BiS VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

BiS『KiLLiNG IDOLS』

■メンバーから見たネオさんは、この歌詞っぽい人なんですか?

トギー 「この歌詞、誰が書いたでしょう?」って言われたらネオだなって思います。

ネオ えー。

トギー 思っていることとかあんまり言わないから。

■家でこっそり泣くタイプなんですか?

ネオ いや、めっちゃ泣いてますよ。(笑) けど、それでもいいかなって。

トギー うんうん。いいんだよ。

■でも、自分の気持ちをツイッターに書いたりはしない?

ネオ それはないですね。

トギー 「あんまりマイナス発言はしないようにしましょう」というのは、一応ルールとして決まっていて。だから暗い気持ちになることは言わないですけど、発散するところがないから、こうやって歌詞として書けるのかなと思いました。改めて言葉にしてみることで、「あー、こんなこと思っていたんだな」と気づく時もあるし、作詞する時は自分と向き合えるいい機会になっていますね。

■そんなトギーさんは、5曲目の“どっきゅんばっきゅん”の歌詞を書いていますよね。

トギー はい。すごい攻撃的な言葉を書こうとしたら、思ったより攻撃的になっちゃって。控えてはいないんですけど、「ちょっとすいません!」と思いながら書きました。(笑)

■曲自体が激しかったから、攻撃的なことを書こうと思ったんですか?

トギー 伝えたい想いは曲調とは関係ないんですけど、攻撃的な曲だから強い言葉で書けると思って。昔の私に向けて書いた曲なんです。学生時代のトギーは「学校がすべて」と思っていて。学校が大嫌いだったのに、ここしか私の居場所はないと思って、そこから動き出すことをしなかったんです。でも、そういう人は、たぶんたくさんいて。この場所が嫌なんだったら、いつだって動き出せるし、変わろうと思えば変われるんだってことを伝えたくて書きました。

■そうだったんですね。誰か嫌いな人に向けて書いたのかと思っていました。

トギー あー、学生時代の先生陣に向けたところはあります。(笑) 私にとっての先生は、自分が怒られないかどうかしか考えていないように見えて。生徒のことを思って怒ってくれたりするのが先生だと思っていたら、大間違いだったんですよ。大人は信じちゃいけない、偉い人を信じていればいいなんてことはない。だから、自分が信じたいものを信じて、どうにか生きて欲しいなと思います。

■非常にわかります。僕も自分が大人になって、大人は完璧じゃないんだなと思うようになったので。

トギー 私は学生時代の自分に宛てて書きましたけど、モンちゃんには「ブラック企業の人にも当てはまるよね」と言われました。だから転職とかの手助けになったらいいなと思います。(笑)

■ちなみに(同じ事務所の)豆柴の大群にインタビューした時も、アイカさんが先生と相性が悪かったと話していたんですけど、最近の若い子は先生に否定されがちなんですかね?

トギー 先生ってだいたい否定するんですよ。

チャント いや、学校によると思いますよ。(笑)

イトー 私は逆で、先生しか味方がいなかったかもしれないです。すぐ逃げ出すタイプだったんですけど、逃げ出したらジュースを買ってくれて。それも先生自身が怒られたくなかったからかもしれないけど。(笑)

トギー そういう人もいるのか……。

イトー でも、学校だけじゃなくて、家から逃げたいっていう人もいると思うんです。私は「こんな世界やだ嘆いてたって/動かなきゃ 変わらない」という歌詞が好きなんですけど、自分が動かないのが悪いくせに、誰かのせいにして、ただただ嫌だと嘆いていた時があったなと思い出して。

■それはなんで抜け出せたんですか?

イトー 悔しかったとか、そういう感情が大きくなって、変わりたいという意志が勝ったのかなと思います。その第一歩がBiSに入ったことだったというか。自分の世界を変える第一歩みたいな感じでした。今でも逃げちゃう時はあるんですけど、そこから性格や考え方は変わってきた気がします。

■こんな世界は嫌だと思っている人に向けて、「他にも世界はあるよ」と背中を押してあげる曲というか。

トギー 本当にそうですね。今となっては学校の記憶なんて何も覚えていないから。あんなに嫌だったのになぁ。

■そして6曲目の“つよがりさん”も渡辺さん作詞ですけど、今度は全部ひらがなの歌詞で、心の叫び的な歌なのかなと思いました。

トギー ネオは武道館のことって言っていたよね。

ネオ 私は歌詞を見た時に、渡辺さんの武道館への想い(第1期BiSは日本武道館での解散公演を目標に活動していたが、過激な活動が原因で使用許可が下りず、横浜アリーナで「BiSなりの武道館」と題した公演を行ない解散した)とか、まわりの環境に対してもがいている部分とかが書かれているのかなって。

■言われてみると「ずっとまえにこころにきめた/ことはおくにしまいこんでた」は、武道館でライブをすることにも解釈できますね。

ネオ 「わすれちゃった/わけじゃないけど/あいまいになってるかも」って、「あいまい」の意味はちょっとわからないですけど、ずっと思っていることだと思うんです。「ほんのすこしのことですべてこわれちゃう」も、過去にいろんなことがあって、それで武道館ができなくなっちゃったりとか。

トギー たぶん「あいまい」って、最初に武道館でライブしたいと決めた時の気持ちとかなんじゃないかな。

チャント 「絶対にやるぞ」みたいな。

■今のBiSでも「ちゃんと武道館を目指すんだぞ」っていう渡辺さんからのメッセージというか。

トギー ほんと、そうですね……。

■それを“つよがりさん”と名づけるところも素敵ですね。

イトー 渡辺さんに面と向かって弱い姿を見せられたことは本当にないんですよね。だからこそ、私たちが歌うっていう前提の曲に、こういう歌詞を書いていただいたことは、すごく嬉しいです。

トギー 確かに歌詞でしか弱いところを見せてくれない。

イトー 笑いながら「いや、俺だって病むよー」とかは言うけど、「最近病んでるんだよね……」みたいなことは全然言われないので。常に誰かの味方であり続けていて。

トギー もっと優しくしようと思います。

■そうしてください。(笑) でも、歌詞の背景を考えながら聴くと、曲の聴こえ方も変わりそうです。

トギー この曲は今諦めそうな人に聴いて欲しいんです。「あきらめそうになったら/きたないものだけは/たべなきゃいいんじゃない?」っていう歌詞があるんですけど、普通だったら「諦めそうでも大丈夫だよ、がんばろう」とかだと思うんですよ。でも、この曲は諦めそうになったなら、休むなり、逃げるなり、一旦距離を置くなり、なんでもいいから諦めないために他の選択肢もあるから、休んでもいいんだよって言われている気持ちになって。諦めそうな人には救いになる言葉だなと思うんです。私自身、この曲を聴いて考え方が変わったので、私以外にも人生変わる人がいるかもしれないし、今を生きている人に届いたらいいなと思います。

■どの曲も読み解いていくと深みが増しますね。今作を聴いた人には、どんなことが伝わったら嬉しいですか?

トギー こういう(コロナ禍の)状況で病んじゃうことは絶対あると思うので、背中を押す形でも、寄り添う形でもいいから、少しでも「生きよう」と思えるきっかけになれたらいいなと思います。

イトー たぶん正解はないと思うんです。どの曲を聴いても「君の信じた道でいいんだよ」っていうことが伝わったら嬉しいです。

■ちなみに僕はBiS=過激なイメージがあったんですけど、ちょっと誤解していたのかもなと思って。みなさんは誰かに元気を与えたいとか、そういう目標はあるんですか?

トギー なんだろう。過激ではあるんですけどね。(笑) でも、音楽を通して少しでも明日を生きようと思ってもらえたら、少しでも救いになったらいいなっていう気持ちはずっと心の中にあるので、そういう存在になれるように、これからも全力で届けていきたいなと思います!

Interview & Text:タナカヒロシ

PROFILE
英語で “Brand-new idol Society”の略/日本語で“新生アイドル研究会”2010年にグループ結成し、全裸PVを始めとする破天荒なプロモーションで世間を賑やかす。目標の“日本武道館”ワンマンを諸事情により断念し、2014年に横浜アリーナで解散。その後、再結成をするも2019年5月11日にマイナビBLITZ赤坂ライブにて2度目の解散。第3期BiSオーディションを実施し、応募総数2,000名を超える中、音楽活動経験がない“素人”だけで構成された第3期BiSの活動がスタート。活動開始半年間で、“モザイクMV”、”200km駅伝“、”24時間ライブ“等、BiS伝統の過激な企画を経験しながらフルアルバム2枚/シングル1枚をリリースし、音楽業界に大きなインパクトを与える。コロナ禍でも、ゲリラでの新曲発売や同楽曲を101回連続でパフォーマンスするドキュメンタルMVを公開するなど、泥臭くもエモーショナルな活動を展開し、勢いは加速し続けている。“日本武道館”という夢の続きは、第3期BiSに託される。
https://www.brandnewidolsociety.tokyo/
イトー・ムセンシティ部 Twitter:@MUSENSiTEEBUBiS
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チャントモンキー Twitter:@CHANTMONKEE_BiS
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ネオ・トゥリーズ Twitter:@NEOTREES_BiS
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トギー Twitter:@TOGGY_BiS
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BiS Official Twitter:@BiSidol
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ULTRA STUPiD RECORDS Twitter:@ULTRASTUPiD_BiS
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RELEASE
『KiLLiNG IDOLS』

初回生産限定盤(CD+BD+フォトブック)
CRCP-40620
¥6,050(tax in)

通常盤(CD)
CRCP-40621
¥2,000(tax in)

ULTRA STUPiD RECORDS / CROWN RECORDS
2月24日 ON SALE

LIVE
『「KiLLiNG IDOLS」 REPRODUCTiON STREAMiNG LiVE』
<イベント概要>
日時:3月9日(火) 20:00~
内容:EP「KiLLiNG IDOLS」再現/無観客ライブ
<無観客ライブ視聴方法>
①タワーレコードオンラインでのご購入の場合
<対象期間> 
2021年2月22日(月)正午12:00~3月2日(火)17:00まで
②タワーレコード店舗でご購入の場合
[シリアルNo.付きライブ視聴応募券付]ご購入期間 
2021年2月22日(月)各店商品入荷時~3月4日(日)閉店時まで 
ライブ視聴応募期間
2021年2月22日(月)正午12:00~3月4日(日)23:59まで
■WACK TOUR2021″TO BE CONTiNUED WACK TOUR”
02/21(日)@北海道・Zepp Sapporo ※BiSH/GO TO THE BEDS
02/27(土)@宮城・仙台GiGS ※EMPiRE/豆柴の大群
03/17(水)@東京・Zepp Tokyo ※BiSH/BiS/GO TO THE BEDS/Wagg
03/18(木)@東京・Zepp Tokyo ※EMPiRE/豆柴の大群/PARADISES/Wagg