GLAY『LIVE TOUR 2022 〜We♡Happy Swing〜 Vol.3 Presented by HAPPY SWING 25th Anniv.』ライブレポート@幕張メッセ国際展示場 7月30日(土)

GLAY『LIVE TOUR 2022 〜We♡Happy Swing〜 Vol.3 Presented by HAPPY SWING 25th Anniv.』ライブレポート@幕張メッセ国際展示場9・10・11ホール

「25年経ってもこんなに素敵な景色が見れるなんて幸せです!」全23曲、感謝伝えたGLAY FC設立25周年ライブ

GLAYオフィシャルFan Club「HAPPY SWING」の発足25周年を記念したスペシャルライブ 「We♡Happy Swing」の第三弾となる「We♡Happy Swing Vol.3」の幕張公演が7月30日、31日に行われた。本稿ではその1日目の様子をレポートする。本来はファンクラブ会員限定のライブとなる予定であったが、昨年の夏の延期を受け、会員以外でも参加できるツアーとして組まれた本ツアー。集まったファンに感謝を届けるように、愛のあるステージを作り上げた。

定刻、会場の中心に設置された円形のステージを縁取るように現れたのは、マーチングバンドのYOKOHAMA ROBINS。開幕を知らせるようにGLAYのヒット曲のカバーをメドレー形式で演奏する。会場は手拍子に包まれ、本人たちが登場していないにも関わらず、会場の高揚感を高めた。そんなオープニングを終え暗転すると、これまでのアーティスト写真をはじめ、数々の写真がハートマークを織り成し、「We♡Happy Swing」のロゴが完成するムービーが流れ、ライブ本編へ。

コロナ禍以降、歌詞や曲名をスクリーンに映し出すことで歌詞を伝えようという気概を見せていたGLAYだが、その試みはこの日も顕在。“a Boy~ずっと忘れない~”でスタートし、「もしも涙こらえきれず こぼれそうなそんな時には この詩を」と、じっくりと歌詞を伝えていく。この日のうだるような暑さを飛ばすようなTAKURO(Gt)による軽快なリフとともに“summer FM”を演奏すると、ステージから客席上方に向けたレーザー照明がダイナミックに印象を変えた“YOU MAY DREAM”では、サポートドラムのToshi Nagaiによる奮い立たせるようなドラミングが牽引する。コールアンドレスポンスはできなくとも、TERU(Vo)がマイクを向けるとオーディエンスは手拍子で応え、声が出せないことなど支障でないかのように熱狂を高めていく。HISASHI(Gt)の気迫溢れるギターイントロから“BLACK EYES SHE HAD”に突入すると、JIRO(Ba)が地を這うようなベースを聴かせ、TERUによる艶のあるボーカルが響き渡る。

この日、ステージ上方にはスクリーンが設置されていたが、ジンバルを持ってステージを駆け回るカメラマンによる臨場感のある映像が映されていたのも見どころであった。“風にひとり”に入ると、それまでとは印象を変えて荘厳な雰囲気に包まれる。シンプルながら心を掴むような力のあるドラムフィルをはじめとする存在感のある音色が響き、“GONE WITH THE WIND”では再びキャッチーなサビで明るく導いていく。円形のステージといえば、他のステージよりも見えるメンバーに偏りが出てしまうのが避けられない特徴でもあるが、この日はステージが時々少しずつ回転することで、どの角度のステージも楽しむことができた。本編中、デビュー時からの写真を年代ごとに振り返る映像が何度かに分けて流れるインターバルがあったが、その間に少しずつステージが回転。本編中はほとんどMCはなかったが、それでも水分補給ができるような短い休憩を挟みながらステージを回転する時間と映像を流す時間を同時に取り、スマートな進行で次々に楽曲を披露していく。

そんなインターバルを挟むと、「12年前の曲です!」と“月の夜に”へ。サポートキーボーディストのハジメタルはアコーディオンに、TAKUROはアコースティックギターに持ち替えて穏やかな音色を奏でると、オーディエンスも自由に身体を揺らす。「いつまでもこのままでいられたなら」と祈るように、最後には「月の夜に」の歌詞を「幕張の夜に」と変えながら歌い上げると、最後には「今夜はみんなの愛で、心を光でいっぱいにしましょう!」と伝え、温かく愛に溢れた空気を作り上げた。じっくりと語尾の消え際まで聴かせるような歌声を響かせた“HOWEVER”では、歌詞にこもる感情も一段と大きなものになり、息をのむような美しさと迫力で魅了。“My Private “Jealousy””では、これまでの静謐な空気を一変する力強さで圧倒すると、風刺的かつ遊び心満載の“百花繚乱”、9月発売のシングルに収録される“GALAXY”と、ライブは後半に向けて盛り上がりを増していく。

紫や橙といったビビッドなレーザーでカオスな雰囲気を作った“SHINING MAN”では、間奏中に企画が行われるという展開に。事前にオーディエンスに配られた青と赤の両面のカードを掲げてメンバーによる2択の質問に答え、コミュニケーションを取るというFCでの人気企画だ。JIROは「これからも無歓声ライブがいいか、それとも早く騒ぎたいか」と質問し、TAKUROは「1年間JIROを預かってくれと頼まれたら、5歳のJIROか5人のJIROか、あなたはどっち? 5歳はそれはそれはかわいいです。でも5人いたら稼いでくれます」と笑いを誘った。ひとしきり楽しんだ後は、「最後まで楽しんでいってください!」と演奏を再開。“ビリビリクラッシュメン”、“ピーク果てしなく ソウル限りなく”と続いて、本編最後の“ACID HEAD”では太い音色を響かせながらメンバーも花道を歩き周り、盛り上がりも最高潮に。「25年経ってもこんなに素敵な景色が見れるなんて幸せです、ありがとう!」と全19曲、大ボリュームの本編を終えた。

アンコールではメンバーからのMCも。今日で984回目のライブを共にしたことになるというToshi Nagaiは「25周年おめでとう。続けるのが一番難しいけど大切なことだなと。これからも身体が動く限りドラム叩いてサポートしていきたいです」と、ハジメタルは「とても楽しかったです」と感想を話し、JIROは「人数制限もなく久々に満員の客席を見て、なんて幸せなんだろうって思いながら演奏していました。今日もステージに立てて嬉しいです」と噛みしめるように語る。「もう25年ですか!」と話し出したHISASHIは「今回のツアー、非常にバンドの状態が良かったんですよ」と振り返り、アンコールで着用したバンドTシャツに触れつつ「さっきこれに着替えて、変じゃない?ってTAKUROに聞いたら、お前はいつも変だ!って言われました」と笑いを誘う。それを受けたTAKUROは「人には親切でいたいと思うんだけど、HISASHIにだけはお前って言えるんだよね」と返答。「幕張でまた素敵な思い出が出来ました」と喜びを話すと、TERUは「マスクしながら大変だったと思うけど、2時間我慢してくれてありがとう。18000人も集まってくれて本当に嬉しいです」と語りかけ、「みなさんの笑顔が作品作りの根本です。悲しませたくないし、一緒にいる時間は笑顔でいたい。これからも、音楽とみなさんと真摯に向き合っていきたいです。これからもよろしくお願いします」と素直な思いを伝えた。そして、新曲の“We♡Happy Swing”、これから先を見据えるような“はじまりのうた”を披露し、“Happy Swing”で幕を閉じる。

「これからも家族みたいな感じで集まってもらえたらなと思います」と、ファンクラブ発足25周年を迎え、改めてファン一人ひとりへ気持ちを伝えた、真摯で愛にあふれた温かい公演となった。

Text:村上麗奈
Photo:岡田裕介、田辺佳子
https://www.glay.co.jp/

『LIVE TOUR 2022 〜We♡Happy Swing〜 Vol.3 Presented by HAPPY SWING 25th Anniv.』セットリスト01. a boy 〜ずっと忘れない〜
02. summer FM
03. YOU MAY DREAM
04. BLACK EYES SHE HAD
05. 風にひとり
06. GONE WITH THE WIND
07. 月の夜に
08. ゆるぎない者達
09. HOWEVER
10. My Private“Jealousy”
11. ROSY
12. 時の雫
13. クロムノワール
14. 百花繚乱
15. GALAXY
16. SHINING MAN
17. ビリビリクラッシュメン
18. ピーク果てしなく ソウル限りなく
19. ACID HEAD
20. GLOBAL COMMUNICATION
21. WE♡HAPPY SWING
22. はじまりのうた
23. HAPPY SWING