BiS VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

新メンバーも含めて、6人で1から作っている感じがしてすごく楽しい。

BiSがおよそ1年ぶりとなるシングル『イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム』をリリース。5月にシオンエピック、イコ・ムゲンノカナタ、クレナイ・ワールズエンドの3人を新メンバーとして迎え、6人体制で再始動したBiS。6人での幕開けを飾る新曲は、BOOM BOOM SATELLITES/THE SPELLBOUNDの中野雅之がプロデュース、THE SPELLBOUND/The Novembersの小林裕介が作詞を担当した楽曲となっている。
今回は、BiSのトギー、ナノ3、ヒューガー、シオンエピック、イコ・ムゲンノカナタ、クレナイ・ワールズエンドの6人にインタビューを決行。新メンバーを深掘りする内容から、新曲に込められた「おまじない」について、現在のBiSへの思いについて、たっぷりと語ってもらった。

■5月14日に現体制のお披露目ライブがあり、シオンエピックさん、イコ・ムゲンノカナタさん、クレナイ・ワールズエンドさんの3名がお披露目されました。ちょうど今の並び順も新メンバーと既存メンバーが交互に座っている形ですし、まずは新メンバーがどんな方なのか隣の人を紹介してもらえたらと思います。まずは、トギーさんからみたシオンさんはどんな方ですか?

トギー シオンは本当に面白いですね。笑う時はめっちゃ笑うし。さっきもおならしたら爆笑された。(笑)

シオン (笑)

ヒューガー それについては私はノーリアクションだったんですけど、それもセットで面白いって言っていました。

ナノ3 トギーのことがツボなんじゃない?着替えたりするだけでめっちゃ見てめっちゃ爆笑してるし。

トギー 「意外と笑うんだぞ」っていうことを伝えたいですね。(笑)

■ナノさんから見たイコさんはどんな方なのでしょうか?

ナノ3 イコの性格は、まだまだ私たちに隠している部分があると思う。きっともっと明るくてもっと面白い人だと思うんですよ。まだ本当のイコを見れていない気がする。でもすごく真面目ですね。「そんなに気にしないで!」っていうところも、結構気にしちゃったりするので。

トギー 歌が上手く歌えなくて泣いていたよね。

ナノ3 そうやって悔しいところも感情に表せる、熱いものを持っている人なんだなと思います。性格は明るいけど、すごく真面目で繊細な部分もありつつ努力家。向上心はめちゃくちゃあると思うので、これからが楽しみです。

■ヒューガーさんから見たクレナイさんは?

クレナイ 恥ずかしいな……。(笑)

ヒューガー 実はオーディションを一緒の年に受けていたことがあるんです。その時、私はすぐに落ちちゃったのもあって、接点は全くなくて。どんな子か分からなかったんですけど、なんとなく「ヤバそう……」とは思っていたんです。(笑) 怖いもの知らずな無敵感があったというか。それで実際にメンバーになってみて、見た目はふわふわしてるけど、「自分がこうしたい」っていう思いを自分の中でめっちゃ持っているなって。物事を繊細に捉えて記憶するのがすごく得意だと思うので、それはすごく尊敬できる部分だなと思います。ステージに出ると、アイドルって可愛い部分が前面に出るじゃないですか。それはいいことですけど、一緒に仕事をしているからこそ感じられる、クレ(クレナイ)の芯の強さをもっとみんなに知らせたいですね。

■初めて会った時に感じた「なんとなくヤバそう」というのは、どんな部分から感じたんですか?

トギー そもそもクレはWACKを全く知らずにオーディションを受けに来たんですよ。(笑) BiSHのアイナさんくらいしか知らない感じで。合宿でなにをするか知らなかったでしょ?

クレナイ はい。

トギー 他の子は「WACKのことを研究してきました!」みたいな子しかいなかったから。

ヒューガー カメラの前で1分間アピールする時も、みんなガチガチになりながら「私はこんな理由で受けに来ました。応援よろしくお願いします」みたいなことを言うんですけど、クレはひとりだけ「こんにちは~」みたいな感じで。(笑) ヤバイなこの子って思いました。

■WACKを知らずにオーディションを受けたきっかけはなんだったんですか?

クレナイ 私の兄がWACK好きなんです。私もBiSHは好きだったんですけど、それ以外は本当に知らなくて。(笑) 私は元々緊張しいなんですけど、「その殻を破るためにも受けてみろ」って兄に言われて、受けに行ったっていう感じです。

ナノ3 オーディションではそんな感じだったけど、実際はめちゃくちゃ頑張り屋さんで。歌の練習をする時も、1曲の1フレーズだけを1時間くらいずっと繰り返して練習していることもあって。「嫌いになるから一回次のところいきな!」って、こっちが止めに入っちゃうくらい、自分が納得いくまでずっと頑張っていたりするんです。

■そんな新メンバーのお披露目から1ヵ月が経った今、加入した3人はどんな気持ちで活動していますか?

シオン ライブがこんなに楽しいなんて思わなくて。思っていたよりめちゃめちゃ楽しいです!

イコ お客さんにお披露目される前は、ずっと自分が入ったことも信じられないまま練習していたんです。でもお客さんの前に出て何回かライブして、それで実感が湧いてきて、もっと頑張らなきゃなと思っています。あと、今自分がやりたいことが毎日できていて、本当に楽しくて。これからもっともっと頑張っていきたいです。

クレナイ 私もお披露目前は不安でいっぱいだったんですけど、お披露目後から今は楽しい気持ちでやらせていただいています。

■トギーさんは現在唯一のオリジナルメンバーですが、新メンバーが入って6人になったBiSを見てどう感じていますか?

トギー まず3人とも今は楽しいって言っていましたけど、きっと合宿がつらかったんだろうなって。(笑) 「そりゃあ、それと比べたら楽しいでしょ」って思います。(笑) やっぱりお客さんが目の前にいることがすごく大切なんだと思うし。私としては、メンバーが脱退して加入するまでの期間が結構つらかったんです。新メンバーが入ること自体は決まっていたんですけど、マイナスのままライブをすることは見ているお客さんからしてもつらかったと思うし。でもメンバーが発表された瞬間、「もう一度活動できる!」というか、明るい未来が開いたような気がしてすごくワクワクしました。

■ヒューガーさんは2022年の11月に加入してから短い期間でメンバーの脱退と加入を経験したことになりますが、グループの雰囲気の変化をどんな風に感じていますか?

ヒューガー 前よりももっと動物園のようになりました。(笑) 私が入ってすぐに2人の脱退が決まっちゃって、その時は大変だなって思っていて。それから私も目の前のことをこなすのに必死だったんですけど、今の3人が入ってきてくれたことで新しく仕切り直しができるというか、再スタートさせてもらっている感じで。楽しい雰囲気でやりがいをすごく感じています。

ナノ3 私が入った時は先輩が4人いて、ついて行けばみんなが助けてくれたので、頼りになるお姉さんたちの中で伸び伸びやらせてもらっていたんですけど、私も今は上から2番目の在籍期間になっていて。そこに新メンバーが3人も入ってきたので、結構いっぱいいっぱいになっちゃったんですけど、今はBiSの中でそれぞれの役割が変わった感じがしています。新メンバーも含めて、6人で1から作っている感じがして、すごく楽しいです。

トギー ナノは入ったばかりの頃は全任せだったんですよ。(笑) 元々しっかりすることはできる子だったと思うんですけど、あの時はその必要がなかったからね。

ナノ3 頼りすぎちゃっていましたね……。

トギー でも今この立場になって、しっかり思ったことを発言したり、引っ張っていってくれるようになったので、すごく成長を感じています。

■今作は今の6人体制での初めてのシングルリリースです。BiSの新曲としては約1年ぶりですね。

トギー そうですね。メンバーの脱退でリリースが延期してしまって、やっとリリースできる嬉しさがあります。

■これまでの約1年はどんな期間でしたか?

トギー ナノが加入してすぐに私が足を痛めて活動を休止してしまったんです。それが2022年の2月くらいの話で。その後、7月に私が復活するって決まったくらいに、1人脱退して。それから3人で活動していた期間が2週間くらいあったんだよね?

ナノ3 そうだね。

トギー その後すぐに私が戻って4人で活動して、ツアーをひとつ回って。

ナノ3 それで11月にヒューガーが入ったんだっけ?

ヒューガー お披露目は11月末ですね。

トギー それでまた2人が12月に脱退したっていう。

■第3期BiSのキャリアの中でもかなり濃い1年間ですよね。

ナノ3 1年前だとは思えなくて……。もう2年くらい経ったような気持ちです。(笑)

トギー その頃を新メンバーはBiSをどんな風に見ていたの?

イコ 私はファンだったので、「メンバーが脱退するのは悲しいな」と思っていました。だけど私はずっとBiSに入りたかったので……。

トギー 確かに実際、席が空かないと入れなかったかもしれないからね。(笑) 巡り合わせだよね。

■1年前の時点やオーディションの段階で、自分がBiSに入るというイメージはできていたんですか?

イコ 私はできない状態のまま、とりあえず受けてみようと思ってオーディションを受けました。

シオン 私は絶対にWACKに入りたくて。というか、渡辺淳之介(WACK代表・プロデューサー)さんと一緒に仕事がしたくて、それならアイドルかなと思って入りました。アイドルになりたかったというよりは、渡辺さんと一緒に仕事がしたくて……。

■渡辺さんのファンなんですね。(笑)

シオン そうなんです。本も全部持っています!

トギー オーディションに合格した後に、渡辺さんとシオンで面談があったんですけど、渡辺さんが入ってきた瞬間「キャーッ!」って悲鳴が聞こえてきて。(笑) 事務所中に響いていてめっちゃびっくりしました。

ヒューガー 黄色い歓声がね。(笑)

■ちなみに渡辺さんのどんなところに惹かれてファンになったんですか?

シオン 言い出したらキリがないんですけど、まず生き方と……存在かな。仮歌とかも歌っているんですけど、それもめっちゃいいんですよ。

トギー いつか社長のこと嫌いになっても辞めないでね。(笑)

■今回の新曲“イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム”は、新体制のお披露目ライブで披露されたんですよね。実際にパフォーマンスしてみていかがでしたか?

トギー この曲をプロデュースしてくださったのがBOOM BOOM SATELLITESとTHE SPELLBOUNDの中野さんなんですけど、歌割りの感じがいつもと違ったのですごく新鮮でした。いつも私たちは1人で歌うパートが多いんですけど、この曲はサビを全員で歌っていて。全員で歌うことの力強さとか、6人いることの心強さをすごく感じて、全員で歌うからこそ意味のある曲だなと思いました。それとこの曲は、新体制のBiSのはじまりの曲ということで、新体制のBiSが上手くいくように応援する気持ちがこめられた曲なんです。このタイトルはおまじないなんですけど、「おまじないをちゃんと唱えられたら上手くいく」っていう曲で。そういう気持ちが嬉しくて、すごく大事な曲になりました。中野さんの人柄が反映されています。

ヒューガー 中野さんは、お話する時も私たちのことを自分の子供を見るような目で見てくださっていて。気持ちが伝わってきて、すごく嬉しかったですね。

ナノ3 私は6人でこの曲を出せたことが一番嬉しかったです。1年前からこの曲が決まっていたので、やっと披露できた嬉しさもあったし、レコーディングをしてみんなの声が入った時もすごく嬉しくて。この6人とこの曲があれば全部が上手くいくんじゃないかって思う。歌いながら勇気をもらえる曲だなと思います。

■新メンバーのみなさんは、楽曲を聴いてどんなことを感じましたか?

クレナイ 初めて聴いた時はすごくカッコよくて、今まで聴いていたBiSの曲とは全く違うなと思いました。「こういう曲を歌えるのか」って、すごく嬉しい気持ちになりました。

シオン 最後のサビ前の間奏がカッコよすぎるなと思いました。

イコ 本当にカッコいい曲だなと思いました。「タイトルはどういう意味なんだろう?」って思ったんですけど、中野さんに会った時に意味を教えてもらって。「全部めちゃくちゃにしたい」っていう意味なんです。

トギー 「全部めちゃくちゃにしたい」っていう言葉を、アルファベットに変えて逆から読んだらこのタイトルになるんです。作詞はTHE SPELLBOUNDの小林さんに担当していただいているんですけど、映画『メリー・ポピンズ』に、一息で全部言えたら何でも上手くいくっていうおまじないの言葉があるみたいで。それをイメージして作ってくださったみたいです。

イコ そういうことを知っていく度にこの曲がどんどん大好きになっていくし、心強いおまじないになるし。歌っている時も、聴いている時も、すごく前向きな気持ちになれる。「これから頑張ろう!」と思える曲なので、これからもっと大切にしていきたいなって思います。