BRADIO VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■その映像は先にイメージがあった上で探したんですか?それともたまたま見つけたものだったんですか?

真行寺 自分の中にそういう画があったので、検索窓にそれを連想するような単語を並べて検索してみました。(笑) 自分の頭の中にあるものを伝えられないのは自分でも分かっているので、「他に伝え方がないのかな?」と思って。

大山 検索サイトの勝利だね。

酒井 今の時代じゃなかったら成しえなかったかもしれないからね。

真行寺 便利だよなぁ。(笑) 

■今回のアルバムを通してサウンド的に特にこだわった部分というと、どんなことがありますか?

大山 いつもエンジニアリングは中原さんという方にお願いしていて、それは今回も同じなんですけど、今回はスタジオが初めての場所だったんです。そこが我々的にはすごく肌に合うスタジオで。音の方向性が好みのスタジオだったので、それがすごく良かったんです。かつ、これは我々からオーダーしたわけではないんですけど、今までとちょっと違うアプローチでミックスをしていただいたんです。もちろん元々はデジタルレコーディングをしているんですけど、それを一度意図的にアナログに近い状態に戻す作業をされていて。それによって起こる質感の変化をトータルしてミックスするみたいな面白いやり方で。それが音の近さや臨場感というか……なんて言えばいいんだろう……。

酒井 要はレコードとかに近い感覚なんですよね。スタジオのメインの卓がNeveのヴィンテージ卓で、ずっと受け継がれてきた音楽が作られてきている卓なだけあって、録っている段階からめちゃくちゃ音が良かったんです。聡一が言っていたように、音が近くてちゃんとリズムが見えるものになったと思います。昔の音楽のいいところもありつつ、キラキラした部分も追加されているっていう。

真行寺 今回はエンジニアの人とも録る前にミーティングをして、自分たちがやりたいことをちゃんと伝えていたんです。それをもしかしたら汲んでくれたのかなと。フィジカルで会うことはめちゃくちゃ意識していたので、僕らも週1くらいはなるべく会うようにしていて。最初のリモートの話じゃないですけど、フィジカルで会わないとやっぱり温度感が分からないというか。なので、レコーディングに入る前のチーム感も今回はすごく良い感じでしたね。

■そんな環境で、ギターやベースを演奏する上で、特にこだわった部分や一押しの部分などはありますか?

大山 BRADIOの場合、曲によって編成が変わるので、ギターの立ち位置も変わるんです。なので、その辺も考えながらアレンジしていくんですけど、“ソウル・ギャラクシー”や“Buster!”ではギターが割りと花形で、ロックサウンドを弾いていて。なので、この2曲では高校生の時に買ったGibsonのレスポールをめちゃくちゃ久しぶりに出してきて使いました。15、16歳の時に買ったもので、もう20年以上の付き合いになるギターで。BRADIOになってからはファンキーなサウンドだったり、リズムが強くなるフレーズが多くなったので、フェンダー系のギターに変わっていったので、今まではあまり使ってこなかったんです。でも“ソウル・ギャラクシー”は華やかな曲だったので、久しぶりに使ってみようと。やっぱりこのギターは自分の成長期に馴染んでいたギターだったので、それが今の自分のポテンシャルとか、エンジニアの中原さんとの関係性とか、あのスタジオの環境も含めて、今のバンドに登場してもらって、そこはかとなく親の気持ちみたいになったんですよね。(笑) 「こいつ、こんな舞台で音出してもらえてる!」みたいな。めっちゃいい音で録れて、それがすごくエモかったです。

■感慨深いですね。

大山 これからツアーもあって、ライブの場にも立つのかと思うと、本当に親みたいな気持ちですよね。使い古されすぎて状態はあまり良くないんですけど。(笑) 

真行寺 でも音も熟成しているし。

酒井 あの音はめっちゃテンション上がるよね。僕もどの曲がっていうのは特にないんですけど、聡一の家に集まって0を1にする作業みたいなのをしていて、「ベースはこういうフレーズで」ってパソコンに打ってもらうんですけど、その時の音色がシンセベースだったんです。それで完成して、家に帰ってから実際にベースで弾くと、「シンセの方がいいな……」みたいなことが結構あって。そこでBRADIOの初期の頃に使っていたWarwickのベースを引っ張り出して弾いてみたら結構ハマったので、今回の7、8割はそれで録りました。フレーズに関しても “ソウル・ギャラクシー”はギリギリまで考えていたんですけど、どうしても自分では浮かばなくて、貴秋に「ごめん、ちょっとベース考えてくれない?」って言って。(笑)

真行寺 僕、専門学校時代はベーシストだったんですけど、何十年か振りにベースのアレンジをしましたね。(笑)

酒井 何かが見えている感じがしたので。

真行寺 いや、見えているとかではなかったんだけど、ただグルーヴが欲しいなと漠然と思っていたっていう。

大山 そのうちギターのアレンジも頼もうかな。(笑)

真行寺 いや、ギターは本当に無知だから!

酒井 考えてくれたものもすごく良かったので、今後も自分が駄目だった時にはお願いしたいけどね。(笑)

大山 回数券制度にした方がいいよ!

真行寺 肩たたき券みたいなね。(笑)

■歌の面でこだわった部分というと、どうですか?

真行寺 僕は“運命へ”かな。久しぶりにグッドメロディが出来たなというか。結構スラスラと出てきて。まだまだいろんなメロディが出てくるんだなと思いました。シンプルだしエバーグリーンな感じがして、ずっと愛されるようなメロディだなと思えましたね。

■5月にはリリースパーティー、7月にはツアーも控えています。どんなライブになりそうですか?

真行寺 去年くらいからライブをいっぱいやりたいという話をしていて。「DANCE PARTY」というタイトルがついたライブも1月から始めたんですけど、その感触もすごく良いんです。リリースパーティーも踊れる感じで、コンセプトも「DANCE PARTY」みたいな感じにしたいなと思っています。

大山 シンプルにバンドがライブハウスでライブをして、それに遊びに行ったら「めっちゃテンション上がって最高だった」っていうのをやりたい気持ちが一番強いかもしれないですね。年明けからやっている「DANCE PARTY」もそうなんですけど、やっぱり違うよねっていうことをみんなで確認する作業って、めっちゃいいなと思っていて。例えば山頂で飲むコーヒーと普段家で飲むコーヒーって、中身は一緒でもシチュエーションで違く感じるじゃないですか。ライブもそれと一緒で、CDを聴くのもいいし、YouTubeで演奏を見てもらったり、どんな楽しみ方で聴いてもらってもいいんですけど、「ライブはやっぱり違うよね!」ということだけは譲れないなと。今回はとにかく楽しもうという気持ちです。

酒井 1月にFEVERでライブをした時、本当にフィーバーしていたなと思っていて。レスポンスがすごくて、「これだよね!」みたいな気持ちになったんですよね。今までもBRADIOのライブって、コールアンドレスポンスだったり、お客さんとの掛け合いだったり、貴秋が客席の方に降りたりとか、お客さんと近いところでやっていたんですけど、それができない状況が続いていて、すごく一方通行な感じがしていたんです。でも、やっとコールアンドレスポンスを復活させることができたから戻ってきた感覚もあるし、新しいアルバムのツアーということもあって、すごく面白いことができそうだなという感覚があります。絶対にぶち上がるんだろうなと思うし、その分いろんな仕掛けを仕込んでびっくりさせたいし、ぜひ楽しんでもらいたいです。

Interview & Text:村上麗奈

PROFILE
「~Break the Rule And Do Image On~」日常の世界(Rule)に、素敵な時間・空間のイメージを加え(Do Image On)、良き変化(Break)を。「日常に彩りを加えるエンターテインメント」をコンセプトに結成された3人組ロックバンド。楽曲ごと異なるサウンドを鳴らすドラムンベースを軸に、熱唱&ファルセットを使い分ける個性の強さが魅力のヴォーカリスト真行寺の歌声で、見に来たFUNKY PARTY PEOPLEを虜にするエンターテイナー集団BRADIO。
https://bradio.jp/

RELEASE
『DANCEHALL MAGIC』

初回生産限定盤(CD+BD)
CRCP-40470
¥ 5,980(tax in)

通常盤(CD)
CRCP-40471
¥3,300(tax in)

CROWN STONES
5月3日 ON SALE