chuLa、ここから始まる第一歩。
ビビッドなライトやミラーボール、シルバーのバルーンにネオンのハート、そしてchuLaのロゴとひとつの扉──スクリーンを彩るそれらが光に消えてオープニング映像が流れ、8人のメンバーが姿を表すと、地響きのような大歓声が彼女たちを迎えた。chuLaが9月21日(日)『chuLa 1st ONE MAN LIVE 〜START〜』を、東京・白金高輪SELENE b2で開催した。2025年5月よりスタートした現体制初のワンマンライブでは、玉響せつな、はまちひよ、明鏡みらの、陽咲みお、紫藤らら、綿森ろわ、八木ほるん、飴色りんごがステージを踏む。「ついに始まりましたワンマンライブ!熱くなっていくぞ~!」逆光の中で手拍子が響き、“全力ハリケーン”から幕を開けたステージ。ふんだんにあしらわれたリボン、パニエで膨らんだメンバーカラーのミニスカートという「正統派アイドル」な衣装とは裏腹に、キリリと締め上げた白いシューズで舞台を踏む足は強い。

陽咲みおの大きな手ぶりで始まる“トキメキCherry”では、「バカバカ野郎」のコールが見事に揃い、“史上最強うぇぽん”は、陽咲みおの勇壮なシャウトに始まり、スカートを蹴り上げて踊る。「まだまだ盛り上げていきましょう!」MCも休憩もなく、“ビバ☆ジャパン”は、右へ左へ足取り軽やかに跳ねながら、客席へ視線を送るchuLa。沸き起こるコールとフロアの熱狂の中にはグループが積み上げて来た歴史があり、しかしそれに圧倒されることなく、今の8人が堂々と歌う。強くしなやかな身体が躍動する様は、「君臨」という言葉がふさわしいようにも思えた。「改めまして、私たちchuLaです!よろしくお願いします!」オープニングの4曲をノンストップで終えて、chuLaはこの日初めて肩の力を抜く。8人はそれぞれ自己紹介と「今日を最高の日にする」、「アチアチの日にする」ことを誓って、ファンの顔を見回した。そして話題は「この夏、何をした?」というものに。メンバーはファンへ向かって「海、行った人~?」、「花火した人~?」などと聞くが、猛暑もあってか夏を楽しんだ人は思ったよりも少なめ。綿森ろわが「chuLaのライブを観に来てくれた人~!?」と叫ぶと、全員が拳を突き上げた。「ということで、chuLaといっしょに最高の夏を過ごして行きたいと思います!今日は一日よろしくお願いしま~す!」

大歓声の中、真っ青な海を背景に玉響せつなが歌い出すのは“夏のキミにテヘヘのへ”。打ち上がる花火に指先でハートを描き、この夏がchuLaの色に染まっていく。そのまま“Kisskiss”、“ケ・セラ・セラ”、“涙色星”へと続いていくライブに、フロアの熱は高まるばかりだ。chuLaのパフォーマンスは細やかなところに個性が出る。優雅に体重を感じさせない玉響せつな、細かなリズムと歩調を合わせて表情を輝かせるはまちひよ、長い脚で器用にスカートをひらめかせる明鏡みらの、高い身体能力で跳躍する陽咲みお、すらりとしたスタイルを振付に活かす紫藤らら、丁寧な足さばきでジャンプの時にも気を配る綿森ろわ、柔らかな足取りと指先で人を惹きつける八木ほるん、爪先から頭のてっぺんまで全身で振付けを見せる飴色りんご。アルト、メゾソプラノ、ソプラノの3つの音域と様々な声音を使い分け、全ての楽曲が音楽としても輝いていく。ここで、chuLaは「今日お誕生日のひと~?」と聞きつつ、「こんな機会無いから、でっかい声で『みんなお誕生日おめでとー!』」と叫んで、新曲“chuLa流キミ誕祭”を発表。有名な“ハッピーバースデートゥーユー”のメロディから始まる新曲は曲調が転々として、全てのひとの誕生日と人生を祝福する楽曲となっていた。途中にはバースデーケーキを連想させる振付もあり、8色のロウソクが揺れて燃える。

そして大盛り上がりの“ちゅららんレーサー”から、天を仰いだはまちひよが歌い始める“閃光8”へと続いたライブ。ひとりひとりがしっかりと声を響かせ、絶叫と絶唱を重ねていくこの曲は、今の彼女たちの心にあるものをそのまま描き出したものだ。そこから打って変わったピアノのイントロ。静けさを切り裂く歌声と、紫藤ららの煽りに呼び込まれる“Shooting STAR”。“閃光8”からこの曲を続けることに、chuLaの現在地と覚悟、そして強さがある。美しい背景とビートの中で、何百、何千の中からも「あなた」に向けて歌い続けるアイドルの姿と夢が、スカートと共に舞い踊った。「ありがとうございます。デビューしてから4ヶ月、普通の人では過ごせないような、非日常的な日々が続いてきました」ライブもフィナーレに近づき、はまちひよが語り出す。「突然chuLaになった日から、慣れなくても逃げられなくて、ずっとchuLaと向き合う時間が続いていました。でも今日みたいに、みんなが笑顔でライブを観に来てくれてるから、8人は4ヶ月間がんばってこられました。本当にありがとうございます!」その言葉に盛大な拍手が上がる中、彼女たちは公演に冠された「〜START〜」というシンプルなタイトルについて、「不安と期待が入り混じったような、いろんな想いが込められたタイトルで、特別なタイトル」だと話す。「これからchuLaとして、楽しいことももちろん、辛いことや悲しいこと、壁にぶつかることがあると思います。でも、私たちはここで止まりません。歴代のメンバーの方、関係者の皆さま、何よりいつも応援してくださるファンのみなさまに感謝と尊敬を忘れず、この8人がバトンを引き継いで、いつか必ず満員の武道館にみんなを連れて行きます」、「そんなchuLaが大切に思っている曲を、心を込めて届けさせてください」

刹那の感動をカウントが割き、“FIGHTING DREAMER”が壮大に幕を開ける。スクリーンに映るのは曇り空、その向こうに輝く太陽へ向かって指を突き上げ、飛翔する8人の歌声。雨模様が映し出されれば、ペンライトの閃光がchuLaの横顔を照らす。やがて景色は朝焼けへと変わり、8人は歌声を振り絞ってライブの幕を下ろした。深く深く頭を下げ、感謝の言葉を語って緊張を解く8人。それから写真撮影を楽しむファンと彼女たちの和やかな一幕に、突然「重大発表」の文字がスクリーンに映る。まず発表されたのは、新曲“chuLa流キミ誕祭”の配信リリース情報。そしてchuLaがプロアイスホッケーチーム・東京ワイルズのアンバサダーに決定し、開幕戦でステージを行うことも明かされた。さらに、2ndワンマンライブが2026年2月26日(木)に恵比寿・LIQUIDROOMで開催されることも決定。メンバーは「感動で涙が出そう」と語りつつ、もう一度ステージに並び、手を繋いで深々と頭を下げて、感謝の言葉を繰り返しながらステージを去って行った。満員の白金高輪SELENE b2を前に、武道館をも感じさせるパフォーマンスと歌声とで熱狂を誘ったchuLa。彼女たちは一歩一歩、新しいステージへと足を進めていく。

Text:安藤さやか
Photo:渡辺裕也(imaginate)
『chuLa 1st ONE MAN LIVE 〜START〜』@白金高輪SELENE b2 セットリスト
01.全力ハリケーン
02.トキメキCherry
03.史上最強うぇぽん
04.ビバ☆ジャパン
05.夏のキミにテヘヘのへ
06.Kisskiss
07.ケ・セラ・セラ
08.涙色星
09.chuLa流キミ誕祭
10.ちゅららんレーサー
11.閃光8
12.Shooting STAR
13.FIGHTING DREAMER