蔦谷プロデュースの“アンセム”とSWAY初プロデュースの“マンマミーア!”。自信作と語る新曲でライブツアーを駆け抜ける。
10月11日にDOBERMAN INFINITYが13枚目となるシングル『アンセム/マンマミーア!』をリリース。蔦谷好位置氏プロデュース楽曲“アンセム”とSWAY初プロデュース楽曲“マンマミーア!”の両A面シングルだ。リリースはおよそ2年2ヵ月ぶり。 “アンセム”は賛歌という意味を持つ言葉で、夢を追いかける人へ向けたメッセージソングになっている。“マンマミーア!”はコミカルでポジティブな最高に盛り上がれる一曲だ。カップリング曲の“100%”はDOBERMANINFINITYらしいアッパーチューン。どの曲もライブでアガれること間違いなしの楽曲に仕上がった。
9月からは来年の結成10周年に向けて、最大規模のツアーも開催。ホール、Zepp、ライブハウスの3種類の会場それぞれでユニークなパフォーマンスを魅せる。今回はKUBO-C、GS、P-CHO、SWAY、KAZUKIの5人に、楽曲の魅力とMV撮影の裏側、ツアーへの意気込みなどを語ってもらった。
■まずは表題曲“アンセム”の聴きどころから教えてください。
SWAY “アンセム”は賛歌という意味の言葉で、ツアー目前で決めたタイトルになります。コロナ禍を経て、やっと声出しがオッケーになった今、遠慮なしに大声で歌える曲を作りたいと思って完成した曲になります。なので、僕らの曲というよりは「みなさんの曲」と思って聴いてもらえたら嬉しいです。ライブでこの曲を披露する時は、みなさんと一緒に歌うのがマストです!むしろみなさんの声がないと成立しない曲になっています。
KUBO-C 聴きどころは「全部」と言いたいですね。聴いていただければ、どこかしらで心に
刺さる部分があると思います。誰もが一生懸命に生きていると思うんですが、この曲を聴いて、「こういう一生懸命のやり方でよかったか」とか、自分の今までを振り返って考えさせられる部分があるんじゃないかと思うので、特に歌詞に注目して聴いて欲しいです。
KAZUKI 今回は蔦谷好位置さんという、音楽業界でも知名度の高い、本当にすごい方にプロデュースしていただいているので、今までにないDOBERMAN INFINITYのサウンドになっています。
■“アンセム”の歌詞を読んでみて、挫折を乗り越える強さも感じました。みなさんもそういう経験があったんでしょうか?
KUBO-C 僕らがDOBERMAN INFINITYを結成した時、一番始めはアリーナツアーを目標に掲げていました。5年かかってその目標が達成されると、迷ったり、方向性を考えたりすることも増えました。だけど今、結成9年を経て、いろいろと経験した上で初心に帰ろうと思えたわけです。これまでは夢だけを追いかけていたんですが、今はまた違った考えで曲作りをしています。
■GSさんから見て“アンセム”の聴きどころはどこでしょうか?
GS 聴きどころはみなさんが選ぶものかなって思います。むしろみなさんに選んでもらいたいという気持ちもあります。これまでは「ここが聴きどころです!」と言えたんですが、今回の曲は、みなさんがどこを切り取って聴くかによって、曲の意味も変わってくるものになっていると思います。まずみなさんに伝えたいのは、僕らから放つメッセージというよりは、僕らもみなさんと同じ気持ちだということですね。僕らが成功者なのではなく、みなさんと同じように迷っているということを感じてもらいたいです。メンバーと曲作りでディスカッションする中で、「これこそ“アンセム”のテーマだな」と確信したものがあって、それが「共鳴」なんです。「共感」じゃなくて、「共鳴」というのが“アンセム”の大事なテーマだと思っています。この曲を聴いて、闘志を燃やしてくれたり、「自分の心に火が灯りました」と言ってもらえたら、最高ですね。
■P-CHOさんはいかがでしょうか?
P-CHO “アンセム”はコロナ禍を乗り越えた先で作った楽曲なので、思い入れは深いです。コロナの真っ只中はいろんなことに耐えなくちゃいけなかったと思います。僕たちもそうでした。そんな暗くて長いトンネルにいた時から、「いつかこのトンネル抜けた時に、こういう曲が歌えたらいいな」と希望を込めて、ずっと前からディスカッションをしていた作品が“アンセム”です。「ライブ会場でもう一回声を出してみんなで歌おう」という願いを込めて作った曲なので、そういう思いを受けてみなさんにも盛り上がってもらえたら嬉しいです。
■今回のシングルは両A面ですよね。同じく表題曲として収録されている“マンマミーア!”は、SWAYさん初のプロデュース楽曲です。楽曲テーマはシェイクスピアの“Alls Well That Ends Well”から着想を得たと聞きましたが、いかがでしょうか?
SWAY “Alls Well That Ends Well”というのは、「終わりよければ全てよし」と日本語訳されていて、みなさんもよく耳にする言葉だと思います。この「終わりよければ全てよし」って、なんかすごくいい言葉だなと思っていて、ずっとメモに控えて、「いつか曲にしたい」と思っていたんです。
■“マンマミーア!”のプロデュースはどんなふうに進めていったんですか?
SWAY バンドにホーンが入るという話があったので、ホーンセクションを活かすサウンドにしたいというのと、テンポ感も今までのDOBERMAN INFINITYの中でも特に早く、もっとアガれる曲にしようと思って作りました。そして何より、「ライブでなんかミスってもこの曲で全部回収できちゃう」、そんな盛り上がれる曲にしたいなっていう気持ちもありましたね。
■“マンマミーア!”の曲に込めたメッセージも伺いたいです。
SWAY 人生に例えられたらいいなと思って作ったところがあります。“マンマミーア!”を聴いた人が、その後過ごす日常の中で、何か失敗しちゃっても励ませるような、そんな曲になったらいいなとも思っています。
■“マンマミーア!”のMVもプロデュースされたんですよね?どんなコンセプトで作られたんでしょうか?
SWAY 曲作りしてる時から、Vシネマのイメージがあったので、MVでもそのイメージのまま撮影しました。曲のイントロに入っている「ローリング、アクション!」っていう声も監督の声なんです。「終わりよければ全てよし」という、映画をあの曲の中で撮っているっていうイメージでした。本当に思いのままに表現させてもらえて嬉しかったですね。それもこれも、GSさんとP-CHOさんのナイスな演技があってこそだと思っています。(笑)
P-CHO 俺は影の主人公はくぼちゃんだと思っているからね。(笑)
GS あの中でKUBO-Cはそのままを演じていたからね。KUBO-C役だった!(笑)
■“マンマミーア!”のMV撮影の思い出も聞かせてください。
GS 俺の刀だけがすごい重たかったんですよ!どっかのタイミングでP-CHOの刀と俺の刀を取り違えちゃった時があって、そうしたらP-CHOの刀はめっちゃ軽いんですよ!「あれ……?」って思ったら、P-CHOが「いってぇ、いってぇ」って言っていて。(笑) その時に気づいたんです。だけど重たかったのは俺の刀だけだったんですよね。
P-CHO 取り違えられた時、めちゃくちゃ重かったです。(笑) しかも俺、おでこを怪我していて、片手で刀を振るうっていう役回りだったんで、あの重さの刀を渡されていたら、さすがに監督に「ムリです」って言っていましたね。
GS あとは人生初の「長渕キック」ができたことがいい思い出ですかね。昔『とんぼ』っていう長渕剛さんが出演していたドラマが放映されていたんですけど、本編中に長渕さんがキックの反動で後ろにによろめくという演技をするんですよ。その独特のキック技を「長渕キック」って呼んでいて、それにずっと憧れていたんですよ。今回のMVでは、その「長渕キック」を最後のシーンで再現できたので大満足です!
■KAZUKIさんは撮影中の思い出はなにかありますか?
KAZUKI 思い出……。
P-CHO 一番魂抜けてたもんな。(笑)
KAZUKI 僕とP-CHOさんとGSさんが4時起きで撮影入りして、一番早くヘアメイク終えたんですけど、俺は最初にワンシーンだけあって、その次の俺の出番は午後になっていたんですよ……。(笑)
P-CHO ずっと「KAZUKIさんは入り時間もっと遅くてもよかったんじゃないですかね
?」っていじっていました。(笑)
GS 抜け殻の感じが最後のシーンに出ていましたからね。(笑)
KAZUKI 撮影が始まる度に一度は呼ばれるんですよ。撮影直前の打ち合わせとかに。でもカメラ回る時なると抜けさせられるっていう……。(笑) やっぱり出番がないんですよ。
■逆に新鮮な体験とも言えるでしょうか……?
KAZUKI 実際、シンプルに「役者さんってすごいな」って思うきっかけにはなりましたね。きっと俺よりもっと長い時間を待つだろうに、それでもカメラを回したら、その瞬間から「ぱっ」と演技に集中できるって、なかなかできないことだなって。俺たちの撮影はMVなのでセリフはないので、余計にそう思いました。
■みなさんは演技の側面で驚くことが多かったんですね。
GS 単純に「演者さんってすごいな」ってあらためて思った感じですね。
■SWAYさんは俳優業もされていますよね?“マンマミーア!”の撮影と、俳優業での撮影を見比べるといかがですか?
SWAY だいぶ緩い現場だなと。(笑)
一同 (笑)
P-CHO 実際はもっとヒリついているよな?
SWAY そうですね。まずNGは出せない。
P-CHO みんなに迷惑かかるもんな。
■“マンマミーア!”のMV撮影で、なにか心境の変化はありましたか?
GS 殺陣を本気でやってみたいなって思いましたね。初めて刀を持って殺陣をやったんですけど、こんだけ重い刀を持って、演者さんはあれだけの動きをしているんだなって思ったら、逆に気合が入って本気でやってみたいなっていう気になりました。出演してくれた演者さんのアドバイスとか、指導を受けた時にも、「演技ってこんなに深いんだ」って思わされて、演技の面白さにも気づきましたね。今回のMVはコメディ系だから、見てる方は緩い気持ちで見られると思うんですけど、やっている側は結構本気でしたよ。出演してくれた勝矢さんなんか、殺陣やって転がる時に「マットなんていらない!」って言っていましたからね。その熱意と真剣に笑わせようという気持ちがあったからこそ、今回のMVが面白くなったんだと思います。
SWAY 勝矢さんが熱くなってきて、どんどんとアイデアを出してくれていましたからね。(笑)
P-CHO “マンマミーア!”の曲の長さじゃ足りひんぐらいだったもんな。
GS セリフありのショートムービーとかも観てみたいよな。(笑)