チャラン・ポ・ランタン VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

チャラン・ポ・ランタン

■当初はどこから“脱走”ってキーワードが出てきたんですか?

小春 それこそ勝手に決めつけていた自分から抜け出したり、壊したりしたかったんでしょう。ここまでの凝り固まったものから逸脱したい。いわゆる「どこからの…」というよりかは、「自分からの…」みたいな。10年やってきて、いま具体的に何を最もしたかったのか?と尋ねられたら、脱走だったと。(笑)

もも 追われているのも自分であれば、追っているのも自分だったり。でも、この曲が出来た時には、「小春ちゃん何かあったの?」って心境でした。(笑)

小春 すべからく人生は脱走の連続ですから。この走っているスピードって、遅ければ遅いほど絶対にツマらないし。そういった意味では常に脱走するように走り続けていたいんです。たいぶ疲れるでしょうが。(笑) あと、今回はこの曲に限らず、ライブ感を重視してクリックも一切使わず、どれもテイク1~2ぐらいで留めている曲ばかりで。おかげさまで、中にはやっていてゼイゼイとなる曲もありましたが。(笑)

■私は“最高”が今作を最も言い表していると感じました。「私が好きと思うもの」「いいと思うもの」それだけで世の中いいじゃん!!って。それにしても今回はビジュアルも徹底していますね。

小春 もうこのアルバムは、このジャケットやアーティスト写真、MVも含め、このビジュアルそのままなんです。「私たちは未確認民族なんですよ」って。

■まさに絶滅危惧種・未確認音楽人種チャラン・ポ・ランタン!?(笑)

小春 そうそう。それこそ、「そんな私たちの生活や食生活ってこんな感じなんです」ってアルバムですから。これを全て聴けば、この未確認絶滅危惧種チャラン・ポ・ランタンの生態が伝わるというか。この民族の好きなもの、やりたかったこと、生きている意味や意義みたいなものを感じ取ってもらえたらなと。

もも 今回の発想も、ちょっと前に「アマゾンで未確認民族発見!!」みたいなニュースを見つけて。それはドローンで撮影されていたんですが。その民族がドローンを見上げている写真だったんです。「この時代に、まだ発見されていなかった民族っているんだ…」と当初は眺めていましたが、逆を言えば、その民族とたまたまこれまで出会えていなかっただけで、その人たちは常にそこに居て、自分たちの営みをしていたわけで。そう考えると、それって私たちの活動にも重なるなって。そこから「よし、これで行こう!!」と。

小春 全然、昔から好きでこの調子でずっとやってきているのに、未だ「珍種発見」みたいな扱いで。(笑) 私たちは普通だし、最高と思ってやっているのに…。だったら逆にそれを全面的に出してやれと。

■まさにラスト曲の“最高”はその言葉たちとリンクします。しかも今回は、各曲バラバラで好きなことをやっていながらも、しっかりとコンセプトアルバム然としているところも面白いです。

小春 結果的に。(笑) 完全に後づけです。このアルバムタイトルの『ドロン・ド・ロンド』もロンド=輪からドロン=ドロンする、逃げるですから。(笑)

もも もう10年やってきているんで、今作を通していい加減発見して欲しい。(笑) 「私たちはずっとここに居るゾ。おーい!」って。

■今回のアルバムってすごく無邪気ですもんね。

もも その感想は嬉しい。

小春 今までは格好もちょっとよそ行きでしたから。今回はもう言っちゃうと自分の好きな洋服を着るどころか、好きな恰好してる。それが私たちの場合は全裸だった。そんな作品です。(笑)

■(笑) とは言え、ジャケ写のこの未確認民族の衣装もすごい!

もも いつも通り今回も母親とおばあちゃんの手作りです。様々な民族衣装を上手く取り入れて、一応完全に架空のチャラン・ポ・ランタンという民族のオリジナルな衣装として仕上げてもらいました。そうそう。“脱走”のMVもよく「海外ロケだったんですか?」と尋ねられますが、実は千葉の鋸山というところで。でも、そこが首都圏ながら、ちょっと舐めていたら危険な山で。スタッフの中でも当日、軽装で行ってすごく後悔していた方もおられましたから。私たちの場合はこの衣装だったもので、その中かなり走り回っていたもので、逆に汗だくでしたが。(笑)

Interview&Text:池田スカオ和宏

PROFILE
もも(唄/ 平成生まれの妹)と小春(アコーディオン/ 昭和生まれの姉)による姉妹ユニット。2009年に結成、2014年にエイベックスよりメジャーデビュー。バルカン音楽、シャンソンなどをベースに、あらゆるジャンルの音楽を取り入れた無国籍のサウンドや、サーカス風の独特な世界観で日本のみならず、海外でも活動の範囲を広める。チャラン・ポ・ランタンとしての活動のほか、映画/ドラマへの楽曲提供、演技・CM・声優・イラスト・執筆など活動の範囲は多岐に渡る。2018年11月には、インディーズ時代の楽曲を集めたほぼベスト盤『過去レクション』を発売。2019年3月6日に、ニューアルバム『ドロン・ド・ロンド』を発売。
http://www.charanporantan.net/

RELEASE
『ドロン・ド・ロンド』

チャラン・ポ・ランタン『ドロン・ド・ロンド』

CD+DVD
AVCD-96224/B
¥5,292(tax in)

チャラン・ポ・ランタン『ドロン・ド・ロンド』

CD+BD
AVCD-69225/B
¥5,940(tax in)

チャラン・ポ・ランタン『ドロン・ド・ロンド』

CD
AVCD-96226
¥3,240(tax in)

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3月6日 ON SALE