■(笑) でも5人から4人になって、新しい立ち位置やパートを覚えるだけでも大変なはずなのに、都度都度人数とパートを変えるのは本当に大変そうですよね。
三隅 はい。3人になるわ、1人は全然動かないわ。(笑)
佐藤 1ヶ月間2人でラジオをやってくれた時があるんですけど、それが一番すごかったですね。お互いがお互いに進行もするし、ボケもするし、本当にバランスよくやっているんですよ。1ヶ月持たせるってことは、2人がずっと同じポジションで話していても駄目という思いがあったんじゃないかなって。感謝と感動がすごくありましたね。
三隅 段々と喋ることがなくなっていって、放送中にちゃんと喋るために、後半は楽屋では二人とも一言も喋らなくなっていました。(笑)
■話をアルバムに戻すと、今回は先行リリースされている“BIG MONSTER KITE”も含め、新録曲が3曲あります。それぞれ曲調もテンション感も違っていて、3通りのエンディングソングだと感じました。
佐藤 新録曲も自分たちで選んだ楽曲なんですけど、それこそ“BIG MONSTER KITE”は、楽曲も、メロディーも、歌詞も、ジャケットも、MVも、ちょこちょこお願いというか、リクエストをさせていただいた楽曲でもあって。今までは自分たちが楽曲のイメージに近づいていくという感じだったんですけど、今回は逆に楽曲が自分たちに近づいてくるという感覚で、それは初めてでしたね。手繰り寄せてきたということでもあるんですけど、すごく不思議な感覚でしたね。
松岡 詞を書いてくださっているYUMIKOさんは、僕らのことを本当にずっと見てくださっていた方で、僕らの嬉しいことも、悲しいことも見てきた方なので、この歌詞からは「お疲れ様」みたいなメッセージを感じました。「よくここまでやったね」みたいな声が脳内で再生されましたね。
三隅 “BIG MONSTER KITE”はすごく突き抜けているイメージがあって。レコーディングの時、いつも譜面台に歌詞カードを置いて片手にメモ用のペンを握りしめているんですけど、この曲のレコーディングの時は、ずっと両手を上げて、指をさしながら歌っていて。BMKらしく、寂しい思いをさせるんじゃなくて、最後まで上を見て楽しく終わりたいという気持ちを込めた楽曲だったので、それをレコーディング中から体現できた気がします。
■“HEAVY!?”は、すごくみなさんらしい楽しい楽曲ですよね。
松岡 最初、“HEAVY!?”がリード曲になるみたいな話もあったくらいで。
佐藤 この曲、仮歌が英語だったんです。洋楽っぽい印象で。日本語の歌詞になった時、どうなるのかと思いきや。
松岡 この歌詞が送られてきた時は、いい意味で「なんじゃこりゃ!」みたいな感じでした。洋楽だと思って聴いていた曲がこうなるんだっていう。面白い曲になったなと思います。
三隅 コンプリート盤に入っている、研究生時代の“ゴリゴリ☆サバンナロード”とか、そういうおちゃらけた研究生時代の僕らを感じられる楽曲になっていると思います。
■“HEAVY!?”はMVもすごく和気あいあいとしていて、オフっぽい表情も垣間見られる印象でした。MVの監督や振り付けなどは、全てボイメンメンバーの平松賢人さんが担当したんですよね?
米谷 はい。すごく楽しい撮影でしたね。
佐藤 ポテチを食べたり、グミを食べたり。
米谷 それはあなただけ。(笑)
佐藤 そっか。すごく楽しかったです。
三隅 みんなでプリクラを撮ったりね。
松岡 斬新に下から撮るカメラがあったり、キャリーの上に乗って歩いたり、上から撮ったりね。普通じゃ思いつかないようなアイデアが多くて楽しかったです。
■カット数も一般的なMVよりもかなり多いように思います。
米谷 一発録りが多いんですよ。よく見るとみかちゃん(三隅)がぼやけたりするカットもあったり、普通だったら撮り直すようなカットもあるんですけど、それも遊び心で採用していて。けんぱ(松岡)がアイテムボックスを踏むシーンがあるんですけど、理想だとアイテムボックスを踏み潰すんですけど、けんぱの踏み込みが甘かったのか、ちょっとふにゃってなって終わっちゃうみたいなね。(笑)
佐藤 それ絶対にNGだと思ったし、もう1回撮るんだろうなと思って戻そうとした瞬間にけんぱとぶつかるところまで使われてたよね。(笑)
三隅 飾らない良さがあったね。(笑)
米谷 細かい部分まで見どころがたくさんあるので、何回も見てほしいですね。
■あとはバラードの“タイムカプセル”も収録されます。
佐藤 “タイムカプセル”は、「バラードをやろう」というところからスタートしたんです。米谷がバラードを歌うのが得意だと思っているので、僕のイメージでは米ちゃんがめちゃくちゃ歌う楽曲になるだろうと予想していたんです。「きっとこの声には悲しい歌が似合うぞ」と思って、哀愁の漂っている悲しい曲を選びましたし。でも最終的にはグループに寄り添うバランスのいい楽曲になったなと思います。自分が歌うパートもたくさんあって良かったです。
三隅 この曲はレコーディングが緊張しましたね。“タイムカプセル”と“HEAVY!?”が同じレコーディング日だったんですけど、三隅は後に“タイムカプセル”を録ったんです。そうしたら、音数が少なすぎてめちゃくちゃ緊張して。我々的には“HEAVY!?”の方が慣れ親しんだ歌いやすい曲だったんですけど、最後の最後まで挑戦する気持ちを忘れず、新しい自分たちを見せる引き出しを開けられたので良かったなと思います。
松岡 僕は“タイムカプセル”から録ったんですけど、恥ずかしかったですね。普段ラップを歌うことが多いので、どちらかというと言葉が早いというか。逆にゆっくり歌うんですよバラードって。(笑) なので、ごまかしがきかないというか。いつもラップでごまかしているわけではないんですけど……。(笑) でもラップは勢いが大事じゃないですか。バラードは本当に逃げも隠れもできないんですよね。なので、服を脱ぐよりも恥ずかしい気持ちになるレコーディングでしたね。でも歌詞は今の僕らとすごくマッチしているので、すごく歌いやすかったです。
■レコーディングで恥ずかしいのであれば、ライブで披露する時はもっと恥ずかしくなるのでは……?
松岡 そうなんです。だから覆面とかで歌いたいんですよ。(笑)
三隅 とか言っていますけど、めっちゃカッコつけて歌うと思います。(笑)
■いよいよ来年の1月末に解散ライブが迫っていますが、改めて解散ライブに向けた今の思いを教えてください。
三隅 今までで一番いいライブにしたいです。どの曲もおそらく今後の人生でこのメンバーで歌うことはないので、大切にお客さんに届けたいですね。あとは自分たちも「この楽曲をリリースした時こんなことあったな」というのを思い返しながら歌うことで、より届くものもあると思うので、1曲、1曲、噛み締めながら誰よりも楽しみたいと思います。最後にみんなで一番記憶に残るいいライブができたらいいなと思っています。
松岡 今までいろんなライブをやらせてもらいましたけど、その全ての集大成にもなるわけで。解散ライブと言ってはいますけど、今まで僕らがやってきたことをやるということに変わりはないので、僕らが経験してきた全てを出せたらと思っています。
佐藤 今回は難しいんですけど、こういう風に感じて僕たちの最後を見届けてほしいという思いと、そうじゃなくてどんな解釈でもできる自由な感じで終わりたいという、ふたつの思いがあって。そのミックスを上手い具合にやりたいなと思っています。でもやっぱり悲しみに暮れるようなことはしたくないなと思っていて。悲しい演出って、やればやるほどドラマチックだし、印象には残るんだけど、それって僕たちの本意じゃないよなっていう。ただそれっていい演出でもあるよなというバランスはすごく大事だと思っているので、その部分はしっかりと話し合ってやりたいと思います。
米谷 今までで一番いいものをお届けするのはもちろん、あんまり縮こまりすぎずに、今までの自分たちらしくできればいいなと思います。かつ自分たちだけで楽しまないように、応援してくれる方もみんな巻き込んでいけるような、楽しいライブにしたいなと思っています。解散ライブができるのも当たり前じゃないと思うので、そのありがたさを噛み締めながら、良い1日にしたいなと思います。
Interview & Text:村上麗奈
PROFILE
2021年1月にシングル『モンスターフライト』でメジャーデビューを果たし、オリコンウィークリー CD シングルランキング初登場2位を獲得。10月には2ndシングル『Beat Monster』をリリース。オリコンウィークリー CDシングルランキングで初登場4位を獲得。2022年3月には、『グッバイ宣言』のChinozoがプロデュースを手掛ける3rdシングル『だって今日まで恋煩い』を発売。フジテレビ系TVアニメ『デジモンゴーストゲーム』エンディング主題歌にも起用され、オリコンウィークリーCDシングルランキングで初登場2位、LINE MUSICではウィークリーランキング4位を獲得。2022年夏にはBMKとして初の5大都市ツアー『BMK 上昇気流ツアー』を開催。9月には新装盤シングル『だって今日まで恋煩い – シーズン 2-』を発売し、オリコンデイリーCDシングルランキングで1位、ウィークリーランキングで3位を獲得、9月度ゴールドディスクの認定を受ける。同年10月に、全日本タワー協議会のオフィシャルアンバサダーに就任し、収録曲“TOP OF TOP”がオフィシャルテーマソングとして起用。10月5日にデジタ
ルシングル『おばけ ばけばけ ばけがっちゃ!』をリリース。テレビ東京系列にて放送中のキッズ向けバラエティ番組「おはスタ」にてTVアニメ新シリーズとして放送中の「おばけずかん!」の主題歌に決定。2023年3月15日には初のアルバム『the FIRST』をリリース。全日本タワー協議会 ×BMK『全国タワー制覇ツアー』の実施も決定。6月28日には配信シングル『恋華火』をリリースし、7月2日はワンマンライブ『BMK LIVE 2023 ~ ATTENTION Please!!!!! ~』を開催。9月20日には4thシングル『NANAKORO!』、2024年3月27日には初のLIVE Blu-ray 作品『BMK LIVE 2023 ~ ATTENTION Please!!!!! ~』をリリース。そして4月5人体制ラストとなる配信シングル『FLY & GO NOW』をリリース。6月に4人体制初作品『Move!』をリリース。最後の作品となるベストアルバム『Big Monster Kite』を12月18日にリリース。2025年1月31日の『BMK 解散ライブ』をもって解散する。
RELEASE
『Big Monster Kite』

コンプリート盤[初回生産限定盤](3CD+BD+フォトブック)
VIZL-2355
¥11,000(tax in)

ベスト盤[通常盤](CD)
VICL-65998
¥3,300(tax in)
Victor Entertainment
12月18日 ON SALE