Hakubi VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■マツイさんも感情を読み取ってドラムに活かす、みたいな意思疎通をしているのがすごいですね。

マツイ めちゃくちゃ怒っている感じだったら「自分も怒ったろ!」みたいな。「このウェーブに乗っからな!」みたいな感じですね。(笑) テンション上がっちゃうんですよね。でもアルを見たらめっちゃ冷静で。

片桐 そうだね。そこでアルくんがちゃんと冷静を保ってくれているからちょうどいいと思う。ストッパーになってくれているというか。

ヤスカワ 「ライブの時は堪忍してくれ……」って思いますけどね。(笑) 打ち合わせしてからやって欲しいタイプです。

片桐 打ち合わせしてなんてライブじゃないよ!

ヤスカワ それをライブっぽく見せるのがアーティストやと思う。

片桐 なるほどね……。勉強になります!(笑)

■2ndフルアルバム『Eye』のリリースも3月に控えていますが、どんなアルバムになりそうですか?

片桐 去年配信リリースした楽曲も含めて全10曲になっていて。アルバムってやっぱり裏面曲があることもあると思うんですけど、今回は全部1曲ずつでも押し出せるような楽曲になっています。全曲いろんなアプローチをしているので、Hakubiの新しい一面を覗けるし、バンドの可能性を感じてもらえるようなアルバムになったと思います。

■2021年の9月にファーストアルバム『era』をリリースしてから今までの間、曲作りや考え方について大きな変化はありましたか?

片桐 2021年9月に前作をリリースしてから、その年の12月にはもう次のアルバムを作り出していたんです。そこから1月、2月って作っていったんですけど、アレンジの可能性がすごく広がったなと思いました。『era』に入っていた“アカツキ”とか、“Friday”とか、電子音を織り交ぜたりしたこともあったんですけど、それがHakubiにはぴったりだったので、“Twilight”にも電子音を使っていこうということになって。ちゃんと自分たちの広がりを作れるようになったなっていうのは思いましたね。

ヤスカワ やっぱりメジャーデビューアルバムって、どうしても初めてなので硬い構成だったり、硬い音色になっていたんですよ。それもそれで経験なので、最近の音楽市場とか、リスナーの耳に合わせてサウンドメイクするべきだなと僕は考えていたのでいいんですけど。でも今回は、恋愛ソングだったり、バラードっぽい曲もあるんですけど、それぞれ『era』とは違うような方向性のアレンジにするっていうのを心がけましたね。例えば、表題曲の“Eye”とかは4つ打ちのアップテンポで、早口でまくしたてるような曲になっていて。それはこれまでにはなかったニュアンスだったので、そういうところでも新しい層をゲットしていけるような仕掛けができたかなって思っています。

マツイ 『era』のコンセプトが「今までとこれから」で、インディーズで培ってきたものプラス、メジャーでやっていくぞっていう挑戦を1個にした作品だったんです。なので、今回の『Eye』では、より挑戦した楽曲にするみたいなのを意識していて。芯はブラさずに、変化し続けたいなと思っているので、振り幅は前作よりも効いているアルバムになったなと思います。

■昨年行われた初のホールライブ、『Noise From Here – HALL edition』を観せてもらってたんですが、ライブハウスとはまた違った響きであったり、良さがあって。それはみなさん自身も感じたと思うんですが、手ごたえはいかがでしたか?

片桐 Hakubiのライブの中には座って聴いてもいい時間があって良いなと思えましたね。前のめりになって聴く曲もあるし、「座ってじっくり聴いてもいいよ」って言えるような楽曲もたくさんできて。もっとホールでも挑戦できることってあるんじゃないかなっていう気付きもありました。

マツイ ホールでしかできない演出を試行錯誤して、あの時の自分らでできることを全部やったつもりですけど、やりきってみて、演出にも負けていない演奏力、ライブ力があったのかなっていうのは感じました。昔はバンドがホールでやるライブに行った時に、良すぎて「もうライブハウス行かんでもよくない?」みたいになったことが、何回かあるんですよ。いい意味なんですけど、そうなるのはバンド側からしたら悲しいことで。それをホールの日までに懸念していたんですけど、いざ蓋を開けてみたら、ホールっぽい演出をしているけど、ライブハウスでやっているようなパフォーマンスもできていて。ホールの演出負けしなかったことが、一番自信に繋がりました。

片桐 ちゃんとライブハウスで始まって、ライブハウスで精査してもらったからこそっていうのもありますよね。ライブハウスの音が似合うバンドももちろんいて、自分たちもそういうバンドにちゃんとなれていたと思っているので、メジャーでも戦えるというか。ホールみたいな広いところも似合うバンドになっていけるんだなってすごく感じました。

ヤスカワ もちろんある程度似合うっていうことは分かっていながら、ホール公演を組ませてもらったっていう前提で、めちゃくちゃいいライブができたんじゃないかなっていうのが感想ですね。インディーズから熱量一発で押し切らなくてよかったなと思いました。自分たちの見せ方を見誤らなかったのが、最大の功績かなと思います。

■4月にはツアー『Eye to Eye』もあります。3ヵ月後に控えた今の気持ちはどうですか?

片桐 本当に1ヶ所、1ヶ所、そこでしかできないこと、その時いた人たちとしかできないことをやっていきたいなと思います。ご時世にもよるんですけど、このツアーから声出しを可能にしたいなと思っていて。コロナ禍になってから声出しできる日のために作ってきた曲もあるので、その曲を歌えるのがすごく楽しみですね。ちゃんとみんなと向き合うような楽曲ができたなと思っているので、楽しみです。

マツイ 前回のアルバムよりも振り幅が利いている楽曲が多い中で、お客さんも「新しい曲をどう聴かせてくれるんだろう?」って想像して観に来てくれると思うので、その想像の3個上くらいを行きたいですね。

片桐 3個って、なんの3個や。(笑) 

マツイ (笑) そのすごさに触れる度に「またライブ行きたい!」って感情に繋がると思うので。もし想定内やったら、良いスピーカー買って流しているだけでライブっぽく聴こえるじゃないですか。これからも観に来てもらうのに繋げるためのツアーでもあると思うので、あとは前回の「今までとこれから」の「これから」を今回提示しているわけなので、その答え合わせというか、そういうのを確かめるツアーになるのかなと思います。

ヤスカワ 特に最後のLINE CUBE公演とかは結構大きいので、友達とか呼んで自慢したろかなと思いますね。(笑) 最近はライブ離れとか言われていて、ライブハウスも泣いているところも多いと思うんですけど、2023年からは、こういうライブの文化を取り戻していかないといけないと思うし、そういうこともテーマになってくるのかなと思います。

片桐 確かに。ライブの良さを知ったら「またライブに来たい!」ってなるしね。今の若い人ってまだライブに来たことない人たちも多いと思うので、ぜひ来て欲しいです!

Interview & Text:村上麗奈

PROFILE
2017 年結成、京都発スリーピースバンド「Hakubi」。地元京都を中心に全国で活動中。Vo/Gt. 片桐が紡ぎ出すストレートな言葉とその弱さを押し殺すように訴えかける力強い歌声が早耳のリスナーから支持を受け、“夢の続き”のMVはYouTube にて320万回再生を突破。1st、2nd、2枚のe.pは、ライブ会場限定にも関わらずそれぞれ3,500枚を完売し、2019年4月、3rde.p『光芒』を初の全国流通でリリース。2021年9月8日リリースのメジャーデビューアルバム『era』より第一弾先行配信シングル『アカツキ』は、バンド初となる地上波ドラマ主題歌の書き下ろし作品となった。2022年はVIVA LA ROCK、METROCK、京都大作戦、JOIN ALIVE など、続々と大型フェスに出演。ますます目が離せない。
https://hakubikyoto.com/

RELEASE
『Rewrite』

ポニーキャニオン
1月15日 ON SALE

『Eye』
2ndフルアルバム
https://lnk.to/Hakubi_Eye

ポニーキャニオン
3月15日 ON SALE

LIVE
■Hakubi one-man tour 2023 -Eye to Eye-
2023年4月1日(土) 福岡 LIVEHOUSE CB(17時30分開場/18時開演)
2023年4月2日(日) 岡山YEBISU YA PRO(17時30分開場/18時開演)
2023年4月7日(金) 名古屋ELL(18時30分開場/19時開演)
2023年4月8日(土) 金沢vanvanV4(17時30分開場/18時開演)
2023年4月15日(土) 札幌BESSIE HALL(17時30分開場/18時開演)
2023年4月23日(日) 仙台MACANA(17時30分開場/18時開演)
2023年4月27日(木) 大阪 BIGCAT(18時15分開場/19時開演)
2023年4月30日(日) 東京LINE CUBE SHIBUYA(17時開場/18時開演)

Hakubi オフィシャルメンバーシップ
Hakubiのオフィシャルメンバーシップが2023年1月からオープン!
会員限定チケット先行、オリジナルグッズ販売をはじめ様々なデジタルコンテンツを企画中!
https://hakubi-fc.jp