光GENJIのメンバーだった佐藤寛之と山本淳一が手を組み誕生。「ふたつの風」とは……。
光GENJIのメンバーだった佐藤寛之と山本淳一が手を組み誕生したのが「ふたつの風」。このユニットが誕生する背景には、少年隊・植草克秀の存在があった。12月5日にシングル『君と物語』をリリース。1月からは東名阪を舞台にした『どこかで君と物語』のレビュー公演も控えている。どんな背景を持って「ふたつの風」が生まれたのか、佐藤寛之と山本淳一の二人にじっくりと話を伺った。
■まずは「ふたつの風」を始めた経緯から教えていただけますか?
山本 寛(佐藤寛之)くんに誘われて、植草くんのコンサートを観に行ったことがきっかけでした。久しぶりに植草くんとも会い、いろんな話をしていく中で、「一緒にコンサートに出てみないか?」というお話をもらい、そこから植草くんのコンサートの1コーナーをいただいて、二人で出始めたことが「ふたつの風」誕生のきっかけになりました。最初は、純粋に植草くんのSHOWを観に行っただけだったのに、気づいたら二人で舞台の上に立っていたからね。(笑)
佐藤 僕自身はずっとソロ活動をしていた中で、植草さんと共通の知人から、「植草さんのライブを観に行かない?」と誘われ、僕も久しぶりに植草さんのSHOWに足を運びました。会場へ行ったら、以前にグループ活動をしていた頃にお世話になっていた顔なじみのスタッフの方々もいたこともあって、あの時は「懐かしいなぁ」という気持ちもあり、植草さんのSHOWを観ていました。その後に、楽屋で植草さんと話をしていたら、スタッフの方から「一緒に出てみないか?」と声をかけられました。そういう突発的な誘いって、この界隈では昔からよくあったことで、出ることはもちろんOKだったけど、一人で出るよりは誰かと一緒に出たいなと思っていたから、良く知っている仲であり、昔からずっと繋がりを持ち続けている山本に、まずは「一緒に植草さんのSHOWを観に行こうよ。行くと懐かしい感じがするよ」と声をかけました。
山本 その当時の僕は、自分の活動を休止していた時期で。そんな時に寛くんから「SHOWを観に行こうよ、エンターテイメントの中にいるのは大事だし、勉強にもなるから」と言われて、僕自身も軽い気持ちで足を運んだところ、まさかステージに上がることになろうとは……。(笑) しかも、植草くんから僕らのユニット名もいただいて、気がついたら今回のシングル盤を発売することに……とんとん拍子に話が展開して。まさかそんな風に動くとは思ってもいなかったから、本当に嬉しいことでした。
佐藤 確かにね。植草さんのやっていたSHOWの中で、ゲスト枠として二人のコーナーをもたせてもらい、そこで二人とも久しぶりにローラースケートを履いてパフォーマンスをし出したのが始まりでした。そのコーナーを継続していくことになり、「二人で一緒にコーナーを持つのなら、ユニット名も付けちゃおうよ。新しい風を二人で巻き起こすから、”ふたつの風”にしよう」と植草さんに言われて……。
山本 まさかの展開に、「えっ?!」と驚くことばかりで。(笑)
佐藤 しかも、「せっかくユニット名をつけて出るんだから、オリジナル曲もあった方がいいよね」という話になり、それで誕生したのが“君と物語”でした。そこから、まさかの「ふたつの
風」としてのシングルリリースや、リリースイベント、そしてレビュー公演と、とんとん拍子に話が進んでいったから、僕ら自身が正直一番驚いています。(笑)
山本 気づいたら今の環境が生まれていました。(笑)
佐藤 僕自身は自分の活動もあるけど、ソロでやっているのと「ふたつの風」では、音楽の表現面では異なることもあって、そこは上手く気持ちを切り替えながら楽しんでいます。
■ということは、「ふたつの風」は今後も動いていくということなんですか?
山本 寛くん自身は長年培ってきたソロとしてのスタンスがあるから、そこは重視してもらうんだけど、「ふたつの風」に関してはコンスタントに……というよりも、お互いのタイミングが上手く重なった時にまた「新たな風を起こせたらいいな」という気持ちでいるから、「ずっとやり続けなきゃ」ではなく、二人のタイミング次第かなという感じです。
佐藤 そうだね。そこは、お互いのペースを見ながらのことかなと思っていて。今もそうだけど、「ふたつの風」としてリリイベなどの活動をしていく中で、見てくださる方々が、本当に懐かしんでくれているんですよ。そういう人たちの期待に応えたい思いを僕らも持っているからこそ、焦ることなくそこは長い目で見ていただきつつ、お互いにやれる時はやっていこうという気持ちでいます。
山本 僕らもそんなに「がむしゃらに走ります」というスタンスでもないからね。
佐藤 ただ、昔から与えられた環境が目の前にある以上は、常に現状よりも上に上にという気持ちでやってきたからこそ、そこは今も変わっていないです。
山本 そうだね。だから今は、来年1月の東名阪ツアーを終えるまでは日々成長を続けながら全力でぶつかっていくし、今もそういう毎日を送っています。
■お二人での共演は確か過去にも……。
佐藤 二人でライブをやったこともあったよね。
山本 そうだね。グループ活動をしていた時から、僕ら二人で歌うパートも多かったし、二人でメディアへ露出する機会もあったから、昔から応援してくれている人たちには馴染み深い関係として映っているとは思うけど。ただ、一緒に共演するのは本当に久しぶりだったし、ましてユニットを組んで活動をすることになって、ファンの人たちは本当に喜んでくれています。
■どこのリリースイベ ント会場でも、お客さんたちがすごく熱狂していますよね。
佐藤 あれは本当に嬉しいですよね。
山本 各地で足を運んでくださる方々には、何十年ぶりという人たちも多くて、よく舞台の下から「今まで何やってたんだー!」って冗談で言われるんですけど。(笑) SNSを通して再び僕らの活動のことを知り、直接会いに来てくれて、みなさんに本当に楽しんでもらえていることが、僕ら自身本当に嬉しいことなんです。
佐藤 本当にありがたいよね。普通に生きている中で、何十年ぶりに、しかもこんなにも大勢の
人たちと再会できるなんてあり得ないじゃないですか。ここまで僕たちが歩んでこられたのも、ファンの人たちがいてこそだから、とても感謝しています。来てくださる方々も、結婚や子育て、仕事の面など、いろんな環境の変化があり、なかなか足を運べなかったのもわかります。それでも、ずっと心の中に僕らの存在を留めていてくれたことが何よりも嬉しいんですよ。
山本 だからまたこうやって、しかも新しい形を持って再会できたわけだからね。
佐藤 この現実には本当に感謝しています。
■お二人はステージの上でローラースケート姿も見せています。それはファンの人たちにとっても嬉しい姿ですよね。しかもしっかりと馴染んでいますよね。
山本 もう身体に染みついていますからね。ただし、「昔と同じ動きをして」と言われたら、さすがにそれはもう無理だけど。(笑) でも二人で滑り出すと、自然に昔と同じ感覚に戻れるんですよね。事前に打ち合わせなんかをしなくとも、自然とアイコンタクトで互いの気持ちや動きがわかりますから。
佐藤 それって本当にすごいことですよね。ただ、僕に関しては息が上がりそうと思える瞬間もあれば、コケそうになる場面もたまにあるから。(笑) あの当時は平気だったことが、「あれ……?」となることは正直ありますよ。(笑) でも回数を重ねるごとに、そこもレベルアップしていますからね。
■お客さんはその姿を見られるだけでも嬉しいんじゃないですか?
佐藤 そうだと思います。だからこそ、僕らもたとえ転んでもいい、とにかく思いきりやることが大事だと思って毎回滑っています。その意識で向き合うことで、自然とパフォーマンス力も高まっていきますしね。
山本 嬉しいのが、同じ世代を過ごしてきた人たちだけではなく、SNSを通して、昔の映像を見てファンになってくれたという若い人たちも意外に多いことなんですよ。中には、親子で来てくれている人たちだっていますからね。でも、その子たちが見ている姿って、僕らが10代の頃だったりもするわけじゃないですか。当時と同じパフォーマンスはさすがにできないんだけど、それでも特典会の時に「変わっていないです」、「カッコよかったです」と言ってもらえると、その言葉が僕らの原動力にもなります。だからこそ、僕らもみんなの期待に精一杯応えていけるようにと、毎回一生懸命にパフォーマンスをしています。
■お二人がまた新しい世代にも新たな風を巻き起こしているんですね。
佐藤 そうだとしたら嬉しいですよね。僕らはいくつになっても、やれることを必死に一生懸命にやるだけですから。