。今作はBAND-MAIDの新たな名刺と言い切れるほど完成度が高い。渾身のEPについて、小鳩ミク、SAIKI、KANAMI、AKANE、MISA、メンバー5人に話を聞いた。

■今作の話をする前に、MV“Unleash!!!!!”公開後に海外のYouTuberの方がすぐに生配信していて、そのスピード感が凄いなと思いました。

小鳩 最近はリアルタイムで配信される方も多くて、ビックリしますっぽ。“Sense”の時にもいらっしゃいましたけど、今回はまた増えましたっぽね。

■やはりメンバーもチェックされているんですね。(笑)

小鳩 もちろん観ますっぽ!

SAIKI 嬉しいもんね。いつも楽しませてもらっています。

小鳩 リアクション動画で曲を止めて、叫ぶ方もいますっぽ。自分たちが思っていないところまで深読みする方もいますっぽ!

■ええ。その“Unleash!!!!!”を含む8曲入りEPが完成しました。今作を聴かせてもらい、中身がとんでなく濃くて、もはやフルアルバム級の密度ですね!

SAIKI 詰め込みました。自分たちでも「これEP?」と言っていましたからね。(笑)

小鳩 カロリーが高いし、内容の濃さはアルバム並みだと思いますっぽ。

■1曲1曲ベクトルの違う曲を揃えつつ、新たなチャレンジも盛り込まれています。でもどの曲もBAND-MAID色にしっかり染まっています。

KANAMI 今回のインスト曲“from now on”は、“Sense”の時にオーケストラのオケを勉強したので、この機会に作ってみようと。それでインスト曲も入れることになり…しかも1曲目なので楽器隊も目立つ作品になったと思います。ド頭から新しさを感じられるかなと。

SAIKI KANAMIが言ったように、インスト曲で始まる作品をずっと前から出したかったんですよ。

■あっ、そうだったんですね。

SAIKI 満を持して実現できました。曲もこれまでのBAND-MAIDをブラッシュアップさせたものが多いし、世界征服・第二章に向けた作品ができたと思います。

MISA また個性的な曲が集まったし、楽曲の幅も広がったけど、ジャンルはBAND-MAIDと言える内容になったと思います。前作では無駄に動きすぎて…。

SAIKI  無駄に…?(笑)

小鳩 全然無駄ではなかったっぽ!あれはあれで良かったっぽ!

SAIKI 「動き過ぎた」だけでいい。

■めちゃくちゃツッコまれていますね…。(笑)

MISA 今回は16分より8分の方が聴こえがいいんじゃないかとか、耳に残りやすいフレーズを強く意識しました。難しさは前作の方が上ですけど、今作はこだわりがより強くなりましたね。

AKANE 1曲目からインストだから、そこからも今作の気合いが感じられるし、それは聴いてくださる方にも伝わるかなと。あと、全8曲があっという間に感じられて、自分でも何度も繰り返し通して聴いていますね。

小鳩 今まではミドルテンポの優しさを感じられる曲も入っていましたけど、今回は「イケイケドンドン!」で、久々に全曲激しかったり、重かったりと、攻撃的な曲が揃ったなと思います。「ここからまたスタートするぞ!」という気持ちが詰まったEPになりましたっぽ。

■全曲エースストライカー張りの点取り屋ばかりが並んだ作品になりましたね。

小鳩 そうですっぽね!全曲、点を取りにいっていますっぽ。(笑)

■ここまで攻め攻めになった理由は?

SAIKI  EPだからというのはあるかもしれませんね。アルバムだとストーリー性を付けなきゃいけないけど、EPは攻めた曲だけ詰め込んでもまとまってしまうし、私たちの鬱憤も溜まっていたのかな…?と。(笑)

■ああ、やっぱりそれも大きな要因ですか?

KANAMI はい、多分溜まっていたんだろうなと。

SAIKI 特にKANAMIにはそれを感じました。(笑) デモの音源をどんどん送ってくれるんですけど、聴いてみたら「えっ、イラついてる?」みたいな。「すごく攻撃的じゃない?」って。(笑)

KANAMI この2年間はお外にも出れなかったので…確かに鬱憤はありましたね。(笑) 「優しい曲を作ってね」と言われたらそうするけど、今回は結果的に刺激強めのものが多かったかなと。曲に八つ当たりじゃないけど…。(笑)

小鳩 ははははは。

SAIKI でもお給仕をしたい欲が強かったよね。だから、お給仕映えする曲が多くなったのかなと。

■話は少し戻りますが、SAIKIさんは以前からインスト曲で始まる作品を作りたかったんですか?

SAIKI そうですね。私は海外のアーティストも好きで、ヒップホップやR&Bの人はインストで始まる作品も多いし、「カッコいいな!」と思っていたんです。言い始めたのは5年くらい前からですね。それが急に実現できました。

■メタル系でもここまでガッツリしたインスト曲で始まるケースは少ないので、ものすごくインパクトがありました。

SAIKI そうですよね。今のBAND-MAIDならできるかなと。インスト曲は海外の人にも日本の人にも人気があるから。

小鳩 前作の特典でインスト曲を付けた時も反響が大きかったですっぽ。

SAIKI 人気もあるし、なにより自信があるので1曲目に置こうと。

AKANE 出だしも全員のキメで始まるから、それもBAND-MAIDらしいなと。

KANAMI ギターも耳の残るフレーズを入れたけど、展開が凄いから、覚えるのが大変でした。(笑)

MISA この曲はギターとドラムが忙しいイメージだから、ベースソロ以外はシンプルにしました。ソロは鍵盤で作って、哀愁漂わせるフレーズにしようと。

■お給仕の一発目にこのインスト曲をやったら、絶対に映えますよね!『DOWNLOAD JAPAN 2022』でやるのではないかと勝手に推測しています。

小鳩 それは乞うご期待ですね。インストでお給仕を開始するのは、ずっとやりたかったことですっぽ。初期のBAND-MAIDでもインスト曲をやったことがあるんですけど、その時はまだ私たちには早かったですっぽ…。(笑) でも今ならできるだろうなと。

SAIKI 当てられちゃったね。(笑)

小鳩 記事が出る頃にはもう終わった後ですっぽ。(※『DOWNLOAD JAPAN 2022』出演時に1曲目に“from now on”をプレイした)

■“Balance”はリズム重視で、かなり難易度が高そうな楽曲ですよね?

AKANE セクションごとにリズムが変わるし、ここまで変わるものは初めてですね。

KANAMI ハネ曲が欲しいと言われて、少し近未来というか、長期的に人気になる曲を作りたかったんです。だから実験的な要素も入れていて、サビで私とMISAは3連符なんですけど、ドラムは8連符で刻んでいるから。

SAIKI 意図的にちゃんと合致していると思う。

AKANE 3連符に寄った8連符を意識して、バランスを取りながらやったので、曲名も“Balance”なんです!

全員 はははははは。

SAIKI EPの中では特に、今の私たちだからこそできた曲かなと。以前だったら、絶対にできなかったと思う。

AKANE 音符の理解度が低かったからね。

KANAMI 今はみんな理解して演奏していますからね。ただ、バンドでしっかり合わせていないから、グルーヴを高めるのが難しい曲だなと。要練習曲です。

MISA サビは手こずりました。どうしてもドラムに合わせちゃう自分がいましたからね。

■この曲はヴォーカルも大変だったんじゃないですか?

SAIKI めっちゃ練習しました。しかも私はハネが苦手だから。サビも高い音が続くので、そこも苦戦しました。

小鳩 デモで確認する時に「SAIKIサビ高くないっぽ?大丈夫?」って。

SAIKI “Balance”、“influencer”はキー的にも私の中では挑戦でした。